ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

土曜の深夜に劇場版ラブライブを見て泣きそうになってしまったQooオレンジでございます。
SDS開始直前、μ'sみんなで駆け出して少し遅れて穂乃果ちゃんが後を追い、角を曲がり絵里さんが“穂乃果!”と言った辺りで何故かは分からないのですが、胸に込み上げてくる物がありました…。
もちろん僕光でも泣きそうに…。
涙脆くなったのは年のせいなんでしょうね…。


さて前回、ほむまんを求めてさ迷う花陽ちゃんの前に現れた謎のお姉さん。
そんな花陽ちゃんとお姉さんは今回は…。


それでは 第6話「米と猫とツンデレと」そのろく 始まります。























第6話「米と猫とツンデレと」そのろく

「あれ?ここってアミューズメントセンター音ノ木坂店?」

 

あれからちょっとした冒険気分で元怪しいお姉さんの案内に従って、迷い混んだ路地裏を進んだ花陽でしたが、残念(?)なことに変態さんには遭遇できませんでした。

 

そして路地裏から抜け出した先に見えたのはなんとびっくり!いつもの見慣れたアミューズメントセンター音ノ木坂店でした。

 

あれ?おまんじょう屋さんに向かっていたんじゃなかったんですか?

 

なんでアミューズメントセンター?

 

「そ、毎度お馴染みのアミュセン音ノ木坂店♪あのね、穂むらってここの近くなんだよ。別にさっきのあの路地裏からでも穂むらに行けないこともなかったんだけど、どうせならいつも遊びに来ているアミュセンからの道順を覚えた方がいいかな?って思ってね。だから余計なお世話かもしれないけど1回アミュセンに来たの。」

 

「そうなんですか?気を使わせちゃったみたいで、って?!きゃ?!」

 

ナニか足にぶつかって?!え?!子供?!

 

「あぅ…いたいです…。」

 

あ!花陽にぶつかって転んじゃったんだ!

 

大変!怪我してないかな?!

 

「だ、大丈夫!どこか怪我してない?!あ!お膝を擦りむいちゃってます!」

 

花陽にぶつかって転んじゃった女の子ですが、スカートだったから転んだときにお膝擦りむいちゃったみたいです!

 

可哀想に…ちょっとだけ血が出ちゃってます…。

 

「あちゃー。ちょっと血が出ちゃってるね。ダメだよ?ちゃんと前見て走らないと。今のはキミの前方不注意かな?」

 

「うぅ…ごめんなさい…。」

 

「ちゃんとごめんなさいできてエライね♪次からは気をつけようね?今日はお姉ちゃんにぶつかっただけだから良かったけど、もし車にぶつかったりしたら怖いよね?」

 

「ふぇ…う…うぅ~…。」

 

わわ!どうしましょう?!

 

この子、泣いちゃいそうですよ?!

 

そんなにキツく言ったワケじゃないんですけど…。

 

あとはきっと擦りむいちゃったトコが痛いんですね…。

 

あ!そうですよ!こんなときの為にカバンの中には確か携帯用の小さなマ○ロンとばんそーこがあったはずです!

 

「お膝痛いよね?ちょっと待っててね…えーっと…確かカバンの中に凛ちゃんが転んだとき用の……ありました!じゃーん!ばんそーこです!しかもねこさんのばんそーこですよ!」

 

花陽がカバンから取り出したのはねこさんの絵がプリントされているばんそーこです。

 

このねこさんばんそーこなんですが、元気が有り余ってたまに転んじゃう凛ちゃん用にいつもカバンの中に入れてあるんです。

 

もちろん消毒液のマ○ロンも一緒に入れてありますよ!

 

準備は万全です!

 

「ねこさん?」

 

良かった…転んじゃった女の子、痛さと怒られるんじゃないかって心配で今にも泣きそうだったけど、可愛いねこさんばんそーこを見せたら涙が引っ込んでいったみたいですね。

 

ねこさんは偉大ですね!

 

ねこさんのプリントがしてある分、このばんそーこってちょっと高いんですけど、用意していてよかったです!

