ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

鉄華団コンプリートセットの対艦ランスメイスだけが欲しいQooオレンジでございます。

さて、今回は前回に引き続きのバトル回(?)になっております。
ついにベールを脱ぐ謎のお姉さんのガンプラ。
謎のお姉さんの魂の叫びが響くとき、刻の涙がキラリと光り…(嘘です)。

それでは 第6話「米と猫とツンデレと」そのはち 始まります。





















第6話「米と猫とツンデレと」そのはち

[[弱きモノは排除される。ならここで君達がおねーさんに排除さるのは君達が弱きモノだからだね。]]

 

[[この声…全周波通信?!レーダー圏内には反応はありませんわよ?!一体どこから?!何者ですか!卑怯ですわよ!姿を現しなさい!]]

 

今の全周波通信で聞こえた声は…おねーさんですか?

 

赤いνガンダムのファイターさん…平坂さんの言う通りレーダー範囲内には新しくこちらの索敵圏内に侵入してきた機体の反応はなかったけど…。

 

もしかしてレーダー範囲外からの超長距離通信?

 

うーん…。それはないかな?

 

花陽のジム・マテリアルは索敵系もかなり強化しているから、この子のレーダー範囲はかなり広いんです。

 

その広いレーダー範囲の索敵圏外から通信するなんてかなり特殊な機体…通信に特化させた電子戦装備の機体でもない限りはムリです。

 

そんな通信特化の電子戦装備の機体なんて、よっぽど特殊なバトル形式じゃなきゃお目にかかれません。

 

通信特化以外の可能性は……ステルス系の特殊アビリティ搭載機?

 

それともこの前、西木野さんと一緒に戦ったバトルロイヤル(戦車のお化けさんの時です!)で穂乃果先輩に使ってもらったステルスマントみたいな隠密行動用の特殊な装備でしょうか?

 

どちらにせよ、ジム・マテリアルのレーダーに引っかからないなんて、おねーさんの機体はかなりの高性能ステルスシステムを持っていますね。

 

[[卑怯…ねぇ。弱いモノいぢめしてる子には言われたくないなぁ…。とりあえず…ちょろちょろと目障りなそのフィン・ファンネルにはサヨナラして貰うよ!]]

 

[[ナニを言って!えっ?!]]

 

おねーさんがフィン・ファンネルにはサヨナラしてもらうと言ったその直後、真っ黒な宇宙空間に一筋の青い光が一瞬きらめいて、赤いνガンダムのバックパックから切り離されて周囲に展開していた6基のフィン・ファンネルが一斉に爆発してしまいました!

 

今のはビームライフルの射撃?!ビームサーベルの斬撃?!速すぎて判断が付きませんでしたよ?!

 

それに!攻撃するときにまったく光学迷彩(たぶん姿を隠しているのは光学迷彩系の特殊アビリティだと思います!)に揺らぎもなにも出ないとか!ソレってなんのチートですか?!

 

普通は攻撃するときには光学迷彩に綻びが出て、多少の揺らぎが出るハズなんですよ!

 

ここまで高性能なステルスシステムなんて見たとこも聞いたこともないです?!

 

[[うっわ!ナニあれ?!ぜんぜん索敵に引っかかんないし!ぶちょー!なんかヤバいのが居ますよ!チャフスモーク焚きますんで早く[[逃がさないよ。]]…へ?]]

 

[[せ、先輩!後ろに!!!]]

 

[[先ずは1機。]]

 

姿の見えない襲撃者に慌て始めた初心者狩りさん達。

 

羽根付き白いデスサイズヘルのファイターさんはこの状況から脱するために、チャフスモークを焚いて逃げようとしたんでしょうが、そこに再びおねーさんか襲いかかります!

