ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

今回でにこちゃんの閑話は最終回になります。
今回はにこちゃんの前に……。
そして久し振りに○○プレイのエロネタの出番になっております。


それでは 閑話「マホウツカイハジメマシタ。 ~勇気の魔法~ ⑤」 はじまります。












閑話「マホウツカイハジメマシタ。 ~勇気の魔法~ ⑤」

「にーこちゃん♪♪♪ひっさしっぶりー!」

 

「きゃっ!ちょっ?!ナニ?!ダレ?!」

 

絵里と希のたぬきつ生徒会コンビと別れて、今度こそアミューズメントセンターを出ようと店の出口まで来た私だったんだけど、今度は後ろから誰かに抱き付かれて引き留められちゃったわ。

 

誰よ!いきなりこんなトコで抱き付いてくる非常識なバカは!

 

後ろから抱き付かれたから姿がよく見えないわね!

 

は?公衆の面前でいきなりディープなちゅーをするのは非常識じゃないのか?ですって?

 

………に、にっこにっこにー♪なんのことかな~♪にこにーわっかんない♪

 

……………なんか言いなさいよ!せめてツッコミ入れてよね!

 

あのときはソラのトラウマを誤魔化す為に不意打ちでキスしたんだから見逃してよね!

 

って!今はそれどころじゃないわよ!

 

今はこのいきなり抱き付いてきたヤツよ!

 

「ダレ?って私だよ!にこちゃん!わーたーし♪」

 

誰?聞いたことないわよ?こんな声?

 

私の知り合い?でもこんなにアグレッシブに抱き付いてくるヤツなんて、私の知り合いにはいないわよ?!

 

希ならありそうだけど、希ならもっと胸部装甲(おっぱい)がデカいし…。

 

そもそもこの声は希じゃないし…。

 

「だから誰よアンタは!ワタシワタシ詐欺?!ってか離しなさい!この変態!」

 

「もーやだなー♪変態はそらくんだよー♪私はあそこまで変態じゃないって♪にこちゃんと違って結局はえっち出来なかったからまだ処女だし♪」

 

この女、“そらくん”って言ったわよね?そらのことを知ってるヤツ?

 

1年前までの腐りきってた頃にそらに抱かれた女の一人?

 

あ、でもこの女、まだ処女だしっていったわね。

 

それじゃあそらの元セフレじゃないわよね?

 

………ま、まさか後ろのアナ専門でヤってた相手だったり…あー…そらならあり得そうで怖いわ…。

 

「そらが変態なのは私も否定しないけど!処女だろーがアンタも見ず知らずの美少女にいきなり抱き付いてきんだから十分に変態よ!むしろ恥女よ!恥女!」

 

「えー!恥女はことりちゃんだよー!にこちゃんだってことりちゃんに“この恥女!”っていつも言ってたよね!」

 

は?小鳥?なんで鳥が恥女なのよ?!

 

私は鳥類に“この恥女!”だなんてツッコミ入れたことないわよ!

 

あっ!もしかして小鳥って人の名前?

 

“ことり”だなんて変わった名前ね……。まぁ私の“にこ”って名前も変わってる方だとは思うけど…。

 

「だから誰よ!小鳥って!」

 

「ことりちゃんはことりちゃんだよ?にこちゃんと仲良しの?」

 

私と仲良し?

 

自慢じゃないけど、私と仲良しなんてそんなヤツはそら以外はいないわよ!

 

私は基本的に“ぼっち”なんだから!

 

「そんなヤツ知らないわよ!」

 

「知らないわよ!って、にこちゃん…あ……あぁぁぁ!そっか!にこちゃん見た目がまったく変わんないから間違った!“この”にこちゃんは“まだ”ことりちゃんとは出会ってないんだ……。」

 

“この”にこちゃん?まだ出会ってない?

 

ナニ言ってんのよ?この女?

 

「あー!もう!いい加減に!は!な!し!な!さい!!!」

 

「きゃ!ちょっと!そんなに暴れないでよ!今離すからちょっとまってよ!」

 

「うぉぉりぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁす!!!」

 

私は力いっぱい両腕を振り回して暴れてやったわ!

