【短篇集】明星の虚偽、常闇の真理   作:長閑

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番外編で、ウォルターが天剣授受者の時代の話です。
簡単に説明すると
・いろいろとキャラ崩壊
・時たま口調が迷子
・ウォルターがツッコミ役
・トロさんが元々のオリジナリティを生かせていない
・レイフォンが出てこない(まだ天剣になってないから)
・文才が無い
などにより相変わらずの残念クオリティです。
注意を先に入れておくと、陛下がウォルターを女装させようとします。
ここではしません。ただバトってるだけです。
サヴァリスが残念で仕方ない。
以上を踏まえて、どうぞ。


<天剣時代>本日の天候は晴れのち曇り

 あぁほら、だんだんやばい事になってきた。

 今日はとってもいいお天気。弁当でも持って草原で飯が食いたいくらい。

 だが、オレたちのこの場はオレ的には曇りだ。

 こいつらからすればとってもいい快晴なのだろうけれど、オレからすれば恐怖のクラウディ。

 サニーじゃ無い、クラウディでござい。

 捕まったらやられる。

 そう感じたウォルターは素直に退こうと思った。

 だが、目の前に悠然と座る女が許してはくれなかった。

 

「逃さないわよ」

 

 そう言った女、この槍殻都市グレンダンを統治する女王であるアルシェイラ・アルモニスは、オレに、にやりと不敵な笑みを……と言うよりは、不気味な笑みを、隣に銀の長髪を流す男とにやにやと笑う男をたずさえて浮かべた。

 

 

本日の天候は晴れのち曇り

 

 

 

「捕縛―!!」

 

 すっかり楽しくなったらしい女王、アルシェイラがオレに対して指差しをして意気揚々と叫んだ。

 だが、オレとしてはそんな事に……というのもアルシェイラの私用、遊びに巻き込まれては身がもたない。

 リンテンスと言った他の天剣授受者は早々に立ち去った。

 現在捕縛とアルシェイラに叫ばれてオレを追うのは銀の長い髪が特徴的、家柄もよし、顔立ちもとっても(黙ってると)素敵なサヴァリス・クォルラフィン・ルッケンスと、「面白いから」という理由でこのくだらない遊びに参加した女たらしで有名な化錬剄使いの天剣授受者、トロイアット・ギャバネスト・フィランディンだ。

 

「ウォルター、ストップしてください! おとなしくおもちゃにされるといいですよ!」

「うるせぇよルッケンス、オレを嬉々として追うな、フィランディンもいい加減にしろ!」

「こんな面白い事見逃してたまるかよ!」

「お前興味あるのは女だけだろ!」

「面白いことに男も女も関係ねぇだろ!」

「黙れ下世話男! 消すぞ!」

 

 謁見の間を飛び出し、宮廷を跳び回る。

 天剣授受者が全力で内力系活剄を使用しての鬼ごっこのようなものの為、庭園のあちこちが抉れたりしている。

 ちなみに、今回の事の発端は、ウォルターが女顔だというアルシェイラの発言からはじまった。

 

 

 

「ねぇ、ウォルターって女顔よね」

「は?」

 

 突如呟かれた言葉に、ウォルターはきょとんとした返事を返した。

 今日のアルシェイラは珍しく王宮に居た為なにも言われていなかった、しかし、突如としてそんな事を言い始めたのだ。

 

「どういうことですか?」

 

 本日の警護当番、サヴァリスがそうアルシェイラに問うた。

 ちなみにオレはただ遊びに来ていただけ。

 

「いやいや、なんか性格的には男だけど顔が女よねって」

「何処がだ。つかなンだ、性格的にはって。性格も顔も身体的にも男だ、眼腐ってンのかあんた」

「失礼ねー。これでもすっっっっっっごくいい眼してるのよ?」

「知ってるよ、そんな事。そういう意味じゃねぇ」

 

 ウォルターが冷静にツッコんだが、暴走モードが稼働し始めたアルシェイラには右から左、スナップを一度して侍女達に何やら服を持ってこさせる。

 何度か見たことがあるので知っているが、アルシェイラの私服だ。

 

「……なにを……するつもりだ……」

「いやぁ、女顔だから女もの着せても楽しいかなーって」

「楽しいか? 果たして」

「楽しいわよ。ねぇサヴァリス」

「そうですね。ウォルターの苦悶に歪む顔とか見てみたいです」

「お前はほんっとに歪みねぇな、いろんな意味で!!」

 

 根底の性格は歪んでいるが、そういう所でブレないのはさすがサヴァリスクオリティ。

 だけどとってもそのクオリティが残念で仕方ない。

 アルシェイラの瞳がまるで汚染獣のようにぎらつきはじめ、続いてサヴァリスがにこやかにやはり胡散臭い笑顔を浮かべる。

 つまりここまで来たら、オレに味方は居ない(ルウは除いて)という事は、確定だった。

 

「………………………………」

 

 じりじりとアルシェイラ、サヴァリスとの距離を開ける。

 だがにやりと黒い笑みを浮かべたアルシェイラはオレをずびしっ、と指さして、サヴァリスに命令する。

 

「……GO☆」

「………………いっ、ヤだ―――――!!」

 

 サヴァリスが全力の速度でオレとの間合いを詰めるべく疾走してくる。

 オレは瞬間で後方へ下がり、裏拳で謁見の間の扉を叩き開けた。

 裏拳を使った反動で後ろに仰け反った身体を、そのまま空中でくるくると回転させてオレは体勢を取り直す。

 

「おー、派手だな、なにやってるんだ?」

「……! フィランディン!」

 

