私は…この惑星…『地球』というところにもうそろそろで降ろされる。
あの世界…天界で私は罪を犯したから。
(私はもう…貴方に逢えないの。ごめんなさいね…―アルシェネリア様。)
私の愛しき貴方様…。幸せに暮らしてください。
私は、言われるまま呪文を唱え、堕天使となった。
そして、地球に降ろされた。
羽を黒く染めた幼き少女として…
人生をやり直して来い…ってアルシェネリア様は悲しきお顔をしていた。
そして、ある一家の伯爵家に引き取られた。
私が天使と知らず…いえ堕天使と知らずに。
罪深き蒼い髪を腰まで伸ばし、瞳は輝くような黄金の色。
私に名前をくださった。
『フィリエッタ。私の可愛い娘よ。』
天使と知らず、堕天使と知らず、だんだん私は大きくなっていく。
そして、15の春、初めて王国の王子に面会した。
美しい髪の色をしていた。
ふと、あの人の顔をおもい出す。
あれ?誰だっけ?
記憶がかすれてゆく。
確か私を助けてくれたんだよね?
名前がわからない…でも、涙が…
「どうかされましたか?フィリエッタ嬢。」
「いえ、大丈夫です…うっ…(涙)」
思い出せない。どうしてなの?ねぇ!!!
「すこし、外を散歩しても?」
「ああ。いいよ。」
王子は微笑んでわたしに、行っておいでといった。
薔薇が咲き誇る。赤に黄色に青に。いろいろな薔薇がある。
「初めて…あの人と出会ってから、2年になるのね。」
「あの人?」
ふと、王子が私の顔を覗いた。
「いえ…何でもありません。」
「片想いしてたのかい?」
「いえ…結ばれるはずだったんです。でも―」
「でも?」
「あの人は、私に…」
言いかけて気が付いた。
言っちゃだめ。
本当のことを言ってしまえば、今度こそ…
あれから2年がたった。
私は、王子の妃として王座に君臨した。
もう、私自身が天界の人と忘れていた。
そんなある日、私にこんな手紙が届いた。
『久しぶりですね。バルリエラ。もう少しの我慢ですからね…
アルジェリア』
アルジェリア。
あの人の名...
約束してたわ...
私がこの『地球』に降ろされた2年後、手紙を書いてって...
迎えに来てって言ったのに...
私は帰れない...もう遅かったの...政略結婚だもの。
仕方がない...猶予ギリギリ伸ばしていたのにも関わらず...
(馬鹿だね...本当に...あの人との約束を忘れるとか)
その夜、月明かりに照る一輪の薔薇を持って。
迎えを待つ...政略結婚だもの。
でも、これはこれで試されているのかも....天界からの...
なめられてるのよ...
『迎えに来たよ。バルリエア...帰ろう』
でも、私は彼の手をとるべきか迷った...
私は彼の手を...
次回へ続く