 

特性“フェアリースキン”搭載のにこちゃんの全力の“あばれる”はたぶん悪タイプっぽいこの変態恥女には“こうかはばつぐん”よ!

 

“フェアリースキン”とか“あばれる”とか、“こうかはばつぐん”とかがわからない人はちょっとポケモンと一緒に検索かけてみてね♪

 

ネットでの対戦のときは負けそうでも切断なんてしちゃダメだからね?

 

マナーを守って楽しくバトル!にこにーとの約束よ!

 

よっし!にこちゃんの一撃で変態恥女ホールドから抜け出せたわ!

 

さぁ!この変態恥女ヤロウの顔をじっくり拝んでやろうかしら!

 

「……アンタ…マジで誰よ?」

 

「イタタタター…もー!にこちゃんは乱暴だなー…。」

 

変態恥女ホールドから抜け出して振り向いた私の視線の先にいたのは、まったくの見ず知らずの女だったわ。

 

年齢は20代くらいかしら?

 

髪の長さは肩にかかるくらい。

 

人懐っこそうなしてるけど、見た目だけは美女って言ってもいいレベルね。

 

「答えなさい。アンタは誰よ!」

 

「あー……えーっと…(失敗しちゃった。にこちゃんに会えて嬉しすぎて思わず抱き付いちゃった…。これじゃまるであの頃のあの子みたいじゃない…。ここはなんとかして誤魔化さないと…。うーん…仕方ない…変態恥女の振りでなんとか誤魔化そう。)……そう!恥女!私は恥女なの!ドヤ!」

 

「おまわりさーん!恥女です!ここに露出狂の恥女がいまーす!捕まえてエロい尋問してくださーい!」

 

「ぎゃーす!やぶへびー!ちょっと待ってー!お願いだからお巡りさん呼ばないでー!エロい尋問とかされたくなーい!」

 

「やーん♪こっちこないでー♪にこちゃん♪変態恥女におっかさーれーるー♪」

 

「犯さないから!私にそっちの趣味はないから!人聞きの悪いこと言わないでよ!」

 

「いやん♪いやん♪毎度お馴染みの荒縄で縛られて前も後ろもお口もありとあらゆるにこちゃんのらぶりーでちっちゃいアナが変態恥女にグッチャグッチャのヌッチャヌッチャにおっかさーれーるー♪にこちゃん♪だいぴんちー♪♪♪」

 

「イヤイヤイヤイヤイヤ!だから犯さないからね?!前も後ろもお口も犯さないからね?!グッチャグッチャもヌッチャヌッチャもしないから!」

 

「えっ?!前も後ろもお口も犯さないの?!それじゃアンタはにこちゃんの他のアナを犯すのね!他のアナ…はっ!ま、まさかの○道プレイ?!それは最近は普通のえっちに飽きてきてちょーっとアブノーマルなプレイに挑戦中のにこちゃんでもアレはまだヤったことないわ!」

 

「へ?にょ、○道プレイ?!○道プレイってナニー?!」

 

「あれ?知らないの?仕方ないわね!ほら!ちょっと耳かして。あのね?○道プレイってのは…ゴニョゴニョ…で…ゴニョゴニョ…して…ゴニョゴニョ…するの。それで…ゴニョゴニョ………。」

 

「…ふんふん…へー…そんなとこでヤるんだ……って!えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ナ、ナニその変態プレイは!聞いたことないよ!考えたこともないよ!ヤりたいともおもわないよ!そんな変態プレイなんてホントにヤる人いるの?!」

 

「さぁ?世の中には不思議な性癖の変態も多いのよ。あ、私はちょっとくらいなら乱暴にされるのはアリだけど、基本的にはノーマルだからね?○道プレイなんてヤったことないからね?」

 

えっ?なんで基本的にはノーマルな私が○道プレイなんてガチめの変態プレイしってるのかですって?

 

あー、それね。前にそらとふたりで夜中に世界の変態プレイ百選って無修正動画を観たときにあったのよ。

 

女の人が男のアレに綿棒とか挿れたり、逆に男の人が女の人のアソコにイボイボの細長いヤツ挿れたり…。

 

点滴とかに使うチューブ…確かカテーテル、だっけ?アレをアソコに挿れて垂れ流しにさせたり…逆に色んな液体入れて遊んでみたり…。

 

まぁかーなーり、キ○ガイなプレイだけど、ぶっちゃけこの○道プレイはまだマシな方だったわよ?

