比企谷八幡に特殊な力があるのはやはり間違っている。~救いようのない哀れな理性の化物に幸せを~   作:@まきにき

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大変遅れましてすいません。

更新スピードをあげるために短く区切ることにしました。

サブタイトルが謎やぁ......。


由比ヶ浜の料理は毒物じゃないですっ!

「さて...誰から起こすか」

 

平塚先生を起こしたあと、俺は誰から起こすべきか悩んでいた。

 

ここにいるのは右から由比ヶ浜、一色、神崎、葉山、三浦、海老名さん、戸塚......戸塚!?よし待ってろよ戸塚!直ぐに起こしてやるからな!ん?あと一人足りない?大丈夫だ俺には見えてない。

 

俺は優しく少しずつ戸塚の顔に水を溢していく。時々聞こえてくる声に耳を集中させて、戸塚が何故女子ではないのかと、女子だったら絶対告白してフラれてたなとか考えながら。

 

やっぱりフラれちゃうのかよ。

 

「げほっ.....。んん.....はち、まん?」

 

やばい、可愛い。平塚先生の時の下品な起き方とは雲泥の差だ。思わず顔がにやけちまう....。

 

「お、おう。戸塚。目が覚めたか?」

 

「僕は...確か由比ヶ浜さんの作ってくれたカレーを食べて」

 

「いやいやいや、戸塚。それは夢だ」

 

「夢?」

 

「ああ、そうだ。」

 

「そっかぁ。僕、まだ眠いや」

 

「そうか、ご飯が出来たら起こしてやるから寝てて良いぞ?」

 

「うん、ありがとう。はちまん.....」

 

戸塚を木で出来た椅子に寝させて、未だ地獄絵図と化している風景を見た。

 

「こいつら全員起こさなきゃいけないのか....」

 

俺は考えた。一人一人起こしていくとして皆同じことを言って起きるであろうと。それはめんどくさかった。だから考えた、ここでの最善の手を。そして思い付いた。俺が楽をする方法を。

 

俺は、バケツに水を汲んできて、一人を机から引きずって草むらの上に寝かせて服が濡れない程度に顔面めがけてバケツをひっくり返した。

 

「ぐはっ。うう...ごほっ....ごほ.....これは....水?」

 

「よお葉山。目が覚めたか?」

 

「比企谷?まさかそのバケツを?」

 

「おいおい、勘違いするなよ。お前がこのままだとヤバイって思ったから起こしてやったんだ」

 

「僕が?・・・そう言えば結衣がカレーを作ってくれてそれを一口食べたら...ううっ.....」

 

思い出しただけで吐き気を催すレベルだったのかよ。

 

「ほら、まだ起こしてないやつもいるんだ。起きたならさっさと起こしてきてくれ」

 

「君が起こせば良いんじゃないのかい?」

 

「起こすのがめんどくさいからお前を起こしたんだ。後は任せる」

 

「ははは、君らしいな。じゃあ僕は優美子達を起こすから君は結衣達を起こしてくれるかな?」

 

「何故そうなる」

 

「この人数なら二人で手分けして起こした方が早いだろ?それに...彼女たちは君に起こしてもらいたいだろうしね」

 

「・・・・どういう意味だよ」

 

「さあね。さて、それじゃあ僕は優美子から起こすよ。君は....誰から起こすのかな?」

 

葉山の言いたい事はなんとなく分かっていた。誰から起こす。俺には選べないから葉山に丸投げするつもりだったんだが.......。

 

考えろ。この状況で誰から起こしても平和に穏便にすむ方法を......。

 

俺は右人差し指だけ一番左で倒れている神崎に向ける。

 

「やっぱり君はそういう方法を選ぶんだね」

 

「........。どれにしようかなー。神様のいう通りっと、神崎からだな」

 

コップ一杯に水を汲み神崎の口の中に水を入れようとしたら葉山が「僕の時とは起こし方が違うようだね」と言ってきたが無視だ、無視。

 

「こほ....ひき、がや先輩?」

 

「ああ、目が覚めたか?」

 

神崎は、体を起こして周りを見渡し俺の右手に握られた水入りのコップを見て顔を紅くする。

 

「そ、その....嫌ではないですけど、出来れば二人きりの時の方が、私は、その....いえ!決して嫌ではなくてですね!」

 

神崎は何を言ってるんだ....分かりたくないと思う自分がいる。暫く一人で盛り上がっていそうなので放置して一色にもコップから水を顔にかける。

 

何回かかけてるが起きる気配が無い。

もしかして死んでる?

