バカと表裏と召喚獣   作:LEN R-18

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第二話

あれから自己紹介も終わり、早くもお昼の時間。正直言ってやることも特に無かったらしい。高橋先生に聞いてみたところ、自由時間を多く取っておいて新しいクラスメイトとの交流を促す、だって。

 

僕は昼食はいつも屋上で取っている、勿論一人で。ちょっと前まではある友達と一緒に食べていたんだけど……

 

 

 

 

 

『――ねぇ由井、見て!。飛行機雲!』

『そんなはしゃぐほどのものかな?、飛行機なんて今じゃ当たり前に飛んでるし……』

『分かってないなぁ。飛行機雲って飛行機の飛んでる高さや上空の温度、湿度、空気の流れとか色々な条件が揃ってはじめて出来る実は結構珍しいものなんだよ!』

『……ふぅん。』

 

 

 

 

 

「………あ、飛行機雲。」

 

友達、悠季が学園からいなくなって3~4ヶ月。彼女がいなくなってからも僕はここで昼食を食べる。この習慣は多分3年生になっても変わらないだろう、ここは彼女を思い出せる唯一の場所だから。思い出すといっても忘れたことなんか無いけどね。

 

昼食を食べていると屋上に上がってくる階段の方から声が聞こえてくる、話し声と言う事は多分グループなんだろう。

 

 

 

『明久、宣戦布告はしてきたな?』

『一応今日の午後に開戦予定と告げてきたけど』

 

 

宣戦布告?、開戦予定?、今上がって来てる人たちまさか今日から試験召喚戦争をするつもりなんじゃ……

 

試験召喚戦争って言うのは、簡単に言えばテストの点数でクラス同士の勝負を行うこの学園唯一の教育システムだ。自分のテストの点数によって戦争に使う召喚獣の強さが決まる。勿論こんなシステムじゃあもともとの強いAクラス1強だろう。だからお互いのクラスは勝負にそのクラスの設備を賭ける。つまり下位クラスが上位クラスに勝った場合、相手クラスの設備を奪う事が出来るのだ。さっき言い忘れてたんだけど僕のいるAクラスが最高の設備を誇っていてB、C、Dと下がっていくたびに設備も酷くなっていくのだDくらいだとまだ普通らしいけど最低クラスのFクラスはとんでもなく酷い設備らしい。

 

 

 

『ゆっくり作戦について話していきたいんだが……おーい、そこにいるやつ!」

 

赤い髪をツンツンと生やした、多分この中のリーダーぽい人が僕を呼んだ。他のメンバー中に僕の知ってる人もいた。先ほどクラスで探した姫路瑞希さん、木下優子さんに似過ぎている弟の木下秀吉君、そして――僕と同じ観察処分者の吉井明久君だ。ここにいるのはみんなFクラスの人たちなんだろう、作戦練ろうとしてたし。

 

 

「……何かな?」

「多分さっきの階段での話は聞かれちまってそうだからな、分かるだろうが俺たちは今から試召戦争の作戦について話し合うつもりだ。だからこの屋上からちょっと出て行ってもらいたいんだ。」

「ちょっと雄二、初対面の人にいきなり――って佐上君?」

「吉井君久しぶりだね、この前呼び出されたとき以来かな?」

 

僕も訳があって特別、観察処分者となっている。なったのは流石に吉井君よりもあとだけどね。

 

 

「なんだ明久、知り合いか?」

「うん、もう一人の観察処分者でいつも一緒に仕事してる仲間だよ。」

「……そうか。で佐上だったか?さっきの話なんだが……」

 

多分この人、僕が観察処分者って聞いてそれでもクラスは違うからEクラスだって勘違いしてるんじゃないかな、それにそう勘違いしてるって事は姫路さんいることも踏まえて多分戦争行う相手はDクラスなんだろうか。

 

 

「それに関しては別に良いよ、…それにしてもいくら姫路さんがいるからってよく上位クラスに立ち向かおうだなんて凄いね。吉井くんがいるってことはFクラスでしょ?」

「話が分かる奴で非常に助かる。まあ色々やってみたい事もあってな、まあいきなり試召戦争に挑むのが姫路がいるからってのは大体見当が付くだろ?」

 

彼の周りのメンバーは?マークを頭に浮かべてるけど……、これは非常に簡単な話だ。姫路瑞希と言う切り札があることを相手が知らない今なら十分、いや十全に戦えるからだろう。

 

 

「そりゃまあね、……ここから去る前に聞きたい事があるんだけど良いかな?別にDクラスの奴に話したりするわけじゃないからさ」

「別に構わんが…なんだ?」

「大した事じゃないよ、ただ本当に倒したいのは何クラスなのかなって言うの」

「「「「「っ!?」」」」」

 

今話してるリーダーの人も多少は驚いてるようだけど、周りの人の動揺が凄い。色んな方向を各自別々に見てたりしてる。

 

 

「……今の会話の流れで分かる内容じゃねえよな?」

「まあそうだけど、ただ姫路さんを使った奇襲だけで済ますならCクラスもいけそうだし。何より……君の目が凄く野心に燃え滾ってる感じだったからさ。」

「そんなとこまでわかるもんなのかよ普通。……俺たちの目標はAクラスだ、学力だけが世の中全てじゃねぇって証明してみたくてな」

 

学力だけが世の中全てじゃない?。……確かにそうだ、僕はその言葉に酷く関心が持てた。何故ならそれは僕自身が少し前に味わった事だったから。

 

 

「…面白い人だね君って。なんとなくだけど仲良くなれそうな気がする。そうだ、自己紹介がまだだったね。僕は佐上由井、よろしくね。」

「俺は坂本雄二だ、お隣さん同士宜しく。」

 

僕が自己紹介ついでに握手を求めると坂本君はそれに答えてくれた。ただお隣さん同士って事はやっぱり勘違いしてるんだろうなぁ……。それと赤いツンツンというのに覚えがあったんだけど名前を聞いてそっちの核心もつけた。周りにいた吉井君たちは既に坂本君の奥でお弁当を広げている。

 

 

「坂本雄二……って言うと悪鬼羅刹の?」

「おっ、そっちの名前も知ってるとはな。まあ有名っちゃあ有名だが、そんな体格で案外喧嘩とかもやったりすんのか?」

「……聞きたい事が増えたんだけど、坂本君って悪鬼羅刹のときってさ。どんな悪さっていうか……そう言うようなことをしてた?」

「あー、そこら辺にいるムカつく野郎共はボコボコにしてたっけなぁ。悪さつっても憂さ晴らしの喧嘩ばっかだよ、」

 

ハハと笑いながら昔話をしてくれる坂本君。………良かった、本当に良かった。僕はこのとき心の奥底から安堵していた。

 

 

「ん~、色々と悪いね。時間とらせちゃって、それじゃあまた今度!」

 

そういって僕は手を上げて階段を降りて行く。本当に良かった…、もし坂本君のしていた悪さというものが僕の中で許せない類いのものだったら……

 

 

 

 

……ボクは彼に飛びかかってたかもしれない。本当に良かった。流石に学校でそういう問題ごとは避けたいしね。

 

 

さてと、悪鬼羅刹の坂本雄二ということは霧島さんと同じ中学だね。うちを目標にしてるって言ってたし、試召戦争の策を練ると同時に少し話を聞いてみよう。

 

 




投稿ギリギリまで、前書きに書いてました……。


今日は本当にここまで!、


読んで下さってまことにありがとうございました!
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