ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。


恵方巻きは4本は食べたいQooオレンジでございます。


今回は前回に引き続き閑話「商店街の七人 」となります。
本編よりも出番のある金髪ロシアンビューティーさんとデカ乳たぬきさんの衣装は…。
まぁここまでガンプライブをご覧になって下さった皆様でしたらもうお分かりかとは思います。

それでは 閑話「商店街の七人 ②」 始まります。





































閑話「商店街の七人 ②」

前回までの「商店街の七人」!

 

クリスマスも終わり年も暮れゆく平和な音ノ木坂商店街に訪れた突然の非常事態!

 

どっかのアホな突撃任侠娘がノリと勢いでケツアゴヤクザに売られたケンカを買って、商店街の権利を賭けてそのケツアゴヤクザと何故かガンプラバトルをすることになっちゃったの!

 

もし商店街チームがガンプラバトルに負けたら音ノ木坂商店街は丸ごとケツアゴヤクザにやっすく買い上げられちゃうこの緊急事態!

 

まともにガンプラバトルを出きるのはこの私!実家が音ノ木坂商店街で模型店をやってる“彩渡 美咲(あやど みさ)”と、突撃任侠娘の幼馴染みの地味メガネな“炉洲 幹也(ろす みきや)”の二人だけ!

 

バトル形式はケツアゴヤクザ側がバトルステージを用意して、商店街側が10人1チームでその用意されたバトルステージに挑戦する変則ミッションバトル形式!

 

ところがどっこいしょ。

 

こちらはアホな任侠娘を頭数に入れたとしても私と絢音と幹也の3人だけ…。

 

うん!無理!普通に無理!

 

そりゃ私だって多少は腕に覚えがないワケじゃないけど、10人1チームで参加する変則ミッションバトルを1人でどうこうできる程は強くはないわ。

 

うん!やっぱり無理だわ!

 

だかしかし!途方に暮れる私達のもとに訪れたのは音ノ木坂を含めた秋葉原地区では知る人ぞ知る地味に有名な戦うロリボッチ娘こと“無冠の女王(ノー・クラウン)”の二つ名を持つ凄腕スクールファイター“矢澤 にこ”ちゃんその人だったの!

 

そしてにこちゃんに電話一本で召喚されたのはにこちゃんの彼氏のような旦那のようなセ○レのような(本人たちは彼氏も夫婦もセ○レも全否定。)不思議な関係の公式戦トラウマを患ってるヘタレな伝説の最年少チャンピオン!

 

“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”の二つ名を持つ世界屈指のガンプラファイター“鳴神 青空”!

 

さらにさらにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!

 

にこちゃんの呼び出しに応じてやって来たのは謎のロシアンビューティー&スピリチュアルビューティー!

 

蒼い瞳の金髪美少女(スタイル良し!)と怪しい関西弁のデカ乳美少女(なんなのよ!あの胸部装甲は!反則よ!反則!)の二人組!!!

 

さぁ!さぁさぁさぁ!

 

なんか知らないけど役者は揃ったわ!

 

音ノ木坂商店街をケツアゴヤクザの魔の手から救うために!

 

今こそ立ち上がれ七人の選ばれしガンプラファイター!!!

 

この私!彩渡 美咲が語り部を勤める閑話「商店街の七人」!

 

風雲急を告げる疾風怒濤の第二話の始まり!始まりぃぃぃぃ!!!

 

さぁ!さぁ!さぁ!よってらっしゃい!観てらっしゃい!

 

お代は観てのお帰りでぇぇぇぇぇぇい!

 

おっと!そこのおにーさん!いい子がいやすぜぇ!

 

乳のデカい子から乳の残念な子まで選り取り見取りでさぁ!

 

もちろんちぃーとばかり銭を弾んでくれたらおにーさんだけに特別なサービスしちまいやすぜぇ!

 

へっへっへっ!毎度ありぃ!

 

お客さんごあんなーい!

 

おっと!そー言えば娘っ子達の部屋のゴムがちょうど切れていやしたぜぇ!

 

仕方ねぇ!今日は朝まで生でサービスでぇぇぇぇぇぇい!

 

にーさん!思う存分にナマでナカで逝ってくだせぇ!

