サイヤの下級戦士が幻想入り   作:霧雨悟空

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文字書きモチベが続く限りは連続でいけたらいいなと思ってます。
では、今回もお楽しみあれ~


目指せ彼の心開き

あれから一日が経過した。

男は相変わらず機嫌の悪そうなツラをしたまま床についており、霊夢はなかなか近づけずにいた。

 

(うーん、せめてあの布団から転がってくれれば、その隙に洗って干せるんだけど)

彼の機嫌をさらに損ねないように気を付けながらゆーっくりと歩く。

 

彼の寝ている布団から数センチ先まで近づき、一気に警戒心を強める。

(さあ、名無しさん!私の都合よくそこから転がってちょうだい!)

彼が名乗らないので、霊夢はそうしてくれるまで「名無し」と名付けているのだ。

 

 

数秒経過・・・数分経過・・・

 

 

数時間経っても、彼はなかなか起き上がってくれない。現実は甘くない。非情なり。

 

霊夢もさすがに耐えられなかったのか、とうとうしびれを切らした。

「起きてったら起きなさいよーッ!!!!このままじゃ日が暮れるじゃない!」

彼の耳に聞こえるように思いっきり叫ぶ。

 

「やかましいッ!うっとおしいぞ!」

彼もそれに負けないくらい怒った。当然である。

 

 

一度頭を冷静にして、霊夢はもう一度優しく語りかける。

「えーと、まあその・・・その布団から離れてくださらない?血だらけだしそのままじゃあ眠りにくいでしょう?

すぐに新しいの持ってきますから・・・ね?」

 

「うるせえ。オレをジジイ扱いする気かっての。それともなんだ、お前はオレみたいな老人を介護する看護婦かなにかか?」

「そ、そんなつもりはないわよ。私はあくまで神社の巫女。人間は平等に扱うわ」

妖怪相手には不平等とでも言いたいのかお前は。

(といっても、本当は人間と妖怪どちらにもさほど興味はないのだが・・・)

 

 

「フンッ、どうだか。シッポの生えてるようなヤツをただの人間と同じに思われたくはないがな・・・」

「シッポ?そういえば運ぶ時にチラッとだけ見えてたわね」

ちょっと興味津々の霊夢。

 

「ああ。満月には大猿になる。理性の欠片もない暴れサルだがな」

そんな彼も少し自慢気な模様。

 

「だから、その気になればこんなところもすぐにぶっ潰せるんだぜ?どうだ、追い出す気になったか?」

 

 

「うーん、でも・・・一応人間であることに変わりはないのだし?

そういう種族の人間もいるってことで納得しておくわ。あと追い出すつもりもないわよ」

「・・・好きにしろ。オレはお前の言う通りに離れたほうがいいだろうからよ」

 

若干皮肉のこもったセリフを吐いて布団から出る。

さすがにこれ以上待たせておくとろくなことが起きないからだろう。

 

 

「なんだ、結局出るんじゃない。にしてもすごい血の量ね。うー、洗い落とせるかしら」

シーツから染み出た布団も洗い、何時間かかけてようやく洗い落とせたようだ。

 

「このままじゃ多分名前まで言ってくれなさそうだし・・・そうだ、彼のためになにか栄養のつく料理でも作っておかなくちゃ!

それならさすがに負けて名乗ってくれるはず。うんうん。絶対そうなるわ!」

洗濯しながら、むふふと笑いながら考える。

 

女の子の得意技・・・かどうかはともかく、手料理で落とそう作戦で攻める霊夢。

はたして上手くいくのやら。

 

 

「あいつら今頃うまくやってんだろうなあ。なんかうらやましくなってきたぞ・・・妬ましいッ」

 

 

夜。彼のために手料理を振る舞おうとする霊夢。

彼のいる部屋まで持ってゆこうとしたのだが、そこに彼はいなかった。

 

「あれ?あんな傷だらけの体でどこに行ったのかしら。」

「そこでなにやってんだお前」

真っ暗闇の外、霊夢の背後からヌッと姿を現す。

傷が増えてるようにも見えるが。おそらく無茶して妖怪と戦ってたのだろうか。無茶なリハビリである。

 

「うわっ!?お、驚かさないでくださいよ・・・あっ、それはともかく、私・・・あなたのために手料理を作ってみたの。

も、もしよかったら「失せろ」

言葉を遮る名無し。

 

 

「オレのためにだと?よくもまあそんな甘っちょろいことができるな。

こんなもんでオレを落とせると思ってたのか?それ自体が甘いんだよ。ちっとは考えろ」

霊夢に向けてシッシッ、と手をはねのける。

 

「そ、そうよね。よく考えたら私の考え甘かったわ。ごめんなさい・・・」

心底ガッカリしたのか、霊夢は料理の入ったお皿を下げて部屋から去っていった。

 

 

「でも諦めないわ。いつか絶対に彼の心を開いてみせるんだから!」

諦めない彼女。戦いではビビりでも芯の強さはそれなりにあるのだ。

 