 

「うん!ねこさんのばんそーこです!可愛いでしょ!」

 

「うん。ねこさん。かわいいです。」

 

「ちょっとしみちゃうけど、マ○ロンをシュってしたらこれをお膝にぺたって貼ってあげるね♪」

 

「はいはーい。その前にちゃんと擦りむいちゃったトコ洗わなきゃね。傷口に小石とか入っていたら大変だからね。はい、花陽ちゃん、ミネラルウォーターだよ。アミュセンの自販機で買ってきたよ。これで擦りむいちゃったトコ洗ってね。」

 

「あ!そうでした!お水!ありがとうございます!」

 

「さ、手早くヤっちゃお。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おねーちゃん。ねこさんのばんそーこ。ありがとうございました。おばさん。おみず。ありがとうございました。」

 

花陽は転んじゃった女の子(お名前は“ハナちゃん”って言うそうです。今年から小学1年生なんだそうですよー。)の擦りむいちゃったお膝を、ミネラルウォーターで軽く汚れを流してから、マキロンで消毒してねこさんばんそーこをぺたりと貼ってあげました。

 

他に怪我をしているところもないみたいだし、もう大丈夫ですね。

 

花陽、今回は中々いい仕事をしましたね!

 

「はい♪どーいたしまして♪」

 

「おば?!おばさん?!」

 

この子…ハナちゃんはちゃんと“ありがとう”ができてエライですね♪

 

最近はちゃんとありがとうできない子もいますから。

 

「おばさん…小1のちびっ子におばさんって言われた…私、四捨五入したらまだ二十歳なのに…それなのに…おばさん…。」

 

あー、おねーさん。おばさんって言われて落ち込んじゃいましたね。

 

でもハナちゃんくらいの小さな子から見たら、確かにおねーさんはもうおばさんって感じになっちゃいますよね。

 

おねーさん。まだ十分に若いんですけどね。

 

「おばさん?どーしたの?」

 

そんなショック状態のおねーさんを、ハナちゃんは不思議そうに見ています。

 

ハナちゃん…あんまり触れてあげないでね?

 

「あ、あははははは………あのね?ハナちゃん?おねーさんは!まだおねーさんなんだよ!そう!まだおねーさんなんだからね!おばさんじゃないんだよ?!」

 

「ふぇぇ?!」

 

「お願いだからおねーさんもおねーさんって呼んでよー!」

 

「あ、あの…おねーさん?その子が引いてますよ?それにここって一応は往来なんて人目が…。」

 

周りからみたら小さな女の子をいじめてるように見えちゃいますよ?

 

「こらー!そこのおばさん!ハナちゃんいじめたらダメなんだよ!」

 

そうそう。こんな風に誰かに怒られちゃいますよ、って、この女の子は…誰でしょうか?

 

ハナちゃんのお名前を知ってるならハナちゃんのお友達かな?

 

「ハナちゃんにいじわるするわるいおばさんはれんちゃんがやっつけてやるー!いくぞー!れんちゃんぱーんち!えい!」

 

「イタッ!ちょっと待って!グーぱんでレバーに攻撃はダメっだて!わわ!ちょっ!ぎゃーす!」

 

おお!この子のパンチ!助走も付けたひねりの入ったいいパンチですよ!

 

おばさ…げふんげふん。もとい、おねーさんの鳩尾にいい具合にクリティカルしましたね!

 

あれは…うん。ちっちゃい子のパンチでもかなり痛そうですね…。

 

「れんちゃん!」

 

「ハナちゃん!れんちゃんがきたからもーだいじょーぶだよ!わるいおばさんなんてれんちゃんがやっつけちゃうんだから!」

 

おねーさんの鳩尾に2発のパンチを入れた女の子は、ハナちゃんを庇うように私達とハナちゃんの間に位置しました。

 

私達に向かって握りこぶしをシュッ!シュッ!ってシャドーボクシングみたいにやってますね。

 

うん。この子はなんでこんなに好戦的なんでしょうか?

