ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
私事になりますが、先週の火曜日に“ガンプライブ! ~School Gunpla Project~”が日刊ランキングに掲載されると言う奇跡が起こりました。
これも一重にガンプライブをご覧になって下さる皆様のお陰でございます。
本当に、本当にありがとうございます。
このご恩に報いる為にも、完結を目指して頑張って行きたいと思います。
今後とも、何卒“ガンプライブ! ~School Gunpla Project~”をよろしくお願いいたします。
さて、今回はようやく長かった第5話「START:DASH!!」も終わりになります。
最後は何時ものオチ無し、ヤマ無し、イミも無しのヤオイ(BでLな展開はこざいません。)になりますが、どうかお付き合い下さいませ。
それでは 第5話「START:DASH!!」そのにじゅうさん はじまります。
「嘘は付いていませんよ?一応は全部真実なのですが…。」
「そう……あのね?園田さん。私達が、今日この場に集まった観客がそこの大型モニターで見ていた貴女達とビグ・ラングとの戦闘の結末はね……。」
「結末は?」
「“ソラのザク”があの柄の長いヒートホークでビグ・ラングを両断して終わっているのよ。」
ひょんな事から先程のビグ・ラング戦の結末について、私と生徒会長との間で食い違いがある事に気付いた私達は、互いの結末を照らし合わせる事になりました。
あの時、私は確かに腐れ外道女に乗っ取られたビグ・ラングの脳天を、スナイパーライフルの一撃でぶち抜いてやった筈です。
私が狙撃でビグ・ラングをぶち抜いたのは青空も、青空の契約精霊のアイリも見ています。
間違いはありません。
ですが生徒会長から語られたビグ・ラング戦の結末は違っていました。
青空のザクが長柄の斧でビグ・ラングを両断した……。
それが生徒会長が観戦用の大型モニターで観たビグ・ラングの最後なのだと話してくれました。
「えっ?!そんな!ビグ・ラングは、あの腐れ外道女は私が確かに脳天ぶち抜いて、ホーミングミサイルの内部誘爆で倒したんですよ?!あの時、青空もアイリも一緒に居ました!二人に確認すれば分かる筈です!もちろん私は嘘なんて言っていませんよ?」
「えぇ。私も園田さん、貴女が嘘を付いてるとはどうしても思えないわ……けど、ならどうしてこうもお互いの認識に食い違いがあるの?青空の使っていた高機動型ザクⅡと園田さんのジム・スナイパーⅡは色も見た目もぜんぜん違うから、2機を見間違えるなんて有り得ないし…止めの方法だって遠距離狙撃と近接戦闘じゃ見間違えようもないし……。これってどう言うなのかしら…。」
生徒会長は私の話を信じてくれている様ですが…。
何か私が倒した証拠でもあれば良いのですが…あ…!
GPベースの戦闘記録……あれにならば私と青空がビグ・ラングと…あの腐れ外道女と戦った記録が残されているのではないですか?
確かGPベースをパソコンやスマホにリンクさせれば戦闘記録の詳細を動画で閲覧できた筈ですよね?
私には設定が難しかったので放置していましたが、今から設定して閲覧出来ないでしょうか?
「戦闘記録…GPベースには確か戦闘記録が残されている筈でしたよね?それを調べれば!」
「ど~もそれは無理みたいやよ?」
「希?」
「副会長?無理みたいとは何故ですか?!」
GPベースに残されている筈の戦闘記録を調べようと生徒会長に提案したのですが、そんな私を遮ったのはいつの間にか姿を消していて、そしてまたいつの間にか戻って来ていた副会長でした。
GPベースの戦闘記録を調べるのが無理とは何故なのでしょうか?
