ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

114 / 584
皆様。本日もご覧いただき、ありがとうございます。

今年も残り僅かになりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は前回のラストでソロモンの悪意アナベル・ガトーのゲルググの迎撃に向かった海未ちゃんとことりさんの戦闘になります。
何気に海未ちゃんとことりさんの二人だけで組むのは今回で2回目なんですよね。
何時もは海未ちゃんはソラと、ことりさんは穂乃果ちゃんとバディを組む事が多いので、この二人でのバディの戦闘描写は初めてです。

それでは 第5話「START:DASH!!」そのじゅうさん 始まります。














第5話「START:DASH!!」そのじゅうさん

「反応が速い?!なんで今のタイミングで避けられるのですか?!」

 

再三の忠告をすっかり忘れ、アグニの使いすぎでエネルギー切れを起こして行動不能になってしまったアホ乃…穂乃果を放置して、私はことりと二人で青いゲルググとの戦闘を開始しました。

 

ことりがウィングガンダム・リトルバードのシールドに内蔵しているビームキャノンを連続で放ち、青いゲルググの動きを一瞬阻害した隙に、私も右手に持つブルパップマシンガンを放ちますが、青いゲルググはすぐに私の射撃に反応し、スラスターを巧みに噴射して断続的に撃ち出されたブルパップマシンガンの弾丸を全て回避してしまいました。

 

[[や~ん!今のでぜ~ったいに墜とせたと思ったのに~!なんだかさっきから攻撃にスッゴい敏感に反応しちゃってるよね~!この敏感さはぎゅっ~♪ってすると海未汁ぶしゃ~って噴いてすぐにイッちゃう海未ちゃんのク○ちゃんみたいだよ~♪ホント、ソロモンの悪夢は伊達じゃないね!海未ちゃん!次は同時に!]]

 

「ことり!何度も何度も言いますが、そんなに毎回は噴いたりしません!そもそも私はオ○ニーなんて破廉恥な事はしません!この忙しい時にいちいちエロボケは止めて下さい!以降はもうツッコミはしませんからね!合わせますのでことりは右からお願いします!行きますよ!」

 

体勢を立て直した青いゲルググも私達に向けてビームライフルを放って来ますが、私もことりもそれぞれエロボケとツッコミを行いながら、スラスターを噴射してビームを回避し、反撃に左右から同時に攻撃を行います。

 

青いゲルググは私のジム・スナイパーⅡが放ったマシンガンの弾丸を半身になる事で紙一重で回避し、ことりのシールド内蔵ビームキャノンから放たれたビームをシールドで防ぐと、バックパックのバーニアを一際大きく噴射して私のジム・スナイパーⅡへと突撃して来ました!

 

青いゲルググはいつの間にか武装をビームライフルからビームナギナタに変更しており、新たに手にした右手のビームナギナタを激しく回転させながら私のジム・スナイパーⅡへと大きく振りかぶって斬り付けて来ました。

 

私は慌てて脚部のバーニアを全開で噴射して後退する事でビームナギナタの斬撃を回避しようとしたのですが、先程のビームナギナタが回転する光景に一瞬気を取られてしまっていた為に反応が遅れてしまい、回避際に右手に持っていたブルパップマシンガンをビームナギナタで斬り裂かれてしまいました。

 

[[海未ちゃん!]]

 

「大丈夫です!マシンガンが斬られて使い物にならなくなっただけで、機体自体にダメージはありません!それにブルパップマシンガンの予備はまだストレージ内に残っています!まだいけます!」

 

しかし、この後に控えているア・バオア・クーの中枢部攻略を考えると、まだ弾丸が残っていたブルパップマシンガンをここで失ってしまったのは少し痛いですね。

 

ガンダムシリーズはことりからBlu-rayを借りて、とりあえずは第一作目の機動戦士ガンダムの劇場三部作を見ましたが、その時にゲルググのビームナギナタは回転すると学習していたのですが…まさかガンプラバトルでも本当に回転するとは思いませんでした。

 

果たしてあのビームナギナタの回転に意味はあるのでしょうか?