 

他のプレイは……うん。止めとこ。

 

アレをここで話したら変態なことに…もとい、大変なことになるから…。

 

まぁ、一言で言えば…世の中には常識では語り尽くすことのできないようなキ○ガイなプレイもあるってことよ。

 

あの動画見た夜はふたりとも完全に萎えちゃって、なんにもヤんないで寝たくらいよ?

 

ってかなんだか無性にぬくもりが欲しくなって、ふたりでただ抱き合って寝たのよね…。

 

アレは色んな意味での黒歴史よ…。

 

「で?マジな話、アンタは誰なのよ?おとなしく喋んないとヤるわよ?○道プレイ。」

 

「ヒィィィ!こ、こわい!○道プレイこわい!」

 

「ならおとなしく喋りなさい。アンタは誰なの?」

 

「はいぃぃぃぃぃぃ!!!私はみ…!って!ダメ!今はまだダメ!ホントにダメだから許して!」

 

「なら○道プレイね。私も知識で知ってるだけだから○道に傷付けたり垂れ流しになったりしたらごめんね?あー、あの細長いイボイボのヤツってどこで売ってるんだろ?カテーテルもないし…ストローでもいいかな?」

 

「た、垂れ流し……。」

 

「イヤでしょ?垂れ流し。なら…。」

 

「うぅぅぅ…怖いわよぉ…でま……ダメなの…話せないの…今話しちゃったら…またそらくんは…海未ちゃんは……。」

 

なかなか強情ね…。それに…なんでソコでそらの名前が出てくるの?

 

ウミチャンってのもたぶん誰かの名前よね?

 

気になるわ…。この女はナニを知ってるの?

 

もう少し脅してやれば喋るかしら?

 

「そ。話さないなら別にいいわ。アンタは○道プレイ決定ね。とりあえずは逃げたり動いたりできないように毎度お馴染みの荒縄の出番ね。さ、ラブホいくわよ!もちろん支払いはアンタがしなさいね!」

 

「こ、こわいよ…そらくん…こわいけど……ここでにこちゃんに喋っちゃったら……うん…私が我慢すればいいんだよ……だから………いいよ…。それでにこちゃんが許してくれるなら…。私は受け入れる…○道プレイ…。どうせここに居る私には何も残されてないんだから…。私がひどい目に遇うだけでにこちゃんが何も聞かないでいてくれるなら…。」

 

……これだけ脅しても話す気はないのね…。

 

余計に気になっちゃうじゃない…。

 

でもこれ以上の脅しはさすがに悪趣味になるわ…。

 

…気になる…気になるけど……うん。この女はたぶん、ほっといても大丈夫な気がする…。

 

私はニュータイプなんかじゃないけど、私やそらに対して“悪意”みたいな黒い感情は感じないのよね。

 

むしろこの女が私やそらに向けている感情は“善意”に近いモノよ。

 

ただの女の勘でしかないけど、この勘は私は当たってると思うな。

 

「アンタ!」

 

「はい……○道プレイがんばります…。お手柔らかにお願いします…。垂れ流しになってもオムツ使えば大丈夫だよね?どうせもうお嫁には行く気もないし…。ここではどうせ私はひとりぼっちだし…。」

 

「今回だけは見逃してヤるわ!」

 

「あぁ…いくらお嫁には行く気がないからって処女のまま変態プレイなんて…やっぱりあのとき押し倒してでもそらくんにえっちして貰えばよかったよ…。うぅぅぅ…○道プレイなんてこわいよ…そらくん……。」

 

「話を聞きなさい!このバカ!○道プレイなんてヤらないわよ!今回だけは見逃してヤるって言ったのよ!私は!」

 

「…あぁでも○道プレイが気持ちよかったりしたらどうしよう…そろそろ普通のオ○ニーには飽きてきちゃってたから、ハマっちゃったりして…にこちゃんは○道プレイなんてヤらないわよ!って言ってるし…あれ?ヤらないの?○道プレイ?ホントに?ホントにホント?」