「うちもビグ・ラングを鳴神くんがかち割るとこはえりちと一緒にソコの大型モニターでみてんねん。せやのに園田さん達“μ's”は4位…。ビグ・ラングは今回の要塞攻略戦のボーナスユニットやで?アレを倒して得られる撃墜スコアは決して少なくはないはずやねん。そのビグ・ラングのスコアの分がやっぱりどう計算しても合わんと思ってな?コレはあきらかにオカシイおも~って、ちょい運営委員会に確認してみたんよ。」
「希…貴女、居ないと思っていたらそんなことしていたのね…。行く前に一声くらいあってもいいじゃない…。それで、運営委員会に確認した結果は?」
「あはは♪そ~やったね。堪忍してや?えりち♪それでな?運営委員会に聞いてみた結果なんやけど……。」
副会長が運営委員会に確認した結果を話そうとした丁度その時、今度は副会長と同じく運営委員会に抗議に行っていた凛、花陽、真姫の一年生トリオ帰って来ました。
凛と真姫は荒れていますね。
凛なんて“ふしゃー”とか“みぎゃー”とか、まるで怒り狂った猫の様に鳴いています。
「にゃー!!!なんだにゃー!アイツら!ナニが運営委員会だにゃ!“データ上にはビグ・ラングとの交戦記録は残っていないので、残念ですがその分のスコアは加算されません”って!凛達はみんなおにーさんのザクがあの真っ赤な“ザリガニ”かち割るとこ観たにゃ!記録に無いってふざけんなだにゃ!おにーさんがゲロ我慢して頑張ってやっつけたのに!許せないにゃ!きしゃー!!!アイツら!ぶっ殺してやるにゃ!喉笛噛み千切ってやるにゃ!テメェの血はナニ色だにゃぁぁぁぁ!!!」
凛。いくらなんでもぶっ殺してはダメだと思いますよ?
せめて半殺し…いえ…九割九分九厘殺し位にしてあげましょう。
それと喉笛噛み千切るとか猟奇的な殺人方法は、ことりの人○料理だけで間に合っていますのでやめて下さいね?
殺すにしても喉笛噛み千切ってしまっては傷口に唾液が付着してしまうので、そこからDNAや医療用ナノマシンを採取されてしまいますよ?
DNAは前科がなければ採取されても警察のデータベースとは一致しないでしょうが、医療用ナノマシンの方は固有パターンが掛かり付けのお医者様に登録されている筈なので、そちらから足がついてしまいますよ。
殺すならば証拠を残さない様な殺し方をして下さいね♪
………話が明後日の方向に脱線してしまいましたね…。
「星空さんの言う通りよ!記録が無いなんて絶対にオカシイ!私達みんなちゃんと鳴神って先輩のザクがあの真っ赤でおっきなモビルアーマーを倒す所をそこの大型モニターで観ていたのよ?!運営委員会の連中も観ていた人はいたはずよ!それなのにデータに残されていないからスコアが加算されませんとかって!イミワカンナイ!私達みんな揃ってこんな昼間から夢でも見てたって言うの?集団幻覚?無いわ!これだけの規模で集団幻覚を見るなんて!絶対に無い!」
「鳴神先輩のtypeRがビグ・ラングを両断した“記憶”はあるのに“記録”がない…。記録がないって事は誰かがバトルシステムにハッキングして戦闘記録を改竄した?でもマザーシステムが管理して世界で1番強固なプロテクトが施されているバトルシステムにハッキングなんて…そんな無茶苦茶なこと出来るのってアイリちゃんと協力した鳴神先輩くらいしか居ないし…。鳴神先輩がビグ・ラングとの戦闘記録を消すメリットなんて何もないし…。他の可能性は…運営委員会の人が記録を消去した?それこそ意味がないよね…?もし運営委員会の人が記録を消去したなんてことがバレたら、その人は一生を棒に振ることになるし……。うぅー…西木野さんじゃないけど記録が残されてない意味がわかりません!ダレカタスケテー!」
真姫と花陽も憤慨していますね。
真姫の言う通り、先程の私達のバトルを観戦していた観客の皆さんが全員、一人残らず夢を見ていたなんてあり得ません。