 

なぁーに!ナマでも病気の心配はいりやせぇんぜ!

 

うちの子達はみーんな検査済みでさぁ!

 

って!オイ!待て!ナマってなんだ!ナマって!ビールじゃねぇーよな!絶対にナカで逝ったら赤ちゃんできちゃう方のナマだよな!

 

あとさっきから私はなんのキャラをヤらされてんのよ!!!

 

ゴルゥラァァァァァァァァ!!!オレンジジュース野郎!!!

 

私にあんまり舐めた真似させるとそのすっからかんの脳ミソ搾りきって味噌汁にしてぶっ殺すわよ!!!!!

 

オルゥゥラァァァァ!!!聞いてんのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

このクソオレンジジュース野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして誰もその二人のカッコに突っ込み入れないんじゃァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

前回、にこちゃんの呼び出しに応じてやって来た金髪美少女とデカ乳美少女の二人組。

 

いやさ。美少女二人組はいいんだよ。

 

私が突っ込みたいのはその二人組のイカれたカッコよ!

 

なんで誰も突っ込み入れないのよ!

 

だってこの二人組……

 

「なんでボンテージだよ!そのバタフライマスクはなんだよ!しかも二人共色違いで同じカッコってなんだよ!!!色違いでお揃いのボンテージなんてよくあったな!!!」

 

どっちも派手なバタフライマスクを顔に着けてSMクラブの女王様が着てるようなボンテージを着てんだよ!

 

金髪の方は水色のエナメルっぽい生地のボンテージ!

 

デカ乳の方は金髪のボンテージとは色違いの紫色のボンテージ!

 

二人ともきっちり着こなして腰にはGPベースの他にしっかりとムチと蝋燭まであるし!

 

おかしいよね?

 

絶対におかしいよね?

 

私がおかしいんじゃないよね?

 

コイツらの方がおかしいんだよね?

 

「あら?おかしいかしら?このボンテージ?私的には似合ってるんじゃないかな?とか思ったんだけど…?」

 

「う~ん?どうやろ?うちはともかくえりちはそのキレイな金髪に水色のエナメル生地がえぇ感じで似合っとると思うよ?ん?もしかして似合ってる似合ってない以前にこのボンテージにどっかおかしなトコあるんやないか?穴とか空いとるん?来る前に姿見で確認はして来たけど、その時には特におかしいとこはなかったんやけど…?」

 

「おう!問題ねぇぜ!どっちの姐さんもいい感じのボンテージだぜ!おかしなトコも特には見当たんねぇぜ!」

 

「そうだね。似合いすぎて僕としてはちょっと目のやり場に困りますけどね。」

 

「メガネの坊主はうぶだねぇ。二人共スタイル良いからボンテージとか俺としては眼福だな。なぁ絵里さん、希そん。せっかくなんだから後で記念に1枚写真撮っとかないか?」

 

「へぇ…そらってボンテージとかも好きなんだ?ふーん…ねぇそら?なら今度はにこにーがボンテージ着てあげよっか?ムチとかロウソクとか使うガチのSMプレイはちょっとヤだけど、軽く縛るくらいのソフトSMなら別にシテもいいわよ?」

 

ダ、ダメだ!

 

ダメだコイツら!

 

また話がおかしな方向に爆走し出してるし!

 

ってか今回は突っ込みってもしかして私だけなの?!

 

にこちゃんとか鳴神とか普段はどっちかって言ったら突っ込み側でしょ?!

 

それがなんで今回に限って色んな突っ込みポイントを華麗にスルーしてんのよ!

 

ぐぬぅぅぅぅぅ!!!こーなったら今回は私がとことんまで突っ込んでヤるわ!

 

突っ込みいれまくってヤるわ!

 

うっし!そんじゃちょっと気合いれて行くよ!!!

 

「おい待て!だから待て!超待て!頼むから待て!私が言ってんのはボンテージにおかしいトコがあるんじゃなくて!そのボンテージ姿自体がおかしいってコトだよ!!!ボンテージだよ?SMクラブくらいでしか着てるヤツいないボンテージだよ?しかもご丁寧にバタフライマスクまで着けてんだよ?おかしいよね?どう考えてもおかしいよね?」

 

ってかこの美少女二人組はこの恥ずかしいカッコでここまで来たの?!