 

「ホントよ!私だって○道プレイなんてマニアックな変態プレイはヤりたくないわよ!ナニが楽しくて他人の○道なんて弄んなきゃダメなのよ!そらでもそこまでドン引きな変態プレイはヤんないわ!」

 

「………う"ぅ"…に"こ"ち"ゃ"ぁぁぁん!!!こわかったよぉぉぉぉ!!!」

 

「あー、悪かったわね、変な脅ししちゃって。でもアンタも悪いのよ?考えてもみなさい?いきなり見ず知らずの女に後ろから抱き付かれたら、誰だって頭に来て脅しの1つや2つはヤっちゃうでしょ?」

 

「ヤんないよ!そんなのヤるのはそらくんとことりちゃんと海未ちゃんと真姫ちゃんとにこちゃんと希ちゃんだけだよ!凛ちゃんなんて脅す前に噛み付いたり引っ掻いたりしてくるよ!アレ?なんか結構みんなヤってる?」

 

誰よ!凛って!噛み付いたり引っ掻いたりしてくる?

 

猫みたいなヤツね…。

 

「だから!そらと希はわかるけど残りは誰なのよ!ってかなんで希?!アンタ!あのデカ乳たぬき女の知り合いなの?」

 

「あっ!え、えーっと……禁則事項でお願いします!」

 

ホントになんなのよ!コイツは!

 

さっきから言ってることがおかしすぎるのよ!

 

変態や恥女って言うよりもキ○ガイよね?

 

「まぁどうでもいいわ。私は買い物に行かなきゃダメだから帰るわよ!キ○ガイ女に付き合ってる暇はないのよ!」

 

「えっ?キ○ガイ?……キ○ガイ?!ヤメテ!私を!あの女と一緒にしないで!私はあんな卑怯で下劣で最低最悪なキ○ガイ女とは違う!!!」

 

っ!ナニ?!いきなり怒り出した?

 

ナニに反応したの?変態や恥女って言っても怒んなかったヤツよ?

 

○道プレイだって我慢してがんばりますとか言ったのよ?

 

それが急にどうして……あ…もしかして…キ○ガイ女?

 

この女、キ○ガイ女って言葉に反応して怒ったの?

 

「お願いだから!私をあのキ○ガイ女と!あの魔女と一緒にしないで!それだけはイヤなのよ!あの魔女のせいで!私は!あの子は!みんなは!みんなは……そらくんは……海未ちゃんは………」

 

そらとウミ…またそらとウミって名前のヤツなのね…。

 

とりあえずはこの女がうっかり漏らした今ある情報を少し整理しようかしら?

 

この女は私とそらのことを知っている。

 

そしてこの女はキ○ガイ女ってヤツのせいで酷い目に遭った?

 

……ダメだわ…これだけでこの女の正体を探れだなんて無理ゲー過ぎるわね…。

 

大体、この女の言葉の意味がまったくわかんないし…。

 

………なんか…めんどくさくなってきたわ…。

 

少しは気になるけど、タイムサービスの時間もそろそろだし、もうどうでもいいわ…。

 

よくわかんないこの女よりも今はタイムサービスで特売される貴重なたんぱく質のお肉と卵の方が大事よ!

 

「はぁ…訂正するわ。アンタはキ○ガイ女なんかじゃない。これでいいんでしょ?ほら!いい歳した女が大声でわめかないの!恥ずかしいでしょ!」

 

「…うん…ごめんね……にこちゃん…。」

 

「謝んなくてもいいわよ。さっきも言ったけど私は買い物があるから帰るわよ。アンタも見ず知らずの人に急に抱き付いたりするのはやめなさいね。私じゃなかったらホントに通報されてたわよ?」

 

「……うん……。」

 

「じゃあね。変な人。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレ?メール?誰からよ?」

 

変な女に“じゃあね”と別れを告げて、今度こそ私はアミューズメントセンターを後にしたわ。

 

この時間なら歩いて向かってもタイムサービスまでには間に合いそうね。

 

そんなことを思いながら歩いていた私だったんだけど、ポケットに入れていたスマホが短く震えたのに気が付いたわ。

 