 

「あぅ~レバーは痛いよぉ…しかもまたおばさんって言われたし…。オマケに別の子に…。やっぱりもうおねーさんはキツいのかなぁ…私っておばさんなのかなぁ…。」

 

おねーさん…。レバーと心にダブルでクリティカルヒットしましたね。

 

ポケモン的に言えば効果は抜群だ!ってヤツですね。

 

可哀想になんだかしおれちゃいましたよ。

 

花陽もいつかはおばさんって言われて落ち込んじゃう日がくるのかのなぁ…?

 

「れんちゃん。あのね、ハナちゃんころんじゃって、おねーちゃんとおばさんにねこさんのばんそーことおみずもらったの。」

 

「うぇ?!ハナちゃん!ころんじゃったの?!けがしたの!だいじょーぶ?!いたくない?」

 

「だいじょーぶだよ。おねーちゃんとおばさんが、ほら♪みてれんちゃん。おひざにねこさんばんそーこぺたってしてくれたの♪」

 

「あー!ほんとだー!ねこさんばんそーこ!かわいいね!よかったね!ハナちゃん!あれ?それじゃおばさんはいいひと?」

 

「うん。ハナちゃんいじわるされてないよ。おばさんはいいひとなの。おみずかってきてくれておひざにじゃぶじゃぶしてくれたの。わるものじゃないの。だかられんちゃんおばさんにぱんちしないで。」

 

「あぅ~!おばさん!ぱんちしてごめんなさい!あとね!ハナちゃんにやさしくしてくれてありがとー!」

 

「あはは…誤解が解けて何よりだよ……でも呼び方はやっぱりおばさんなんだね…。おば…じゃなくて、おねーさんはちょーっと泣きそうだよ…」

 

「ごめんなさいできてエライね。キミはハナちゃんのお友達かな?おねーちゃんにお名前を教えてくれるかな?あ、おねーちゃんは花陽ってお名前だよ?」

 

「うん!れんちゃんはハナちゃんとおともだち!あのね!れんちゃんはれんちゃんだよ!はなよおねーちゃんははなよおねーちゃんなんだね!なんかおなまえハナちゃんににてるねー!」

 

あ、それは花陽もそう思っていました。

 

ハナちゃんって漢字でお名前書いたら“花ちゃん”なのかな?

 

それとも“華ちゃん”?

 

まさか“鼻ちゃん”…は流石にないですよねー。

 

「れんちゃんです。ハナちゃんのおともだちです。いちばんのおともだちです。ハナちゃんはれんちゃんだいすきです。」

 

「れんちゃんもハナちゃんだーいすき!」

 

1番のお友達です…か。

 

なんだかお名前もそうですがハナちゃんとれんちゃんは花陽と凛ちゃんみたいですね…。

 

花陽と凛ちゃんも昔はこんな感じだったな…。

 

花陽が泣いてるといつも凛ちゃんがすぐに駆けつけてくれて…。

 

今でもあんまり変わらないんですけどね。

 

「ねーねー!ハナちゃん!ガンプラもってきた?れんちゃんはちゃんともってきたよ!ほら!ベアッガイ!」

 

あ、肩下げバックから取り出したのはベアッガイですね!

 

正式にはベアッガイⅡ。

 

発売された当時はあまりにも今までのガンプラとはかけ離れたファンシーなデザインにガンプラ界に激震が走った、アッガイとクマを掛け合わせて作られた驚異のガンプラ”ベアッガイ”をさらにファンシーにパワーアップさせた後継機がれんちゃんが持っている“ベアッガイⅡ”なんです。

 

その愛らしい見た目から女の子に大人気のガンプラなんですよねー。

 

この“ベアッガイⅡ”は人気があるからバリエーションも沢山発売されてるんですよ。

 

パパッガイやママッガイ、特にプチッガイなんてスゴい数があるんです!

 

値段もお手軽なので女の子のガンプラファイターならみんな1つはプチッガイを持っているんじゃないでしょうか?

