インフィニット・ストラトス~Side Class-2~ 作:貴武川 紗実
―――ピピピピッ。
「んっ・・・」カチッ
目覚ましのアラームで目覚めた。目を開けるいつもとは違う天井が見える。時計を見ると朝6時半を示していた。反対側を見るとティナがまだぐっすりと寝ていた。そうだ、俺は転学してたんだった。たった一つ、他の男たちとは違うことが出来ただけで女子しかいない学校にに放り込まれるなんてね。けどこれが現実なんだ。後には戻れない。いや、戻ることも許されない。ここでやるしかないんだ!!俺はそう自己暗示をかけてベッドから身を起こして身支度をし始めた。
◇
――キーンコーンカーンコーン。
ただ今2時間目終了。俺は相変わらずなんとか追いついてる状況。いくら昔独学で学んでたとはいえ公に出ている情報ってごく僅かな事しかない。俺は昔、世界大会を見る機会があったのでそれを見た際、機体もすごくカッコよく試合にも思わず熱が入るほど夢中になっていた。それを機にISに関して調べたいと思い図書館に通い続けたこともしばしばあった。それを見た友人たちに“
「ねえ聞いた?1組の織斑くん、専用機が貰えるんだって」
「専用機!?いいなぁ・・・私も早く欲しいなぁ」
「つまり政府から支援出てるってことでしょ?凄いよねぇ」
専用機だと!?俺は無意識に彼女たちのもとへ向かった。こんな早い時期に。しかも例の無い男が専用機持ちになるなんて。
「な、なぁ。その話は本当なの?」
「え?え、えぇ。本当よ」
後であいつに詳しく聞いてみるか。ちょっと興味深いってのもあるし何より・・・
「やっぱりコンラッドくんも羨ましい感じ?」
一人の女子がドンピシャに聞いてきた。俺は小さく頷いた。
「「「あぁーやっぱりね」」」
「ハモって言わないでくれよ」
◇
待ちに待ったお昼!俺とティナは一緒に食堂に向かった。ちょっと早めに来たはずなのだがすでに人いっぱいだった。ちょうど一夏と前に部屋に来たポニーテールの子と2人で食べていた。邪魔しちゃ悪いかなと思いつつも俺たちは一夏たちと一緒に食べることにした。ポニテの子がちょっと不機嫌な顔してたけど。
「そういや、そっちの状況はどうなんだ?」
「ふぇ?何が?」
「クラス代表だよ。あとなんかお嬢様って感じな子と揉めたんだって?」
「あぁ。だって――」
「そもそもあんな挑発に乗るお前が悪い」
隣からため息交じりのキツイ一言が飛び出た。まあ一夏の気持ちも分かる。例え時代が変わっても男のプライドもあるしさ。
「うっ・・・そりゃそうだけどさ。」
「まぁまぁ。吐いた唾は飲めないからね。えーっと・・・」
「篠ノ之箒だ。箒でいい」
「分かった。よろしく箒。俺はコンラッド。ラッドでいいぜ」
(篠ノ之?篠ノ之・・・)
どこかで聞いたことある名字だ。どこだっけ・・・?
「ん?どうした?」
「ああいや、何でもない。で、この子がティナだ」
「ティナよ。二人ともよろしくね」
「おう!よろしく!」
「そうだ。専用機ってどんな感じなんだ?」
ティナが興味本位で一夏に聞いてみた。
「それが・・・まだなんだよ」
「「まだ?」」
「どうやら学校に来るまで時間がかかるらしいんだ。それまでどうしようか考えてたところなんだよ」
クラス代表決める試合までそんなに日にちは無い。4人で決め合いをした。専用機が来るまでは訓練機を借りて練習するのが無難という結果になりかけたその時・・・
「ねぇ。君が噂の代表候補生と勝負する織斑くんかな?」
突然俺達の後ろから女子がやってきた。胸元のリボン見るとどうやら3年生のようだ。その人は俺に「隣座っていいかな?」って聞いてきて俺は「どうぞ」と頷いて言った。
「え、えぇ。そうですが」
「よかったら、お姉さんがISについていろいろ教えてあげよっか?」
「おい一夏!よかったな!先輩が教えてもらえる――」
その時だった。
「結構です。こいつは私が教えます」
箒が会話を割り込む感じで言ってきた。
「「えっ!?」」
一夏と俺は揃って驚いた。
「あなた一年でしょ?私のほうが経験が上だよ?」
「私は篠ノ之束の妹ですから」
「(やっぱり!この子、あの世界的天才の篠ノ之束の妹だったのか!!)」
篠ノ之束。1人でISの基礎理論など考案、実証したうえISの重要なコアを全て生産しているため自他共に認める天才科学者。あと千冬さんと同級生だったとか。5年前、世界各国の軍事ネットワークが何者かによりハッキングされ、日本に向かって数千発以上のミサイルが発射される事件が起きた。しかし突如現れた白く輝く謎のISによって全て撃ち落とされ間一髪崩壊を免れた。その姿はまるで騎士の姿だったことから、人々からは"白騎士の奇跡"と呼ばれるようになった。その後、これは篠ノ之束が引き起こしたという説を唱えたりする者もいた。ちなみに、彼女も白い騎士を操縦していた人も今どこで何をしているのかは誰も知らない・・・
「篠ノ之って・・・まさかあの篠ノ之束博士の!?そ、それなら仕方ないわね・・・」
そう言って先輩は行ってしまった。俺からすると勿体ない事したなと思ったけど・・・