 

この年末の寒空の下をボンテージ着て歩いて来たの?!

 

ソレってあきらかにヘンタイだろ!

 

にこちゃんの目出し帽に黒ジャージの強盗ルックも突っ込みどころ満載だったけど、この二人組のボンテージにバタフライマスクのSMの女王様ルックはさらに輪をかけて突っ込みどころ満載だよ!

 

「ミサ…あんた私の話聞いてなかったの?」

 

「は?にこちゃんの話?なんの話よ?」

 

にこちゃんなんか話してたっけ?

 

えーっと…確か今度ボンテージ着て軽く縛るくらいのソフトSMならシテあげてもいいわよ?だっけ?

 

ん?ソレとコレがなんの関係あんの?

 

「はぁ…バカ丸出しの顔でハテナマーク浮かべてんじゃないわよ。もう…私の話ちゃんと聞いてなさいよね?これだからバカミサって言われんのよ。」

 

ぐぬっ!にこちゃんだって結構なレベルのバカなのにバカって言われた!

 

反論して…もどうせまたいつもの水掛け論になるからやめておこ。

 

まずは何にしろ黙ってにこちゃんの説明を聞いてからだね。

 

「おバカなミサに仕方ないから特別にもう1回だけ説明してあげるわ。いい?今回のバトルの相手はヤクザなのよ?もう既に顔バレしてるミサやそこの二人とは違って、私やそら、そこのデカ乳たぬきつ生徒会コンビはまだ顔バレしてないのよ?」

 

顔バレ…あっ!そー言えば目出し帽の辺りでにこちゃんそんな話ししてたっけ!

 

そのあとにケツアゴヤクザの手下にロリコンがいるとかいないとかの話しになってすっかり頭の中から抜けてたわ!

 

「うちらはナニも趣味でこんなSMの女王様のカッコして来たワケやないんよ?そのヤクザに顔バレしないようにってこんなカッコしてバタフライマスクまで着けてるんよ。」

 

「誰もうら若い女子高生が好き好んでこんなSMの女王様のカッコなんてしないわ。(えりーちか的にはこの女王様タイプのボンテージじゃなくて、M奴隷タイプの紐だけのボンテージとかの方が好みだもん♪着るなら断然あっちの紐だけのボンテージよね♪もしも今日あっちの紐だけのボンテージを来て着たら…ソラは興奮してえりーちかにえっちなお仕置してくれたりしたのかしら?なーんて、ムリよね…。私はいつもソラに酷いことばかり言ってるし…。絶対に嫌われてるわよね…。) 」

 

アレ?このSMクラブの女王様ルックの二人って意外と常識的?

 

………………常識的?

 

SMクラブの女王様ルックなのに?

 

ボンテージ着てんのに?

 

「おい、バカミサ。」

 

一瞬だけこのSMクラブの女王様ルックなボンテージの二人を常識的かも?って思いそうになった私に、鳴神のバカが声をかけてきたわ。

 

なんの用よ…。

 

「なんだよ!バカカミ!」

 

「バカカミって…まぁ漢字にしたらバカな神様みたいになるからバカカミってカナ表記の方がいいんだけど…って、そーじゃなくてだな。」

 

「そーじゃなくて?」

 

「世の中は突っ込みどころ満載だ。深く考えてるとハゲるぞ。」

 

鳴神のバカはどこか遠い所を見ながら、なんか疲れたような顔で世界の心理を私に教えてくれたわ。

 

“深く考えてるとハゲるぞ”って。

 

その言葉は妙に説得力があって、私は思わず色んなことに納得しちゃったわ。

 

「…………うん。そうかも。」

 

なんだろう…。

 

バトルする前からどっと疲れたわ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガンプラバトルシミュレーター!システム起動!」

 

10人のフルチームまでは集まらなかったけどなんとか7人まで集まった私達音ノ木坂商店街チームは、ケツアゴヤクザとの商店街を賭けたバトルへと出撃するためにあちらから予め指定されていた毎度お馴染みのアミューズメントセンター音ノ木坂店にやって来たわ。

