ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

今回は海未ちゃん生誕祭の特別編その②になります。
そんな今回は久し振りの戦闘回になっております。
相も変わらずな残念仕様な戦闘回ではございますが、何卒ご容赦下さいませ…。

それでは 2017 園田海未生誕祭特別編「海未ちゃんの幸せ家族計画②」 はじまります。



















2017 園田海未生誕祭特別編「海未ちゃんの幸せ家族計画②」

「あ!ほら!見てください!ぱーぱ!うちのえりーちかちゃんがまた一機墜としましたよ!」

 

「ま、見た目はえりーちかちゃん(よんちゃい♪)だけど、中身、って言うかこの場合は操縦技術か?それは絵里さんなんだから、無双して当たり前って言ったら当たり前なんだけどな。」

 

「もう!素直に私達のえりーちかちゃんを誉めてあげて下さい!」

 

幼女ラヴなマッキーキャットを振りきった私達三人は、幼女限定ガンプラバトル体験コーナーにやって来ました。

 

たどり着いた会場で幼女限定ガンプラバトル体験コーナーへの参加登録を済ませると、えりーちかちゃんは早速ハイ・モックをレンタルして出撃していきました。

 

ガンプラバトル体験コーナーは通常のバトルロイヤルに出撃するのですが、幼女達の護衛として“ふぁりどらんど”のスタッフさん達も一緒に出撃してくれています。

 

ぱーぱが言うには、護衛として出撃している“ふぁりどらんど”スタッフの皆さんはかなりのレベルのファイター達だと言う事です。

 

ちなみに“ふぁりどらんど”のスタッフさん達の機体は“グレイズ・リッター”という機体なのだそうです。

 

ぱーぱの話では“グレイズ・リッター”とは“機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ”に登場する量産型モビルスーツ“グレイズ”のバリエーション機で、“リッター”とはドイツ語で“騎士”を意味する言葉だとか。

 

“騎士”ですか。ならば護衛として出撃しているスタッフさん達は護衛騎士団と言った所でしょうか?

 

「ん?なんだ…金色のガンプラ?あれは…ストフリの改造機か?全身金色とか随分と派手な塗装してんなー。」

 

大型モニターに写し出されている映像には全身を金色に塗装したストライクフリーダムガンダムの改造機がえりーちかちゃん達に近付いて来ていました。

 

…他人の趣味嗜好にどうこう言うのは憚(はばか)られますが、ライフルやまるで翼の様なバックパックまで全身金色塗装とか少し品性を疑いたくなりますね。

 

一部の富裕層の子供達は自身の親の財力を誇るかのように、プロのビルダーさん達に大金を積んで作製させたあの様な全身金色塗装のフルカスタムの改造ガンプラを使いバトルに出てくる事がありますが…嫌なヤツを思い出してしまうので考えるのは止めましょう…。

 

あのストーカー野郎のせいで青空は…。

 

「本当ですね。あの機体…全身が金色に塗装していますね。ですがかなり改造もされている様ですよ?いくらえりーちかちゃんが絵里の操縦技術を持っていても、機体が素組のハイ・モックであのカスタマイズされた金色のストライクフリーダムを相手にするのは不味くないですか?」

 

「んー、まぁ金色のストフリが1機だけなら“ふぁりどらんど”の護衛連中もいるから大丈夫…って!あの金色!単機じゃねぇーのかよ?!後ろからも大量に金色が来やがったぞ!」

 

「アレは…金色のストライクガンダム?が…1、2、3、4、5……え?全部で24機も?!」

 

大型モニターに写し出されている映像では、金色のストライクフリーダムの後ろから、さらに大量の金色のストライクガンダムが押し寄せて来ていました。

 

金色のストライクガンダム…その数は合計で24機。

 

あの大量の金色ストライクガンダム…先行していた金色のストライクフリーダムの護衛か、それともお金持ちの子供に群がっているただの取り巻き連中か…。

 

どちらにしろあの数ではいくらえりーちかちゃんが絵里の操縦技術を持っているとは言え不味い相手かもしれません。

 

護衛のグレイズ・リッターを含め、えりーちかちゃん達のハイ・モック(幼女仕様)は実弾兵器がメイン武装なので、PS装甲の防御アビリティ持ちが相手では分が悪いですね。

 

「ストライクってことはアレ全部PS装甲持ちか?PS装甲持ちが相手なら実弾兵器がメインの護衛連中の機体…グレイズ・リッターじゃ分が悪いぞ!鉄血系の素組の機体じゃ実弾やら実体剣しか積んでねぇ!」