 

質量を持った実体剣ならいざ知らず、ビームナギナタの様なビーム刃を使用するタイプならば普通に斬り付けても対して変わらない様な…。

 

そんなまさかの光景に反応が遅れてしまった為に、ブルパップマシンガンを失うとは、勿体ないことをしてしまいましたね。

 

「ことり!ストレージから予備のブルパップマシンガンを取り出して来ます!私は一度距離を取りますので、申し訳ありませんが少しだけ青いゲルググの相手をお願いします!」

 

[[や~ん♪少しだけだよ~♪早く帰ってきてくれなきゃ、ことりさびしくて泣いちゃうかも~♪]]

 

「まったく、鳴神君の様な軽口を…。ことりが泣かない様に出来るだけ早く戻りますので頼みましたよ!」

 

はぁ…。バトル開始直後からずっと止まる事なくリトルバードを操って激しく動き回って、今もあれだけの高速機動戦闘を行っていると言うのに、エロボケやら軽口やらことりはなんだかまだまだ余裕そうですね。

 

エロボケには何とかツッコミは入れましたが、私にはとてもそんな余裕はありませんよ。

 

軽くため息を一つついて、私は青いゲルググから距離を取る為にスラスターとバーニアを噴射して一度機体を後退させると、サブコンソールを操作して武装領域(ウェポン・ストレージ)を起動させます。

 

現在のジム・スナイパーⅡのストレージ内に残っている武装は、ここ数日のバトルですっかりと手に馴染んだお馴染みのスナイパーライフルと、予備としていくつか持って来ていた先程まで使っていた物と同じブルパップマシンガンがそれぞれ一丁ずつ。

 

後はブルパップマシンガン用の予備マガジンが二つ…。

 

残されたこの二つの射撃武装では、反応速度が異常に速いあの青いゲルググを相手にするには、やはり取り回しやすく速射性能も高いブルパップマシンガンが良いのでしょうね。

 

威力は貫通力の高いビームを放てるスナイパーライフルの方が断然高いのですが、あれだけ動き回っている青いゲルググ相手に当てるのは至難の技です。

 

そもそも、ことりも言っていましたが、あの青いゲルググはこちらの攻撃やロックオンに対しては過敏な程に凄まじい速度で反応し回避してしまいます。

 

どうにかしてあの青いゲルググの動きを一瞬でも止めることが出来れば…。

 

何か良い方法は無いものでしょうか?

 

高機動型の相手には散弾系の様な広範囲を攻撃出来る武装でその足を止めるのがセオリーですが、生憎と私のジム・スナイパーⅡにもことりのウィングガンダム・リトルバードにも、今回はその様な広範囲を攻撃出来る散弾系の武装は搭載されてはいません。

 

ウィングガンダム・リトルバードの大型バスターライフルならばビームの範囲を広げて照射時間を長くすれば広範囲を攻撃出来ると思いますが、ことりがそれを今までしていないと言う事は青いゲルググを倒すメリット以上のデメリットがあるのでしょう。

 

広範囲を攻撃する方法ですか……広範囲を“攻撃”……“攻撃”……“攻撃”…。

 

ん?“攻撃”?青いゲルググは“攻撃”に対しては過敏な程に凄まじい速度で反応し回避をする?

 

“攻撃”に対しては反応する…。

 

ならば“攻撃”でなければ?

 

そう…例えば、MSのエンジンを爆発させた時の衝撃や、その爆発そのものに巻き込む…とか?

 

エンジンの爆発に巻き込むのは難しいでしょうが、爆発が起こした衝撃に巻き込めれば、一瞬でも隙を作り出す事は出来るはずです。

 

このままあの青いゲルググとの戦闘を続けていても、互いに決め手に欠けてズルズルと弾薬やエネルギーを無駄に消耗するだけです。

 

この後にはア・バオア・クーの攻略も待っています。

 

ならばこそ、“攻撃”以外で“広範囲”を攻撃する方法…試す価値はあるかもしれませんね。

 

現状で最も手っ取り早い方法としてはやはり、MSのエンジンを爆発させる事でしょうか?

