インフィニット・ストラトス 亡国の一夏   作:OLAP

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ガーベラ

 

 

空へと上がって行くゼロは腰のアーマーに手をかけ、中からゼリー飲料を取り出し、仮面を口の周りだけ外し素早く飲む。ゼリーを飲み干すと仮面を元に戻し、ゼリー飲料の袋をアーマーの内部に収納する。

上昇する速度を上げる。すると後ろから何かが近づいてくる。後ろを確認すると、ブルー・ティアーズに搭乗しているエリナが接近してきている。そして上を見ると四機の無人機が落下してくる。

 

「まだ、いやがるか……」

 

直様ゼットセイバーをコールして無人機めがけて突撃する。だが、四機の内、二機はゼロではなくエリナへと向かう。

そして、残った二機はゼロに向けて剣を振るう。しかし、ゼロは円周運動を行い一機の背後に回り込み、ゼットセイバーで左右真っ二つに切り裂く。そしてそのままセイバーを収縮した後、残った一機の胸めがけて光る右手を放つ。

 

「うおおおお!」

 

光る右手によるストレートを相手の装甲に当たった瞬間、内側に捻りこむように回転させ、コークスクリューブローの容量で一気に敵の装甲を貫いた。右手を引き抜くと無人機は力を失い落下して行った。

 

再びスラスターを吹かせ一気に上昇して行く、そして空を覆い尽くす入道雲へと突入する。

 

視界が不安になる。しかし、どんどんスピードを上げて行く。そして…

 

ブォン

 

入道雲から勢いよく脱出し、ゼロが見たものは

 

何十体もの無人機

 

無人機達は一斉に攻撃しようとするが、その動きが止まり急降下して行く。残ったのは一機。だがその見た目は明らかに無人機とは違う。紫色の全身装甲タイプのIS。機動性を重視しスマートなフォルムをした黒零とは反対のずっしりとした重圧感のある姿。大型ビーム砲を腰に装備している。

 

「くっくっく……久しぶりだなあ、ゼロ」

 

紫色のIS操縦者は愉しそうにゼロを呼ぶ。それに対してゼロはバスターショットとゼットセイバーをコールする。

 

「やっぱりてめえ等が犯人だったか、ガーベラ」

 

ゼロが紫色のISの操縦者、ガーベラを呼ぶ。

 

「ああ、そうだな。今回の騒動の中心にいたのはあたし達だ。そして今回はこの三国合同IS展覧会をあたし達が新しく開発した無人機、アントの発表会にしようというつまらない目的があったんだが!お前達がいてくれたおかげで楽しくなった!」

 

嬉々として話すガーベラ。 すると彼女はビームライフルをかまえる。

 

「さあ、闘おうぜゼロ。お前と闘うのをいつも楽しみにしていたんだ。このパープル・ペインでな!さあ、早く!」

 

話終えると同時にライフルを放つ。しかし、ゼロはそれを躱してバスターショットを放つがビームシールドによって防がれる。

 

「いいねえ、いいねえ、やっぱりこうじゃないと」

 

ガーベラはランチャーとライフルを収縮し、代わりにビームサーベルを二本手首の装甲から射出され、それを掴むみ構える。ゼロも同様にバスターショットを収縮し、もう一本ゼットセイバーをコールした後構える。

 

「いくぜ、いくね、いくよー!」 

 

計四本の刀による壮絶な斬撃の応酬。ゼロがセイバーを振るえば、ガーベラがそれを受け止める。ガーベラが薙ぎ払えば、ゼロがセイバーで弾く。

数十度にも及ぶ打ち合いの後、ゼロは後ろへと距離をとりながら斬鋭弾を二連続で放ち、それがガーベラに直撃する。

 

「少しだが遅いな、その機体」

 

一息いれるかの如く話しかけるゼロ。

 

「ああ、そうだよ。この機体は元々一機による超高々度からの砲撃と拠点制圧がコンセプトだからな、お前の機体みたいに速い動きはにがてなんだが……だからどうした!」

 

瞬時加速を使い、急接近してくるガーベラ。接近すると同時に二本のサーベルを振るい、それをゼロが受け止める。

そして突然、パープル・ペインの腰のスカート状の装甲が変形し腕の形になる。

 

「なに!」

 

ゼロは隠し腕によって両脚を掴まれ、さらにセイバーを弾かれ今度は両腕を掴まれる。

 

「スピードは確かに足りねえが、機体のパワーだったら負けてねえぞ!」

 

「うおおおお!」

 

必死に暴れ、拘束から離れようとするゼロ。しかし、パープル・ペインのパワーは凄まじくびくともしない。

すると、パープル・ペインの胸の装甲が開き、だんだん球体状のビームを形成していく。

 