 

「ん、んん..........」

 

いや生きてたわ。

てかさっきから片目が動いてて起きてるのバレバレなんだが。

何故起きないのか不明だ。

 

よし次にいこう。

 

「おーい、由比ヶ浜起きろー」

 

「ちょっとせんぱい!どうして起こしてくれないんですかっ!」

 

「いやだってお前、最初から起きてただろ?」

 

「うっ....な、なんのことですか?」

 

「とぼけても無駄だ。てか一色は食べなかったんだな」

 

「はい、何かヤバそうな気がしましたので。そしたら皆次々に倒れていって」

 

「どうして倒れたふりを?」

 

「平塚先生が来るのが見えて説明するのがめんどくさかったのでわたしも倒れるふりをすれば事情を話さなくて済むじゃないですか~」

 

「はぁ....。まあ気持ちは分からなくないけど...起きてるなら由比ヶ浜起こしてやってくれるか?」

 

「え~。わたしは別に良いですけどー。由比ヶ浜先輩は、先輩に起こしてもらいたいんじゃないですか?」

 

「んなことねーだろ。てか俺は忙しい」

 

「いや、どうせわたし達を起こすように雪ノ下先輩に言われたんじゃないですか?」

 

一色は唇に人さし指を当てながら言ってくる。

 

この1つ1つの動作があざとくて、可愛いと思っている俺もいる。

 

「........さて俺はそろそろ」

 

「あー!図星!図星ですね!先輩分かりやすすぎですよ♪」

 

「はぁ....なあ一いs......」

 

「何ですか先輩?」

 

俺は初めて恐怖を感じていた。

今一色の後ろには右手にしゃもじを持ち腕を組んで仁王立ちをしている、般若がいた。

 

「一色さん。悪いのだけれどそこをどいてくれるかしら?」

 

明らかに声に怒気が含まれている。

一歩、一歩と近寄ってくる。まるで雪ノ下の歩いた場所が氷っていっている感じさえる。

 

「ひぇっ!?ゆ、雪ノ下先輩!?」

 

一色も普段の雪ノ下との違いを感じ取ったのかすぐさま道をあける。

 

「比企谷君。何か言いたいことはあるかしら?」

 

言いたいことならある。何故しゃもじ持ってんのお前?言ったら終わることが分かるので言わないが.....。

 

尚も笑顔で俺に近付いてくる雪ノ下。

 

もう猶予はないだろう。何か、何か考えろ!と俺の頭をフル回転させる。

 

「何もないようね」

 

これ以上ないほどに良い笑顔をしている雪ノ下の顔を雪ノ下さんにも見せてやりたいとか考えてる場合じゃない。

 

「えーと.....なんでしゃもじ持ってんの?」

 

頭をフル回転させた結果。一番酷い結果に辿り着きましたとさ。

 

「クス。今から分かるわ」

 

俺の背中に冷たい汗が流れ落ち空を見上げる。

ああ、小町。お兄ちゃんもう駄目みたいだ。

てか小町は何処にいるんだ?

 

 

 

それから1時間。詳しくは先生から肝試しをやるから仕度をしてくれと言われるまで雪ノ下から説教と言うか八つ当たりを受け続けた。

 

「あなたに分かる!?いきなり平塚先生が来て若手の私が手伝ってやろう!若手の私がと永遠と私の隣で言ってきたと思ったら、予想以上に料理は下手で、なんでもかんでも何処から取り出したのか分からないけれど焼き肉のたれをドバドバ入れ出して、あなたに私の気持ちが分かるかしら!?」とこんな話をされ続けた俺は今、意気消沈中である。

 

因みにしゃもじは俺が耐えかねて下を向いたときに顎に当てられて頭を起こされた。その為に持ってきたのかよ、どんだけ触りたくないんだよとか若干鬱になっていた。

 

だが鶴見との約束もあるので何時までも意気消沈しているわけにはいかない。

 

「はぁ.....」

 

「あれー?お兄ちゃんどしたの?」 

 

「あー、小町かぁ。てかどこ行ってたの?」

 

「いやーなんか小町、小学生の子達とご飯作ってたら一緒に食べようって誘われちゃって一緒に食べてたんだよね」

 

「平和だな.....」

 

「どしたのお兄ちゃん?」

 

「世の中には知らない方が良いこともあるんだよ...」

 

「ふーん、まあ良いけどさ。また何かしようとしてる?」

 

「.....なんのことだ?」

 

「はぁ....お兄ちゃんの事は小町が一番分かってるんだから隠しても無駄なの。それで何やるつもり?」

 

実は鶴見と雪ノ下に伝えた作戦はバラバラだ。雪ノ下に説明したのは、今回の事はお前に問題がある。それならその問題を排除すればいい。と言ってある。

簡単にだが、雪ノ下が鶴見の班が回ってくる所で脅かす役をやってもらうが半ば強引にキレてあの日の事を言ってもらう。あの時の先生の生徒ね、とでも言わせとけば恐怖心を仰げるだろう。そこで鶴見が前に立ち、皆を守れば恐怖対象から少なからず一緒にいれば守ってくれる存在にまでは立場が変わるだろう。

そう説明したら雪ノ下は納得したし、現状の打破にはなるだろう。

 

だけどそれは本物の友達とは少なからず言えないだろう。

 

鶴見に伝えた作戦は何も言わずに合わせろ、だ。

 

「まっ、言えないのも分かってたけどね。はぁ.....ねえお兄ちゃん」

 

「なんだよ」

 

「たまには小町も頼ってね」

 

そう言って小町は俺から離れていった。

 

「頼ってるさ、いつもな」

 

独り言のように呟き立ち上がり葉山とおばけの格好の衣装で若干揉めたがなにはともあれ肝試しは始まる。

 

 

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