 

チェアストライカーを使えば脱出用のサブ機体としても使えますから、意外と便利だったりするんですよ。

 

そんなプチッガイですが、もちろん花陽も持ってますよ。

 

自立行動できるように独自のAIを組み込んで、ステルスマントを装備させて頭部に大量の爆薬を仕込んで……ふふふふふ…。

 

ここまで言えば花陽のプチッガイがどんなプチッガイが…皆さんおわかりですよね?

 

そうです。

 

花陽のプチッガイは“プチッガイ(サイレント・ボマー)”…姿を消して忍び寄ってドッカーンなんです。

 

世にも恐ろしい自爆テロをするプチッガイなんですよ…!

 

そう言えばこの自立行動自爆用に作成した花陽のプチッガイ(サイレント・ボマー)を見た凛ちゃんが、ベニャッガイに自爆技のファイナル・ベニャッガイを搭載してほしいにゃ!って言ってきたんだよね。

 

あれ?凛ちゃんが自爆に目覚めたのってもしかして花陽のせいですか?!

 

………気のせいってことにしておきましょう。

 

そう…気のせいです。

 

ちなみに“ベアッガイⅡ”は自爆大好き凛ちゃんのベニャッガイの素体にもなってるガンプラなんですよ!

 

花陽的には“ベアッガイⅡ”も確かに可愛いと思いますが、普通のアッガイも可愛いと思うんですが……ダメでしょうか?

 

「ハナちゃんもちゃんともってきたよ。ハナちゃんのガンプラはジムなの。」

 

そして一方のハナちゃんが肩下げバックから取り出したガンプラは…なんと!なんと!な、な、な、なんとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

 

みんな大好き!連邦軍の地味だけどスゴいヤツ!

 

RGM-79!

 

“ジム”!!!

 

ジムですよ!ジム!

 

イケメンになってるジム・カスタムでも、花陽のジム・マテリアルの素体になってるジム改でも!

 

海未先輩の“脳天ぶち抜くゾ♪”でお馴染みなジムスナⅡ(ジム・スナイパーⅡ)でも、ゾンビージムな人の愛機だったジム・ストライカーでもなく!

 

ましてやジム・クゥエルやジムⅡや高性能万歳なジムⅢでもなく!

 

さらにはさらにはパワード・ジムに[EXAM-SYSTEM STANDBY]のBD1号機(ブルーデステニィー1号機)でもなく!

 

そう!ただのジム!

 

RGM-79ジムですよぉぉぉぉぉぉ!!!

 

「えー!ハナちゃんまたジムなのー!ハナちゃんもベアッガイにしようよー!ベアッガイかわいいよ!」

 

「ハナちゃんはジムがすきなの。だからジムがいいの。ジムがいちばん。ジムかわいいよ?」

 

ハナちゃん!あなたはまだ小1なのにジムの良さをわかっているんですね!

 

素晴らしいです!まーべらすですよ!ハナちゃん!

 

ハナちゃんは将来有望なジムスキーですよ!

 

ハナちゃん!ぜひ!我々の秘密結社“ジムスキー同盟”へ入会しましょう!

 

我々ジムスキーは新たなる同胞を歓迎しますよぉぉぉぉ!!!

 

ハッ!興奮しすぎてついつい秘密結社のことをポロっと喋ってしまいまして!

 

そこのあなた!秘密結社“ジムスキー同盟”のことはどうか内密にお願いします!

 

ヤツ等に…ザクスキー連合に我々ジムスキー同盟の存在を嗅ぎ付けられるワケにはいかないんです!

 

そう…まだ早いんです…もう少し…もう少しだけ力を蓄えてから…フフフフフフフフ………。

 

………あれ?花陽はナニを…?

 

また頭の中に黒い小さな鳥さんが踊り狂っていたような気が…?