 

「えりーちかちゃん達のハイ・モック(幼女仕様)の武装も実弾タイプのモックライフルとハンドアックスだけです。確かにPS装甲が相手では上手く間接部を狙わなければまともなダメージは与えられませんね…。」

 

「幸いなのは護衛連中のグレイズ・リッターもナノ・ラミネートアーマーがあるから、金色集団の主武装のビーム兵器が効かないってことか…。けどこれじゃ互いに決め手に欠けた泥試合になるぞ。」

 

ナノラミネートアーマー…確か鉄血系のガンプラが持っている防御アビリティで、原作ではビーム兵器のダメージをほとんど無効化して、さらには実弾系の攻撃に対しても高い防御力を発揮する特殊な装甲でしたよね。

 

ガンプラバトルシミュレーターではビーム兵器に対しては原作同様に高い防御性を発揮しますが、実弾系の攻撃は普通にダメージが入るように変更されていたはずです。

 

まぁガンプラバトルシミュレーターはゲームなので、ナノラミネートアーマーが原作同様にビーム兵器にも実弾兵器にも高い防御性を発揮しては他のガンダム作品のガンプラを使うファイター達にとってはまともにダメージを与える事が出来なくなるので不公平になりますからね…。

 

防御アビリティは間接部には適応されませんので、その間接部を狙えば大丈夫なのですが、全てのファイターが青空の様に的確に間接部を狙える様な操縦技術を持っている訳ではありませんので。

 

「ぱーぱ…ですが護衛のグレイズ・リッターにはビーム兵器は効かなくても、えりーちかちゃん達のハイ・モック(幼女仕様)にはナノラミネートアーマーやPS装甲の防御アビリティが付いていないのでこのままではいずれは…。」

 

このまま金色集団と“ふぁりどらんど”側の護衛機との戦闘が互いに決め手に欠けた泥試合になれば、ガンプラバトル体験で出撃している幼女のみんなが…私達のかしこかわいいえりーちかちゃんがいずれは巻き込まれてしまいます。

 

…身体が縮み、心まですっかりと幼女になったとは言え、えりーちかちゃんは私達音ノ木坂学院ガンプラバトルチーム“μ's”の誇るエースファイター“戦乙女”の異名を持つ絢瀬 絵里なのです。

 

この程度の乱戦なら、絵里ならば何の問題もありません。

 

絵里ならば問題はありませんが…今のあの子はえりーちかちゃんなんです…。

 

賢くて可愛い…私とぱーぱの愛しい愛しいえりーちかちゃんなんです!

 

だから!私達の可愛いえりーちかちゃんを傷付け様とする連中を!私は…まーまは絶対に許しませんよ!

 

例え過保護だと言われようとも!

 

「…ぱーぱ。ここで私達がこのバトルに介入してしまっては過保護と言われてしまうかもしれませんが…。」

 

「あの金色集団は金持ちのガキ共だろうから、子供の喧嘩に親がしゃしゃり出るのは確かに過保護だな。でもさ……やっぱり見過ごせねぇーよな。」

 

ぱーぱ!流石は私のぱーぱです!

 

ならば一緒にえりーちかちゃんを助けに行きましょう!

 

ぱーぱが居ればどんな相手だろうが心配無用です!

 

「はい!だから!行きましょう!えりーちかちゃんを助けに!」

 

「おうよ!」

 

だって…えりーちかちゃん。

 

貴女のぱーぱは、私とえりーちかちゃんの大好きな青空は♪

 

最強無敵のガンプラファイターなのですから♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その頃のマッキーキャット~

 

「准将。幼女限定ガンプラバトル体験コーナーに出撃している幼女護衛騎士団のメンバーから連絡がありました。現在、幼女を狙う謎の金色集団と交戦中との事です。敵集団は全機PS装甲の防御アビリティを持つ機体で構成されており、幼女護衛騎士団のグレイズ・リッターでは相性の問題で撃退が難しい。との報告です。」

 

「そうか……。」

 

「如何いたしますか?准将。」

 

「イスルギドック。お前はこの私が幼女の危機を前に座してただ待つだけの男だと思っているのか?幼女の危機を前に、このマッキーキャットが何を行うべきか、それは初めから決まりきっている。出るぞ!イスルギドック!私のバエルを…いや、我が友!ガリガリダックの力を得て新たに生まれ変わったバエルゲーティアの準備を!」

 

「ハッ!直ちに!」

 

「幼女を泣かせる連中に容赦は一切不要。このマッキーキャットと我が新たなる愛機“ガンダムバエルゲーティア”が不埒者共を地獄へと送ってやろう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<IFS接続を確認。FCS、ロック解除。全システム、オールグリーン。マスター、出撃準備完了です。>>

 

[[おうよ!鳴神 青空!ザクⅡF2型!逝くぞ!オラァァァァァァァ!!!]]