 

バタフライマスクにボンテージ姿のスタイル抜群な女王様×2やらロリっ娘&チンピラの覆面強盗ルックコンビ(にこちゃんが鳴神のバカにも目出し帽を用意してきていたんだよ…なんか目出し帽の額の辺りに“2”って書いてるヤツ。)やらのせいで、移動中めちゃくちゃ目立って恥ずかしかったよ…。

 

ってかさ?よくあのカッコで通報されなかったなぁ…。

 

いやもうなんかバトル以前に移動だけで力尽きそうになったわ…。

 

そんな感じで移動中に味方にゴリゴリとSAN値を削られながらもなんとかアミューズメントセンター音ノ木坂店にたどり着いた私達を待っていたのは、イタリアンマフィアっぽい中年の男とその手下達だったの。

 

さてさて、このイタリアンマフィアっぽい中年のヤクザなんだけど…絢音のバカがケツアゴケツアゴってさんざん言ってたの覚えてるかな?

 

うん。このヤクザね?絢音の言う通り確かにアゴがケツアゴだったわ。

 

そりゃもう見事なケツアゴ。

 

あんなマンガみたいな見事なリアルケツアゴ見たのは産まれて初めてだったから笑いを堪えるのが大変だったわー。

 

私が笑いを堪えている間になんか絢音のバカがケツアゴヤクザと言い合っていたみたいだけど、ナニ言ってたのかぜんぜんわかんなかったし。

 

<ガンプラバトルシミュレーター、システム起動。続けてIFSの接続を開始する。>

 

で、ケツアゴの笑撃から必死に笑いを堪えること数分。

 

ようやく絢音のバカとケツアゴヤクザの言い合いは終わって、私達はそれぞれのガンプラをスキャンしてガンプラバトルシミュレーターの筐体に乗り込んだの。

 

あのままケツアゴを見てたら腹筋が崩壊してバトル前に笑死するとこだったから助かったわ。

 

私はそんなことを考えながら自分のGPベースをメインコンソールの側にある設置ポイントにセットしてガンプラバトルシミュレーターのメインシステムを起動させたわ。

 

メインシステムの起動が完了すると、さっそくナイトガンダムのイメージアバターを使用している私の相棒の電子精霊“ロボ太”がIFSの接続を始めてくれたの。

 

私の相棒の高位電子精霊“ロボ太”…厳密にはコイツは私が契約した電子精霊じゃないんだよね。

 

ロボ太って名前を付けたのは私なんだけど、ロボ太の本来の相棒はここにはいない…ってか修行の旅とか言ってどこをほっつき歩いるのかまったくわかんない私の彼氏なのよ。

 

アイツが修行の旅に出る直前に突然“ミサ!修行の間はミサにロボ太を預けるよ!仲良くしてやってね!”って言って私に押し付けて来やがったのよ。

 

「うん!サクッとお願いね!ロボ太!」

 

世界初の電子精霊の契約者としてたぶん現状で一番電子精霊に詳しい鳴神のバカから聞いた話じゃ、今の私とロボ太の関係は仮契約みたいな状態なんだって。

 

電子精霊の貸し出しとかは本来なら無理らしいんだけど、アイツがロボ太と契約して名前を付けるときに私がノリと勢いで名前を付けちゃったことが関係してるんじゃないか?ってなことも言ってたっけ。

 

難しいことはよくわかんないけど、まぁ仮契約でもなんでもロボ太がいてくれれば私的には色々と楽ができるからいいんだけどね。

 

システム周りのあれやこれやから戦闘管制まで、電子精霊が…ロボ太がいてくれるだけでホントにスムーズに行くのよね。

 

ロボ太を預かるまで使っていたサポートAIシステムもあれはあれで凄かったけど、電子精霊の処理速度はなにもかもが段違いなのよ。

 

「うむ。ミサに命じられるのは腹が立つが、ミサを助けよとの主殿の命に背くわけにもいかない。仕方ないので今回もしっかりとサポートをしよう。」

 

うん。

 

電子精霊と一緒だと楽ができるからいいんだけど、ロボ太の本来のマスターじゃないからか私にはいつもこんな感じでなーんかトゲのある塩対応なのよね…。

 