花陽の言う通り、青空ならばバトルシステムにハッキングして戦闘記録を改竄する事が出来るのでしょうが、そんな事をしても青空には何のメリットもありません。
ましてや公正公平を謳う運営委員会の方々が記録の改竄を行うなんて、そんな事も考えられません…。
「……あちゃ~、うちのセリフちびっこちゃん達に盗られても~たなぁ…。まぁそ~ゆ~ことやね?うちが運営委員会からもらった回答もそっちのねこの子が言ったのと同じでな?“先程のバトルでチーム“μ's”がビグ・ラングと交戦した記録は残されていません。マザーシステムの調査の結果も同じでした。交戦記録が無いのではその分のスコアは加算する事は出来ません”って言われたんよ。あのマザーシステムが調査しても記録が見付からないなんてよっぽどやで?」
「うーん…穂乃果はそら君と海未ちゃんがビグ・ラングだっけ?あのおっきなザリガニさんみたいな真っ赤なモビルアーマーと戦ってるときは、べつこーどーでよーさいちゅーすーぶのせーあつ?に行ってたから、よくわかんないけど…記録がないのってやっぱりおかしいんだよね?」
「可笑しいわよ…有り得ないって言い切ってしまってもいいわね。マザーシステムまで調査したのに交戦記録が見付からなかったなんて……それじゃあ本当に最初から記録自体が無かったとしか考えられないわ…。でも私達はみんな、確かにソラと園田さんがビグ・ラングと戦って、しっかりと倒した所だって観ているし…。けど私達が観た映像だって園田さんが話してくれた内容とはあきらかに食い違っているのよね…。」
また“有り得ない”ですか……有り得ない事を平然とヤってくるヤツには心当たりがありますね…。
そう…あの腐れ外道女です。
私はビグ・ラング戦の記録が無いのはあの腐れ外道女のせいだと思いますね…。
あの魔女ならば本人のスペックも契約精霊のイリスの能力も、どちらも青空とアイリのコンビに匹敵しているらしいので、 マザーシステムの目を誤魔化して記録を消去する事も可能なのでしょう。
しかもあの魔女は自分の記録を残したくないとか言っていましまので、やはり記録消去の犯人は腐れ外道女の様な気がしますね。
「なんや、ほんまに気味悪いなぁ…。まさかスピリチュアル…この場合はどっちかゆ~とオカルトやね……そのオカルト的なもんとちゃうよなぁ?データ改竄の犯人はオバケやったり~♪ひゅ~どろどろ~♪な~んてなぁ♪」
「オ、オバケ?!ちょっと!希!変なこと言わないでよね!ガンプラバトルは人類の最先端技術の結晶なのよ!オバケなんてありえません!ないんだからね!」
電子“精霊”とか限りなくオカルトに近いよく分からない存在が確認されているのです。
幽霊だっているのではないですか?
お祖父様のご友人には退魔を生業にしているお方もいらっしゃるので、私自信は視たことはありませんが、幽霊は存在していると思うのですが…。
「オバケ、ねぇ…。普通ならイミワカンナイ!って言わなきゃダメなんでしょうけど、うちの病院でもたまに幽霊とか出るから一概に“無い!”って言えないわね…。」
……真姫の病院で出るんですね。幽霊…。
確かに真姫の所の西木野総合病院は都内でも…いいえ、日本でも有数の大きな病院なので、幽霊が出たとしても可笑しくはないですね。
「えぇぇぇ?!西木野さんトコの病院って西木野総合病院ですよね?!で、出るんですか?!オバケ!見たんですか?!オバケ!西木野さんスゴいです!花陽もちょーっとくらいなら見てみたいかも…。」
「にゃーん♪オバケとかなんか楽しそうにゃ!西木野さん!肝試ししに行っていーかにゃ!こうなりゃ鬱憤晴らしにみんなで一緒に肝試しに突撃だにゃ!にゃぁぁぁぁ!!!テンション上がってキタにゃぁぁぁぁ!いっくにゃぁぁぁぁ!オバケ生け捕りだにゃぁぁぁぁ!!!取っ捕まえてテレビに売り付けて一攫千金だにゃぁぁぁぁ!!!」
凛。オバケ…つまり世間一般で言われている幽霊は死んでいるから幽霊であって、死んでいるモノを“生け捕り”にするのは無理なのではないですか?