 

“逃がさないよ。”

 

おねーさんのその一言と共に羽根付きの白いデスサイズヘルの背後に姿を現したのは、何のガンプラをベース機にしたかがわからない程に改造され尽くした白と青がメインカラーのガンダムタイプの機体でした。

 

背中には丸いレドームのようなバックパック、左腕には大きなシールド…そして、機体の間接部からはまるで“限界突破(リミッドバースト)”とかの強化アビリティを使ったときのように、微量のエネルギー粒子が漏れだしています。

 

おねーさんのこのガンプラ…スゴいとしか言えません。

 

普通はどんなに改造を施しても、どこかにまだ手を加えれるところが残されているハズなんですが…。

 

おねーさんの機体にはこれ以上は弄れるところが見当たりません。

 

ある意味でこのガンプラは一つの完成形です。

 

それにこの完成度はまるで世界大会に出場するトップクラスのファイターさん達が操る機体のようです。

 

でも…どうしてステルス機なんでしょうか?

 

ここまで完璧に仕上げることが出きるなら、ステルス機よりももっと真正面からの戦闘に対応させた機体を作った方がいいような…。

 

あ!もしかしてあのレドーム付きのバックパックはストライクガンダムとかのストライカーバックや、インパルスガンダムのシルエットシステムみたいに換装出きるんですか?!

 

もしそうだったら、このステルス装備のバックパックの他にも、戦闘に特化させた装備のバックパックがあったりするんですね!

 

気になります!一人のビルダーとして、とっても気になります!

 

このバトルロイヤルが終わったらおねーさんに聞いてみましょう!

 

そして見せてもらいましょう!

 

[[先輩!!!]]

 

そんなスゴい完成度のガンプラを操り、ステルスを解除してその姿を現したおねーさんは、羽根付きの白いデスサイズヘルが背後を振り向く暇もなく、右手に握られた青いビーム刃のビームサーベルでそのコクピットを貫いてしまいました。

 

胴体のコクピット部分正確にを貫いたあの一撃なら確実にコアロスト判定ですね!

 

[[白と青のガンダムタイプ?!いつの間にこの宙域に侵入していたんですの?!それにあの完成度は!くっ!“アレ”は本格的に不味いですわ!あの“バケモノ”…綺羅 ツバサと同じ…いいえ!!!それ以上にヤバい香りがぷんぷんしますわ!佐伯さん!聞こえていますね!レールガン持ちの緑のジム改とジャリジムにクソジャリは後回しです!先ずは連携してあの新手のガンダムタイプを迎撃…いえ!1度後退して態勢を整えますわよ!]]

 

[[は、はい!!!了解しました!まだ無傷の私が前に出ます!部長はその間に後ろに!]]

 

おっと!花陽もぼけーっとしてる暇はないですね!

 

後退するなら追撃です!

 

PS装甲持ちでも容赦なくこの花陽謹製のレールカノンの餌食にしてあげますよ!

 

[[あちゃー。不意打ちに気を付けてたのに後ろから一撃で終わりかぁ。この子のレーダーでも後ろを取られてたの全くわかんなかったよー。ぶちょー、ごめんヤられちゃった♪佐伯ちゃーん、ぶちょーのことよろー。それじゃお疲れー♪おさきに上がるねー。っと、その前に…これは置き土産ってヤツだよ♪]]

 

そう言い残すと、羽根付きの白いデスサイズヘルはコアロスト判定でゲームオーバーになる最後の瞬間、機体のあちこちから白い煙をスゴい勢いで噴出させました!

 

白い煙はあっという間に周囲に充満して視界が真っ白に染められます。

 

スモーク程度ならレーダーを頼ればまだ戦闘は可能です!

 

レーダー情報をメインモニターにリンクさせれば…これは…メインモニターにノイズ?あ!レーダーの反応もおかしですよ?!

 

この白いスモークってジャミングチャフも入ってるんですか?!

 

視界もレーダーも効かない中での戦闘はまずいです!

 

周囲の状況がわからないこの状態で、下手に高威力のレールカノンを撃ってもしも味方に当たったら怖いことになりますよ?!

 

それにこちらには両足とバックパックを失って自分では移動できないハナちゃんと、まだ戦闘はできますがボロボロのれんちゃんもいるんです!

 

この状況で二人を守りながら戦闘するのはちょっと無理ゲーですよ!