「釈然としないけど手伝ってくれんならなんでもいいわ。それよりも各機へ通信回線を開いてちょーだい。」

 

<心得た!各機への通信回線を接続!いいぞ!ミサ!>

 

「あんがと。さーて…ミサより各機へ!そろそろ指定された出撃時間だけど、みんな出撃準備はできた?」

 

今回も何気ないロボ太の塩対応にちょっとだけ挫けそうになったけど、気にしたら負けかな?ってことで気にしないことにした私は、ロボ太に各機への通信回線を開いてってお願いしたわ。

 

そのお願いに応えてロボ太はさほど時間をかけずに、みんなへと通信回線を開いてくれたわ。

 

うん。

 

ロボ太の塩対応はたまーに泣きたくなるけど、やっぱり電子精霊って便利だわ。

 

[[こちらガンプラ仮面1号のラブリーにこちゃんよ!こっちはいつでもイケるわ!]]

 

[[同じくガンプラ仮面2号の鳴神だ。こっちも出撃準備はとっくに終わってる。]]

 

通信回線を開いてみんなへ出撃準備の確認をすると、サブモニターの通信画面にまずは目出し帽をかぶった黒ジャージ姿のにこちゃん…今回はファイターネームはガンプラ仮面1号らしいわ…がいつでもイケるわ!って元気に応えてくれたわ。

 

そんなガンプラ仮面1号なにこちゃんの今回使うガンプラは、にこちゃんが交通事故で亡くなったお父さんから受け継いだガンプラ“ガンダムアストレイ・ダークフレーム”を改修して作った“ガンダムアストレイ・ダークフレーム禍(まがつ)にこ”じゃなくて、ピンクとホワイトで塗装されたザクだったわ。

 

機体の名前は“ザク・ブバルディア”。

 

F2ザクの上半身とジョニー・ライデンの高機動型ザクⅡの脚部をミキシングして、肩に増加装甲とシールドバインダーを、背中にはブレードみたいに鋭いウィングを持った高機動バックパックをそれぞれ取り付けた高機動型の機体。

 

それにしても…ザク“ブバルディア”か…。

 

知ってるかな?

 

“ブバルディア”ってピンク色の小さな花の名前なんだよ?

 

確かブバルディアの花言葉は…“清楚”…“親交”…“羨望”…“情熱”…“憧れ”…そして……“幸福な愛”……だったかな?

 

“幸福な愛”…ね。

 

なんか肝心なとこで臆病になって伝えたい気持ちを伝えられないままでいるにこちゃんらしいかも。

 

きっと物凄く遠回しにあのバカがいつも使ってるザクに、ブバルディアなんて普通の人は知らないような花の名前を付けて、花言葉に想い託して気持ちをそっと伝えようとしているだろうな。

 

にこちゃん乙女過ぎてめっちゃ可愛いわ。

 

さしずめにこちゃんにとってのブバルディアの意味は“私は貴方を愛せて幸せです”ってとこかな?

 

うん。青春してるねぇ。

 

ホント、にこちゃんって鳴神のバカにはもったいないわ。

 

いつかはにこちゃんの想いがあのバカに伝わって幸せになってくれたらいいんだけどね。

 

そんな乙女なにこちゃんことガンプラ仮面1号に続いて、次はガンプラ仮面1号とお揃いの目出し帽をかぶった鳴神のバカことガンプラ仮面2号も出撃準備は終わってるって伝えて来たわ。

 

うん。

 

鳴神のバカも電子精霊の契約者“精霊使い(エレメンタラー)”だから、あれやこれやらを設定するのが早いんだよね。

 

まぁ鳴神のバカは“精霊使い(エレメンタラー)”以前にシステム周りを弄るのが得意だからね。

 

電子精霊がいなかったとしてもあんまり関係ないのかな?

