ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

幼い頃に一番最初に作ったガンプラは元祖SDのナイトガンダムなQooオレンジでございます。

さて、今回からはにこちゃんを語り部に迎えまして本編第7話Aが始まります。
閑話や特別編では既に幾度となく登場しておりましたにこちゃんがようやく本編にも参戦です。
ガンプライブの世界線では主人公ソラとは既に夫婦のような間柄のにこちゃん。
彼女の登場は“μ's”に何をもたらすのか…。



それでは 第7話A「無冠の女王」そのいち 始まります。
































第7話A「無冠の女王」そのいち

「…ん………。」

 

「そら?起きたの?」

 

「…………。」

 

「そら?」

 

「…かあ…さ……。」

 

「……なんだ…ただの寝言、か。」

 

いつものように愛しいバカと唇を重ね、身体を重ね、心を重ね、互いに求め合いながら快楽を貪り合った情事のあと。

 

私の隣で安らかな寝息をたてる愛しいバカは…そらは、普段とはまるで違うあどけない顔で“母さん”って寝言を呟いていたわ。

 

「もう…こんな美少女とヤったあとに“母さん”だなんてどんだけ自分を捨てた母親が恋しいのよ…。」

 

そらのお母さん。

 

まだ幼かった…それこそうちの虎太朗と変わらない年頃のそらを、ダンボールに入れて雪の降る寒い夜に捨てた人。

 

そらの前では絶対に言わないけど、私はこのそらを捨てたお母さんって普通にクソだと思うわ。

 

だってそうでしょ?お腹を痛めて産んだ自分の子供を捨てたのよ?

 

ダンボールに入れて犬や猫を捨てるようなノリで。

 

しかも雪の降る寒い寒い夜に。

 

もしもそのときに親戚の人が気づかなかったら凍え死んでるわよ?

 

おまけに“拾ってください(笑)”ってバカみたいにふざけた張り紙を付けて捨てたって話よ?

 

(笑)ってナニよ。

 

(笑)って。

 

信じられないわよね?

 

そんな信じられないことをしやがったクソみたいな母親をそらは今でも待っているの。

 

口ではクソだとか散々に言ってるのに。

 

それでも心の底ではそらはお母さんを待っているの。

 

いつか自分を迎えに来てくれるって。

 

ようやく巡り会えた優しい養父母に引き取られて、ちょっとシスコンを拗らせ過ぎてアレだけど可愛い義妹ができた今でも。

 

“幸せ”な“家族”ができた今でも。

 

それでもそらは待ってるの。

 

自分を捨てたクソみたいな母親が迎えに来てくれるのを。

 

「ほんと…クソよね…。」

 

ほんとこの世はクソみたいなことばかり。

 

でも、そんなクソみたいな世界でも大切なモノは沢山ある。

 

それは家族であり、愛して止まない最愛の人であり……そして…捨てることのできない夢であり…。

 

「ほんと、世界はクソばっかりだわ。」

 

<深夜に女子高生がクソ等と言うのはあまりよろしくはないのではないですか?>

 

あどけない寝顔で眠るそらの顔を眺めながら、ままならないこの世界のあれやこれやに対してクソクソとはしたなく呟いていると、私の部屋の机に置かれていたノートパソコンの画面に明かりが灯り、ここ一年ですっかりと聞きなれた少女の声が…そらが契約した最上位電子精霊“アイリ”の声が部屋に響いたわ。

 

「別にいいわよ。そらは寝てるし。それに別にそらは私がクソなんて言っても苦笑いしながら“にこちゃん下品”ってしか言わないんじゃない?」

 

<…確かにそうですね。ニコは本当にマスターの事を理解してますね。>

 

「そりゃね。」

 

理解してるわよ。

 

たぶんこの世界で誰よりも。

 

だってこの世界で誰よりも私はそらを愛してるから。

 

だから私は誰よりもそらを理解しているわ。

 

ナニが好きで、ナニが嫌いか。

 

どこを責めれば一番気持ちよくなってくれるか。

 

どんな喘ぎ方をすればそらは一番喜んでくれるのか。

 

ナニを求めているのか。

 

ナニをしたいのか。

 

ナニを願うのか。

 