 

おねーさんの奇襲でこちらに傾いた流れに乗って、一気に追撃して残り2機の初心者狩りさん達を殲滅したいですけど、ここはこちらも1度後退して態勢を整えた方がいいかもしれませんね!

 

[[へぇ…この“ナイトメアシーカー”のレーダーだけじゃなくモニターにまで干渉できるジャミングチャフにオマケの目眩ましのスモークか…。面白いねソレ。]]

 

“ナイトメアシーカー”?

 

それがおねーさんのガンダムの名前なんでしょうか?

 

[[ナイスですわ!後ろを取られて一撃で墜とされた時はどうしてくれようかとおもっておりましたが!最後の散り際にいい仕事をしました!〆る予定でしたが今回は特別に免除して、代わりにあとで誉めて差し上げますわよ!さぁ、佐伯さん!チャフスモークの効力がある今のうちに後退して態勢を立て直しますわよ!]]

 

どうやらあちらもこのスモークに紛れて1度後退して態勢を立て直すつもりですね!

 

やっぱり追撃して一気に決めたいですけど、この視界の効かないスモークの中で下手にレールカノンを撃って、味方に誤射しちゃったらまずいですね!

 

それじゃこちらも動けないハナちゃんとボロボロのれんちゃんを連れて1度後退を…。

 

[[ジョン。メサイアの内蔵エネルギーをちょっとだけフルパワーで解放してこのスモークを一気に吹き飛ばすよ!準備とサポートよろしく!]]

 

はい?ジョン?!誰ですか?!

 

<<はぁ…相変わらずキミは無茶するね。あの子とは違う筈なのに、そんな所だけはそっくりだよ。その無茶に付き合う僕も大概だけどね。>>

 

男の子の声?

 

今の男の子の声はおねーさんの機体から聞こえましたよ!

 

おねーさんの白と青のガンダムは二人乗りに改造された複座機なんですか?

 

でもあのおねーさんの白と青のガンダムの機体構造には複座機の特徴はありませんよね?

 

一人乗りの機体からもう一人の声……まさか……!

 

[[声がもう一人?その機体、複座機ですの?!いえ!その構造は一人乗りのハズですわ!]]

 

一人乗りの機体からもう一人の声が聞こえる…それはきっと……。

 

[[一人乗りの機体からもう一人の声…?っ!まさか!アナタ!電子精霊持ちですわね!]]

 

そう!電子精霊ですよ!

 

おねーさんも電子精霊の契約者“精霊使い(エレメンタラー)”だったんですね!

 

しかもあれだけ流暢に喋るなら、契約している精霊は中位以上の電子精霊のハズです!

 

[[ぴんぽーん。おねーさんは“精霊使い(エレメンタラー)”だよ!ジョン!いくよ!]]

 

<<アイ、マム!レディ!>>

 

[[エナジーパージ!!!]]

 

“エナジーパージ”

 

おねーさんがそう叫ぶと、白と青のガンダムは機体各部にスパークを発生させてエネルギーを放出させることで、周囲にほんの一瞬だけ衝撃波を生み出してチャフスモークを吹き飛ばしちゃいました!

 

おねーさんは簡単にやってますけど、機体のエネルギーを無理に外部に放出させるなんて、失敗したらただじゃすみませんよ?!

 

下手したら大爆発ですよ!

 

[[久しぶりに使ったけど上手くいって良かった良かった♪これで邪魔なスモークはバイバイ、だね。うん♪うん♪すっきり♪くっきり♪視界良好だね♪]]

 

おねーさんのガンダムがエネルギーを放出して生じさせた衝撃波で、周囲を覆っていたチャフスモークを吹き飛ばしてくれたおかげで、こちらのモニターとレーダーも回復しましたよ!

 

今の衝撃波…“エナジーパージ”っていいましたね。

 

たぶん機体自体に備わっている機能じゃなく、クイックブーストの様なファイターとしての操縦技術をスキルにまで昇華させたモノですね!

 

無茶苦茶ですがスゴいです!