「やっぱりちょっと悔しいかな・・・一応捨てないで部屋の前にでも置いておくか」

ちょっと戻って、彼の部屋のふすまの近くにお皿を置いた。

 

 

「フン、そんなところに置こうが無駄なもんは無駄だ」

そんな彼の空腹が虚しく鳴る。どうせなら妖怪をとっ捕まえて丸焼きにしてもよかったかもしれん。

女の作る料理なんざ不要だ。そう思っているのだ。

 

「・・・チッ」

強引にふすまを開けて、霊夢の作った料理に手を出す。なお手掴み食い。

 

 

翌朝。霊夢が朝食を用意し、彼の部屋前で見たのは、きっちりと空っぽになっているお皿だった。

(なんだ、ああ言ったのに食べてくれたのね!)

「朝ごはん、ここに置いておきますから!気が向いたら食べてくださいねー!」

 

彼はトレーニングの真っ最中だった。

「変な女だ・・・」

そう思いながら懸命にトレーニングに励むのであった。

 

 

そんなこんなもあいだもまもなく数日が経過し・・・

霊夢はいつものように彼のために夕食を運びに来た。

 

「・・・お前、ちょっとこっちに来い」

「え?」

霊夢は驚きながら彼のいる部屋へ招かれた。

 

 

「まあ、その・・・なんだ。たまには二人でってのも悪くはねえと思っただけだ・・・勘違いするな」

(て、照れ隠し?もしかして意外とツンデレってやつなのかしら?)

霊夢のハートが熱くなりはじめる。

 

「にしてもだ、ここまで粘るやつはお前くらいのもんだ。オレが今まで見てきたヤツらにそんなのは滅多にいなかったからな」

「え?そ、それはどうも」

 

 

食事とケガの看病を続けていると、彼がふと口に出す。

「・・・ック」

「い、いまなんて言ったの?」

 

「・・・バーダック。それがオレの名だ、忘れろ。お前はこれが目的だったみたいだがな」

驚いた。こんな早くにも名前を言ってくれるだなんて。

 

「バーダックさん・・・ね。確かに憶えたわ。私は博麗霊夢。改めてよろしくね」

食べ終わった料理を片付け、霊夢は部屋から去った。

 

「バーダックさんか。影ある男って感じでなんだか・・・おっと」

 

 

「チッ、結局誘惑に負けて名乗ってしまったが・・・まあいいだろう。

そんなことよりもさっさとオレの置かれている現状をなんとかせねばならんからな・・・」

深く考えるのをやめて、彼は眠りについた。

 

(だがフリーザ、てめえだけは絶対にぶっ殺す。覚悟しやがれ・・・!)

 

 

 

さらに翌朝、霊夢は突然バーダックから呼び出しをくらった。

またなにか叱り飛ばしてくるのだろうか。

 

「お前、戦いの心得はあるか?」

「戦いの心得、ですか?それなら一応ありますけど・・・」

 

「なら話は早い。このオレと勝負しろ。このオレのリハビリ相手・・・ってやつだ」

こんな傷の治ってないような体で勝負をしようとでも言うのだろうか。

はっきり言って無謀でバカそのものである。

 

 

「あなた、体の悪さも少しは考えなさいよ。またそれで傷が増えたらどうするのよ」

霊夢は面倒くさそうに彼を説得する。

 

「ああ、考えてるぜ。どのようにすれば治った時にどれだけ強さが増すかをな」

サイヤ人は、死から立ち直るたびにパワーを大きく増すのだ。

それの繰り返しによって、下級戦士のなかでは異例の戦闘力を持つまでになったのだから。

 

「そうね、あなたに言っても無駄だっての忘れてたわ。いいわよ、やってあげる」

ため息をつきながら挑戦を受け入れる。

 

 

「ただし、この私は幻想郷の人間のなかでも一番の実力を持つわ。あなたに勝てるかしら?」

えっへんとドヤ顔の霊夢。

 

「ほう、ならば楽しみだ。せいぜいがんばるこったな」

バーダックも負けじと煽り返す。お互いやる気なのだ。

 

 

神社から少し離れた草原。彼らはそこへ移動して戦うことになった。

(幻想郷ってところの野郎の実力、こりゃワクワクするかもな)

(む、なんだか嬉しそうな表情ね。余裕があるのかしら。ま、絶対に負けないけど)

 

お互いに構え・・・

「全開でいくぜ(いくわよ)ッ!!!!!」

 

勝負の結末や如何に!?




バーダックの設定ですが、「たったひとりの~」の後の話での設定となっています。
「EOB」および「マイナス」の設定は一切入れません。セリフとかは一部そこからの引用になるかもですけど(^^;

また、行き当たりばったりの企画なので・・・従来の異変解決物語にするか、いっそすっ飛ばしてその以前後の物語を重視したお話にするか考えてます。
きっと3~4話あたりでそこらへんが決まると思います。
ではまた次回お会いしましょうか
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