私は誰よりもそらを愛しているから、きっとこの世界では誰よりもそらを理解しているわ。

 

<ニコの様な素晴らしい女性にこんなにも愛されて、我がマスターはヘタレの癖に果報者ですね。>

 

素晴らしい女性…ね。

 

そんなステキなもんじゃないわ。

 

私は人を愛することを知っちゃった、ただの1人の女なだけよ。

 

石を投げれば当たる程度にそこら辺にたくさんいるただの女よ。

 

「それで?アイリはそんなことを言いにわざわざ来たの?」

 

<いえ。今夜お邪魔したのは以前からニコに頼まれていた例のデータが…“μ's(ミューズ)”各員の詳細データがまとまりましたので持ってきました。>

 

「そ。ありがとね。マスターでもない私なんかのお願いを聞いてくれて。」

 

<この程度の事は構いませんよ。ニコが居てくれなければ、マスターは悪意の底で腐り果てて世界を害する存在に成り下がっていたでしょうからね。>

 

悪意の底ねぇ。

 

確かに出逢った頃のそらは酷かったわね。

 

他人を害することしか考えてなかったんじゃないの?

 

私も初めは酷い目に合わされたしね。

 

合意の上とは言っても、あんな初体験なんて最悪以外の何物でもないわ。

 

ほんと、あのバカとの出逢いは最悪よ。

 

「最悪な出逢い…か。」

 

でも今じゃその最悪な出逢いもいい思い出になっちゃったけどね。

 

<…その節は我がマスターが大変ご迷惑をおかけしました。時を巻き戻せるならば、私に物理的干渉が可能な身体があるのならば、あの頃のクソマスターをぶち殺してあげたいくらいです。>

 

「いいわよ、別に。それにそらがあそこまで腐りきっていてくれたから、私はそらと今のような関係になれたんだから。」

 

それに腐りきっていたって言っても、あの頃のそらはまだ完全に堕ちてはいなかったわよ?

 

あの日…初めて交わったあの日……終わったあとにあのバカはスゴく後悔してる顔していたもん。

 

まぁあの頃の私はその顔を見て、後悔するくらいなら初めからヤるなって思ったけどね。

 

<ニコ…。>

 

これ以上この話題を続けてもアイリに余計な気遣いをさせちゃうだけよね。

 

とりあえずはアイリがまとめてくれた“μ's”各員のデータってヤツを拝ませてもらおうかしら?

 

「それよりも…μ'sの…そらの仲間たちのデータを見せてちょうだい。」

 

<かしこまりました。>

 

さて。

 

そらを奮い立たせてくれた優しい子たちはどれだけヤれるのか…じっくりと見せてもらおうかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<まずは彼女…“コウサカ ホノカ”から参りましょうか。彼女はご覧の通りアホですね。ですがどこか不思議なカリスマ性を持っているようです。>

 

「“コウサカ ホノカ”…“μ's”のリーダー…。」

 

アイリがまず表示したのは、アホっぽいけど可愛らしい…いわゆるアホ可愛い女の子のデータだったわ。

 

映し出された画像の女の子の名前は“高坂 穂乃果”。

 

音ノ木坂学院非公認ガンプラバトルチーム“μ's”のリーダー。

 

犬のような見た目のアニマルタイプのアバターを使っている下位電子精霊“ポチ”の契約者。

 

つまりは“精霊使い(エレメンタラー)”ね。

 

この子…高坂 穂乃果は、この前の公式戦でトラウマモードが発動して大遅刻したそらの代わりをしようと、ランチャーストライクのアグニを盛大にぶっぱなして空回っていた子ね。

 

終いにはエネルギー切れで動けなくなっていたのよね。

 

この子の戦闘能力をランク付けするなら、射撃技能はD+、格闘技能はC。

 

命中精度はC、回避能力は…これはAかしら?

 

回避能力が高いから、ファイターとしての総合的な能力はCランク…秋葉原地区の平均より少し下くらいになりそうね。

 

初めて一週間やそこらでこれだけ動けるなら十分に及第点だわ。

 

問題点をあげるとするならやっぱり頭の悪さね。

 

戦術も戦略もあったもんじゃないわ。

 

この子…突撃することしか考えてないんじゃないの?