 

ならばまずはこの宙域の近くで中破、または大破して動けなくなっている敵機を見付けなければいけませんね。

 

これだけの規模の戦闘なんです。索敵設定を変更して探せば大破して行動不能になった機体の一機や二機、すぐにでも見付かるはずです。

 

「索敵設定の変更を!この近くの宙域で中破、または大破判定を受けて行動不能になった敵機を急いで探して下さい!」

 

<All right.>

 

私は自機のサポートAIへと索敵設定の変更を指示し、そのままサブコンソールを操作してストレージからブルパップマシンガンではなくスナイパーライフルを取り出します。

 

青いゲルググを確実に撃破するならば、私に残されたスナイパーライフルとブルパップマシンガンの二つの射撃武装よりも、ことりのウィングガンダム・リトルバードが持つ大型バスターライフルの一撃の方が確実です。

 

あの頭の可笑しい大型バスターライフルの大火力ならば、当たりさえすれば間違いなく撃墜…いえ、跡形もなく消し飛ばす事が出来ます。

 

「索敵結果が出ましたね……ここから少し下がれば丁度良く大破して漂っているザクやリック・ドムが何機かありますね。」

 

索敵結果を写し出したサブモニターの宙域データを見ると、穂乃果の近くまで一度下がる事になりますが仕方ありません。

 

どのみち青いゲルググを倒したのならば、ア・バオア・クーへと向かう前に動けない穂乃果の回収に戻らなければいけないですからね。

 

「ことり!聞こえていますね!私に一つ作戦があります!そのゲルググは私達の“攻撃”や“ロックオン”に反応して回避行動を行っている様に思われます!なので“攻撃”以外の方法で動きを止めます!」

 

[[海未ちゃん?!攻撃以外って…あ~!そっか!ソロモンの悪夢って言ってもガンプラバトルだから中身はAI…AIの反応速度を無理矢理上げるために攻撃やロックオンに過敏に設定されていたんだ!それでさっきからことり達の攻撃が当たらなかったんだね!でも攻撃以外で動きを止めるって、具体的には?]]

 

「簡単です。そこら辺に漂っている大破したMSのエンジンを遠距離から狙い撃って爆発させます。その爆発か衝撃波にあの青いゲルググを巻き込みます!」

 

[[や~ん♪海未ちゃんったら過激だね!でもその作戦、い~かもしれないね♪ことりはさんせ~だよ♪]]

 

「バトルの残り時間も余りありません!早速、取り掛かりましょう!この宙域から少し下がれば丁度良さげに大破して行動不能になっているザクが何機かあります!私が先にその宙域へと向かいますので、ことりは逃げるフリをして青いゲルググをその宙域に誘い込んで下さい!」

 

[[りょ~かい♪そのあとは大破したザクの近くを通れば…]]

 

「私がタイミングを見計らってエンジンを狙い撃ちます!」

 

[[どっか~ん♪って、なったらことりがバスターライフルで消し飛ばしちゃうね♪]]

 

「はい!頼りにしていますよ!ことり!」

 

[[うん!囮とトドメはことりにおまかせだよ♪]]

 

「宙域データをそちらに送ります。私は一足先に向かって狙撃の用意をして待っています!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スコープモードを起動!メインモニターにはリトルバードと青いゲルググの詳細位置を!それ以外のデータはサブモニターに表示して下さい!」

 

<All right.>

 

ことりに指定した宙域へと後退した私は、レーダーと目視で周囲に敵機が居ない事を確認すると、ジム・スナイパーⅡの頭部の狙撃用バイザーを展開してスコープモードを起動させます。

 

スコープを覗き大破して漂っているザクを照準の中央に捉え狙いを付けると、横目でモニターに写し出されていることりのリトルバードと青いゲルググの位置を確認します。

 

青いゲルググは逃げるフリをしていることりのリトルバードを追撃して、間もなくこの宙域に侵入して来る様ですね…。

 

私は一度深く息を吸うと、次に吸った息をゆっくり吐く事で心を落ち着かせます。

 

“攻撃”と判断されてしまうので、今回の狙撃では射撃の命中率に大きく補正の掛かるロックオン・システムは使えません。

 

ロックオン・システムを使わない、つまりはシステムアシストの無い状態の本来の意味での“狙撃”…。

 

大丈夫…きっと大丈夫…。

 

以前から鳴神君が私の狙撃の腕を誉めてくれていたではないですか…。

 

…狙撃…ですか…。

 