 

[[おぉー!おばさんすっごい!]]

 

[[おばさん。すごいです。]]

 

[[くぅぅぅ!!!おばさんの癖に小癪な事を!]]

 

[[部長!あのおばさん!ホントに“精霊使い(エレメンタラー)”なんですか?!]]

 

そんなおねーさんの諸々に感動していると、ハナちゃんとれんちゃん、おまけに赤いνガンダムのファイターさんと素組のデュエルのファイターさんがおねーさんに“おばさん”って言っちゃいました。

 

ハナちゃんとれんちゃんがおねーさんのことをおばさんって言うのは仕方ないですが、赤いνガンダム&素組のデュエルのファイターさんがおねーさんのことをおばさんって言うのはちょっと酷いんじゃないかな?

 

おねーさん。たぶんまだ20代後半位だと思いますよ?

 

30代後半ならおばさんでもいいかもしれまさんが、20代後半の女の人におばさんは…。

 

<<おばさんだってさ。キミももうそんな歳なんだねぇ。>>

 

おねーさん…自分の契約精霊にまでおばさんって言われてますねー。

 

[[せっかくカッコよく決めたのに、どいつもこいつもおばさん、おばさんって………おねーさんは……おねーさんは……まだ!おばさんとちがぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!]]

 

荒ぶってますね………。

 

フォローを…うん。止めしょう。

 

面倒ですから。

 

とりあえずはれんちゃんにハナちゃんを牽引してもらって後退してもらいましょう。

 

このままハナちゃんとれんちゃんが近くにいると流れ弾に当たったりして危険です!

 

「さぁ!お邪魔なチャフスモークはなくなりました!仕切り直しです!れんちゃん!ハナちゃんを連れて下がってください!」

 

[[ちょっと!花陽ちゃん!いまスルーしたよね!おねーさんの魂の叫びをスルーしたよね!!!おねーさんと花陽ちゃんはあの裏路地で魂の叫びを共有してわかり会えたハズだよね!!!ちょっとはフォローしてよぉぉぉぉぉぉ!!!]]

 

[[ふん!貫通ジム女風情が小生意気な!2対2と言うわけですね!1度後退して態勢を立て直したいと思いましたが予定変更です!このまま一気に攻めきって差し上げます!佐伯さん!行きますわよ!]]

 

[[だから!キミ達は歳上を少しは敬おうよ!おねーさんの魂の叫びをスルーしないでよ!お願いだからせめてツッコミぷりーず!]]

 

[[あ、あの…皆さん?あのおばさん、なんだか色々と言ってるんですがスルーしていいんですか?ツッコミ待ちみたいですけど…?]]

 

[[そう!ツッコミ待ち!って!コラ!ソコの素組のデュエルの子!またおばさんって言ったね!おねーさんはおばさんじゃないの!おねーさん!おねーさんだからね!こーるみー!おねーさん!さんはい!かしこいかわいいかきくけこなおねーさん!]]

 

「あ、デュエルのファイターさん、お名前は佐伯さん?でしたか?なんだか色々と面倒なのであの人はスルーの方向でお願いします!」

 

[[あ、はい。佐伯です。それよりもホントにスルーでいいのかなぁ…。]]

 

「はい!構うと付け上がって余計に面倒になりますよ!ここは心を鬼にして断固としてスルーです!」

 

[[はぁ…。まぁいいですけど…。]]

 

納得してくれたみたいですね!

 

花陽は穂乃果先輩(と凛ちゃん)で学んだんです!

 

アホには放置が1番なんだって!

 

[[はなよおねーちゃん!おばさん!がんばれー!]]

 

[[はなよおねーちゃん。おばさん。がんばれです。]]

 

[[ぷぷ♪おばさん♪ですって!自称おねーさんがチビっ子からおばさんって呼ばれてますわ!あぁ!可笑しい!お!ば!さ!ん!おばさんですって!ぷぷぷ!]]

 

[[まっかなおばさんをやっつけろー!]]

