ゼロとティファはフランスエリアにあるアリーナの上を飛行していた。2人の目の前に二機のISが出現する。2人は加速し、二機へと接近する。
「……」
ゼロが近づいた一機はゼロ目掛けて大剣を振り降ろす。ゼロはこれを横にずれて躱す。
(なんだこの感じ、人の気配がない)
今の動作を見て、ゼロはそう思った。ゼロはゼットセイバーをコールし、黒いISの右肘に斬りかかる。ゼットセイバーがISの腕に触れた瞬間、絶対防御は発動されることは無く右肘から先が宙を舞う。
「は?」
ゼロは素っ頓狂な声を上げる。切れた腕の断面を見ると血は一滴も流れていない。
(まさか無人機!?なら人の気配が無いのは納得出来る。だが絶対防御が発動しなかったのはなぜだ)
黒いISは左腕で銃を構えるが、懐に入り込まれ、胴体を十字に切り裂かれ落下して行く。ティファの方を見るとビームサイスを振り回し、ISの首を刈り取っていた。
「え?」
ティファは吹き飛んだISの頭を呆気に取られながら見ていた。まだ起動出来るISは大剣を振り上げるがゼロに背後から一刀両断される。
「ゼロ!あれ何なの!?」
ティファはバイザーを上げ、ゼロに近づく。
「落ち着けティファ。多分あれは敵の開発した無人機だろう。使われているのは多分、量産型コア。そして絶対防御が存在しない」
仮面を装備しながらボイスチェンジャーの声で話すゼロ。
「無人機……なら、遠慮せず倒せるわね」
ティファはバイザーを下げビームサイスを両手で強く握る。
「ああ、そういうことだな!」
ゼロは後ろを振り向きながらセイバーを振るう。するとそこには無人機がいて、右手を切断される。ゼロは無人機の腹を蹴り、地面へと叩き落す。
「別々に行動するぞ、そっちの方が効率が良い」
「了解」
ゼロとティファは互いに真反対の方向へ飛んで行った。
〜ドイツエリア〜
現在、ドイツの黒ウサギ部隊は無人機20機ほどと交戦していた。
「うおおお!」
黒ウサギ部隊の隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒは愛機であるシュバルツェア・レーゲンに搭乗している。接近してきた無人機をプラズマ手刀で胴体を切断する。
「隊長、こいつらは一体なんですか」
ラウラと背中合わせになりながら黒ウサギ部隊副隊長、クラリッサ・ハルフォーフはラウラに疑問を投げかける。
「無人機だ。だが以前学園を襲撃してきたやつとは形が違う。同一人物の作り上げた別型か、はたまた別人が作り上げたものか……」
ラウラは冷静に敵機について考察する。
「ヤバイですよ隊長、こっちの戦力が5機なのに向こうは15機近くあります。このままじゃ……」
すでに2人は10機程の無人機に囲まれており、残りの三人も残りの5機と戦闘を繰り広げていた。2人を囲んでいる10機が左手の銃を構える。
「くっ……」
下唇を噛むラウラ。無人機の銃が光り始めた時
スパン……
一機の無人機の上半身と下半身が分断され地面に落ちる。何が起きたのか2人にはわからなかった。気付いた時には無人機は切断されていた。
ズドドドドドドドド!