この場合は幽霊を、死んでいる相手を捕まえるので“死に捕り”……それも何だか可笑しな表現ですね?
霊的なモノはよく“封印”とか言われていますので、もう“封印”で構いませんか。
それと、幽霊は生前は人だったのでしょうから、捕まえてからテレビ局に売り付けてしまっては人身売買になるのではないですか?
幽霊に対してならば法律上は問題は無いでしょうが、元は人だったモノを売り飛ばしてしまっては倫理的にどうかと思いますよ?
人身売買は流石にちょっと……。
「あ!肝試しおもしろそー!凛ちゃん!それってナイスアイデアだよ!穂乃果も凛ちゃん達と一緒に肝試しいくね!よぉーし!海未ちゃん!そら君とことりちゃんもさそってみんなで肝試しいこ!」
そして安心安定のアホ(穂乃果)…間違いました。アホ(穂乃果)ではなく、穂乃果(アホ)ですね。まぁどちらにしろアホには代わりありませんが、穂乃果(アホ)にアホ(穂乃果)と面と向かって言うと、“穂乃果はアホじゃないもん!”と煩いですからね。
さて、改めて穂乃果(アホ)はまた思い付きで行動して…。
いつの間にか穂乃果(アホ)の中では私は肝試しに参加になっていますし…。
大体、病院で肝試しなんて迷惑以外の何物でもありませんよ。
せめて肝試しを行うのならば、人の迷惑にならない所を選んで下さい。
と言いますか、穂乃果。貴女は頭痛はもう大丈夫なのですか?
大声を出しても先程の様に悶絶しない所を見ると、お薬が効いて頭痛は治まった用ですね。
元気が戻って何よりです。良かったですね、穂乃果。
たまに煩くて喧しくて相手にするのがうざい時もありますが、やはり穂乃果には元気が一番似合います。
この後の反省会を兼ねた打ち上では約束通り、何でも貴女の好きな物を頼んで良いですよ。
お支払は全て青空がしてくれますから♪
遠慮も容赦も手加減も♪一切無用ですよ♪ふふふ♪♪♪
おっと、今は肝試しの話題でしたね。
肝試し……普通は涼を求めて夏場に行うモノではないのですか?
今は4月の上旬…夜はまだ冷えますよ?
涼を求めるには早過ぎます。
とりあえずは西木野総合病院にお邪魔して肝試しをするなんてはた迷惑な事は止めさせましょう。
肝試しをするならば、調べ物が得意な花陽に何処か多少アホ(穂乃果)が騒いでも誰の迷惑にならない良い場所がないか探して貰いましょう。
「肝試しって…今はまだ春ですよ?普通は肝試しって夏にやるモノではないのですか?それに西木野総合病院には今現在も病気や怪我で入院しておられる患者さんがいらっしゃるんですよ!遊び半分で肝試しなんて行ったら患者さんやお医者様、看護師さん達の迷惑になります!」
「そ、そうよ!園田さん!貴女とても良いことを言ったわ!人の迷惑になるのはイケナイわ!肝試しなんて人の迷惑にしかならいからダメよ!いいかしら!貴女達!病院で肝試しなんていけませんからね!ダメだからね!絶対にダメなんだからね!ダメって言ったらダメなんだから!生徒会長権限で病院での肝試しなんて禁止にします!禁止にしたから本当にダメだからね!本当に本当にダメだからね!」
「いえ、生徒会長。私は別に肝試しが駄目だとは言っていませんよ?やるならば誰にも迷惑にならない所を見付けてやりましょう。と、言うわけで花陽。リサーチをお願いします。条件は近場で多少騒いでも近隣の住民の方の迷惑にならい、尚且つ適度な恐怖体験が確実に味わえるスポットです。頼みますね。」
「はい!了解しました!海未先輩!万事、花陽にお任せてください!それじゃあさっそく近隣の心霊スポット一覧を取り寄せて…ぽちぽちっと…これですね…この中から条件に当てはまる所は……えーっと…ここは遠いし…ここは?近いけど民家の側ですねー。うーん…もう少し範囲を広げて…おぉ!一気に候補が増えました!どれがイイのかなぁ…ここは?微妙ですね…。この程度じゃ凛ちゃんも穂乃果先輩も怖がってくれませんねー。あ、ここはガチめでヤバイですねー♪おぉ!ここも中々に…。うわぁ…ここはヤバイを通り越してマズイですねー。命の危険がありますねー。こっちはもう少し………」