 

ちなみに鳴神のバカが今回使うガンプラはいつものレンタルガンプラのF2ザク…じゃなくて、なんか無駄に大型ガトリングガンを4門も搭載したゴツいザクだったわ。

 

なんでもにこちゃんからまともなガンプラを持ってこいって言われてたんだってさ。

 

で、鳴神のバカが持ってきた機体っていうのがあの大型ガトリングガン満載のゴツいザク。

 

名前は“ザク・インパチェンス”

 

“インパチェンス”…つまりは“鳳仙花”ね。

 

こっちはこっちでまた似合わない花の名前なんか付けちゃって。って思ってたら、鳴神のバカが今回使うこの“ザク・インパチェンス”は鳴神のバカが自分の義理の妹のために組んだ機体って話だったのよ。

 

ふーん…鳴神のバカのクセに義妹のためにガンプラとか組んであげるなんて…案外といいお兄ちゃんしてんじゃん。

 

高機動近接型のにこちゃんの“ザク・ブバルディア”と重砲戦型の鳴神の“ザク・インパチェンス”。

 

いつも二人でバトルロイヤルに出撃してるから連携も問題ないし。

 

面と向かっては絶対に言わないけど、今日のバトルは負けるワケにはいかないから頼りにしちゃうわよ。

 

[[こちら謎の覆面ファイターのマスク・ド・エリーチカよ。私と私のトールギス・ヴァルキュリアもいつでも出れるわ。]]

 

[[謎の覆面ファイターその2のマスク・ド・スピリチュアルも出撃準備は完了しとるよ。ドム・ハーミットはいつでも出れるやん♪]]

 

目出し帽の強盗ルックコンビの次に私の通信に応えてくれたのはにこちゃんが呼び出した正体不明の美少女ボンテージコンビ。

 

金髪で水色ボンテージを身に付けている方はファイターネームは“マスク・ド・エリーチカ”って言うんだね。

 

そんな“マスク・ド・エリーチカ”の持ってきたガンプラは、トールギスにかなり硬度の高い(値段も高い)金属パーツを仕込んでガチムチに防御特化に改造した“トールギス・ヴァルキュリア”って名前の機体だったわ。

 

このトールギス・ヴァルキュリア、武装はなんともシンプルなことに大型ランスと大型シールドだけなのよ。

 

にこちゃんの話だと、この“マスク・ド・エリーチカ”と“トールギス・ヴァルキュリア”は大型ランスと大型シールドを構えてとにかくフルブーストしっぱなしで突撃を繰り返すんだって。

 

アホみたいに硬いからよっぽど高威力の攻撃じゃなきゃ装甲を突破することはできないらしいわ。

 

重装甲で高機動か…。

 

そこにさらに高火力を付け加えたら、機体の名前も含めてなんか私のガンプラとコンセプト被ってたかもね。

 

えっ?私の使うガンプラはナニかって?

 

うーん…それはもうちょっと待ってて。

 

先に他のみんなのガンプラから説明しときたいからさ。

 

さてさて。“マスク・ド・エリーチカ”の次に私の通信に応えてくれたのは、怪しい関西弁をしゃべる紫ボンテージのデカ乳女王様ことファイターネーム“マスク・ド・スピリチュアル”。

 

“マスク・ド・スピリチュアル”の持ってきたガンプラはドムをこれでもかってくらいに魔改造して背中にガンダムアシュタロン・ハーミットクラブのヤドカリを背負ったなんだかよくわかんないドム“ドム・ハーミット”。

 

知り合いらしい鳴神のバカの話だと、この“ドム・ハーミット”って機体はヤバいくらいに高火力らしいんだけど…。

 

背中に背負ってるヤドカリから考えると、鳴神のバカの言っていた高火力の正体はサテライトランチャーかな?

 

でもサテライト系の武装ってそんなに珍しくないよね?

 

あの鳴神が“ヤバいくらい高火力”って言うんだから普通のサテライトランチャーじゃないんだろうけど…。

 

ま、そこら辺はバトルが始まればわかるんでしょうけどね。

 

どんだけヤバい高火力なのかちょっと楽しみかも。

 

それにしてもデカ乳関西弁ボンテージさんのファイターネームの“マスク・ド・スピリチュアル”ってなんか言いにくいわね。

 

バトル中に“マスク・ド・スピリチュアル!”って呼んで舌噛まなきゃいいけど…。

 

[[おう!絢音だ!よくわかんねぇけどたぶん逝けるぜ!ってかさっさと逝こうぜ!!!]]