 

「一射一倒!狙った獲物は逃がしません!園田 海未!ジム・スナイパーⅡ!いざ!参ります!」

 

私達は愛しのえりーちかちゃんの危機を救う為に、急いでGPカウンターで出撃登録を済ませ、それぞれ今回のお出掛けでは持ってこなかった愛機の代わりとなるガンプラをレンタルし出撃しました。

 

ぱーぱの機体は私が初めてガンプラバトルに出撃した頃にも使っていたジオン仕様の素組のザクⅡF2型、そして私の機体も初めて出撃した時に使用していた素組のジム・スナイパーⅡです。

 

「ぱーぱ。この様な状況で言うのもなんですが、ぱーぱとこうして素組のレンタルガンプラで出撃するのは何だか懐かしいですね。」

 

えりーちかちゃんが金色集団に襲われている宙域へ向けて全速力のブースト機動を行いながら、私は隣のF2ザクを操るぱーぱへと話し掛けます。

 

[[懐かしい?あぁ、そいういやぁ4月の始め頃に海未さん達と初めて出撃した時も、俺はこのジオン仕様のF2型で海未さんはそのジム・スナイパーⅡだったもんな。]]

 

「ええ。あの時の私はぱーぱに頼りきりの初心者でしたが、今ならば貴方の背中を守れると自負しています。だから…。」

 

そんな少しだけ昔の事を懐かしみながらも二人とも索敵を続け、ブースト機動で先を急ぎます。

 

やがてレーダーの範囲内に大量の金色ストライクに囲まれたえりーちかちゃんと他の幼女達が操るハイ・モックの反応が現れて来ましたね…。

 

最大望遠で確認すると、護衛のグレイズ・リッターも奮闘してはいますが、金色のストライクフリーダムが率いる金色ストライク集団とは数が違いすぎて劣勢の様です。

 

それにしてもあの連中…子供達が使用しているハイ・モックへの攻撃はわざと致命傷を避ける様に行っていますね。

 

まさか子供をいたぶって遊んでいるとでも言うのですか?!

 

「ぱーぱ!」

 

[[おうよ!いつも通りに俺が前衛に出る!援護は海未さんに任せる!]]

 

「了解です!行きますよ!まずは一機!その脳天!ぶち抜いてさしあげます!墜ちなさい!!!」

 

私はブースト機動を続けながら、ジム・スナイパーⅡの頭部のスコープバイザーを展開し、スコープモードを起動させると、幼女をいたぶって遊んでいる金色集団のストライクの内の一機に素早く狙いを付けてスナイパーライフルの引き金を引きます。

 

素組のジム・スナイパーⅡの装備するスナイパーライフルでは、ここからでは有効射程距離はギリギリですが、そんなことは関係ありません。

 

えりーちかちゃんへの溢れだす愛情があれば!私の切り札である“零の領域”を使わずとも!

 

「外しはしません!」

 

私のジム・スナイパーⅡが水平に構えたスナイパーライフルから放たれた黄色のビームは、狙いたがわずに金色ストライクの一機を貫きました。

 

[[さっすが!海未さん!相変わらずイイ腕してるな!うっし!こっちも負けてらんねぇ!逝くぞ!アイリ!ヒートホークを!]]

 

<<了解しました。ヒートホーク、アクティブ。>>

 

[[PS装甲って言ってもなぁ!機体の間接部を狙っちまえば!]]

 

一方の青空も右手にヒートホークを、左手にMMP-80マシンガンを握り、F2ザクを一気に加速させて左肩のショルダースパイクから金色ストライクへと体当たりを仕掛けます!

 

[[ダルマにしてやんよ!オラァァァ!]]

 

青空は体当たりの直撃で体勢を崩した金色ストライクの首と手足の間接部に、F2ザクの右手に握るヒートホークを合計5度振り抜き、間接部から頭部と四肢を両断してしまいました!