花陽は早速リサーチを開始してくれた様ですね。
ガチめでヤバイとか、ヤバイを通り越してマズイとかは流石に怖いですね…。
物理的な脅威ならば同じく物理的な方法で力任せに強引に解決出来ますが、霊的な脅威には私では対処できませんから。
それに私的には物理的な攻撃が効かないホンモノとは遭遇したくありませんので、恐怖体験が確実に味わえて雰囲気を楽しめる少しマイルドな場所が望ましいです。
先程も言いましたが、ナニかが出てきても生憎と私には霊的なモノを祓う事は出来ませんので。
……一応はお祖父様にご相談して、お祖父様のご友人の方からお札の様な退魔グッズを手配して貰いましょうか?
ナニも無ければ良いのですが、もしもナニか起きてしまった時に、備えがあれば安心できますよね?
「ふ~ん♪肝試しなんていつ以来やろかな?おもしろそ~やん♪なぁなぁ♪もちろんうちとえりちも参加してえ~んよね?」
「ひぃぃ!ちょっ!希!私は行かないわよ!き、肝試しなんて貴女達だけで勝手にやりなさい!私は行かないからね!絶対に!絶対によ!」
「はい!副会長さん…いえ!希先輩も絵里先輩もぜひごいっしょに!えーっとこれで肝試しに参加するのは…穂乃果とそら君とことりちゃんと海未ちゃん!真姫ちゃんと凛ちゃんと花陽ちゃん!それに絵里先輩と希先輩!ぜんぶで9人だね!」
「高坂さん!お願いだから話を聞いて!私は行かないの!9から1を引いて8よ!8人!私を頭数に数えないで!」
「肝試しが終わる頃には一人増えてたりするんだにゃ!それか逆にこの中から一人減って帰り道は8人に……。」
「いゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!キキタクナイ!キキタクナイ!キキタクナイ!キキタクナイ!」
「ウッシシ♪それはほんまに大変やなぁ~♪な、え~りち♪居なくなるのは誰やろ?うちかな?それとも…」
ウッシシって副会長…なんとも輝かんばかりのイイ笑顔ですね。
青空やことりも今の副会長と良く似た満面の笑みでこちらを徹底的に弄って来ますよね…これは間違いなく悪ノリしますね。
それにしても生徒会長…怖いのがダメなのですね。
何だか意外ですね。
やはり物理攻撃が効かない相手は怖いですよね。
普段あれだけクールで優秀そうな生徒会長がこんなにも怯えていますよ…。
「お願いだから!もうやーめーてー!!!」
「あぁ…その人、幽霊とかダメな人なのね。ふーん……ウフフ♪」
真姫…貴女も副会長に負けず劣らず随分とイイ笑顔をしていますね…。
真姫も副会長に便乗して生徒会長をからかうつもりですね。
真姫は真面目なのでこの手のノリには参加しないと思っていましたが、結構ノリノリで攻めてきてますね。
「みんな…よく聞いて……肝試しから無事に帰ってこれても油断しちゃダメよ…。だって……ほら…そこの金髪の貴女……貴女の後ろ……一緒に憑いてきちゃってるかもしれないわよ……。」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
目をぎゅっと瞑って両手で耳を塞いでうずくまりぷるぷる震えて怖がっている生徒会長…なんだかとても可愛いですね…。
こんな姿を見せられてしまっては、思わず私も苛めたくなって来ました…。
先程の青空に対する仕打ちの仕返しというわけではありませんが、私も少し生徒会長の事を怖がらせてみましょうか…。
「参加したメンバーが一人増えていたり逆に減ったり…無事に肝試しから帰ってこれてもナニかが一緒に憑いて来ていたり…それはとても怖いですね………そう言えば生徒会長……先程からずっと気になっていたのですか……」
「な、な、な、な、な、なによ!ナニが気になっていたのよ!あ、やっぱりヤメテ!言わないで!言わないでいいから!絶対に言ったらダメだからね!言ったりしたらエリーチカ怒るわよ!エリーチカが怒ったら大変なんだからね!恐いのよ!恐くて泣いちゃうわよ!」
エリーチカって…生徒会長…。
なんと言いますか…自分で自分の事をエリーチカとか言うのはとても“残念”ですよ?
