バカと表裏と召喚獣   作:LEN R-18

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第四話

久保君たちが席に戻った後、僕と霧島さんはそこに未だ残っていた。

 

 

「霧島、さん?」

「………由井、私も話したいことあるって言ったはず。」

「……やっぱり悠季のことだよね。」

 

僕の返事に霧島さんはコクンと頷く、……やっぱりそうだよね、絶対に気になるよ。だって…

 

 

「………悠季は、私の初めての親友だった。悠季と由井だけが私の応援をしてくれた。」

 

霧島さんは割りと誰とでも話すけど、その誰もが彼女が想い人についての話をすると否定していた。理由は簡単、釣り合わないからだ。霧島さんが好きな人は幼馴染でいまFクラスの代表をしている坂本雄二くん。僕は悠季つながりのいわゆる友達の友達といった感じであったため坂本君を見たことはなかった。僕だって聞いてた話だけじゃあその人とは釣り合わないと思ってた。でも…

 

 

「………他人から見た釣り合いなんて関係ない。そう教えてくれたのは悠季と由井だった。だから私は自分の恋に自信が持てた。」

 

悠季から霧島さんはその思いが何度か折れかけた事も聞いたことある、それでもやっぱり好きだった、諦められなかった。だから怖かった、自分は周りの人は違っておかしい。おかしいままで好きな人に振り向いてもらえるのかって。

 

 

 

「………『集団だろうが、その一人一人はみんな違った個性を持つのが当たり前なんだ。一人だけがおかしいなんてありえない。』」

「……懐かしいね、悠季から僕に相談が回ったときに僕が言った台詞だ。」

「………だから私も由井がおかしいなんて思わない。………由井がFクラスに対してどんな風に思っててもそれは由井の個性。だから由井はおかしくない。だから……今の由井はおかしい。」

 

……僕はおかしくないけど、おかしい?。霧島さんは何を言ってるんだ?

 

 

「ちょっと何言ってるか分からないよ霧島さん。もうちょっと分かりやすく教えてくれないかな?」

「…わかった。………貴方の隣に悠季がいなくなって、貴方は変わった。」

「……それで?、人は変わるものだよ。」

 

人というのは変わったり変わらなかったりするものだ、無理やりにでも変わろうとするものもあればこれだけは変われないというものもある。一定とかそのような意味を持つ言葉が人には絶対に使えないと思う。少なくとも僕は

 

 

「………悠季に何があったの?」

「僕の話をしてるのに何でここでいきなり悠季が出てくるのかなぁ?」

「……今の貴方は昔の、そして今の雄二に似てる。………雄二も私が上級生にいじめられてから変わった。でも……似てるだけ、貴方は確実に悪い方向に変わってる。だから貴方は……観察処分者になった。」

「悪いなんて思うのは霧島さんの考えだよ。大体、今の君は『貴女に坂本君は不釣合い』って言ってた連中と一緒だよ?」

 

そうだ、これは僕自身の問題だ。霧島さんには関係ない、悠季にも関係ない…僕だけの問題。

 

 

「……?、由井は勘違いしてる。」

「勘違い?、どこをどう勘違いしてるのさ。」

「………別に貴方が悪い方向に進もうが私には関係ない。……そんな事をしてる由井に一切干渉していない悠季に何があったのか知りたいだけ。」

 

…………ぷっ、

 

 

「……ははは…ごめん、本当に勘違いしてたよ。……良いよ、お礼と言うのかわかんないけど悠季について教えてあげる、でも」

「………?、」

「口だけで説明するのは難しいから、放課後空けておいて。悠季のいる場所に案内して、そこで全部話すよ。」

「………わかった、ありがとう由井」

「感謝するのはボクのほうだよ。多分君はボクが何してるのかも知ってるんだろうけど、不干渉でいてくれるんだよね?、……じゃあ、また後で。」

 

僕はそれだけ言って自席に戻る。それにしてもさっきは本当に笑ってしまったよ、あくまで向こうの動く理由は悠季であって僕と言う存在はそこに近寄る為の通過点にしか過ぎない。というか僕が心配されてるって勝手に思っちゃったのが良くなかったね、これじゃあ坂本君を馬鹿に出来ないや。