 

そこら辺は要教育ね。

 

でもこの子……頭の悪さを補うくらいにとんでもなく非常識な反射神経を発揮するのよね。

 

まるで後ろにも目があるような、見えてないのに見えているような…。

 

ふふふ…。

 

面白いわね。

 

高坂 穂乃果。

 

この子は磨けば光るわよ。

 

“精霊使い(エレメンタラー)”でもあるからトップファイターになれるだけの素養は十分にあるわ。

 

で、この子…高坂 穂乃果の使っている機体は素組のストライクガンダム。

 

ホントはガンプラに優劣なんて付けたくはないけど、高坂 穂乃果の使っている素組のストライクガンダムの完成度は最低レベルね。

 

シールはあちこち曲がってるし、スミ入れすらしていないし。

 

当然ランナー処理なんかもしてないからあちこちガタガタよ。

 

でも仕方ないわね。

 

初めて作ったガンプラだって話だもん。

 

工具だってまともに持っていなかったらしいしね。

 

ニッパーないからたぶん爪切りとかでランナーを切ってこのストライクを作ったんじゃないの?

 

そのせいで合わせ目とかが酷いことになってるのね。

 

爪切りでガンプラ、か。

 

私も小さい頃はニッパーは危ないからって使わせてもらえなくって、爪切りでランナーを切ってたわね。

 

ニッパーを使わせてもらえるようになったっていつ頃だったかしら?

 

まだパパが生きていた頃だったと思うけど…………話が逸れたわね。

 

総評としてこの子…高坂 穂乃果は合格。

 

でも要教育ね。

 

ガンプラ作りも、ファイターとしても。

 

この子はまだまだ強くなれるわ。

 

<次は彼女…“ソノダ ウミ”です。>

 

「“ソノダ ウミ”…確かスナイパーの子ね。」

 

<はい。そしてとびっきりの凄腕です。彼女は私が把握しているガンプラファイターの中でも超が付くほど一流のスナイパーですね。>

 

アイリがここまで人を誉めるのは珍しいわね。

 

でもわからなくはないかな。

 

この子は“狙撃”と言う一点においては、プロのファイターに匹敵するんじゃないかってくらいにスゴいもの。

 

さっきの高坂 穂乃果と一緒で、この園田 海未って子もガンプラバトルを始めてまだ一週間くらいのハズよね?

 

ちょっと信じられないわね。

 

この子の戦闘能力をランク付けするなら、射撃技能はS+、格闘技能A。

 

命中精度…これもS+。

 

回避能力はBってところかしら?

 

総合的な能力はA+。

 

はっきり言ってこの子はファイターとしてある程度は完成されちゃってるわね。

 

「ねぇアイリ?この子…園田 海未ってナニか武道とかそんな感じのことやってたりするの?」

 

「はい。ウミは現在、音ノ木坂学院で弓道部に在籍しています。また、実家がなにやら怪しい古流武術の道場と日本舞踊の家元らしいです。」

 

「ふーん…道理で…。」

 

射撃技能が高いのは弓道部で鍛えた集中力の賜物ってわけね。

 

時折見せる踊るようなしなやかな体裁きや、熟練の剣士のような踏み込みは実家関連の日舞やら怪しい古流武術やらで鍛えたんでしょうね。

 

この前の公式戦ではそらが合流するまでは指揮官のような立ち位置で振る舞っていたようだし。

 

機転も利けば度胸もある。

 

戦術も戦略もしっかりと理解しているわね。

 

うん。

 

この子は間違いなく即戦力ね。

 

問題点をあげるとするならばガンダム知識の無さね。

 

どのMSがどんな特性を持っているか、何が得意で何が不得意か。

 

ガンダムファンなら当たり前のそんな知識がこれっぽっちも無いのよね。

 

こればかりは歴代のガンダム作品を地道に観てもらうしかないわね。

 

そんなガンダム知識皆無の園田 海未が使ってる機体は素組のジム・スナイパーⅡ。

 

スナイパーの名を冠しているのに、汎用性が高くてクセも少ないいい機体よね。

 

ガンダム知識皆無のこの子が自分で選んだとは思えないわね。

 