 

[[こっちもまずは1機!]]

 

金色ストライクの四肢と頭部を両断した青空は、続けざまに肩の辺りから切断した右腕の切断面にMMP-80マシンガンの銃口を押し付けると、そのまま引き金を引き機体の内側へと銃弾を撃ち込みます!

 

もちろん機体内部へと銃弾を撃ち込まれた金色のストライクは大きく仰け反ると、内側から激しい爆発を起こし四散してしまいました。

 

PS装甲の効果が発動している装甲表面では実弾は効果がほとんどありませんが、ああして間接部を狙い切り落とし、切断面に実弾を撃ち込めばPS装甲だろうが関係ありませんね。

 

[[海未さん!俺はこのまま前に出てえりーちかちゃんを探す!海未さんは!]]

 

「はい!こちらは片っ端から金色ストライクを掃除して行きます!ぱーぱはえりーちかちゃんを!」

 

[[おうよ!待ってろよ!えりーちかちゃん!今すぐぱーぱとまーまが助けに行くからな!]]

 

えりーちかちゃん!必ず…必ずまーまとぱーぱが助けてみせます!

 

だからもう少しだけ頑張って下さい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[クソが!この金色ストライク!次から次に邪魔しやがって!こっちはイチイチ間接ぶった切ってから断面に弾撃ち込まなきゃダメなんだ!面倒なんだよ!アイリ!もう1回広域サーチを!早くえりーちかちゃんを探してくれ!]]

 

<<了解しました。広域サーチを開始します。サーチ強度を最大にしてはいますが、乱戦による電波障害の為に少し時間が掛かります。ご了承を。>>

 

[[チッ!なんでもイイから急いでくれ!この連中!腕はクソだが使ってる金色ストライクは上物だ!この金色ストライク、大方どっかの金持ちのボンボンが金に物言わせて用意したんだろーよ!えりーちかちゃんがレンタルした素組のハイ・モックとじゃ相性以前に性能差がありすぎてヤバいかもしれねぇ!]]

 

ぱーぱは武装がMMP-80マシンガンとヒートホークだけなので、PS装甲持ちの金色ストライクを倒すのに手間取っている様ですね。

 

一方の私はと言いますと…

 

「これで十機目です!ぱーぱ!えりーちかちゃんは見付かりましたか?!」

 

戦闘開始からすでに十機の金色のストライクガンダムを撃ち抜き葬っています。

 

今回の私の乗機、ジム・スナイパーⅡの持つスナイパーライフルはビーム兵器なので、PS装甲を貫通する事が出来るので相性は悪くはありません。

 

なので今日の私の撃墜数はぱーぱよりも上ですよ!

 

[[ダメだ!金色ストライクにグレイズ・リッター!ハイ・モックがこうもごちゃごちゃ入り乱れてっと、どれがどれだか見分けがつかねぇ!っと!海未さん!左!]]

 

「っ!そんなろくに狙いもしない攻撃には当たりませんよ!まーまの邪魔をするならば!墜ちなさい!」

 

私はジム・スナイパーⅡへと放たれた金色ストライクのビームを姿勢制御用スラスターを軽く噴かす事で回避すると、攻撃して来た隙だらけの金色ストライクのうちの一機へとスナイパーライフルのビームを放ちます。

 

放たれたビームは金色ストライクのコックピット部分を貫きました。

 

これで本日十一機目の撃墜ですね。

 

実際に交戦してみて分かったのですが、ぱーぱの言う通りこの金色ストライクの集団は機体は高性能なのですが、操るファイター達の腕前は初心者よりも少しはマシと言ったレベルでした。

 

はっきり言えば雑魚です。

 

雑魚なのですが、数が多いので邪魔で邪魔で仕方ないのですよ。

 

あれから私とぱーぱは二機で連携を取り、金色ストライクの集団を少しずつ片付けながら戦場の中央へとやって来ました。

 

先程からぱーぱがアイリに命じて広域サーチを行いえりーちかちゃんのハイ・モックを探しているのですが、乱戦になりすぎて電波状況が悪化している様でサーチの結果は芳しくはありません…。

 

[[クソが!雑魚いクセに邪魔しやがって!こうなりゃこの金色ストライク共を片っ端からぶち殺してヤる!]]