 

さてと、まだ自習課題も終わってないし帰りの時間までには終わらせないと。放課後まで待たせる上にまた待たせるなんて霧島さんに悪いからね。

 

 

「(……二人は私の背中を押すだけで直接雄二に駆け寄ったりはしなかった。……そこは私がしなければいけないところだと分かっていたから。…………だから今の由井を止めるのも私の役目じゃない。……悠季と、由井自身のやる事。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれから時間が流れ既に放課後。FクラスとDクラスはまだ戦争中みたいだけど他のクラスの自習時間は通常授業の時間と何らかわりが無い為、Aクラスの人たちも一人二人と教室を出て行く。

 

 

「まあどうせ、いつか教えることにはなっちゃうだろうし。タイミングとしてはいつでも良かったんだけどね~。」

「………由井、お待たせ。」

「それじゃ行こうか、って言いたい所だけど少し今やってる戦争を見に行っても大丈夫かな?、時間は取らせないから」

「………構わない」

 

霧島さんからの承諾も得たので、取り合えず教室からでる。……隣を見ると、丁度痺れを切らせたDクラスの本陣らしき大人数の部隊がDクラスの教室から出て行くところだった。

 

真ん中にいるのが代表だろうけど……誰だろ?、

 

 

「………平賀源二、Dクラスの代表」

「へぇ、じゃああれがDクラスの本陣って事で問題ないのかな…って何で霧島さんDクラスの代表なんか知ってるの?」

「………各クラスの代表は公開情報。因みにBクラスは根本恭二、Cクラスは小山友香、Eクラスは中林宏美」

 

クラス代表については公開されているんだ、ふぅん。まあそれもそうか、宣戦布告しに言ったときに代表じゃない人が代表を名乗らせることが出来たら戦場は大混乱に陥るだろうしね。……それにしても、どこでそんな情報公開されてるんだろうか。

 

 

「………今朝配られたクラス分けの紙、各クラス代表者の紙にだけそれが書いてある。」

「ふぅん、…って何でさっきから僕の考えてる事が読めるのさ。」

「………秘密」

「そこを秘密にされると僕のプライバシーに関わってくるんですけどっ!?」

「ふふっ、………冗談。それより、……もう終わるみたい」

 

なにやらこれからの僕にとって大切な部分を逸らされた感じがするけど、霧島さんが見てる先を見ると渡り廊下まで進んだDクラス本陣、そしてその後ろの階段からやってきた姫路さん。なるほど、確かにこれはもう詰みだ。

 

 

『え?、あ、あれ?』

『ご、ごめんなさいっ!』

 

姫路さんの召喚獣が平賀君の召喚獣を一撃で切りさき、Fクラスの勝利を告げる西村先生。平賀君の方をよく見ると、未だに状況が掴めていない感じだ。

 

 

「普通、姫路さんがFクラスにいるなんて思わないよね~。慢心で十分な補充試験を受けさせる時間まで耐えられたのがやっぱり一番の敗因かな?」

「………由井、早く行こう?」

「っ!?、……そうだね、にらまれ続けるのも怖いしさっさと離れようか。」

 

渡り廊下の奥から平賀君のところに来た坂本君が僕と霧島さんに気づいた、平賀君と話しながらもこっちをじろじろと睨んでくる。

 

……全くね、霧島さんの隣に男がいるのが嫌ならとっとと告白でも何でもしてくっついてくれよ。それともさっきまで屋上で話したことをAクラスにリークしてるとでも思われたんだろうか。まあそれにしたって向こうが僕にAクラスだって聞かなかったのが悪いんだし……僕は悪くない、筈。

 

とりあえず坂本君がイラって来るように、霧島さんの手を引っ張って、近くの階段からその階を離れた…。

 

 

 

 

 




取り合えず、字数的にここらで区切ります。

由井が主人公っぽくない!とか、女らしいとか思えない!とかはまだスルーしといてください。彼が頑張るのはこの後からです……次話じゃ無理かな?


こんな微妙な展開ばっかでさっさと更新しろと言うのがひしひし伝わってきます。……本当に申し訳ございません。


まあそんなこんなでも、
読んで下さってありがとうございました、次話もよろしくお願いします。
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