上空からビームの雨が無人機達に降り注ぐ。無人機達はこれを躱そうとするが二機、ビームの雨によって爆散してしまう。
「何だ……何が起きてる」
現在の状況について来れず呆然としてしまうラウラとクラリッサ。すると上空からフワリと一機のISが着地する。
「大丈夫?危なそうだったけど」
そのISの色は薄いピンク、背中にある二つのウイングスラスターは薄いピンク色であり、バイザーを装備している為に顔は分からない。パイロットの名はティファニア。
「何者だ、貴様」
殺気を放ちながら問い詰めるラウラ。
「私は亡国機業の1人よ」
ラウラの殺気に怖気づくこと無く平然として答えるティファ。
「なんだと、これは貴様らの仕業か」
「違うわよ、もしそうだったとしたらあいつらを破壊する訳ないでしょ。今回の任務はこいつらの殲滅」
「ちっ、貴様らのいう事は信用出来ないが、こいつらの殲滅をしてくれるのなら邪魔はしない」
「そう、なら助かるわ」
ティファはビームサイスを構える。
「貴方達は向こうの4機をお願い、私はあっちの3機を倒す」
ティファは無人機の集団へと突撃して行く。無人機のうち一機は大剣を構え接近する。一機が大剣を振り下ろしたその時、ティファは瞬時加速してカウンターの様にサイスで切り裂く。その一瞬の接触で無人機の胴体は引き裂かれ、膝から倒れる。
「次」
ティファが残りの二機に狙いを定める。二機は既に銃を打つ準備をすましており、一斉にビームを発射する。ティファが左手の甲をビームの飛んでくる方向に向けると、左手からビームシールドが出現してビームを防ぐ。
「まだまだ!」
ティファは左腕を後ろに引いた後、水切りの様な投球フォームで左腕を素早く振り抜く。するとビームシールドがフリスビーの如く飛んで行き、無人機一機を縦に真っ二つにする。先程、無人機の一機を上下に引き裂いたのはこの武器だ。
残った一機はビームを連発するが、ティファはサイスを収縮し、地面を滑る様に移動し接近する。間合いを詰めたティファは右手を無人機の顔に突きつける。無人機は両手の武器を収縮してティファをつかもうとするが。
「撃つ!」
右腕の装甲に装備されているビームマシンガンから弾丸が放たれ、無人機の顔に直撃する。怯む無人機は一歩一歩後退して行く。それでも撃ち続けるティファ。遂に耐えきれなくなったのか無人機の頭部が爆発する。
ティファは撃つのを辞め、背後に回り込むと腰から一本のビームサーベルを取り出す。それを爆発した無人機の首の断面に突き刺すと、無人機は力を失い、膝からうつ伏せに倒れる。
「胴体の部分を傷つけたら機能は停止するのね」
無人機からサーベルを背中を経由して引っこ抜き、ビームを解除してくるくると回すティファは今までの戦闘から得たデータを元に結論づける。
「でも、最初に落下してきたビームとこいつらの使っていたビームじゃ出力が違う。どうして?」
無人機の残骸を見ながら、顎に手を添えて考えるティファ。しかし、真横から挟み込むように二機の無人機が接近してくる。するとシエルのウイングスラスターからビームの翼が出現し羽ばたく様に動かすと、無人機は躱しきれずに切断されてティファの足元に転がってくる。
「さてと、次はどうしましょう」
「はっ!」
シュバルツェア・レーゲンの大口径リボルバーカノンによって放たれた弾丸は無人機の胴体を貫く。現在、黒ウサギ隊が交戦している
ティファの参戦によって戦況はこちら側に傾いている。一機、また一機と敵を粉砕していく黒ウサギ隊。最後の一機を4人がかりでワイヤーによって縛り上げ、身動きが取れないようにする。
「……ずいぶんと苦しませてくれたな」
ラウラは一歩一歩ゆっくりと無人機へ接近していく。そして無人機との距離が1mまで縮まると歩くのを辞める。
「だが、これで終わりだ」