 

あぁ…ぱーぱは頭にきすぎてチンピラ属性が全開ですね。

 

とても今のぱーぱの言葉は良い子のえりーちかちゃんには聴かせられません…。

 

これはぱーぱに少し注意しなければいけませんね。

 

「ぱーぱ!えりーちかちゃんの前ではその様な乱暴な物言いは止めて下さいね!教育上不適切です!えりーちかちゃんが絵里の様なドMのどえむーちかになってしまったらどうするのですか!」

 

[[不適切もナニもえりーちかちゃんがいねぇーだろ!なら別に…]]

 

<<マスター、ご歓談中に失礼します。広域サーチにエリの、いえ、今は“えりーちかちゃん”でしたね。そのえりーちかちゃんのハイ・モックがヒットしました。サブモニターにデータを表示いたします。ご確認を。>>

 

金色ストライクをあしらいながらも、ぱーぱとえりーちかちゃんの教育についてお話し合いをしていると、広域サーチを行っていたアイリからえりーちかちゃんを見付けたと報告が入りました!

 

よかった!えりーちかちゃんがようやく見付かったのですね!

 

[[うっし!ようやく見付けたか!場所は…あっちか!]]

 

「ぱーぱ!私のジム・スナイパーⅡにもデータを転送して下さい!」

 

[[今やってる!にしてもコイツは…]]

 

ぱーぱから転送されたデータをサブモニターに表示させ確認すると、どうやらえりーちかちゃんは護衛のグレイズ・リッターからはぐれてしまった他の子供達を守りながら金色集団と戦っている様ですね。

 

あぁ!えりーちかちゃん!貴女はなんて!なんて優しい!そして!なんて偉い子なのでしょうか!

 

この様な混迷した状況でも他の子供達を守ってあげるなんて!

 

流石は私とぱーぱの愛の結晶(違います)です!

 

まーまとぱーぱの賢い可愛いえりーちかちゃんです!

 

こんなに頑張っている良い子のえりーちかちゃんにはご褒美をあげなければいけませんね!

 

「ぱーぱ!バトルが終わったら良い子のえりーちかちゃんをいっぱいぎゅーしていっぱい誉めてあげましょうね!」

 

[[だな。ならまずは!]]

 

「ええ!まずは!」

 

メインモニターにはこちらに新たに向かって来る三機の金色の機影が写し出されていました。

 

<<金色ストライク、新たにこちらのレンジ内に3機侵入して来ました。やれやれ、今日は金色の千客万来ですね。眩しくて目がチカチカします。>>

 

えりーちかちゃんを助けに行くのを邪魔する愚か者共は!

 

まーまが全て脳天ぶち抜いてヤります!

 

[[邪魔する金色をぶち殺す!]]

「邪魔する金色をぶち抜きます!」

 

待っていて下さいね!えりーちかちゃん!

 

もうすぐまーまとぱーぱが助けに行きますよ!

 

[[クソ共が!死に晒せぇぇぇぇ!!!]]

 

ぱーぱ…気合いを入れて殲滅しようとしているのは良いのですが、本当にお願いですからえりーちかちゃんの前ではその様な乱暴な物言いは止めて下さいね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<マスター。間もなくえりーちかちゃんとの通信圏内に入ります。>>

 

次々に群がってくる金色ストライクを片っ端から片付け、私とぱーぱは愛しのえりーちかちゃんの元へと急ぎました!

 

この金色ストライクなのですが…私とぱーぱで既に初めに大型モニターで確認した24機以上は墜としているはずなのに一向にその数が減りません。

 

それどころか金色ストライクの数は当初よりも増えている様な気がします…。

 

一度退場した機体は同じバトルロイヤルには参加できないので、この金色集団は大量の金色ストライクを用意していたのでしょうね。

 

現在はこの惨状を見かねた今回のバトルロイヤルに参会していた一般のファイターやスクールファイターの方々も、子供達を助ける為に集まって力を貸してくれてはいるのですが、それでも現状は芳しくはありません…。

 

恐らくは金色ストライク集団を率いていた金色のストライクフリーダムを墜とさなければこの金色ストライクの無限湧きは終わらないのかもしれませんね。

 

そうこうしている内に、私とぱーぱはようやくえりーちかちゃんを通信圏内へと捉える事が出来ました!

 

[[なら急いで繋いでくれ!]]

 

<<そう言うと思いましたのでもう繋いでいます。通信、入ります。>>

 

[[めっ!めーよ!まーまがいってた!ちっちゃいこいじめちゃめっ!なんだよ!]]