この短い震えはメールの着信を告げるバイブね。

 

私はポケットにからスマホを取り出してメールを確認したんだけど……。

 

「ナニよ…このメール…。」

 

送り主のアドレスは見たこともないアドレス…これ、たぶん捨てアドね。

 

まぁ捨てアドなんて最近は珍しくもないから、ソレは別にいいのよ。

 

問題はなんで私のアドレスを知ってるのか、なのよ…。

 

私のアドレスを知ってるのはママとこころとここあ、それにそら。

 

一応はたぬきつ生徒会コンビの絵里と希も知ってるわね…。

 

ママとこころとここあは捨てアドなんて使って私にメールなんて送んないし、そらはイタズラ好きだからあり得なくもないけど、今はバトルの真っ最中だからメールは無理だし。

 

たぬきつ生徒会コンビもいちいち捨てアド使ってメールなんて送らないし…。

 

それに……このメールの内容…。

 

“にこちゃん。これは忠告…とはちょっと違うか?お願いなのかな?うん。お願い。にこちゃんはそう遠くない未来に大切な人を、大切な絆を、悪意の果てに狂った魔女のせいで失うことになるかもしれない。それでも、にこちゃんは夢を諦めないで。にこちゃんがにこちゃんで居てくれる限り、絆はもう1度集う事が出来るから。にこちゃんの強い想いが、みんなの心を1つに繋げてくれる。もしもの時はにこちゃんのその想いは災厄を振り払う鍵になる。でも、もしもはこないよ。今度こそ私が悲しみを止めてみせるから。私が、絶対に。だからにこちゃん…。”

 

「“私を信じて。”ね…。」

 

“私”って誰よ?

 

“信じて”ってナニよ?

 

“大切な人”を失う?

 

“大切な絆”を失う?

 

悪意の果てに狂った魔女?

 

“魔女”ってナニよ?

 

私の大切な人…大切な人は…ママ…こころ…ここあ…虎太郎……そして…

 

「…そら…。」

 

もしも、もしも私はそらを失ってしまったら……私は私でいられるのかな…。

 

それでもまだ、私は夢を諦めないで追い続けることができるのかな…。

 

そら……。

 

なんだか無性にそらに逢いたくなってきたわ…。

 

そらの声が聞きたい。

 

そらに“ぎゅ”って抱きしめて欲しい。

 

そらとキスがしたい。

 

そらのぬくもりが欲しい。

 

そらに…逢いたい…。

 

逢いたいよ…そら…。

 

だからお願い…早く…早く帰って来てね…。

 

「全部このメールが悪いのよ…。ナニよ…この件名…」

 

“MOMENT RING”

 

この意味がわからない…違う…大切な人を失うだなんて、わかりたくもないメール。

 

私がこのメールのホントの意味を理解するのは、ずっと先のことだったわ。

 

“みんなで叶える物語”

 

その最後の1ページ。

 

悪意の果ての悪意。

 

絶望の果ての希望。

 

悲しい女神と災厄の魔女の物語。

 

ひとりぼっちの女神の物語。

 

ひとりぼっちの魔女の物語。

 

全てを理解した瞬間(とき)、私は…私達はひとつの光になる。

 

想いが繋がり、願いが繋がり、希望が繋がり、夢が繋がり、全ては繋がる。

 

“MOMENT RING”

 

それが希望の光になる。

 

未来を切り開く力になる。

 

でも、このときの私はその意味を知らない。

 

だってこのときの私は…まだひとりぼっちだったから…。

 

私のホントの“物語”は始まってすらいなかったんだから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご飯はおっけー♪今回はお味噌汁も完璧♪ポテサラもばっちり♪オマケのお手軽サラダも準備は万全よ!ま、ドレッシングは安売りのヤツだけどね♪」

 

あのあと、私は不安に駆られて、まるであのメールから逃げるように走ってスーパーにお買い物に向かったわ。

 

こんなに不安な気持ちを抱えたままなら、さっさとメールを削除しちゃえばいいんでしょうけど、なんでだかあのメールは消しちゃダメな気がして、結局はそのままにしてある…。

 

