インフィニット・ストラトス~Side Class-2~ 作:貴武川 紗実
2時間目も終え休み時間だ。俺はもう一人の男子生徒、織斑一夏に挨拶をするため隣のクラス・・・1組に向かった。扉を開けたが彼の姿らしき人はいなかった。そこで、近くにいたおとなしめな子に聞いてみた。
「ねぇ、織斑って奴はいる?」
「織斑くんならさっき篠ノ之さんと一緒に外に出て行ったよ?」
先客か。っていうか篠ノ之って誰だ?一緒にだから知り合いかなんかかな・・・?その子にお礼を言って1組を後にした。次の休み時間にまた来よ。
~次の休み時間~
再び1組に来た・・・が今度は金髪の縦ロールのいかにもお嬢様な人と言い合いをしていた。巻き込まれたくないから次の時間には会いに行こう。
~お昼休憩~
食堂行く前に再三1組に来た。さすがに気づかれるか怪しまれるかのどっちかになりそう・・・
「おりむーはさっき先生に呼ばれて行ったよ~」
扉あける前に袖がダボッとした子にそう言われた。案の定気づかれてたか・・・けど当の本人にはまだ気づかれてない。仕方ない。放課後にまた来よう。
◇
「さて、再来週にクラス対抗戦というのがある」
帰り前のSHRが始まる前に先生が言い出した。簡潔にまとめると
・それぞれのクラスから代表者が出場する。
・各クラスの実力推移を測るもの
・優勝したクラスには学食のデザートが半年間無料になる
「それに伴い、2組の代表を決めようと思う。ちなみに選ばれた人はクラス長も兼ねてなってもらう。誰かやりたい人はいないか?いなかったら推薦でも構わないぞ」
「私、コンラッドくんを推薦します!」
「あ、じゃあわたしも!」
「あたしも彼が(ry」
「・・・は?俺?」
「では、コンラッド君がクラス長に異議がある人は手を挙げてくれ」
シーン・・・。誰も挙げないぞ。おい。
「よし。ではコンラッド君。やってくれるか?」
「え、えぇ・・・」
俺はクラスを見回した。全員「任せた!」みたいな顔してる。
「皆いいの?俺がなっていいの?」
一同コクリと頷いた。団結力あるなぁ・・・
「じゃ、じゃあやります!」
「ではコンラッド君を2組のクラス長に決まりだな」
こんなのありかよぉ
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SHR終わり、やっと放課後になった。ある子は部活見学しに、またある子は自習室で復習しに行った。俺は4度目の1組のクラスへ向かった。扉を開けた途端目の前に人がいた。危うくぶつかる所だった。
「もしかして君が織斑くんか?」
「え?そうだけど。ひょっとして俺と同じISを動かしたていう人って・・・?」
「そう!俺だよ!良かった。やっと会えた・・・!」
「俺もちょうど会いに行こうとしてたんだ。そうだ、一緒に帰ろうぜ」
学校を出て俺たちは寮へ向かった。歩いて数分も無い距離だ。
「いやぁ参ったよ。どこ行っても女子だらけ。前行ってた学校は共学だったから女子との会話とかそんなに無かったから耐性が付いてないしさ」
「前行ってたって・・・じゃあ俺より年上!?」
「あはは。そうだけどタメ口でいいぜ。あ、俺はコンラッド・バクスター。ラッドでいいよ」
「そ、そっか。俺も一夏でいいぜ」
自己紹介終えて着くまで喋ってると、ふと後ろから物凄い視線が来てることに察知した。
「それより一夏・・・」
「ああ。分かってる・・・」
一夏も気づいていたらしい。どうやら後ろから大勢の女子生徒たちがついてきてるのだった。ここじゃ俺たちは珍獣みたいなものだしな。
◇
寮に着いて俺たちは自分の部屋に向かった。一夏は1025号室、俺は1030号室だ。俺は鍵を開けて部屋に入り即行着替える・・・つもりだったが既に鍵が開いてたのだ。
「あのー今日から相部屋相手になるコンラッドですー。よろしくお願いします」
中に入り扉を閉め挨拶をした。仮に他のクラスの子だったら気まずいからな・・・聞いてたかどうかは分からないが。だがその時部屋の奥から誰かがやってきた。
「お、おっ?私の相手はラッドだったのかよ。よろしくな!」
どうやら俺の相部屋相手は同じクラスの“ティナ・ハミルトン”だった。俺は安心感と共に恥ずかしさが増した。何故なら上着のファスナーが半分開いてて胸元がはっきり見えてたのだ。
「あぁ良かった。ってかティナ、ファスナー上げてくれないかな・・・」
俺は顔を背けながら言った。言われて気づいたのだろう。ティナは大慌てで上着のファスナーを上げた。
「わ、悪りぃ・・・!」
◇
いきなりアクシデントに見舞われたが荷物の片づけも終えベッドに座った。荷物は両親が前の日にここに届けてくれた。中身は1週間分の着替えと充電器。それとノートPCと昔興味本位で読んでたISに関する本が何冊が入ってた。
「へぇーこういうの読んでんの?」
丁度、シャワーから上がってきたティナがやってきた。凄い良い匂いだ・・・って何思ってんだ俺は。
「ああ。興味本位だけどね。でもまさか動かせたなんてね・・・」
「ハハッ。でもラッドが相手で良かったよ」
「それは俺もだよ。これで他の子だったら3日間は沈黙だよ」
3日間は大袈裟かな。でも人見知りは酷いから実際そうなりそう。二人でしばらく話をしてると部屋の外から騒がしい声がしてきた。するとドアの叩く音がした。それもかなり大きい音だ。
「ラッドぉぉぉ!!助けてくれっっ!!」
その声は一夏だった。俺はすぐさまドアを開けて一夏を中に入れた。
「ど、どうしたんだ?」
「悪い!ちょっと隠れさせて!」
そう言うと脱衣所に隠れに行った。隠れ場所を探させる余裕もなかったようだ。その数分後またドアの叩く音が聞こえた。開けるとそこには見たことない子がいた。見た目は長身でポニーテール。顔が厳ついし竹刀持ってるし殺気オーラが全開だった。
「すまないが一夏はいるか?」
冷静に『一夏はいない』と言おうと思った矢先、脱衣所から物騒な音と一夏の叫び声が聞こえた。
「「あぁ・・・」」
俺とティナは唖然とするしかなかった。フォローする事すら出来なかった。ポニーテールの子は部屋に入って脱衣所にいた一夏を見つけ捕まえたようだ。
「一夏が邪魔してすまなかった。失礼する」
そう言って一夏の襟首を引っ張って部屋を出て行った。廊下中から一夏の叫けび声が響くがあの子には聞こえてないようだ。
「だ、大丈夫かな・・・あの二人?」
「さぁ・・・?」