意気込んで出撃した公式戦でしたが、結局は今の私に出来る事は何時もと同じく、ただ標的を照準の中央に捉えて狙い撃つ事だけ…。

 

それ以上でもそれ以下でもない…。

 

そうは思いませんか?鳴神君。

 

そう…今はそれでも構いません。ですが、何時の日にか、私は貴方の隣で、誰よりも側で、貴方の背中を護れる。そんな存在になりたい…。

 

バトルでは何時もスナイパーライフルのスコープ越しに見る、貴方の背中を見ているうちに、私はいつの間にかそんなふうに思うようになってしまいました。

 

そう…今は私には狙い撃つ事しか出来ない……ならば!今は存分に狙い撃ちましょう!

 

ただ、目の前の敵を倒すために!

 

「ことり!行きますよ!」

 

私は青いゲルググがことりに誘われて大破したザクの近くを通り過ぎ様とした瞬間を狙い、手にしたスナイパーライフルの引き金を引きます。

 

青いゲルググは私のスナイパーライフルから放たれた黄色のビームが自分に当たらないと判断し、回避行動をせずに逃げるフリをしていることりへとビームライフルを放ち続けています。

 

思った通りです。あの青いゲルググが凄まじい反応速度を発揮する条件は恐らくは二つ。

 

一つは自らに直撃する“攻撃”。

 

もう一つは“ロックオン”された攻撃。

 

私が放ったビームはあの青いゲルググを狙った物でもなければ、ロックオン・システムすら使用していないので、この二つの条件に当てはまりません。

 

ですから青いゲルググは私の放ったビームには反応せずに回避行動を行わなかったのでしょう。

 

こういう言い方は好きではありませんが、ソロモンの悪夢と言えども、ガンプラバトル上では電子精霊とは違い所詮は自ら思考する事が出来ないAI制御のプログラムなのです。

 

これが有人機…ガンプラファイターが操る機体だったら、こちらの意図に気付いたかもしれません。

 

私が放ったビームは狙い違わず大破していたザクの胴体へと吸い込まれる様に着弾し、そのエンジンを爆発させます。

 

ザクのエンジンが起こした大きな爆発の衝撃は、ザクを通り過ぎたばかりの青いゲルググを後ろから襲い、その動きを一瞬止めさせる事に成功しました。

 

その瞬間、逃げるフリをしていたことりは全身のスラスターを巧みに操り、急制動からのターンで青いゲルググへと向き直ると、チャージが終えて銃口が輝いている大型バスターライフルを構え、例の頭の可笑しい威力のビームを放ちました。

 

青いゲルググは爆発の衝撃の影響から脱して、ことりのリトルバードのロックオンに反応し回避行動を行おうとしましたが既に遅く、大出力の極太のビームに飲み込まれて跡形もなく消し飛んでしまいました。

 

「流石はことりご自慢のバスターライフルです。消し炭さえも残りませんでしたね。ふぅ…なんとか勝てました…。手強い相手でしたが撃墜完了ですね…。」

 

武器も足りない、機体の性能も足りない、鳴神君の様にそれ等を補うだけのファイターとしての技術も足りない。

 

私には“力”が足りない…。

 

ならばせめて何時か“力”を手にするその時まで、足りない“力”は“頭”を使って補いましょう。

 

私は弱者です。

 

ならばこそ、小細工だろうと策を弄しましょう。

 

私は強者足り得ません。

 

ならば足掻きましょう。

 

小細工を弄し、足掻いて、仲間を頼る…その結果がこの勝利です。

 

[[やったね♪海未ちゃん♪♪♪作戦だいせいこ~だよ♪ここまでうまくいくなんて思わなかったよ~♪]]

 

「全てことりのお陰ですよ。さて、残り時間も余りありません。穂乃果が更にアホな事をする前に回収して、みんなでア・バオア・クーへと向かいましょう!」

 

ねぇ?鳴神君…私も何時かは貴方の様に強くなれるのでしょうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[ことりちゃーん!海未ちゃーん!穂乃果、リチャージ中で動けなくてやることないからずーっと戦ってるところ見てたけど、二人ともスゴい!スゴいよ!あんなにつよいのやっつけちゃうんだもん!]]