 

「あはは♪その年でジムが好きだなんてハナちゃんはなかなかに“通”なんだね!うん!ガンプラは自由だからイイと思うよ!」

 

“ガンプラは自由”

 

3代目メイジン・カワグチの仰った名言ですね。

 

まぁ中には自由の言葉を履き違えて自由(フリーダム ※フリーダムガンダムのことではないですよー!)におバカなガンプラやえっちなガンプラを作る変態ビルダーもいますけど。

 

キャストオフ機能を実装したMS少女をガンプラで再現するなんて、流石にちょっとやり過ぎだと思いますよ…。

 

以前Y○uT○beで戦闘動画を見たことがありますが、バトル中に装甲や衣装をキャストオフして全裸になるなんて…。

 

あの動画のガンプラ娘(仮)はおっぱいはもちろん、アソコまで忠実に再現していてしたね。

 

その熱意と作成技術は認めますが、局部まで再現したうえでキャストオフして全裸になっちゃうなんて、そんなことをしちゃったらガンプラバトルがR-18になっちゃいますよ。

 

「おねーさんのお友達にもジムが大好きな女の子がいたんだよ!スッゴい上手にガンプラを作る子で、おねーさんのガンプラのとっておきの秘密兵器もそのジム好きなお友達が作るのを手伝ってくれたんだよねー。………懐かしいなぁ…………。」

 

おねーさんのガンプラのとっておきの秘密兵器…ですか?

 

秘密兵器…一人のビルダーとして秘密兵器なんてステキな響きは実に気になりますね!

 

それに今の言い方だとおねーさんもガンプラバトルをするんですね。

 

そんなおねーさんの秘密兵器…。

 

いったいどんな秘密兵器なんでしょうか?

 

武装かな?何かのシステムかな?

 

でもおねーさん…。

 

どうしてあんなに寂しそうに“懐かしいなぁ”って呟いたんでしょうか?

 

明るく笑っているように見えるけど、おねーさんの目はここじゃないどこかを…スゴく遠くを見ているみたいです…。

 

「あ!ハナちゃん!たいへんだよ!ばとるろいやるがはじまっちゃう!いこ!」

 

「うん!はなよおねーちゃん、おばさん。ありがとうございました。またねー。」

 

「よーし!きょーもがんばるぞー!おー!」

 

「おー。」

 

ハナちゃんとれんちゃん。

 

二人は花陽とおねーさんにバイバイと手を振ると、“おー”って言いながらアミューズメントセンターに走って行ってしまいました。

 

あの子達だけでバトルロイヤルに参加なんて大丈夫かなぁ…。

 

バトルロイヤルでも小1なら初心者マークが識別に表示されるから、普通のガンプラファイターなら攻撃はしないと思うけど…。

 

え?初心者マークってなんだ?ですか?

 

初心者マークはですね?小学校3年生までのお子様ファイターと、バトルロイヤルでの出撃回数が3回に満たない駆け出しファイターの人達に与えられる特殊な識別信号なんです。

 

この初心者マークの着いているガンプラには、普通は暗黙の了解で攻撃はしないようになっているんです。

 

まぁあくまでも暗黙の了解なんですけどね。

 

あとはバトルを楽しんで貰うために、初心者マークのファイターには出きるだけ協力してあげるとかですね。

 

先輩ファイターは後輩ファイターには優しく!がガンプラバトル界の習わしですね!

 

でも中には残念ながら初心者マークのファイターを優先して狙ってくるマナーの悪いファイターもいるんです。

 

初心者狩りなんて呼ばれています。

 

特に最近の秋葉原地区の夕方のバトルロイヤルでは、初心者狩りが横行していると、掲示板でベテランファイターさん達が嘆いていました。

 

ちなみに初心者マークは設定で自由にON・OFFできるんですよ。

 

「ハナちゃんとれんちゃん…大丈夫でしょうか…。最近はこの辺で初心者狩りが出没しているって聞きましたけど…。」

 

「あー…初心者狩りねぇ…。うーん…まぁバトロイなら他のファイター達もいるから大丈夫だとは思いたいけど…ちょっと心配かな?」

 

あんなにいい子達がもし初心者狩りに会っていじめられたら…。

 

空は暗くなりはじめていますけど、花陽は時間にまだ余裕があります…。

 

うん…後輩ファイターに優しくするのは先輩ファイターの使命です!

 

おまんじゅう屋さんにも早く行きたいですけど、少しだけハナちゃん達の様子を見に行きましょう!