 

[[ゴラァァァァァァァァ!!!クソジャリィィィィィ!誰が真っ赤なおばさんじゃぁぁぁぁぁ!!!]]

 

[[ふ、部長?!いきなりゴラァァァァァァァァってなんですか?!アレ?!部長ってお嬢様キャラなんじゃないんですか?!っていいますか!さっきから急にグダグダだよ?!なんで?!どうして?!もうホントに誰か助けて下さいよぉ!!!]]

 

「誰か助けて?そうじゃありませんよ!誰か助けての言い方がぜんぜん違います!いいですか!もっとこう!魂の奥底からやるせない気持ちを吐き出すように!全身全霊で声を絞り出してください!」

 

[[え?え?言い方が違うって?!魂の奥底からやるせない気持ちを吐き出すように全身全霊で声を絞り出す?!なんですか?!なんのことですか?!なんでやるせない気持ちを吐き出すんですか?!全身全霊?!]]

 

さぁ!毎度恒例のお時間ですよ!

 

みなさんもご一緒に♪

 

さん♪はい♪

 

「ダレカタスケテェェェェェェェェェェェェェェ!!!」

 

[[ソレってなんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[さぁ!おバカなコントはお仕舞いですわ!改めて…参りますわよ!]]

 

[[コント?!え?は?さっきまでのグダグダってコントだったんですか?!私そんなコントの台本なんて貰ってないですよ!]]

 

[[佐伯さん!ミルクをかけて召し上がるシリアルパートはもう終わりましたわ!今はこの作品でも珍しい真面目なバトルパートです!見せ場ですわよ!見せ場!しっかりなさい!]]

 

[[えぇ!私が悪いんですか?!たぶん私は被害者ですよ! [[佐伯さん…いい加減になさいませんと…〆ますわよ。]] は、はい!了解しました!部長!佐伯 冴子!これより戦闘準備に入ります!]]

 

赤いνガンダムのファイターさん…平坂さんはさっきから“ゴラァァァァァァァァ”とか“〆ますわよ!”とかちょっと鳴神先輩みたいですね。

 

一応はお嬢様キャラらしいですけど、中身は微妙にチンピラ風味なんでしょうか?

 

おおっと!おバカなことはここら辺で一旦お休みして、そろそろ花陽も真面目なバトルパートモードに入らなきゃですね!

 

エロとおバカが飽和しているガンプライブ!では、たまにしかない貴重なバトル回なんです!

 

しかも花陽がメイン回でのバトル回なんですよ!

 

これはもう気合いを入れて頑張るしかありませんね!

 

先輩達!そして鳴神先輩!花陽に力をわけて下さい!

 

うん!ファイトだよ!みんなまとめて花陽のお米にしちゃいます!一食三杯(最低でも)!狙ったお米は逃がしません!うっしゃおらー!いくぞー!

 

先輩達の真似だとこんな感じでしょうか?

 

[[それでよろしくてよ!この子の自慢のフィン・ファンネルと左腕はもうありませんが!まだまだ機体は十二分に動きますわ!武装だってビームライフルが残っています!例え電子精霊の契約者…“精霊使い(エレメンタラー)”が相手だろうが!ヤってやりますわ!]]

 

平坂さんの赤いνガンダム…νガンダム・クインルージュは左腕とバックパックのダブルフィン・ファンネルが破損しています。

 

左腕とバックパック左側に装備されていたフィン・ファンネルは、花陽のレールカノンでの遠距離攻撃をシールドで防御した時に、そのシールドごと貫通して吹き飛ばしてあげました。

 

もう片側…右側のバックパックに装備されていたフィン・ファンネルは、さっき私達を攻撃しようと展開していたところをおねーさんがビームサーベル(たぶん…。)の一閃でまとめて切り裂いてしまいました。

 

見る限りではνガンダム・クインルージュにはもうビームライフルしか武装は残っていないと思います。

 

もっとも、頭部にはバルカン砲もありますし、武装領域(ウェポン・ストレージ)にはまだナニか秘密の“とっておき”が入っているかもしれませんが…。

 

[[おねーさんにジョンが…電子精霊が居なかったとしても、今のキミじゃどう足掻いてもおねーさんには勝てないよ。]]

 

一方の白と青のガンダムタイプを駆る謎のおねーさん。

 

外見から判断できる射撃武装は、腰にマウントしてあるショートバレルのビームライフル(?)だけみたいですね。

 

今は右手にビームサーベルの柄を持っていますが、おねーさんはこのままビームサーベルでの近接格闘戦で戦うんでしょうか?