 

ソロモンの悪夢、アナベル・ガトーの青いゲルググを撃墜した私とことりは、今回のミッションバトルの攻略目標である宇宙要塞ア・バオア・クーへと向かう前に、エネルギー切れを起こし現在はリチャージ中で動けないアホを回収する為に穂乃果の元へと戻りました。

 

そんな私達を迎えてくれたのは、穂乃果からの手放しの称賛の言葉でした。

 

凄い…ですか…。

 

何も凄くなんてありませんよ…。凄いのはことりだけです。

 

私はただ小細工を弄して、大破して動けないザクを狙い撃って、無理矢理あの青いゲルググに一瞬だけ隙を作って…、後は全てことりに丸投げしただけです。

 

動けない相手をただ狙い撃つ事しか出来なかった、全てが足りない今の自らの無力さに押し潰されそうですよ…。

 

[[ありがと♪穂乃果ちゃん♪でもことりはただびゅ~んって逃げるフリして、最後にバスターライフルぶっぱ~♪しただけだよ~♪スゴいのは海未ちゃんだよ♪冷静にあのガトーさんの“攻撃”に過剰反応するAIの特性を見極めて、対応策をすぐに思い付いちゃうんだから♪ことりだけだったらヤられはしないけど、バスターライフル撃っても攻撃が当たんなくて倒すこともできなかったよ~♪ホント、今回は海未ちゃんの作戦勝ちだね♪]]

 

「いいえ。私こそ、あの青いゲルググを相手に一人ではどうする事も出来ませんでした…。今回は囮役とトドメを刺してくれる事が出来る、ことりが居てくれたから何とか出来たのですよ。それに鳴神君ならばあんな小細工をしなくても、正面から撃墜してしまいますよ…。」

 

[[え~ソラ君とくらべちゃダメだよ~!ゲロゲロモードじゃないソラ君ならひとりでなんでもできるけど、なんでもひとりでできるソラ君が異常なんだよ~♪]]

 

まぁ確かにことりの言う通り、トラウマモードが発動していない状態の鳴神君は凄まじいの一言ですからね。

 

圧倒的に性能の劣るレンタルガンプラの素組のF2ザクで、最強のスクールファイター“無敗の女王”綺羅 ツバサさんと彼女の愛機ビルドフリーダムガンダムを倒してしまいましたからね。

 

そもそも鳴神君は世界大会の優勝者ですから…。

 

そんな歴代最年少チャンピオンの鳴神君と、ガンプラバトルを初めてまだ数日しか経っていない初心者の私を比べること自体が間違っていますよね。

 

間違っているとは分かってはいますが、どうしても鳴神君の戦いぶりが目に焼き付いて離れないのですよ…。

 

これは憧れ…なのでしょうね。

 

何時かはああなりたい、と言う…。

 

「分かっていますよ、ことり…。分かってはいるのです…。そう、私と鳴神君は違うと頭では分かってはいるのですが、どうしても…戦えば戦う程に自分の足りない部分が際立ってしまい、無力感に苛まれて自己嫌悪に陥ってしまうんです…。」

 

[[海未ちゃん………うん。海未ちゃんは、だいじょうぶだよ…。海未ちゃんはまだ羽ばき始めたばかりだから、これからもっとずっと高く飛べるよ…。穂乃果ちゃんと一緒にもっと強くなって、ソラ君の隣でどこまでも飛べるよ…。(ことりとは違う…。いつか、そう遠くない未来に、みんなの羽ばたきに追い付けなくなって置いていかれちゃうことりとは…。みんなと一緒に飛べなくなることりとは違うから…。いつか、ことりの羽ばたきじゃみんなには届かなくなるから…。そのときがきちゃったら、ことりは…ことりは…。)]]

 

「ことり?」

 

[[…なんでもない♪]]

 

何時もとは何処か違う、少し沈んだことりの声の調子に違和感を覚えましたが、それも束の間…ことりは何時ものことりに戻っていました。

 

何処までも一緒に飛べる…ことりらしい表現ですね。

 

バトルの度に成長している穂乃果はそうでしょうね。

 

相応しいガンプラさえあれば、穂乃果はきっと鳴神君のすぐ側で、一緒に飛べる様になるのでしょう。

 

でも私は?果たして私にも鳴神君の側で飛べる…そんな日が来るのでしょうか…。

 

何時かは貴方の…鳴神君の隣へと羽ばたけるのでしょうか?