 

通信が繋がり聞こえて来たのは“ちっちゃいこをいじめちゃめっ!”と必死に誰かを注意しているえりーちかちゃんの怒りながらも聴いているとお耳が幸せ過ぎて思わず鼻血が出そうになる程に可愛いらしいお声でした。

 

あぁ…なんだか鼻の奥が熱くなって来ましたよ!

 

このままではまーまの愛が溢れて本当に鼻血が噴き出して来てしまいそうです!

 

[[繋がった!えりーちかちゃん!]]

「繋がりました!えりーちかちゃん!」

 

[[???ぱーぱ?まーま?]]

 

[[おうよ!ぱーぱと!]]

 

「まーまが!」

 

[[助けに来たぞ!]]

「助けに来ましたよ!」

 

[[きゃっふ♪ぱーぱ♪まーま♪]]

 

[[っ!えりーちかちゃん!ダメだ!止まるな!よそ見すんな!避けろ!]]

 

[[ふぇ?あ…]]

 

「えりーちかちゃんはヤらせません!コンセントレーション!“零の領域(レイヤー・オブ・ザ・ゼロ)”!!!」

 

えりーちかちゃんはぱーぱとまーまが助けに来たくれたのが余程嬉しかったのでしょう、私達の声を聞くと回避機動を続けながら応戦していたにもかかわらず、機体の動きを止めて“ぱーぱ!”、“まーま!”とハイ・モックの両手を“ぶんぶん”と振り回しながら可愛らしい声をあげました。

 

えりーちかちゃん!嬉しいのは分かりますが、例えどんなに嬉しくてもここはバトルフィールドなのです!

 

動きを止めてはいけませ!

 

案の定、動きを止めたえりーちかちゃんのハイ・モックを狙って金色のストライクフリーダムのスーパードラグーンが襲い掛かって行きました!

 

私はえりーちかちゃんを守る為に、瞬時に精神を極限状態まで集中させて奥の手である“零の領域(レイヤー・オブ・ザ・ゼロ)”を発動させると、拡張された知覚がもたらす色も音もないゆっくりと進む時間の中で、えりーちかちゃんを狙う不埒なスーパードラグーンに対してスナイパーライフルを連続で放ちます!

 

ひとつ

 

ふたつ

 

みっつ

 

よっつ

 

いつつ

 

むっつ

 

ななつ

 

えりーちかちゃんを狙う計八機のスーパードラグーンのうち、七つのスーパードラグーンを撃ち落とし、最後の一つを狙おうとした時、途端にスナイパーライフルを構えていた右腕が“びっく”と振るえると動かなくなってしまいました!

 

「なっ?!」

 

機体が動かない?!どうして?!

 

何時もならばこの程度で私の“アルテミス”に限界が来るはずは…あっ!そうですよ!忘れていました!今日は使っている機体は“アルテミス”ではなかったのです!

 

今回は持ってきていない私の本来のガンプラ“アルテミス”のつもりで、“零の領域(レイヤー・オブ・ザ・ゼロ)”発動中に全力で機体を稼働をさせてしまった為に、素組のジム・スナイパーⅡでは負荷に耐えきれなくなりセーフティが働いてしまった様です。

 

ゆっくりと進む時間の中でそんな事を考えながらも、私は撃ち落とせなかった最後のスーパードラグーンがえりーちかちゃんのハイ・モックを狙い距離を詰めて行くのをなす術もなく、ただ見ている事しか出来ませんでした…。

 

ぱーぱのF2ザクでは例えクイックブーストを使ったとしても、ここからで間に合いません。

 

私は…私達は…守れないのですか?

 

愛しい我が子を。

 

愛しいえりーちかちゃんを。

 

大切な人を、大切な我が子を。

 

私は肝心な時に何も出来ずに、ただ見ている事しか出来ないのですか…。

 

そう…またあの時の様に…青空が私を庇い、錆びの香りが漂う赤く、紅く、朱く、どこまでもドス黒い悪意の底に沈んでいったあの時の様に、ただなす術もなく見ている事しか出来ないのですか…。

 

誰か…助けて下さい…。

 

誰でもいいから助けて下さい…。

 

あの子を…えりーちかちゃんを…。

 

助けて下さい…。

 

あの子を助けてくれるのならば、それが天使だろうが悪魔だろうが構いません…。

 

お願いです…助けて下さい…。

 

誰か…お願いです。

 

誰か…

 

「誰か!私のえりーちかちゃんを助けて下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[ならばその役目。この私と我が愛機、バエルゲーティアが引き受けよう。]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[なっ?!]]