それに恐くて泣いちゃうのは生徒会長の方ではありませんか?
「良いのですか?…まぁ生徒会長がイイのならば私は構いませんが……あの…一応はもう一度だけ確認しますが、本当に聞かなくてもイイのですか?後悔はしませんか?私は聞いておいた方が良いと思うのですが………そうですか……。仕方ありませんね…。生徒会長……これから色々と大変でしょうが、負けずに挫けずに諦めずに……頑張って下さいね…。私は生徒会長の事……応援していますよ……ナニがあっても……。」
「え?え?ね、ねぇ……園田さん…?あの……。」
「えりち…ごめんなぁ…うちは占いとかは得意やけど、スピリチュアルぶち抜いてオカルトに突入しとる“ソレ”はど~にもできんわ…。うちにできるのはえりちの無事と今後の幸せを祈ることくらいやね……。えりち…ほんまにごめんなぁ…。うちはえりちの親友失格や……えりち…頑張って生きてや……。」
「夜の病棟でオバケなんて見慣れてたと思ってたけど、そこまで凄いのは私も初めてね…。貴女、ナニしたのよ?まぁ頑張ってどうにかしなさい。それと、あんまり私には近付かないでよね。貴女の“ソレ”、キモチワルイから。」
まぁこれだけ煽っておいて何ですが、生徒会長の後にはナニも無いのですけどね。
ですが、副会長も真姫も私の冗談に乗って来たので、生徒会長の恐怖も倍増ですね。
「にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃ!にゃにがあるにゃ!にゃにが視えるにゃ!凛には視えないにゃ!凛も視たいにゃぁぁぁぁ!!」
「えー!穂乃果にもみーえーなーいー!海未ちゃんと希先輩と真姫ちゃんだけ視えてズルい!穂乃果もみーたーいー!!!」
「視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!視たくない!えりちかはえりちかの後ろのにゃにかなんて視たくないのぉぉぉぉぉぉ!!!」
うふふ♪生徒会長♪恐怖のあまりに凛の様に“ナニか”が“にゃにか”になっていますよ♪♪♪
本当に可愛いですね♪
それに穂乃果は私達が生徒会長をからかって遊んでいる事に気付かずに、素でオバケが見たいとはしゃいでいますね。
こちらも穂乃果らしくて実に微笑ましいです♪
これでこそ穂乃果ですね♪
凛は…どうなのでしょうか?