 

[[海未ちゃんもことりちゃんもどーしたの?なんかむずかしー顔してるよ?あ…もしかして!穂乃果がアホだからおこっちゃったの?!]]

 

穂乃果…貴女は変わらないのですね。

 

それは良い意味でも悪い意味でも、ですよ?

 

悔恨はこまでです…今はまだ戦場(いくさば)です。気持ちを切り替えましょう。

 

では改めて…穂乃果にはこのバトルが終わったらペース配分についてしっかりと教えなければいけませんね!

 

今回の様に途中でエネルギー切れにならないように!

 

あ…無力感に苛まれ過ぎて忘れていましたが、そう言えば……まだバトル中なのでしたね。

 

はぁ…これでは私も穂乃果の事をアホと言えませんね。

 

さっさとこのバトルを終わらせて、みんなで反省会です!

 

「ふふ…穂乃果、貴女がアホなのは今さらです。さぁ!穂乃果!ことり!ア・バオア・クーを攻略してこのバトルを終わらせましょう!」

 

[[は~い♪]]

 

[[おー!って穂乃果も言いたいけど……あはは…ムリかも?]]

 

「穂乃果?無理とは一体?あぁ、まだストライクのリチャージが終わっていないのですね?問題ありませんよ。私とことりで引っ張って行きます!」

 

ことりのウィングガンダム・リトルバードならば、バードモードに変形すれば、穂乃果のランチャーストライクを引っ張って行くなんて簡単です。

 

ことりに穂乃果を引っ張って行って貰う代わりに、私が敵機の相手をしなければいけませんね。

 

とりあえずは今のうちにストレージからブルパップマシンガンを出して、スナイパーライフルと交換しておきましょう。

 

[[リチャージも終わっていないけど!そうじゃなくて!レーダー!レーダー見て!大変だよ!]]

 

[[レ~ダ~?うわぁ♪……あはは…や~ん♪ホント、コレはちょっとムリかも~。]]

 

「レーダー、ですか?あぁ、索敵設定の変更をし直していませんでしたね。索敵設定をデフォルトに戻して……は?……はぁぁ?!な、な、な、な、な、なぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

[[まっかっかだね~♪]]

 

[[てきてきてきてきてきてきてきてきー!かこまれちゃってるよー!]]

 

レーダーに写し出されていたのは、私達を取り囲み徐々に包囲の輪を狭める様に、こちらへと向かって来ている無数の敵機を示す赤い光点でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この数は何なのですか!倒しても倒してもキリがありません!」

 

次々に押し寄せる敵機を相手に、私は動けない穂乃果を守りながら必死に応戦していますが、先程から墜としても墜としても一行に敵機の数が減りません!

 

ブルパップマシンガンの予備マガジンも使い果たし、残りは現在使用しているマガジンに残された弾丸だけ…。

 

穂乃果も動けないながらも、正面から向かって来る敵機に対して、エネルギーを消費しないで使用可能な実弾兵器である、右肩のガンランチャーとバルカン砲で応戦してくれてはいますが、こちらの残弾ももうほとんど残されてはいない様です。

 

ことりは消費の激しいバスターライフルを一度ストレージに収納し、現在はビームサーベルとシールドに内蔵したビームキャノンで激しく動き回りながら戦っていますが…。

 

[[ことりちゃん!海未ちゃん!穂乃果のことは置いて先にいって!このままじゃみんなやられちゃう!その前に!]]

 

「却下です!貴女はみんなで一緒に笑顔になる為に無理をしてでも頑張っていたのでしょう!ここで穂乃果を見捨ててしまっては!例え勝ったとしても私は笑えません!ここまで一緒に頑張って来たのです!仲間は!穂乃果は絶対に見捨てません!」

 

[[でも海未ちゃん!このままじゃ…っ!海未ちゃん!!!うしろ!あぶない!]]