右手を横に降ると、右手から赤色のビームブレードが出現する。これこそがドイツの開発したシュバルツェア・レーゲンの新装備。その名も
「ベルリンの赤い雨!」
振り下ろされた手刀によって、無人機の機会音は途絶えた。
「これで、ラストォ!」
ゼロは無人機を壁に叩きつけ、セイバーを突き刺す。ここはフランスエリアとイギリスエリアの境目、ティファと離れた後のゼロは15機の無人機と交戦していた。辺り一面には四肢の千切れた無惨な残骸達が残っていた。
「ちっ、まだ残っていやがったか……」
ゼロは舌打ちをしながらセイバーを引っこ抜く。空中から接近する三機の無人機、ゼロは直様バスターショットを構えるとチャーショットを一機の心臓目掛けて放つ。ビームは無人機の心臓を貫き、爆散する。
残りの二機は二方向からゼロを攻撃しようとするが、ゼロは一機に向けて突撃する。無人機が振り下ろす大剣を躱し背後に回り込むと、無人機の両腕を掴み、足で背中を押しながら引きちぎる。接近して来たもう一機を千切った腕で叩きつける。無人機は空中での制御を失い落下していく。続けざまに、腕を引きちぎられた無人機の背中にセイバーを突き刺し、高速で落下する。
「落雷牙」
落ちた無人機目掛けて、落下していくゼロ、無人機は 落下してくるゼロに気付き転がりながら移動する。
地面へと突き刺さるセイバー、既に腕の千切れた無人機は機能を停止している。ゼロはセイバーを引き抜き収縮する。体制を立て直した無人機と向かい合う。互いの距離は約30m。
「「……」」
沈黙の両者、辺りには静寂が広がる。
「は!」
静寂を破ったのはゼロ。武器を何も持たず、無人機へと突撃する。無人機はすかさずチャージしたビームを放つ。ゼロは迫ってくるビームに対して右手を突き出す。
ゼロの右手が白く光り、唸る。
圧縮された高濃度のビームが右手を包み込み、発光している。無人機のビームとゼロの右手が接触した。無人機のビームは川が岩によって流れが変わる様に二方向に別れる。接近した後、ゼロは右手で無人機の銃を握りつぶし破壊する。
「これがぁ!」
ゼロは右脚を力強く踏み込み、ビームをまとった右手を無人機の腹に突き刺し、天高く掲げる。地面を強く踏んだ衝撃で、足元の地面に亀裂が走る。
「シャイニングフィンガーというものか!!」
暴れていた無人機は力を無くした様に動かなくなった。すると突然、無人機が内部から爆発した。ゼロは残っている残骸ごと右手を横に振るい、残骸を飛ばす。
(アニメを見て試しに作ってみたものの、威力が高いな。全力の一撃を人間に使うのは控えた方がいいな)
右手についた残骸を左手で払い落とす。辺りには戦闘音が響いているが、周りは異様に静かだ。近くにあった建物の壁に体を預けて休憩するゼロ。
(流石に数が多いな……だが、まだ敵の大将がでて来ていない)
ゼロは空を高く見上げる。
(おそらく、まだ敵の大将は空の上にいる)
ゼロは壁から離れ飛びたとうとするが突然、横から実弾が飛んで来た。咄嗟にその場から離れ、銃弾の飛んで来た方向を見る。其処にいたのはオレンジ色のIS、ラファール・ネオ。
「シャルロット・デュノア……か」
ゼロはデュノアの方向を見ながらバスターショットを構える。相手も同様にアサルトライフル[ガルム]を構えている。
「動かないで!もし変な事をしようとしたら、君を倒すよ」
デュノアがゼロに対して注意する。しかし、その唇はゼロに対する恐怖のせいか、僅かに震えている。それに対してゼロは余裕そうな様子でいる。
「今回のことも君たちの仕業なんでしょ」
唇を震わせながらもデュノアはゼロに尋ねる。
「いいや、違うね」
「そんな事は信じられないんだよ!」
ガルムの引鉄を引き、弾丸を放つ。しかし、ゼロはスライド移動をしてそれらすべてを躱す。
「いいぜ、お前が俺を邪魔する気なら、任務の為に撃破してやるよ」