 

「えっ?!」

 

突如、コクピットに響いた無駄に良い声と共に“ソレ”はやって来ました。

 

凄まじいスピードで飛来した白い機影が、淡い青いビームの粒子を発している二本のブレードを振るい、えりーちかちゃんのハイ・モックを狙っていた最後のスーパードラグーンを切り裂いてしまったのです!

 

[[この声って!]]

「この声は!」

 

そう!この声は!

 

[[マッキーキャット!!!]]

「マッキーキャット!!!」

 

幼女の夢の国“ふぁりどらんど”が誇るメインマスコットキャラクター!

 

目付きの悪い白いコートを羽織った猫の着ぐるみ!

 

元准将にして現無職の変質者!

 

幼女の味方!“マッキーキャット”その人(?)でした!

 

[[ねこさん!きたー!]]

 

[[危ない所だったがどうにか間に合ったようだな。]]

 

この幼女スキーの変質者はなんて良いタイミングで現れやがるのですか!

 

ですがナイスタイミングですよ!

 

これ以上ないナイスなタイミングです!

 

まるで登場するタイミングを見計らっていた様な…。

 

ま、まさか…。

 

「えりーちかちゃんを助けて貰っておいてこんな事を言うのは失礼ですが、マッキーキャット…貴方はえりーちかちゃんが窮地に陥る瞬間を見計らっていたのではないでしょうね!」

 

[[………なんの事だか身に覚えがないな。それよりも…ふむ…金色のストライクの次は金色のフリーダムが全部で…5機か。金色のストライクのファイター達は目も当てられない腕前だったが、あの様子ではどうやら金色のフリーダムのファイター達は少しは歯応えがありそうではないか。最も、我が新たなる愛機“ガンダムバエルゲーティア”の初陣には多少物足りない獲物だがな。]]

 

むぅ…上手く話を逸らされてしまいますたね……。

 

まぁいいです。

 

とりあえずは金色のストライクフリーダムを守る様に新しく現れた、これまた金色で塗装されたフリーダムガンダムをどうにかしなければいけませんね。

 

マッキーキャットが言う様に、新手の金色フリーダムのファイターは金色ストライクのファイターよりも遥かに手強そうです。

 

[[ガンダムバエルゲーティア?それがその機体の名前か?パッと見だがバエルの上半身にキマリスヴィダールの脚部とショルダーシールドをミキシングした機体に見えるけど…。ん?そういやぁさっき、スーパードラグーンを叩き切った時にブレードにビーム粒子を展開していたよな?ならブレード自体にビーム粒子を展開できる様に改造してあんのか。へぇ…変態紳士の割りには悪くねぇ改造センスだな。]]

 

[[お褒めに預かり光栄だ。幼女の若き父よ。だがお喋りはここまでだ。まずは幼女達の安寧の為、無限に沸いて出るこの不粋な金色集団を駆逐してしまおうではないか。]]

 

[[だな。確かにいい加減この金色にも見飽きてきたからな!]]

 

「ぱーぱ、マッキーキャット。この金色集団なのですが、恐らくは首魁と思われる金色のストライクフリーダムを討てば無限湧きも終わるのではないですか?」

 

[[あい!きんぴかのすとらいくふりーだむ!ちっちゃいこいじめうわるいこ!えりーちか!めってする!]]

 

[[了解した。黄金の髪の可憐な幼女よ。ならばあの金色のストライクフリーダムは君に任せよう。思う存分にお仕置きしてやりたまえ。君が心置きなくあのストライクフリーダムと対峙できる様に、その他の有象無象はこの私、あまねく幼女の味方たるマッキーキャットとこの場に集いし幼女を愛する有志諸君が片付けようではないか。]]

 

[[まーま、俺達は。]]

 

「はい!えりーちかちゃんの援護ですね!」

 

さぁ!反撃開始ですよ!

 

[[“ふぁりどらんど”が誇る幼女護衛騎士団の諸君!そして幼女の危機に駆け付けてくれた素晴らしきガンプラファイター諸君!]]

 

幼女護衛騎士団って…嫌な騎士団ですね。

 

こんなにも護衛をお願いするのが不安になる騎士団もありませんね。

 

[[諸君等に問う!我々は何だ!]]

 

我々は何だ!ですか?