 

「えっ?」

 

穂乃果の“危ない!”との警告の声に後ろを振り向いた私が見たのは、いつの間にか急接近していた鮮やかな紅い色のゲルググが、私のジム・スナイパーⅡに向けて激しく回転させたビームナギナタを降り下ろそうとする姿でした。

 

[[紅いゲルググ!なら真紅の稲妻のジョニー・ライデン!!!海未ちゃん!ダメ!逃げて!]]

 

真紅の稲妻…二つ名を持つのならば、この紅いゲルググは先程のソロモンの悪夢と同じジオンのエースパイロットなのですね!

 

「くっ!!!」

 

後退して回避は…ダメです…後ろにはまだ動けない穂乃果が居ます!

 

私が避けてしまえば次に狙われるのは間違いなく動けない穂乃果です!

 

リチャージ中で動けない今の穂乃果では避ける事は出来ません。

 

ならば左右に回避して反撃は?

 

それも無理そうですね…。

 

やはり私が避けてしまえば穂乃果がやられてしまいます。

 

ここはシールドで防御するしかありません!

 

私はビームナギナタの斬撃を防ぐ為に、左腕のシールドを機体の前面に出そうとしたのですが、回避か防御かで迷ってしまった僅かな時間が命取りになってしまいました。

 

お祖父様に教えを授かり、多少ですが剣の心得がある私には分かってしまいました。

 

この間合いであの速度の斬撃を防ぐなんて、もう間に合わない事が…。

 

[[海未ちゃん!よけてぇぇぇぇぇぇ!!!]]

 

[[ダメ!海未ちゃん!!!]]

 

穂乃果とことりの悲痛な声が聞こえ来ます…。

 

すいません、穂乃果、ことり。私はここまでです。

 

ここでおしまいです。

 

二人とも…後の事はお願いしま…

 

[[クソが!ヒトの仲間にナニしよーとしてんだァ!]]

 

えっ?今の声は?!

 

[[邪魔なんだよ!退け!ジョニ男!!!]]

 

この声は!

 

[[あ…!あぁぁぁぁぁぁ!!!]]

 

[[あは♪も~♪遅いよ~♪]]

 

メインモニターに写るのは私に迫っていた紅いゲルググが胴体をコアもろとも両断された光景でした。

 

そして、両断された紅いゲルググのその向こうには、長い柄の大きな斧を振り抜いた深い緑色をしたザク…。

 

[[よっ、と!お待たせ、園田さん。]]

 

そうです!この声は、この声は!!!

 

[[そら君!!!]]

 

最年少チャンピオン“始まりの精霊使い(オリジン・エレメンタラー)”の二つ名を持つ稀代のファイター…。

 

[[ソ~ラ君♪]]

 

ことりの執着の対象で私にとっては同じクラスの隣の席の男の子…。

 

そして、私にとってきっと初めて“  ”になった男の子…。

 

「鳴神君!!!」

 

[[おーよ!鳴神 青空!超特急で只今参上!ってな!うぇっぷ…ヤヴェ…やっぱ気持ちわりぃ…吐きそう…吐きたい…。]]

 

私達が待ちに待った、青い顔をした最強の援軍の到着です!

 

え?“青い顔”…?

 

青い顔って!もしかして鳴神君は絶賛トラウマモード発動中ですかぁぁぁぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただき、ありがとうございました。

対ガトー戦はこの様な結末になりました…。
もっとやりようもあったのでしょうが、自分の力ではここら辺が限界です…。

そして、今回ラストでようやく主人公のソラが増援に駆け付けてくれました。
ソラの搭乗機は相変わらずのザクですね。
ただ、ザクには沢山のバリエーションがありますので、ソラが今回から使用するザクが何のザクかは、次回に本編中でご紹介いたします。

次回は今回の続き…ではなく、以前から予定していましたクリスマス閑話 2016 X'mas特別編「夢の後先」 になります。
クリスマス閑話の時間軸は現在よりも先のお話…原作ラブライブ二期のラスト付近になります。
その為、閑話中には若干のネタバレ的なネタが含まれております。
そして何よりも…無駄に長いです…。
更新は24日の深夜、日付が変わった直後を予定しております。
よろしければご覧下さい。

それでは改めまして、本日もご覧いただき、ありがとうございました。
皆様からのご意見、ご感想もお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。