「食事のおともはシャンパンよ!って言いたいけど、お酒はダメよね!お酒を飲むなんて私達が未成年以前の問題よ!パパを“ぐしゃ”ってやっちゃったお酒なんて滅んでしまえばいいんだわ!」

 

でも大丈夫…。

 

この不安も、もうすぐ消えてなくなる。

 

だってもうすぐそらが帰って来るから。

 

そらがいてくれれば、ナニも怖くはない。

 

そらがいてくれれば、私はそれだけで幸せになれるから。

 

「シャンパンの代わりはスリーアローサイダーよ!特売で安く売っててビックリよね!1.5のペットボトルのヤツがお一人様3本までで税込み69円とかラッキーよね!ついつい買い込んじゃったじゃない!」

 

お陰で帰りは荷物が重くて大変だったわ…。

 

でもお姉ちゃんはがんばったわよ!こころ!ここあ!虎太郎!

 

お泊まり会から帰ってきたら冷やしたしゅわしゅわの美味しいジュースを飲ませてあげるわね!

 

「お肉の下準備も問題なしだし…あ!お風呂!まだ立ててなかったわ!」

 

そう言えば、お風呂を立てるって私は言ってるけど、人によっては“お風呂を焚く”や“お風呂をいれる”って言う人もいるのよね?

 

正しくはなんて言うのかしら?

 

大昔は薪でお風呂を焚いていたから、お風呂を焚く?

 

でも今はお風呂にお湯をいれるから、お風呂をいれる?

 

………立てるでいっか。

 

「お湯の温度はちょっと熱めでっと♪」

 

よし!お風呂もこれでおっけーね!

 

「あ…!もうこんな時間じゃない!そろそろ…」

 

そらが…

 

「ただいま、にこちゃん。」

 

帰ってくる!

 

「お帰りなさい♪そら!」

 

さ、トラウマを我慢して6年振りに頑張って公式戦を戦ってきたこの愛しいバカには、にこちゃんからのとびっきりのご褒美をプレゼントよ!

 

美味しいごはん食べて、あったかいお風呂に入って、ふたりでいっぱいお話して、そして今夜も…。

 

「ごはんにする?お風呂にする?それとも……わ♪た♪し♪♪♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはまだ私がひとりぼっちで足掻いていた頃のお話。

 

この少しあと、私はかけがえのない仲間達と出会う。

 

前だけを向いて走り続けるアホの子に。

 

そらを巡って何度となくぶつかり合った大好きな鳥娘に。

 

しっかり者で真面目なクセにどこか残念なとびっきりの射手(スナイパー)に。

 

やかましくて友達想いで誰よりも“女の子”な猫娘に。

 

ガンプラが大好きな米狂いの精霊姫に。

 

素直になれないツンデレ乙なお姫さまに。

 

夢を取り戻したポンコツドM女に。

 

寂しがり屋の腹黒スピリチュアル女に。

 

私は出会う。

 

ま、中にはもう出会ってるヤツもいるんだけどね。

 

もうすぐ、私の“物語”が動き出す。

 

大好きで最高で最強な仲間達と一緒に。

 

私の愛しいバカと一緒に。

 

私の、私達の、“みんなで叶える物語”が始まる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ!ガンプラバトルを始めましょ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回登場した謎の女性…彼女は以前にソラと海未さんの前に登場した謎の女性と同一人物になっております。
彼女の目的は何なのか、彼女は誰なのか?
真相は本編終盤で明かされる予定です。
相も変わらず亀更新のグダグダ具合でございますが、何卒お付き合い下さいませ。
次回は海未ちゃん特別編の更新が先になるかと思います。
海未ちゃん特別編とにこちゃん閑話は本編6話開始前には並び替えますので、少々お待ちください。
海未ちゃん特別編の終了後は出来れば真姫ちゃん特別編「真姫ちゃんの初デート大作戦」を書きたいなぁ…と思っております。
内容的には初デートに挑む真姫ちゃんと彼女を護衛する西木野警備保障“鉄華団”のメンバーのドタバタを書ければいいなぁ…と。
幸せな鉄華団が見たかったので…。


次回更新は特別編は木曜日か金曜日のお昼頃を、閑話は月曜日のお昼頃を予定しております。
よろしければ是非ご覧下さい。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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