 

助けに来てくれた方々にこんな事を言うのもアレですが、変質者ではないのですか?若しくは変態ですよね?

 

[[そう!我々は剣だ!そして盾だ!]]

 

だから剣でも盾でもなく、ただの変質者だと思うのですが…?

 

[[我々は可憐な幼女を付け狙う不埒な輩を切り裂く剣だ!]]

 

幼女を付け狙うのは貴方達だと思いますよ?

 

[[我々はその身を賭して麗しの幼女を守る盾だ!]]

 

いちいちツッコミを入れるのが疲れて来ましたね。

 

[[紳士諸君!今一度!奮起せよ!]]

 

奮起するのはナニではないでしょうね?

 

もしも幼女相手にナニが勃つ様ならば、もぎ取りますよ?

 

[[全機!攻撃を開始せよ!幼女を泣かせる鬼畜共を1機足りとも逃すな!]]

 

[[[[[[[[[[応!!!!]]]]]]]]]]

 

はぁ…男性が少なくなってしまった昨今でも、世の中にはこれだけの幼女スキーな変質者がいやがるのですね。

 

[[よろしい!ならば行くぞ!さぁ!黄金の髪の可憐な幼女よ!君も我々と共に!]]

 

[[あい!えりーちか!いきまーしゅ!]]

 

[[まーま!色々とツッコミたいのは分かるけど!今は!]]

 

「もう溜め息しかでませんよ。まぁいいでしょう。ぱーぱの言う通り、今は目の前の下品な金色集団を片付けてヤります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

[[准将。戦闘中に失礼します。]]

 

[[どうした?イスルギドック。緊急の用件か?]]

 

[[いえ、ただガリガリダック特務三佐から至急通信を繋いでくれ、と。]]

 

[[ふむ。今は少しばかり忙しいのだかな。我が友からの通信だ。無下にもできまい。繋いでくれ。]]

 

[[はっ。]]

 

[[オイ!マクギ…]]

 

[[マッキーキャットだ。この着ぐるみ(鎧)を纏っている時の私は全ての幼女の味方、マッキーキャットなのだ。間違えるな、ガリガリダック。]]

 

[[ガリガリ言うな!まぁいい!それよりも!貴様はまた私のキマリスヴィダールのパーツを勝手に持ち出したな!]]

 

[[ああ。脚部とショルダーシールドを拝借した。お陰で私のバエルは更なる力を得てバエルゲーティアへと至る事が出来た。感謝する、友よ。]]

 

[[毎回毎回!勝手に俺のパーツを持ち出すな!自分で作れ!自分で!大体!お前はいつも!]]

 

[[准将。間もなく“アルミリアパレード”のお時間が迫っております。]]

 

[[何?もうそんな時間か…。分かった。ガリガリダック。この話はまた後でしよう。私は少し忙しいのでな。]]

 

[[オイ!待て!マク…]]

 

[[通信を切断いたしまい。]]

 

[[ご苦労、イスルギドック。さと、アルミリアパレードの前にこの金色集団を片付けなければな。行くぞ、イスルギドック。]]

 

[[ハッ!准将!お供いたします!何処までも!]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回、作中でマッキーキャットが使用していたガンプラ“ガンダムバエルゲーティア”は、以前にドロイデン様よりご提案いただいたガンプラでございます。
マッキーキャットの中の人があの准将殿なので、今回の特別編でマッキーキャットの乗機として使用させていただきました。
ドロイデン様。ご提案いただきまして本当にありがとうございました!
また、今回登場したガンダムバエルゲーティアの他にも沢山の皆様から“こんな改造ガンプラはいかがですか?”とのご提案をいただいております。
この場をお借りして改造ガンプラ案をご提案いただいた皆様に改めまして深くお礼申し上げます。
本当にありがとうございます!
ご提案いただきました改造ガンプラ案は全て大切に保管しております。
いただいたガンプラ案は全て素晴らしい作品ばかりではございますが、私自身が残念仕様な戦闘回しか書けない性分でございますので、全てのガンプラ案を登場させることは出来ないかもしれません…。
可能な限りは作中に登場させる事が出来るように努力いたしますので、何卒ご容赦下さいませ。


次回更新はにこちゃん閑話⑤を月曜日のお昼頃を予定しております。
よろしければ是非ご覧下さい。
また、海未ちゃん生誕祭特別編は完成次第順次投稿してまいります。
こちらも合わせてよろしくお願いいたします。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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