(これの直撃は流石にマズイ!相打ち覚悟でやるしかねえ)

 

ゼロは一旦暴れるのをやめる。ガーベラはその様子を不思議に見る。

 

「どうした?負けることでも確信したのか、ゼロ?」

 

「そうだな、確かに黒零と俺の力じゃこの拘束から逃れるのは無理だ……だが、まだ負けたわけじゃない」

 

「強がりを」

 

「それはどうかな…………牙!」

 

ゼロが叫ぶと同時に一機の牙が出現する。牙は直様動き出し、二人の間に入り込むと球体状のビームに突撃すると牙は爆発し、さらには球体状のビームも爆発する。爆発の衝撃に驚いたガーベラはゼロを拘束から外してしまい、ゼロはすかさず後方に瞬時加速を使い爆発から逃れるように距離をとる。

 

「ふうーー」

 

息を吐き、一息いれるゼロ。それに対してガーベラは手で頭を抑え震えている。

 

「やるね〜、やっぱりこうじゃないと。てめえと闘うのは楽しい!まさかあんな方法で脱出するなんてな」

 

純粋に闘うことを楽しんでいるガーベラ。

 

「そんなことはどうでもいい……それよりてめえ等の仕業だったのか、銀の福音の暴走は」

 

ゼロからの問いかけを聞いたガーベラは今までの嬉々とした様子から豹変し、落ち着いた様子で返答する。

 

「そうらしいな……あたしも詳しくは知らないんだが、どうやらあたしとは別の部隊の奴らがやったらしい……」

 

「そうか、目的は多分……暴走した銀の福音で都市部を襲撃し、甚大な被害を出した後、パイロットごとお前等の仲間に引き入れる、そうだろ?」

 

「そうだな、あたしは乗り気じゃなかったんだけどな。そんなことよりも、今は闘いに集中しようぜ!」

 

サーベルを収縮し代わりにビームマシンガンを四つコールすると、それぞれを手に持つと発砲し始める。

 

「ちっ!」

 

ゼロは攻撃を避けながら敵の背後に回り込みセイバーを振り下ろすがパープル・ペインの背中から飛び出た十本の先端がビームサーベル状になっている触手によって阻まれる。

 

「あっはっはっは、後ろからなら攻撃できると思った?残念でした。後ろを守るための装備もちゃんとあんだよ!」

 

急いで距離を取ろうとするが触手の先端についているビーム方からビームが放たれ食らってしまう。

 

「どうしたんだい?もっと楽しませてよ」

 

背中触手をうねらせながらゆっくりと接近してくるガーベラ。それを息を乱しながら見るゼロ。すると、一本のセイバーを収縮してから構える。

 

(使いたくはなかったがやるしかねえか、いくぞ黒零、最大稼動!)

 

[OK]

 

するとゆっくりと黒零の装甲の灰色のラインが金色に光始めた。

 

「すげえ!すげえよ!てめえは次に何を見してくれるんだい!?」

 

「……」

 

互いに武器を構える両者、先に動いたのはガーベラ。マシンガンそして触手達からのビームの弾幕が一斉にゼロに襲いかかる。そして同時に球体状のビームをチャージし始める。ゼロはそれをいとも簡単に躱していく。さらにゼロは速度を上げていき、ガーベラの周りを動いていく。

 

(さっきまでと速度や機動力が違う。あの光の影響か……!)

 

ガーベラは驚愕する。先ほど迄、ビームを躱していたはずのゼロが目の前に出現したからだ

 

「舐めるな!」

 

ガーベラはチャージした球体状のビームを放とうとするが、光る右手とビームがぶつかり、先ほどと同じように爆発してしまう。だがゼロは爆発する瞬間に瞬時加速を行い爆発から逃れていた。

 

「はあ、はあ、なんて速さだよ、おかげで胸の砲門が使えなくなった」

 

爆発の衝撃をモロに食らったガーベラは破損状況を確認しながらつぶやく。

そして、触手を動かしゼロに攻撃し始める。

 

「はああああああ!!」

 

迫り来る触手達を僅かな動作で躱していくゼロ。さらには左手のセイバーで触手を切り裂き、光る右手で触手を掴み引きちぎっていく。瞬く間に触手はすべて破壊される。

 

「嘘でしょ…」

 

ゼロは一気にガーベラへと接近し四つのマシンガンを全て切り裂いた。

 

「これで終わりだ!」

 

ゼロがセイバーを上に掲げ両手で掴む。するとセイバーの刃が大きくなり、それを振り下ろす。

ガーベラは力を失い、地面へと落下していく。

 

 

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