 

[[キミは弱くはないよ。でもね?まだ経験も技術も足りない。残念だけど、キミが今すぐに電子精霊と契約したとしても、まだおねーさんには届かない。]]

 

花陽そう思います。

 

まだ少しだけしかおねーさんのバトルを見てはいませんが、一つ一つの動作がとても丁寧でいて、尚且つ洗練されています。

 

ファイターとしてのおねーさんの技量は鳴神先輩に匹敵するかもしれません。

 

鳴神先輩に匹敵する技量の持ち主…それはつまり、世界大会レベルの…それも上位クラスの実力を持っているってことです。

 

一方の赤いνガンダムのファイターさん…平坂さんはA-RISEの綺羅 ツバサさんには劣りますが、現役スクールファイターでは間違いなくトップクラスの実力を持っています。

 

でもそれはあくまでも“スクールファイター”としてです。

 

スクールファイターと世界大会レベルのファイターとではどうしても越えられない壁のようのモノがあります。

 

例え現役最強のスクールファイター、“無敗の女王”綺羅 ツバサさんだとしても、このおねーさんには届かないと思います。

 

でもかつて世界を制した鳴神先輩ならきっと…。

 

[[技量の差を理解できない程に愚かではありまさんわ!アナタに挑むのが無茶で無謀なのは百も承知です!それでも一人のスクールファイターとしてここは退けません!いえ!退くワケにはいきませんわ!]]

 

平坂さんがおねーさんに挑むのはスクールファイターとしての意地と誇りなんでしょうね。

 

負けるとわかっていとも挑む…。

 

花陽にはそんな勇気は…。

 

[[絶対に!今度こそ私は!今年こそは私が強者となる為にも!もう私は惨めに負けることは許されないのです!例えアナタがどんなに強くても!こんな野良バトルで負けるワケには!]]

 

[[強者となる為に、ね。目標があるのは悪いことじゃないよ。でも……強さの先にはナニも無かったよ…。少なくても、おねーさんにはあそこは寂しすぎたよ…。あの人がかつて見た景色を見れば、もう二度とは会えないあの人のことを少しは理解できるかなって思ったけど…。]]

 

強さの先にはナニも無かった?

 

もう二度とは会えないあの人?

 

おねーさん…どうしてそんなに寂しそうに…悲しそうに話すんですか?

 

もう二度とは会えないあの人だなんて…おねーさんの大切な人は…。

 

[[はなよおねーちゃん!ハナちゃんといっしょにあんぜんなとこまできたよー!]]

 

[[うん。ここならビームはこないよ。あんぜん。]]

 

「れんちゃん?ハナちゃん?」

 

おねーさんがふいに呟いた寂しくて悲しい言葉の意味を考えていたら、ハナちゃんとれんちゃんからから通信が入りました。

 

花陽は一旦、おねーさんの言葉の意味を考えるのをやめて、ハナちゃん達がちゃんと安全圏まで後退したかを広域レーダーで確認します。

 

うん。ハナちゃんとれんちゃんはちゃんと退避したみたいです。

 

あの位置なら普通のビームライフルの流れ弾は届かないから大丈夫です。

 

花陽のレールカノンなら余裕で届きますが、ことり先輩みたいに射線上にまだ味方がいるのにお構いなしでぶっ放すなんて恐ろしいことはしませんので問題はありません。

 

これで舞台は整いました。

 

あとは死力を尽くして雌雄を決するだけです!

 

おねーさんには色々と聞きたいこともありますが、今は戦闘に集中しましょう!