 また嫌なヤツに見つかった、とオレが舌打ちをした。

 謁見の間の少し手前の位置の廊下に居たのは、同じ天剣授受者であり所謂変態のトロイアットだ。

 サヴァリスがオレに向かう足は止めずにトロイアットに端的に説明をする。

 

「ウォルターを女装させろという命令が陛下より下りました。僕は苦悶に歪む顔が見たいので参加しています。トロイアットさんもどうですか?」

「おっ、いいねそのしっちゃかめっちゃかな感じ。おれも参加するわ」

「しなくていいしなくていい!!」

 

 すでにサヴァリスが参加しただけでも地獄に近いのに、とオレが叫ぶが、それでもそんな制止はなんのその、トロイアットも嬉々として参加する。

 

「あー、もー、余計に収拾つかなくなったじゃねぇか!」

「そう言うな、ウォルター。楽しいじゃねぇか」

「何処が? 一体何処が? フィランディンには一体これがどんな遊びにみえているんだろうね」

「いやぁ、面白いぜ。おれはどっちかって言うとお前の女装がちらっと見てみたい気がしてきたよ、後になると。なぁ、サヴァリスもそうだよな」

「いえ、僕正直女装はどうでもいいんですよね。苦悶に歪む顔が見たいだけですから。……ですが、今の状況でも充分苦悶に歪む顔が見れていますし……なかなか楽しくなって来ました」

「来るな、このサディスティック! あと笑顔がいつもに増して胡散臭い上に酷い有様だぞ!」

「ははは、照れますね」

「褒めてねぇよ柄にもねぇ事ほざくな」

 

 オレは再び跳躍し、2人の上を超えて謁見の間に飛び込んだ。

 ごろごろと地面を転がり、片膝をついた状態でサヴァリス達を迎え撃つ。

 掴みかかってきたサヴァリスをそのままの勢いに投げとばし、トロイアットには高圧縮剄弾を放った。

 だがぎりぎりでトロイアットに避けられ、アルシェイラの方への逃亡を許す。

 相変わらず黒い笑みを浮かべた、今回の遊び提案者……アルシェイラはおもいっきり嫌そうな顔をするオレに向かってほくそ笑んだ。

 

「逃さないわよ」

 

 そしてここで、冒頭に戻る。

 

「ほら、おとなしく捕まってよね! このまま逃げてもいいけど僕が楽しいだけだよ! と言うか楽しくなってきたよ!」

「くたばれルッケンス! 本気で消すぞ!」

「なぁなぁ、おれも楽しいんだけど、悪いことかな」

「全力で肯定してやる!」

 

 オレは再び後方に後ずさって、そのまま指先に剄を圧縮した。

 

 外力系衝剄を変化、光琳玉。

 

 本来は錬金鋼の先に系を圧縮しそこから放射状に剄弾を放つ技だが、ここでは四の五の言っていられない。

 オレは遠慮なく指先から上級剄技を放つとそのまま庭園にそびえる木の枝の中の一つに着地した。

 

「酷いな、いきなり剄技放つなんて」

「そう言いながらけろっとしてるだろうと思ってっから使うンだよ」

 

 オレがそう皮肉を込めて言ったのだが、戦闘狂にはどうもまともな話というものは通じないらしい。

 そう思いながら今度は蹴りによる剄を放った。

 

 外力系衝剄の変化、風烈剄。

 

 サヴァリスの使う技だから、ヤツにはわかりきった技だ。

 だから、避けると分かっている。

 

―――――上空へ逃げる……

 

 それは予想通りだ。

 サヴァリスは上空へと逃げた。

 だんだんオレ自身が面倒臭くなって来た為、両の手の指から剄技を放つ。

 

外力系衝剄を変化、光琳玉。

 

 再び、放った。

 

 空中で爆散するものとしないもの。

 その2つを使い分けてサヴァリスに命中させるべく連射する。

 また、片腕の方はトロイアットを自分に近づけさせない為の予防線だ。

 

「ははは、甘いよ! けど、こういうのもなかなか楽し、」

「うるせぇなさっさと撃墜されろよ」

「酷いなぁー」

「おれもこれ結構危ないんだけど」

「お前は焦げて消えろ、もしくは顔面ズタボロで許してやる」

「それ後戻りできねぇ」

 

 オレとやはり会話の噛み合わないサヴァリスと何処までも自らを貫くトロイアットとで会話が続けられるが、あまりそれは意味のない会話だった。

 

「………それで? これはどういう状況だ」

 

 仕方ないという様子で王宮の状態を見に来たらしいリンテンスが呟いた。

 

「あらリン、来たのね。ちょっと遅かったわね。もう少し早ければもっと面白いの見れたのに」

「知らん、そんなことは」

「つれないわねー。あ、そうそう。収拾がつきそうになったらストップかけてね。わたしは見てるだけで何もしないから」

「………………」

「収拾の見極めはいつでもいいわよ」

 

 アルシェイラの自由な言い分にリンテンスは深々と溜息混じりに口に銜えていた煙草の紫煙を吐き出し、鋼糸を展開させた。

 

 

 

 この後、リンテンスの収拾づけの為の行動によりウォルターは捕まり、結局はアルシェイラのおもちゃになったり、決してサヴァリスを喜ばせてはならないとやけくそで爽やかな笑みを浮かべてふざけてあげたり、それによってサヴァリスをたじたじさせたりとか言う話は、また別のお話。

 

 

 

 本日の天候は晴のち曇り。

(ところにより戦闘となるでしょう)

 

 




たまには、暗い話じゃなくて全力で明るい話を、と思ったらこうなりました。
本当に残念な子たちしか居なくなった…。
陛下は書いていて楽しいです。
トラブルメーカーが1人居るだけでこれほど騒動が起こしやすいとは(おい)
では、これからもよろしくお願いしますm(__)m
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