【短篇集】明星の虚偽、常闇の真理   作:長閑

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注意。
・相変わらず低クオリティ
・起承転結が成り立っているのか成り立っていないのかと言われれば成り立っていない
・レイフォンが居ない(天剣授受者になっていない為)
・オチも特に無い
・やっぱりウォルターが苦労人
・口調が迷子
以上を踏まえた上で、どうぞ。


<天剣時代>災難はいつもこいつから

「ちょっとウォルター、いいかしら」

 

 警護当番をしていたウォルターに、そうアルシェイラが切り出した。

 こういう時のアルシェイラには嫌な予感しかしない。

 なにせ、アルシェイラの表情がサヴァリスのような笑顔だからだ。

 

 

災難はいつもこいつから

 

 

 冒頭のセリフにより、ウォルターは渋々グレンダンの屋根の上を跳んでいた。

 アルシェイラの要望はまぁ、そこまで難しいことではない。

 バーメリン・スワッティス・ノルネ。

 潔癖症の彼女が匂いの強い花を浮かべた風呂から全然出てこない、仕事(汚染獣討伐)に出ないとのことらしい。

 だが、とウォルターは考える。

 毎度毎度、汚染獣戦は女王発案でくじ引きと決まっているのだ。

 探索とかでも遊びゴコロ満載にじゃんけんだとかあっち向いてホイで負けたほうが行くだとか、そんな事ばかりの天剣授受者に、仕事に出ないというのはやや無茶というものではないだろうか。

 くじ引きもじゃんけんもあっち向いてホイもすべて運勢次第なのだし、なかなかそう言うのは酷だと思うのだが。

 主にくじ引きであたりを引き当てるのはリンテンスで、サヴァリスがその度に残念そうな顔をする。

 ウォルターはまぁまぁ当たる方で、適度な運動は定期的にできている。

 しかし、だからといって……

 

「まぁ、しょうがねぇよな」

 

 名目上ではウォルターは天剣授受者、アルシェイラという女王に仕える側の者なのだ。

 実力が上であろうと、大衆の面前などではさすがに従わざるをえない。

 

「大衆の面前じゃあ……ねぇけど」

 

 はぁ、と再び溜息を吐き出して、ウォルターはデルボネが教えてくれたバーメリンの家に到着した。

 

 

 

 とりあえずとインターホンを鳴らすが、反応なし。

 何処から入手したのか、アルシェイラに渡された合鍵で玄関を開ける。

 ここまで来たのはいい。

 だが、だがだ。

 

(あらあら、バーメリンさんまだお風呂場のようね)

 

「………………あらあらじゃねぇ問題だろ、それ。死活問題だぞ」

 

 言われたので来たが女の入浴中なのだ、一応は。

 それを男のウォルターに一体どうしろというのか。

 

「そうだよ、よくよく考えたらあいつ女なンだよ」

 

(一番忘れてはいけないことじゃないかしらね)

 

「今回だとそうだったな……」

 

 深々と溜息を吐き、どうしようと首をひねる。

 別にバーメリンとは仲が悪いわけでも良いわけでもない。

 ようするに、普通。

 別に話す時は話すし、あまり関わらない時は関わらない。

 まあ、普通の友人感覚。

 その普通の友人感覚で男のウォルターに、一体どうやって女のバーメリンを浴場から引きずり出せというのか。

 

「他のヤツにしろよ……」

 

(いえ、一番いい選択をしたと思っていますよ。わたしは)

 

「何処が?」

 

(いえ、他の方では確実にバーメリンさんと喧嘩になるかと……)

 

「オレも一緒だろ、それ」

 

 だが、そう言われると確かに、と頷かざるをえないのは確かだと思う。

 同じ女ということを考えると、カナリスとカウンティア、デルボネだが、バーメリンはカウンティアと仲が悪いし、カナリスはそこまででもないようだがだからといってこういう場は許されなさそうと言えばそうだ。

 デルボネはこの通りふわふわしている為強行では出なそうだ。

 ならいっそのことあのアルシェイラが来ればよかったのだ。

 リンテンスの家にはちょくちょく遊びに行っているくせに、同じ同性のときに動かないとは何事だ。

 

「……しょうがねぇな……」

 

 ともかく、いままさに脱衣場に居た、とかいう馬鹿な展開も嫌なので脱衣場の外から声をかけた。

 

「おーい、ノルネ? 居るか?」

「……なんでお前居る」

「アルモニスからお前を風呂場から引きずりだせとお達しが下ったんだよ。面倒だから出てきてくれ」

「………あのくそ陛下が……くそ死ね、ウザい」

「こらこら、言葉がすぎるぞ。あの変人は変なとこだけ地獄耳だからな、聞いてたりすると狙撃されるぞ」

「むか。狙撃手のわたしに言うな、ウザいから」

「事実だろ?」

 

 呆れた声で肩を竦めたウォルターに、バーメリンが湯をはね散らすような音を立てて反論してきた。

 まだ浴槽の中か、と思いそっと脱衣場に入る。

 

「ほら、出てこいよ、頼むから」

「…あのくそ陛下の命なんてどうでもいい。狙撃ならこの間の汚染獣にしろ。わたしは悪くない」

 

 しぶといバーメリンに溜息をついて、どうしたもんかと腰に手を当てた。

 少し前……バーメリンがここにこもる前、ようするには汚染獣とバーメリンが戦った時、なんでも体中が汚れたんだとか。

 普通の人間であったら風呂に入ってそれで終わりなのだろうが、バーメリンは極度の潔癖症の為薄らかにでもそのにおいがすることに耐えられないらしい。

 