 

「おねーさん!ハナちゃんとれんちゃんが安全圏まで後退しました!」

 

[[ん。りょーかい。ハナちゃんとれんちゃんの位置はこっちの広域レーダーでも確認したよ。さぁーて……それじゃ…そろそろ真面目にガンプラバトルを始めようか?ね?みんな♪]]

 

ガンプラバトルを始めようか。

 

おねーさんはその言葉と共に右手に握られていたビームサーベルの柄から、青いビーム刃を展開していて平坂さんのνガンダム・クインルージュと佐伯さんのデュエルガンダムに向き直ります。

 

[[望む所ですわ!赤英女学院ガンプラバトル部!チーム“赤の姉妹(レッドシスターズ)”!チームリーダー!平坂 梨々香!νガンダム・クインルージュ!!!]]

 

平坂さんはおねーさんのその言葉に応じて、赤いνガンダム…νガンダム・クインルージュに残されている右手に握られたビームライフルを構え、勇ましく名乗りを上げます。

 

[[同じく赤英女学院ガンプラバトル部!“赤の姉妹(レッドシスターズ)”!所属!佐伯 冴子!デュエルガンダム!]]

 

佐伯さんも素組のデュエルガンダムの右手に握られたビームライフルをいつでも放てるように構えながら、今までの少し頼りない雰囲気を一変させてリーダーである平坂さんに習い勇ましく名乗りを上げます。

 

[[匿名希望のおねーさん♪メサイアガンダム・ナイトメアシーカー!]]

 

おねーさんはそんな二人を迎え撃つために、大きなレドームが取り付けられたバックパックのスラスターに、僅かな光を灯しながら、いつでも駆け出せるように機体の体勢をやや前のめりの前傾姿勢に調整しています。

 

メサイアガンダム・ナイトメアシーカー

 

それがおねーさんのガンダムの名前…。

 

たぶんステルス装備を搭載したあのレドーム付きのバックパックが“ナイトメアシーカー”なんでしょうね。

 

機体の名前がメサイア…意味は確か…救世主?

 

「ジム・マテリアル!小泉 花陽!」

 

もちろん花陽も戦闘体勢に入った皆さんのように、いつでも攻撃を開始できるように準備を整えます。

 

サブコンソールを操作して射撃管制を近距離戦闘用に変更し直して、ついでに威力は抜群でも近距離戦闘では長砲身のせいで取り回しづらいレールカノンの代わりに、すぐにでも“武装領域(ウェポン・ストレージ)”から使いやすいブルパップマシンガンを取り出せるように準備をします。

 

そして………。

 

[[参りますわよ!]]

[[作戦を開始します!]]

 

[[ちょっと世界、救ってみようか!]]

「行きます!」

 

まるで各機が示し合わせたように同じタイミングで火蓋が切られました!

 

さぁ!戦闘再開です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回から登場した謎のお姉さんのガンプラ“メサイアガンダム”。
一応はベースとなっている機体はあるのですが、その機体の名前をあかしてしまうと色々とネタバレになってしまいますので、今回はあえて伏せさて頂きました。
そして現在、1名のお方が謎のお姉さんの正体に辿り着いております!
もし謎のお姉さんの正体が分かり、答え合わせをご希望でございましたら、メッセージをお送り下さい。

次回の更新ですが、6月9日(金)に希さんの生誕祭特別編を予定しております。
間に合えば…なのですが…。

また、とあるお方と話しているうちに、ガンプライブ!の続編に当たる“ガンプライブ!サンシャイン!! ~School Gunpla Project Next~”(仮) を書きたくなってしまい、本編や特別編の作成を後回しにしてプロローグを書いてしまいました。
まだプレ版のため、地の文書の肉付けも完璧ではありませんが、もし見てみたいと仰るお方がいらっしゃいましたら、メッセージでご一報をお願いいたします。
その際には重大なネタバレはございませんが、軽度のネタバレが含まれておりますのでご了承下さいませ。
最後には恒例(?)のエロマシ版R-17.9版もあったりします。
今回はそこまでエロではございませんが…。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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