たぶんそら辺りがチョイスしたんでしょ。

 

出来自体もそんなに悪くはないわ。

 

さっきの高坂 穂乃果の素組のストライクとは反対に、このジム・スナイパーⅡはとても丁寧に作られてるわ。

 

ただ…園田 海未にとってはもうこのジム・スナイパーⅡじゃ役不足ね。

 

この子の課題は自分に合う機体の模索と製作ね。

 

ガンプライブの前期秋葉原地区予選まで時間はまだあるわ。

 

焦らなくてもいい。

 

ゆっくりでもいい。

 

自分に合う機体をじっくりと模索してしっかりと作り上げなさい。

 

<ウミの次は彼女…ミナミ コトリです。>

 

「μ'sで一番のベテランファイターの子ね。」

 

“南 ことり”

 

そらを除いたμ'sメンバーでは一番のベテランファイター。

 

射撃技能C、格闘技能C。

 

命中精度D、回避能力C。

 

総合ランクは…C…ううん。

 

D、ね。

 

自分よりも格上の相手と戦うとき、この子はすぐに諦めようとしてしまう。

 

それさえなければCなんでしょうけど…。

 

それにこの子はほんとはもっと能力は高いはずよ。

 

どのバトルでも実力以下の力しか出せていない気がするわ。

 

これは…この子は…たぶん怖がってるのよね。

 

戦う事を。

 

羽ばたく事を。

 

そして…追い抜かれ置いていかれることを。

 

この子はもっと高く、もっと強く飛べるのに…。

 

可哀想に…色んなことに怯えて、自分で自分に見切りをつけちゃってるのね。

 

そしてわざと味方も巻き込むようにバスターライフルを撃ったりって一見すると派手な戦い方をして、周りに自分で自分に見切りをつけて色んなことに怖がっているってことを悟られないように、必死になってメッキを張り巡らせている…。

 

私としてはこの子の気持ちもわからなくはないわ。

 

一番のベテランファイターなのに、初めて一週間程度の友人達に追い付かれそうで…そして追い抜かれて終いには置いていかそうで…怖いのよね。

 

一歩を踏み出せれば変われるハズよ。

 

でも一歩を踏み出して変わるのが怖いのよね。

 

でもね?それじゃダメなのよ。

 

本当にガンプライブ優勝を目指すなら、怖くてももっと高く、もっと強く羽ばたかなきゃダメなの。

 

変わらなきゃダメなの。

 

他のメンバーがもっと強くなれば、この子は今のままでもいいのかもしれないわ。

 

でも…もしいざと言う時に戦う事を怖がって諦めてしまったら?

 

雌雄を決する最後の一戦で諦めてしまったら?

 

そのせいでバトルに負けてしまったら?

 

例えこの子が戦うことを諦めて、それで負けてしまったとしても、そらを受け入れてくれたこの子の優しい友人たちは責めたりはしないでしょうね。

 

けど、この子自身は絶対に後悔することになる。

 

自分のせいで…自分が諦めてしまったせいで負けたりしたら、一生悔やみ続けることになる。

 

友人に引け目を感じ続けることになる。

 

それは…そんなことは…私には看過できない。

 

だから私がこの子を無理矢理にでも羽ばたかせてやるわ。

 

ちょっと荒療治が必要になるかもしれないけどね。

 

<ニコ…。>

 

「ん?なに?どうかした?」

 

<いえ…ただ…。>

 

「ただ?」

 

<彼女はマスターをもう一度歩き出させてくれた稀有な存在です。どうかお手柔らかにお願いします。>

 

「……わかってるわよ。」

 

そんなことは…。

 

「わかってるわ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに。

 

 

星空 凛

 

射撃技能D 格闘技能C

命中精度D 回避能力E

 

使用機体

“ベニャッガイ”

 

射撃性能D 格闘性能C

防御性能S 機動性D

 

防御特化のネタ機体。

絵里のトールギス・ヴァルキュリアに匹敵する防御性能を持つが、足が遅く決め手にも欠ける。

最大火力を発揮する自爆技“ファイナルベニャッガイ”の威力は凄まじいけど…自爆ってどうなのよ。自爆って。

ポンポン自爆されちゃたまったもんじゃないわ。

 