 

「……あ、あの!おねーさんはまだお時間大丈夫ですか!」

 

「へ?時間?!あー、うん。おねーさんって基本的に暇人だから別に大丈夫だけど…。」

 

「なら!ちょっとだけハナちゃんとれんちゃんの様子を見ていきましょう!やっぱりあの子達二人だけじゃ心配です!」

 

「花陽ちゃん……そうだね。うん!おねーさんも花陽ちゃんに賛成だよ♪もしも初心者狩りなんておバカな連中が出てきたらおねーさんが武力介入しちゃうんだから!」

 

「はい!そのときは花陽も一緒に武力介入しちゃいます!」

 

初心者狩りに遭遇するなんてそんなことはないと思いたいです…きっと大丈夫だと思いたいですけど……。

 

なんだかイヤな予感がするんです。

 

コレってフラグ…じゃないですよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イヤな予感ってなんでこんなに当たるんですか?!」

 

花陽の感じたイヤな予感は見事に的中してしまいました。

 

フラグ回収しちゃいましたよ…。

 

ハナちゃんとれんちゃんが二人で出撃した今回のバトルロイヤルのフィールドは宇宙。

 

円筒形のコロニーが見えるので恐らくは宇宙世紀系のポピュラーな宇宙フィールドですね。

 

「ッ!あのνガンダム!さっきからハナちゃんのジムばっかり狙って!あっ!危ない!ハナちゃん!避けなさい!!!」

 

アミューズメントセンター内の大型モニターには、ハナちゃんのジムとれんちゃんのベアッガイⅡがダブルフィンファンネル装備の赤いνガンダムと戦っている映像が写し出されていました。

 

ハナちゃんもれんちゃんも必死に応戦していますが、二人のジムとベアッガイⅡがそれぞれ放つビームスプレーガンとビームキャノンは赤いνガンダムのシールドや、使う必要も無いハズなのに展開しているIフィールドに阻まれてダメージを与えられません。

 

「ハナちゃん?!ジムの足が!」

 

そうしているうちに、赤いνガンダムはビームライフルを放ち、ハナちゃんのジムの両足を撃ち抜いて吹き飛ばしてしまいした。

 

「もうこれ以上は黙っていられません!おねーさん!お願いです!ハナちゃんとれんちゃんを助けるために!おねーさんの力を貸してください!」

 

さっきからハナちゃんのジムをいたぶっているあの赤いダブルフィンファンネル装備のνガンダムのファイター…かなり腕前です。

 

使用しているガンプラ…ダブルフィンファンネル装備の赤いνガンダムもよく作り込まれています。

 

ガンプラの完成度だけなら花陽のジム・マテリアルの方が上だとは思いますが、悔しいけどファイターとしての技量は確実にあの初心者狩りのファイターの方が花陽よりも上です。

 

1対1なら他のファイターさん達に救援を頼んで、防御に徹していればなんとかなりますが、あの初心者狩りは全部で5機編成です。

 

本来のコウモリのような形状のアクティブクロークを、ウィングゼロ(EW)の羽根に付け替えた白いガンダムデスサイズ・ヘルのカスタム機。

 

ガンダムナドレの頭部と胴体にガンダムヴァーチェの手足を取り付けたアンバランスなプロポーションのガンダムナドレのカスタム機。

 

頭部をポニーテールに改造した黒いセーラー服のノーベルガンダムのカスタム機。

 

素組のデュエルガンダム。

 

そしてダブルフィンファンネル装備の赤いνガンダムのカスタム機。

 

この5機で編成されています。

 

ファイターとしての技量が残念な花陽一人じゃハナちゃんとれんちゃんを助けるのは無理です。

 

おねーさんのファイターとしての技量がどの程度なのかは未知数ですが、5機を相手にするなら頭数は多いに越したことはありません!

 

2対5…ハナちゃんとれんちゃんも数に入れたら4対5です!

 

4対5ならなんとか時間は稼げるハズです!

 

あとは救援信号を発信して他のファイターさん達の救援を待ちましょう!