凛も穂乃果同様にアホ…ゴホン、失礼。天然な所がありますが、中々にクレバーな一面もありますからね。
一概に穂乃果と同様に素でボケているとは言えませんね。
まぁどちらにしろ生徒会長を更に怖がらせるのに一役買っているので“ぐっじょぶ”ですよ、穂乃果、凛。
「皆さん楽しそうですねー。あ、先輩!こことかどうですか?音ノ木坂からも近いですし、目撃情報もスゴい数がありますよ。うわぁ……これは……少し洒落にならないかもしれませんね…。」
「もぉいゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!えりちかおうちかえう!!!かえうんだからね!のじょみー!かえうわぉー!」
あら♪あら♪“おうちかえう”なんて、恐怖のあまりに喋り方まで段々と幼くなってきてますね♪
こわいでちゅかー?“えりーちかちゃん”♪こわいでちゅねー♪ないちゃいそーでちゅねー。
ですが帰しませんよ♪まだまだこれからですよ♪“えりーちかちゃん”♪♪♪
私は絶賛悪ノリ中のいたずらっ子な副会長と真姫へサッと素早く目配せを送り、幼児退行を起こした生徒会長…“えりーちかちゃん”を更に怖がらせる為に追撃を掛けます。
青空に土下座させた事…私はまだ許していませんからね♪うふふ♪
「「「え?!」」」
「生徒会長……本当に…」
「えりち…そのまま……」
「帰るのつもりなの?貴女?」
「ふぇ?!かえっちゃらめなの?えりーちか、おうちかえっちゃらめなの?」
「ダメやないけど…なぁ?」
「えぇ。ダメではありませんが……。ありませんが…。」
「貴女、そんなにいっぱい連れて帰るの?あ!ごめんなさい。今のは無しね。聞かなかった事にしてちょうだい。貴女の後にはダース単位で何だか良くない“モノ”が居るなんて、聞かなかった事にしてちょうだいね。」
「もぉやらぁ……。」
「もぉやらぁ…。と、言われましても…困りましたね?生徒会長をおうちに帰すためにも、とりあえず“ソレ”をどうにかしないといけませんね…。」
「“ソレ”も一緒に打ち上げに誘ってみたら?飲んで食べて騒いだら成仏…ゴホン!えーっと、成仏じゃなくて満足かしら?満足していなくなるんじゃないの?」
「そやね~♪それじゃうちとえりちとえりちの後の“ソレ”も打ち上げにお呼ばれしよか♪」
「やら…えりーちかおうちにかえりたい…おうちかえしてぇ……。だれがたしゅけて…おばぁーしゃまぁ…ありしゃぁ…しょらぁ……えりーちかをたしゅけてよぉ…。」
あぁ…“えりーちかちゃん”の怯えた表情…ぞくぞくしちゃいます♪
うふふふふ…さぁ“えりーちかちゃん”♪もっと、もぉぉぉぉっと、怖がって、怯えて、その可愛らしいお顔を魅せて下さいね♪
次はどうやって脅かしてあげましょうか?
「ったく…海未さんも希さんもそっちのつり目の子も、絵里さんからかって遊ぶのはそこら辺で止めとけって。あまりの恐怖で幼児退行してんじゃねーか?幼児退行状態のこの“えりーちかちゃん”も可愛いけど、コレはちょっと可哀想だろ?」
私達が“えりーちかちゃん”に退化した生徒会長をからかって遊んでいると、バトルコスチュームから私服へと着替え終わった青空が戻って来ました。
おや?青空は生徒会長の擁護をするのですか?
まぁそろそろからかい過ぎて収拾が付かなくなって来ていましたので、青空の擁護はこの“遊び”を止める良い切っ掛けですね。
「しょらぁ…しょらぁ…みんなえりーちかのこといじめうの…のじょみもしょのだしゃんもあにょちゅりめぇのおねーしゃんも…えりーちかねえりーちかね…ぐすん…。」
幼児語は中々に難解ですね。
今のは恐らくは“ソラ、ソラ、みんながえりーちかの事を苛めるの。希も園田さんもあのつり目のお姉さんも。えりーちかね、えりーちかね…ぐすん。”でしょうか?
「あぁ、よしよし。可哀想に……こんなに怯えちまって。ほら、おいで。えりーちかちゃん。」
「うぅーしょらぁー!ぎゅー!ぎゅー!」
えーっと、“ソラー!ぎゅー!ぎゅー!”ですね。
は?“ぎゅー”?!
「はいはい。ぎゅーね。ほら?ぎゅーっと。えりーちかちゃん。もう怖くないだろ?大丈夫だからな。」
………“えりーちかちゃん”…無邪気にふらふらよたよたと歩み寄って青空に抱き付いて行きましたよ…。
なんて!なんて!なんて!羨ましい!妬ましい!