総評

一見すると機体の防御力に頼りきりで素人に毛が生えた程度の操縦技術に思えるけど、本人の適性を考慮するとまた違った見解になるわ。

この子はとても狭そうに戦ってるのよね。

今の機体はネタ機体の割にはかなり高い性能を持っているけど、この子とは決定的に合わないわ。

もっとのびのびと戦えるような…そうね。高機動型の機体…それも近接戦闘が得意な機体の方があっていると思うわ。

武装は…標準的なライフルやサーベルとかよりももっと大きめのモノで余計なギミックのないシンプルなモノが良さそうね。

バルバトスの鉄血メイスとかあんな感じの何も考えないで振り回すヤツとか。

それこそ武装を含めて絵里のトールギス・ヴァルキュリアに近いタイプの機体が良いと思うわ。

あとはネタに走るクセがあるみたいだから、そこら辺を教育してあげなきゃね。

 

 

 

 

西木野 真姫

 

射撃技能B 格闘技能B+

命中精度B+ 回避能力A

 

使用機体

“百式(素組)”

 

射撃性能D 格闘性能D

防御性能E 機動性C

 

丁寧に作られてはいるけど素組は素組。

それ以上でもそれ以下でもないわ。

あとこの子が使ってる百式ってたぶん自分で作ったんじゃないんじゃないかな?

いまいち可動範囲とか理解していないように思えるわ。

 

総評

高坂 穂乃果や園田 海未と同じくガンプラバトルを初めてまだ一週間くらいよね?

それでこれだけ動ければ十分すぎるわ。

それにこの子の場合は出撃の度にハッキリとわかるくらいに強くなっていってるわ。

天才…とまで行かないけど、この子の才能はスゴいわね。

将来のエース候補かしら?

課題は園田 海未と一緒でガンダム知識の少なさね。

それとこの子もそろそろ素組の百式じゃ物足りなくなってきているハズよ。

さて。この子にはどんなガンプラが合っているやら…。

 

 

 

小泉 花陽

 

射撃技能B 格闘技能D

命中精度B 回避能力C

 

使用機体

“ジム・カーバンクル”

 

射撃性能A 格闘性能B

防御性能A 機動性B

 

ジム改をベースに改造された小泉 花陽のバーソナルカスタムガンプラ。

増加装甲にサブアームを使った二枚のシールドにより安定した高い防御性能を持っている。

武装は破壊力抜群の大型レールガンに中距離射程のビームキャノン。

それと毎回中身の弾頭が変わるミサイルポット。

あとは武装領域(ウェポンストレージ)の中にも色々と入ってるみたいね。

性能的にもとても高いし本人の操縦適性ともばっちり合っているわ。

 

総評

下位電子精霊(しかも4体の)の契約者で、ビルダー能力も非常に高くファイターとしてもまだまだ伸び代はあるわ。

現状のμ's1年生トリオの中ではこの子が一番安定しているわね。

ちょっと臆病なところがあるみたいだけど、戦場じゃ臆病なくらいがちょうどいいのよ。

勇敢かヤツから死んでいくからね。

うん。この子は今のところ課題も特にないかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「世界史…アンタもダメよ…。」

 

アイリから“μ's”各員のデータを受け取った翌日、 朝練に向かうためにいつもより早く帰っていったそらを見送った後でいつも通りに家事をこなしてから学校に登校した私は、午前中の最後の授業の世界史を何とか乗り越えてついに力尽きてしまったわ。

 

精も根も尽き果てて窓際の自分の机にぐでーっと突っ伏して寝そべっちゃったの。

 

もうさ、朝から数学に英語に現代文に世界史ってこっちを殺す気マンマンの時間割よね…。

 

しかもやる気のでない月曜日よ?月曜日?