 

[[幹也です。絢音ちゃんの出撃準備はこちらで確認したんで問題ありません。もちろん僕も出撃準備は完了です。]]

 

最後に通信に応えたのは、私の一応は幼馴染みな頭は空っぽのクセに発育だけは良い突撃アホアホ任侠娘の絢音と、惚れた弱味でちっちゃい頃からアホな突撃任侠娘にいつも振り回されてる“THE・苦労メガネ”の幹也の二人だったわ。

 

アホの絢音の使うガンプラはうちの店の商品から勝手に拝借して作った素組のガンダムグシオンリベイク・フルシティ。

 

ガンプラを持っていなかった絢音はうちの店をうろつきながら今回のヤクザとのガンプラバトルで使うガンプラを物色してたんだけど、なんでかは知らないけど“良い面構えしてやがる。気に入った!コイツにするぜ!”って言ってグシオンリベイク・フルシティを手に取って組み立て始めたんだよね。

 

ニッパーとかは幹也の物を使ったみたい。

 

あとは支払いも幹也がしてたっけ。

 

相変わらす苦労してんなぁ…。

 

そんな絢音にベタ惚れの幹也のサポートを受けながら作った素組のグシオンリベイク・フルシティはまぁ素組の割には良いデキなんじゃないかな?

 

メタい話すると本編のアホの権化が使ってる素組のストライクガンダムよりは良いデキしてるのよね。

 

本編のアホの神様のストライクガンダムなんて爪切りでランナー切って適当に作ったから、パーツの合わせ目は酷いことになってるし、シールは曲がってるし、ガンダム系の機体の特徴的なV字アンテナの片方は折れてるしで散々だもんね。

 

あっ。本編にまだ顔すら出してない私が本編のヒロインの1人のガンプラを散々なんて言っちゃうのは流石にメタ過ぎたかな?

 

んじゃメタい話は終わりにして、こっちのアホ娘こと突撃アホアホ任侠娘の絢音が手先が器用なのが意外っちゃ意外だったわ。

 

組み上げるときに幹也がサポートしたからかな?

 

そんな絢音をサポートしてあげてるメガネをかけた地味な男の子の幹也の使うガンプラはジェガンを弄ったカスタムガンプラ“ジェガン・アーモリー”だったわ。

 

ジェガン自体は普通の逆シャア版のジェガンなんだけど、幹也の持ってきたガンプラはバックパックが普通じゃなかったのよ。

 

なんて言えばいいのかな?

 

幹也のジェガンのバックパックはね…おっきいコンテナのよ。

 

とにかくおっきいコンテナなの。

 

うーん…わかりやすく言えば08小隊の陸戦型ガンダムが背負ってる武装コンテナが一番近いのかな?

 

あれをさらに大きくした感じだね。

 

そのおっきなコンテナのあちこちにはスラスターとかバーニアを取り付けて無理矢理に機動性を確保してるみたいね。

 

幹也にそのコンテナにナニ入れてんの?って聞いてみたら…まだ秘密です。だって。

 

地味メガネのクセに秘密ですなんてなんかイラっとするわね!

 

ふん!どうせ絢音LOVEな地味メガネのことだから、あのバカデカイ背中のコンテナには絢音用の銃火器をこれでもかってくらいに詰め込んで来たんでしょ!

 

絢音のヤツは絶対に残弾とか気にしないでバカスカ撃つに決まってるからね!

 

ってかさ?機体の名前からしてコンテナの中身がパレバレじゃん。

 

アーモリーってつまりは英語の“armoury”、日本語では“武器庫”なんでしょ?

 

秘密です。とか言うならもっとひねった名前をつけろよ!って感じよね。

 

まぁアホな任侠娘なんかに惚れちゃってる地味メガネだから仕方ないか。

 

さて。

 

どうやらみんな準備はいいみたいだね。

 

「みんな準備はいいみたいだね。それじゃそろそろ行こっか?クソなヤクザの用意したクソなステージをクリアしにさ。」

 

フルメンバーの10人は集まんなかったけど、不思議とこのメンバーなら何とかなりそうな気がするわね。

 

[[ふん!どんなステージでもにこにーがいれば余裕よ!余裕!]]