「でもほら、この間とかもアルモニスにやらされてただろ、土木作業的なもの」

「あれも最悪だった。胸くそ悪い。わたしにあんなことさせるとか頭イカレてる」

「……言うねぇ…でもお前はいいだろ、狙撃して真っ二つに割ればいいだけだったんだから」

「そういう言い方ウザい。なにがいいのかさっぱりだし、くそ死ね、お前」

「おいおい…。……そのお前が狙撃したのをキャッチしてたの誰だと思ってンだ」

 

 こもる更に前、喧嘩で庭園を破壊したバーメリンとサヴァリスが庭園の邪魔な折れた草木などの回収にあてられ、処理所が遠いために、庭園からアルシェイラが木などを(面白がって)投げ、それをバーメリンが狙撃してサイズを小さくして、割れた破片をすべてサヴァリスとウォルターが回収に当てさせられたのだ。

 ちなみにウォルターはその日の警護当番だった為に巻き込まれただけだった。

 

「怒り狂って乱射すっから、掴むの大変だったンだぜ?」

「うるさい。アレの原因はあのにやけ顔の変態サヴァリスにあるからわたしは関係ない。大体あのくそ陛下が……」

「わかるけどなー。あ、そういえばこの間もさ…」

「あれはウザかった」

「だよなー」

 

 どこからかアルシェイラの悪口のを共感する話になってしまい、ウォルターは一瞬本来の目的を忘れかけていた。

 

「……って、アルモニスの悪いとこなんてどうでもいいンだって。そんなの探したらいいとこ1割あるかないかでほかすべて悪いとこなンだからよ。出てこいって、ノルネ」

「あんたもなかなか言う。くそ陛下の言う事なんて放っておけばいいんじゃないの? 大体あの陛下のにやけ顔本気でキモい」

「………っく」

「あ、笑った」

「っく、いや、その気持ちはちょっと分かるけど……けど、出てこいって、ば……ぶふっ」

 

 迂闊だった。

 バーメリンが言ったにやけ顔、それをウォルターは下町で遊んでいる時のアルシェイラの顔で思い浮かべた。

 あれは、すごかった。

 往来で人の胸を揉むとか凄まじいと思った。

 

「っちょ、やばい、腹筋痛いし……」

 

(……あんた達、楽しそうね)

 

「…………げっ」

 

 バーメリンの引きつった声が聞こえた。

 念威端子を通じて聞こえたのはいまいま話し合っていた陛下、アルシェイラの声だ。

 

(ウォルター、あんたには連れ出せって言ったんだけど?)

 

「…いやぁ、男に女のこの状況を引きずり出せとかむずいだろ」

 

(うるさいわね! 女だと思わなかればいいでしょ、どうせ絶壁よ!)

 

「誰が絶壁だ、このチチデカ!」

「こらこら、ふたりとも不謹慎な発言はやめろよ」

 

 アルシェイラとバーメリンが胸の話で言い合う中、これを聞いているであろうデルボネにしても微笑ましく笑っているのだろうと、男としてウォルターは自身がどうするべきか酷く悩む。

 

(なによウォルター! あんただってどうせボインが好きなんでしょ!)

 

「知るかよ……」

「むかっ。そんなチチデカにできることなんて限られて来るでしょうが!」

 

(なにが出来るか言ってみなさいよ! 女は見た目でしょ!)

 

「中身も伴わせろ!!」

 

 はぁ、とウォルターは盛大に溜息を吐いた。

 

「オレは別にそんな事考えたことも無いンだけど………」

 

 その言葉と同時、念威端子から怒気がほとばしった。

 

(だったら仲良く消え去れ!!)

 

 馬鹿たれ、という言葉とともに、王宮から的確に剄弾がバーメリンの家を直撃した。

 

 

 

 

 アルシェイラからの剄弾によりバーメリンは渋々外に出る事になり、ウォルターはアルシェイラが破砕させた家の修理にかりだされた。

 

「あんたほんとになにさせたいンだ……」

 

(まったく……)

 

「それはこっちのセリフだ」

 

 咄嗟にルウが領域を発生させてくれた為、ウォルターとその周辺だけは剄弾による破壊はされなかった。

 その為ぴんぴんしているウォルターに悪態を吐くアルシェイラだが、正直こっちが言ってやりたい気分だとウォルターは念威端子を睨む。

 

(バーメリンには仕事頼みたかったのよ)

 

「だったら真っ裸で路上に放り出すとかぐらい言えよ」

 

(その手があったわね。今度こういうことあったらそうするわ)

 

「おい」

 

(でさあ、ウォルター?)

 

「あ?」

 

(結局アンタ、どっちが好きなのよ)

 

 アルシェイラが懲りずにふってくる話題に、ウォルターは無視するとうるさいので一応考える。

 だが、やはり考えつかない。

 その為、投げやりに言ってやった。

 

「そのままのお前らが好きだよ」

 

 どうやらアルシェイラの後ろでバーメリンが聞いていたようで、「キモッ!!」という声が聞こえてきた。

 ウォルターは空笑いをこぼして、溜息混じりに止まっていた作業を再開させた。

 

 

 

 

災難はいつもこいつから

(こいつら、ほんとにどうしてくれよう)

(イライラしながらもこめかみを押さえてオレはそんな怒りを堪える)

 

 

 




天剣時代番外編2でした。

今回は中心的にはバーメリンになっていますが、ちょこちょこ口調がわからなくなった(アルシェイラとまざった)ので口調が迷子になっていました。
相変わらずの低クオリティで申し訳ないです。

カルヴァーンやミンスの方は、本編に交えて「何事もないその日」エピソードで出せればと思っているので、この番外編では出てこない……やもしれません。
番外編1がサヴァリスとトロイアットでちらっとリンテンス、番外編2がバーメリンとちらっとデルボネという風でしたので、次はどうしようかなぁとわくわくはしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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