 

頭パンパンよ。

 

ガンプラバトルで言えば機体容量が完全にオーバーよ。

 

ガンプラをスキャンするときにマザーシステムに弾かれるわよ。

 

午前中は生物や地理がないだけマシなんろうけど、もうほんとこれ以上は無理。

 

朝まで耐久[自主規制]していた方がよっぽどいいわ…。

 

あーあ…なんかもうこのまま午後の授業サボって、ガンプラバトル部の部室にこもってそらと駄弁ってたいわ。

 

仮眠室のベッドで二人でゴロゴロしながらいっぱいおしゃべりして、おやつ食べて、そして…♪

 

ふふ♪アイツって学校で制服のままでヤるといつもより少し固くなるのよね♪

 

制服フェチ…っていうよりもコスプレさせてえっちなことするのが好きなのよね、アイツって。

 

前にネコミミとしっぽを(にこちゃんの秘密のアナに♪)着けてシタときもいつもより固くなったし♪

 

後ろから挿れて女の子の大切な赤ちゃんのお部屋の入り口を何回もコンコンってノックされちゃって♪

 

その度に自分でも信じられないくらいにあまーい声が出ちゃって♪

 

お互いに何回もイって何回もイカせて♪

 

色んなえっちな液でどろどろになるまでヤっちゃったのよね♪

 

………どーしよう…。

 

思い出したらお腹が…子宮の辺りがきゅんってしてきちゃったわ。

 

もうお昼休みだから、今すぐに部室にあのバカ呼び出してヤっちゃおうかしら?

 

いっぱいキスしてぇ…いっぱいペロペロしてぇ…いっぱいえっちしちゃおっかぁ…♪

 

午後は自主的にぜーんぶ保健体育の実技の授業にしちゃおっか♪

 

今日の保健体育は子作り実習です♪なーんて♪♪♪

 

にこをいっぱい孕ませてね♪って言ったらアイツどんな顔するかしら?

 

喜んで…くれるかな?

 

うん。今からアイツ呼び出して試して…って!あまりのダルさに思わず欲望が垂れ流しになっちゃってたわ!

 

それもコレもぜーんぶ月曜の時間割がいけないのよ!

 

ってかそもそも世界史ってナニよ!世界史って!

 

世界の歴史なんて習ってもどーしようもないじゃない!

 

役に立つの?!

 

絶対に立たないわよ?!

 

現代文だってそうよ!

 

ちゃんと日本語話してるんだからいいじゃない!

 

英語!アンタもよ!!!

 

今は便利な翻訳アプリがあるんだからわざわざ英語を勉強する必要ないでしょ!!!

 

数学も!!!

 

普通に生きていくだけなら足し算と引き算とかけ算とわり算ができれば十分よ!!!

 

わけのわからないなんたら方程式と覚えてもこの先の私の人生で絶対に使わないわよ!!!

 

私はどっかのバカのお嫁さんになって幸せな家庭を築くんだから!!!

 

「そうよ!将来は主婦になるんだからこんなわけのわからない勉強なんてしなくても別にいいのよ!!!」

 

それが私のジャスティス!!!

 

ファイナルアンサーよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

 

「にこがどこをどう解釈して勉強しなくてもいいってファイナルアンサーに到ったのかエリーチカ的にはとても興味あるけど、とりあえずは卒業するまでは学校の勉強くらいはちゃんとしなさいよ?ちゃんと勉強しないとお嫁さんになる前に留年しちゃうわよ?ホント、にこは月曜は特に荒ぶってるわね。まぁこの時間割じゃわからなくもないけどね。」

 

私が勉強なんてしなくてもいいのよ!!!って机にぐでーっと寝そべりながら、決意を新たに午後の授業を自主的にお休みにしようかと本気で考え始めていたら、横から聞き覚えのある声が聞こえてきたわ。

 

まぁ誰なのかわかりきってはいるんだけど、一応は机に寝そべった状態から首だけ横へ向けて声のした方を見てみると…。

 

「げっ!絵里?!アンタいつの間にそこにいたのよ!!!」

 

そこには私の予想通り金髪ポニテの音ノ木坂学院の生徒会長サマが呆れたような顔をして私を見ていたわ。

 

「ぼそぼそと部室にこもってそらと駄弁ってたいわー。って呟いていた辺りからかしら?」

 

それって割りと最初っからじゃない!!!

 

って!心の声のハズが私ったらぼそぼそ呟いてたの?!