 

“無冠の女王(ノー・クラウン)”、にこちゃん。

 

[[ならにこちゃんだけで出るか?ぶっちゃけ面倒だから俺はレストコーナーでコーヒーでも飲んでるからさ。]]

 

“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”、鳴神 青空。

 

[[おっと♪鳴神君は1人だけ楽するつもりやね?それは希さん的にはちょっといただけないなぁ~。]]

 

魔改造ドムを使う謎のデカ乳ファイター、“マスク・ド・スピリチュアル”。

 

[[そのクズは魂の奥底まで逃げ癖が染み付いちゃってるから仕方ないわ。貴方程度がいなくてもヤクザの用意したステージくらいなら私と希だけでも余裕でクリアできるでしょうから、本当に帰ってもいいわよ?]]

 

ガチムチ防御特化突撃仕様トールギスを使う金髪のボンテージファイター“マスク・ド・エリーチカ”。

 

[[あ"ぁ"?んだとぉ!このクソおんなぁぁぁぁ!!!そのボンテージひん剥いて縛り上げて調教すっぞ!ゴルゥラァァァ!!!]]

 

[[えっ?!ホントに!]]

 

[[ちょっと絵里!なんでアンタは調教すっぞ!とか言われて嬉しそうなのよ!!!]]

 

[[えりち(ドM)やからなぁ…。]]

 

そう言えば今さらだけどコイツらってどんな関係なんだろ?

 

友達…の割には微妙な仲だよね?

 

まぁ別にバトル中に味方同士でヤり合わなきゃいいけど。

 

[[おいおい!なんかしらねぇーけど鳴神のアニキも金髪の姐さんも喧嘩はよしてくれよ!仲わりぃのかもしんねぇーけど、今回はあたしらは仲間なんだかよ!]]

 

偉そうなことを言ってる今回の元凶の任侠娘な雨宮 絢音はあれでいていざというときは頼りになるし。

 

[[そうですよ。僕たち7人は仲間なんですよ?せめてバトル中だけでも仲良くしましょうよ?]]

 

絢音のお守りの地味メガネ、炉洲 幹也は実はそこそこのファイターだったりしてるし。

 

うん。

 

イケるわ。

 

絶対に大丈夫…って思いたいかな?

 

[[おっ♪7人の仲間ってなんかえぇ~やん♪クロボンの鋼鉄の七人みたいやない?]]

 

そんな私の内心とは裏腹に、みんなはまだ余裕綽々でくっちゃべってたわ。

 

鋼鉄の七人がどうとかって。

 

[[えっ?鋼鉄の七人…ですか?あ、あのー?鋼鉄の七人って結構みんな死にませんでしたっけ?]]

 

[[縁起わりぃなぁ…ってか俺達って鋼鉄っていうよりも色モノの七人なんじゃねぇーの?]]

 

[[色モノの七人なんてカッコ悪いからにこにーは絶対にイヤよ!]]

 

[[なら商店街を救うために集まったから商店街の七人とかかしら?]]

 

[[商店街の七人…それってなんかよくねぇか?アタシ的にはアリだな!]]

 

“商店街の七人”か…。

 

ま、いいんじゃないの?

 

「なら私達のチーム名は音ノ木坂商店街チーム改め“商店街の七人”ってことで逝っとこうか?ほら!なんかまたグダグダになってきたから準備が出来てるなら出るわよ!」

 

[[おっけー!]]

[[おうよ!]]

[[了解よ。]]

[[了解やん♪]]

[[おう!]]

[[はい!]]

 

元気なお返事ももらったことだし…さぁーて。

 

それじゃちょっと軽く商店街を救うために出撃でもしてみますか!

 

音ノ木坂商店街チーム改め商店街の七人のお出ましよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。


本当ならばこのお話までにはにこちゃんが今回のお話で使用するザク・ブバルディアを実際のガンプラで作る予定でしたが、色々とございました…。
完成しませんでした!
近い内には完成させたいと思っております。
活動報告にザク・ブバルディアの作成途中の画像が張られておりますので、気になったお方がおられましたらご覧になってみて下さい。

次回は今回の主役のミサちゃんのガンプラが登場いたします。

次回更新は来週の月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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