 

「あれは酷いね…。おねーさんだってあれは流石に見過ごせないよ。もちろん喜んで手伝うよ!」

 

「あ、ありがとうございます!それじゃ早く出撃登録を済ませて、ハナちゃんとれんちゃんを助けに行きましょう!!」

 

「了解!って言いたいけど、ちょっと先に花陽ちゃんだけで出てもらっていていいかな?おねーさんのガンプラなんだけど、陸戦用の装備のままだから、宙間戦闘用の装備に付け替えてスキャニングしてからじゃないと出れないの。」

 

陸戦用の装備のままで宇宙で戦えないこともないですけど、確かにあの初心者狩りのファイター達と闘うならやっぱり万全の態勢で挑んだほうがいいですね。

 

こんなことになるなら花陽もジム・マテリアルに増加装甲と強化バックパックを取り付けてくればよかったです…。

 

でも今日は新武装の“レールカノン”だけは装備してきています。

 

対PS装甲用の特殊弾頭(機体容量をバカみたいに使う虎の子です!)も武装領域(ウェポン・ストレージ)には入っています…このレールカノンの威力なら当たりさえすれば一撃で倒すことだってできるハズです!

 

「わかりました!とりあえずは花陽が単騎で先行してハナちゃんとれんちゃんに合流します!」

 

「うん!お願い!おねーさんもすぐに追い付くから!」

 

「はい!」

 

ハナちゃん!れんちゃん!

 

待っていてくださいね!

 

花陽おねーちゃんがすぐに助けにいきますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「機体各部、異常なし。電子精霊システムは…みんなは…ダメ…花陽の命令を聞いてくれないあの子達には頼れないよ…。今回は不確定要素は排除しなきゃ…。」

 

あの子達…花陽がまだ小学生だった頃に契約した4体の電子精霊…。

 

さーちゃん。

 

うーちゃん。

 

しーちゃん。

 

のーちゃん。

 

 

昔は花陽の命令をちゃんと聞いてくれていたのに、いつの頃からかみんなは花陽の言うことを聞いてくれなくなっちゃった…。

 

どうして?

 

花陽のこと…キライになっちゃったのかな…。

 

……今みんなのことを考えるのは止めましょう…。

 

今はハナちゃんとれんちゃんを助けることを優先しなきゃ…。

 

「サポートAIシステム起動。FCS、ロック解除。“レールカノン”は…うん。データ上では異常はないです。実戦では初めて使うけど…試し撃ちしてる暇はないよね…。大丈夫…データ上のシミュレーションでは設定通りの性能を発揮してくれていました…。」

 

いつもは凛ちゃんと一緒に出撃していたから、花陽一人だけでの出撃はホントに久しぶりです…。

 

花陽一人での出撃…。

 

正直に言っちゃえば怖いです。

 

怖くて今すぐに逃げ出したいです…。

 

でも…怖いけど…。

 

怖いけど……それ以上に花陽はハナちゃんとれんちゃんを助けたい!

 

小さい頃の花陽と凛ちゃんにそっくりなあの二人を!

 

ガンプラバトルを楽しんでいる小さなファイター達を!

 

助けてみせます!

 

例え凛ちゃんがいなくても!

 

 

花陽一人だけでも!

 

「今日はダレカタスケテじゃなく!誰かを…ハナちゃんとれんちゃんを助けるために!小泉 花陽!ジム・マテリアル!出撃します!!!」

 

さぁ!行きますよ!

 

ハナちゃん!れんちゃん!

 

ちょっと待っててください!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回、二人の幼女(小学1年生は幼女なのでしょうか?)とお知り合いになった花陽ちゃん。
次回は花陽ちゃんがそんな二人の幼女の危機を救う為に、一人きりで出撃いたします。
花陽ちゃんの救援は間に合うのか?そして花陽ちゃんは一人きりで5機を相手にどう戦うのか?
相も変わらずの残念仕様なバトル回ではございますが、お付き合い頂けましたら幸いでございます。


次回更新は月曜日のお昼頃を予定しております。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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