紺碧の暖炉   作:ハース/ユウキ

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一緒にクエストに挑んでる気持ちで読んでもらえると嬉しいなぁw


6、“臭う話”

相変わらず僕たちが洞窟を進んでいると、二またの別れ道が見えてきた。そしてその中央に、木で出来た一つの看板が立っていた。

 

「←クエストNPC クエスト受注後→」

 

看板の通り左に向かう道を覗く。

 

「お!いたいた!あのじいさんだよ多分!」

 

レオが嬉しそうに指を指す。その先には確かに黄色いカーソルが頭の上に出ているおじいさんが立っていた。

 

「クエ受注後に進む道まで書いてあるってことは、前にクリアした人達は相当親切だったんだね!各層の掲示板に情報提供して終わりじゃないなんて!」

 

普段大人しいモモも珍しくテンションが高い。

 

「……。」

 

リンリだけは相変わらず怪訝そうな顔で右へとのびる道を見ていた。

 

「…リンリ?」

「ぁ。ん?ごめん、ぼーっとしてた!とりあえずあのおじいさんのところにクエスト受けに行こう!」

 

右の道の奥は松明が減ってゆくのか暗くて先が見通せなかった。

 

 

俺は先程71層のエリアボス討伐を終え、ドロップ品の分配を終えるとすぐにアスナと共にリズの店にいるハースの元へと向かった。サビ落とし用のアイテムを渡すためだ。無事にハースの細剣が元の輝きを取り戻したのを確認すると自分も借りている宿屋の部屋に帰るべく、主街区の大通りを東に足早に進む。何故足早かというとリズの店を出てから誰かに後をつけられているのだ。俺の索敵スキルでも相手の名前が見えないということは相当高い隠蔽スキルの持ち主だ。大通りから脇道へ入り他に人気が無いのを確認すると低い声で尋ねる。

 

「誰だ、さっきから俺をつけてるだろ」

 

すると、ニシシ…という小さな笑い声と共に俺の右側の細い路地からひょこっと小さな影が飛び出して来た。

 

「さすがだナぁキー坊、オレっちのハイドを見破るとは」

姿を現したのは昨日会ったばかりの《情報屋》アルゴだった。

「なんだよこんな真似までして。けど連絡も無しに来るってことは何か緊急の用なんだろ?」

「まだ断言は出来ないナ。けど臭う話ではあるナ」

 

夜で周りに人気がないとはいえ“臭う話”を道端でする訳にもいかず、俺はアルゴを借りている宿屋の部屋へと招待した。

 

「で、その“臭う話”ってのは?」

 

決してクッションが良いとは言えないソファへ腰を下ろしながらアルゴに尋ねる。

 

「まぁまぁ、それにはまず最初に質問に答えてくれないカ」

「質問?」

「あぁ。攻略組又は攻略組参加希望者の中に、ここ数日間連絡のとれない奴はいるカ?」

 

俺は質問の意図が読めず数秒何も言えなかった。何故なら、迷宮区や一部ダンジョン内は一切連絡がとれない上に、攻略組なら何日間か迷宮区に籠りっぱなしなんてこともあり得る。よって数日間連絡がとれないからといって特別何かヤバい訳でもないのだ。それに俺はソロなので、ボス戦直前以外はあまり攻略組の奴らと連絡をとらないのだ。とるのは精々、何かレアアイテムをドロップした時にエギルに連絡をするか、マップデータ等の取引のためにアルゴと連絡をとるぐらいのものだ。

 

「それを…俺に聞きます…?そういう質問は俺よりアスナや聖龍連合の奴らに聞いたほうが…」

「もちろん聞いたサ。けど奴らは逆にギルド外の人間に関する情報面が弱いからナ」

「なるほど、あぶれ組のことはあぶれ組に…」

 

そう言うと俺は自分のメニュー画面からフレンドリストを呼び出した。アルファベット順にA~Zが…正しくいえばAsuna~Momoまでだが。表示されるが、誰も連絡がつながらない旨を伝えるシステムメッセージは出なかった。

 

「特に…いないけど。でも、攻略組ならもし連絡がとれなくても迷宮区に潜ってるんじゃないか?」

「と、思うだロ?ここからが本題なんだヨ」

 

アルゴが意味深にニヤっと笑う。

 

「今日の正午頃から、50~65層の転移門広場の掲示板に新しいクエスト情報が載ったの知ってるカ?」

「知らないなぁ、そのクエストがどうしたんだ?」

「そのクエストっていうのが、66層北端にある洞窟の最深部で受けられて、報酬は装飾品アイテムなんダ。で、その装飾品アイテムがすごいんだヨ。攻略組トップクラスのLvでも全ステータスをLv3~5くらいは底上げ出来るものだってナ」

「…どこの洞窟なんだ?」

「まぁ、そう焦るなヨ。ここからが重要なんだ。その掲示板にはクエストクリアには3~5日かかる。とも注意書きがしてあったんだけド、どこを探してもその装飾品はおろか、クリアしたプレイヤーが一人も見つからないんダ」

「見つからない…?レアアイテム狙いのPKが怖くて口止めしてあるとかじゃないのか?」

「かもしれないナ。けどその掲示板には情報提供元の名前が書いてあったんダ」

「…?それも偽名じゃないのか?」

「名前はBeagle(ビーグル)第一層まで確認しに行ったけどそんな名前は無かったヨ。でも、ほとんどの掲示板は安全のために情報提供元の欄が空白なのは誰でも知ってる。なのにわざわざ偽名を使うなんて、何かあると思わないカ?」

「気にはなるけどそれほどでもないん…」

 

いや、よく考えてみると何かがひっかかる。何故偽名を?アインクラッド屈指の情報屋をもってしてもクリアしたプレイヤーも装飾品も見つからないだと?攻略組のLvでも十分に使えるアイテムの情報を何故最前線の層には貼らずに

その手前までなんだ?

 

「…だロ?まだ断言は出来ない。けど不可解な点が多すぎるんダ」

「話は分かった。頻繁にフレンドリスト確認してみることにするよ。」

 

話が終わると、またアルゴは隠蔽スキルを発動させると急いでどこかへ走って行った。




書きためてたのはここまでです!なので次話は更新までに時間がかかってしまうと思います!ごめんなさい!
(あぁやっと物語の核心に迫れる…)
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