ゼロは何処か愉しそうに喋る。ほんの僅かだが右手が光っている。
「来いよ」
右手の指をクイクイっと動かし挑発するゼロ。
「そんな手には乗らないよ!」
デュノアは後方へ下がりゼロとの距離を取ると両腕にサブマシンガン[レイル]、そして背中にある
ビームランチャー[クード]を構える。ゼロは落ちていた無人機の大剣を拾い、デュノア目掛けて投げつける。デュノアはこれをクードで吹き飛ばす。ゼロは比較的胴体に損傷の少なかった無人機二機を盾代わりにしながら突撃する。
「吹き飛べ!」
クードから放たれた一撃、ゼロは無人機に当たらないようにしながらこれをかわす。ある程度接近したところでゼロは無人機をデュノア目掛けて投げつける。レイルにより撃ち落とそうとするが、無人機は突然閃光を放ち、続いて爆発し大量の煙が発生する。
「閃光弾とスモークグレネード、そんな事をしても無駄だよ」
デュノアは正面から接近してくる物体に向けて、クードそしてレイルを乱射する。手応えはあった、銃弾の直撃する音が響く。
「まだまだ」
うち続けるデュノア、弾丸の直撃する音が止まった。その感覚に気づいたデュノアは銃を打つのをやめる。するとコロコロと足に何かが当たる。視界が悪い中でそれを確認する、それは無人機の頭部だった。
「敵は何処!」
ハイパーセンサーセンサーを使い
、ゼロの位置を確認するデュノア。真後ろから機体が接近してくる。後ろを振り向くと其処には右手を振り下ろすゼロがいた。レイルを使い光る右手を受け止めるが、一瞬にして握り潰される。ゼロは離れて距離を取る。辺りを埋め尽くしていた煙はなくなった。
「なかなかやるな、正直見くびっていたよ」
「それはどうも、百春の作ってくれたこいつなら君でも倒せるよ」
「ふっ……ずいぶんとその機体と自分を過大評価してるみたいだな」
デュノアを鼻で嗤うゼロ。
「過大評価じゃないよ、僕は君を倒す」
力強い視線でゼロを睨むデュノア。しかし、ゼロは余裕な態度を崩さずにいる。
「笑わせてくれるなぁ、デュノア社の奴隷」
「今なんて言った!」
ゼロの発言に激昂したデュノアはレイルを収縮しし代わりに二本のビームサーベルをコールし瞬時加速でゼロに接近する。
「聞こえなかったのか、デュノア社の奴隷って言ったんだよこの野郎」
「誰が奴隷だ!」
振り下ろされた二本のサーベルを右手とコールしたセイバーで受け止める。
「親の会社の都合でIS学園に男として入学し、男性操縦者である織斑百春に接近して白式のデータを奪おうとした。そして正体が暴露たあとは百春に惚れたといってつきまとっている。この惚れたのもデュノア社の命令じゃないのか?」
「黙れ!」
ゼロを押し返し、追撃をしかけるデュノア。しかし、ゼロは接近してくるデュノアを中心に円状移動を行い背後に回る。右手を使い、クードごと敵のバックパックを破壊する。
「このぉ!」
振り返りゼロの方向を向こうとするデュノアだったが、振り向いた瞬間に威力を半分以下に抑えた光る右手のストレートが顔面に直撃する。錐揉み回転しながら吹き飛ぶデュノア、何回も地面にバウンドしながらようやく仰向け状に倒れる。
「それでやっとのことで手に入れたデータを使ってつくった機体がこのざまかよ」
一歩一歩近づきそしてデュノアの頭部を踏みつけるゼロ。
「お前の敗因を教えてやろうか」
デュノアの腹部を右手で掴み、持ち上げる。
「距離をとってサブマシンガンなんかをつかっていたら良かったのに、接近戦が得意な俺に対して接近したことだ」
右手が仄かに光ると同時にデュノアが暴れ出す。
「が……あが……あっあ」
「安心しろ殺しはしない」
右手の光が弾け、デュノアは気絶したのか力を失い暴れなくなった。ゼロが手を離すと、デュノアは地面に倒れこんだ。
ラファールの武器の名前は適当です。