幼児退行して中身は幼女かもしれませんが、身体はスタイル抜群な生徒会長のままなのですよ!コレは許せません!
私だって青空に抱き付きたいです!
“ぎゅー!”して欲しいです!
「なんや、鳴神くんなら“えりーちかちゃん”弄りに乗ってくるおも~っとたんやけどな?」
「あのな、希さん…そりゃ俺だって楽しく絵里さん弄って遊びてぇけど、コレは流石にやり過ぎだろ?絵里さんが俺に助けを求めるなんてよっぽどだぞ?」
「せなあ~。しゃ~ない。そろそろ“えりーちかちゃん”で遊ぶのはおしまいやね。園田さんもそっちのつり目の子もえ~かな?」
「ま、いいんじゃないの?もう十分にからかって遊んだし。」
「………仕方ありません。確かにこれ以上は幼児虐待になりますしね。」
「だとさ?ほら、えりーちかちゃん。もうお姉ちゃん達が怖いお話はしないってさ。」
「ほんと?」
「ほんまやで~。」
「えぇ。もうおしまいよ。」
「それで、この“えりーちかちゃん”はどうすれば元の生徒会長に戻るのですか?」
「さぁ?鳴神くんがキスでもすれば戻るんとちゃうんか?ほら、王子様のキスで呪いが解けるっちゅ~ノリで?」
「止めてくれよ…今の絵里さんにキスなんてしたら児ポ法で捕まるだろーが。ってか俺が王子様?冗談じゃねぇーよ。俺なんて野良犬が精々だっての。」
「しょらぁはおーじしゃま?」
「あー、違う違う。俺はわんこさんだよ。ほら、ワンワンってね。」
「しょらぁ!わんこしゃん!わんこしゃん!わんわん!わんわん!」
「はいはい。わんわんねー。で、えりーちかちゃん戻んねぇからこのまま打ち上げに行くか。ことりさんが先に行ってレストコーナーのテーブル押さえとくって言ってたから、さっさと行こうや。」
「分かりました。肝試しは…花陽が折角色々と調べてくれたので、後でゆっくり話しましょう。穂乃果、凛。良いですね?」
「「はーい!」」
今にして思い返せば、この時に肝試しなんて止めておけば良かったのです…。
……私達はまだ知りません……。
肝試しに向かった先で起こったあの惨劇を…。
私達“μ's”が巻き込まれた悲劇を…。
そう……この時の私達はまだ…………。
まぁ惨劇だ悲劇だとか言っていますが、主な被害者はやっぱり“えりーちかちゃん”なんですけどね。
私達にとっては悲劇と言うよりも喜劇でしから。
「で?えりーちかちゃん…絵里さんの後に大量に居るその人達って誰よ?なんかヤバめな怪我してっけど大丈夫なのか?顔色悪いし。救急車呼んだ方がよくねぇーか?あー、でも何台呼べばいいんだ?」
「「「え?大量の人?ヤバめの怪我?救急車?え?え?えぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
「おぉー!やっぱりナニかいるんだにゃ!凛も視たいにゃ!」
「穂乃果にもみーえーなーいー!穂乃果もみーたーいー!」
「花陽にも見えませんねー。まぁ見えても怖いだけなんで見えなくていいんですけど。」
「やらぁぁぁ!もぉぉぉやらぁぁぁぁぁぁぁ!!!えりーちかおうちかえうぅぅぅぅぅぅ!!!」
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
今回のラストでソラが絵里さんの背後に本当にナニかを視ていたのか、それとも”えりーちかちゃん”をからかうための冗談だったのか…。
そこら辺は皆様のご想像にお任せいたします。
ちなみにスマホにお経のMP3を入れておくと、いざと言うときに役に立ちますよ。
私は般若心経に何度か助けられました。
次回からは本編は少しお休みして、閑話を何話かお送りする予定でございます。
次回の閑話は久し振りに彼女の出番になります。
【挿絵表示】
ちなみに画像のガンプラの登場予定はございません。
次回更新は月曜日のお昼頃を予定しております。
よろしければ是非ご覧下さい。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。