 

「うがぁぁぁぁぁぁ!!!もう!!!それならもっと早く声かけてよね!!!おもいっきり恥かいちゃったじゃない!!!」

 

「そうかしら?欲望だだ漏れなんて私はとってもにこらしいなぁ。としか思わないけど…?」

 

「はぁ?!ナニよ!その認識は!それじゃ私がなんか残念な子みたいじゃない!」

 

「……自覚なかったの?」

 

「ないわよ!!!」

 

くっそー!このロシアン狐ね!

 

いつか絶対にぎゃふんって言わせてやるわ!!!

 

「二人ともナニ騒いどるん?」

 

チッ!今度はデカ乳狸女が来やがったわ!

 

コイツは絵里以上に面倒なのよね…。

 

「あ、希。ううん。別にいつものにこなだけよ。」

 

「だからそのいつものとか言うな!!!そのムダに育った胸肉削ぎ落とすわよ!」

 

「あら?ほんとに♪エリーチカ的には別にいいわよ♪その時はきっちり縛ってからお願いね♪」

 

「おい待て!!!胸肉削ぎ落とすとか言われてアンタはぬわぁんで妙にうれしそうなよのぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

「あぁ…。そりゃえりちが…(ドM)…やからやろ?」

 

「その間はナニよ!その間は!!!」

 

「まぁそのうちわかるんやない?」

 

そのうちわかる?!

 

ナニがわかるってのよ?!

 

えっ?!もしかして絵里にはナニかヤバめな秘密とかあんの?!

 

※ドMなだけです。

 

「ほーら♪いつまでも騒いでないでお弁当食べましょ♪」

 

「ほ~い♪」

 

「だから待てぇぇぇぇぇぇ!!!なんでアンタらは机寄せて普通に私のとこでお弁当広げて食べようとしてんのよ!!!ってか最近は毎日私のとこに集まってお弁当食べてるわよね?!」

 

「「えっ?今さらその突っ込み?」」

 

「二人とも揃って今さらとか言うな!!!」

 

私だっていつの間にか三人でお弁当食べたりするのにすっかり慣れちゃって、なんかもう最近は当たり前のこととして受け入れちゃってたんだから!

 

ってか私たちの関係はお昼に集まって仲良しこよしでお弁当食べる仲じゃなかったハズでしょ?!

 

もっとこう…殺伐として…互いを罵り合うよ…う………な…?

 

あれ?そう言えば最近はこの二人と部の存続やら校内でエロいことして叱られたりやらでやりあってないわね?

 

それどころか休みの日とか三人で買い物行ったりご飯食べに行ったりガンプラバトルしたりナンパしてくるクソをなぜか絵里がいつも持ち歩いてる荒縄で縛り上げて心が折れて泣いて謝るまで罵倒したりしてるわよ?

 

あーるぅぇぇぇぇぇ?!

 

「にこ?お弁当たべないの?」

 

「にこっち?はようお弁当食べんとお昼休み終わってまうよ?」

 

「あ…う、うん…。」

 

なんか、かなり今さらだけど…私たちって…その…と、友達……みたいな関係になってたりするのかな?

 

友達…?

 

私に?

 

私に…友達…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「玉子焼きも~らい♪っと♪はむ♪」

 

認めたくないけどいつの間にか友達みたいな関係になってた絵里と希のたぬきつ生徒会コンビとお弁当を一緒に食べてると、私の一瞬のスキをついて希のデカ乳にお弁当箱から玉子焼きをかっさらわれちゃったわ。

 

「ぬわぁ?!私の玉子焼き!!!ごるぅらぁぁぁぁ!!!のぞみぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

「うん♪今日もにこっちの玉子焼きはあまあまで美味しいなぁ♪」

 

「“あまあまで美味しいなぁ♪”じゃないわよ!!!勝手に喰うな!!!金とるわよ!」

 

ってか私が作った玉子焼きなんだから美味しいに決まってるでしょ!!!

 

「おーっと?もしかしてお金出せば毎日にこっちのあまあま玉子焼き食べれるん?」

 

「面倒だからイヤよ!!!」

 

「……ねぇにこ?」

 

「ナニよ!アンタも私の玉子焼き狙ってるの!あと一個しかないんだからあげないわよ!!!」

 

「玉子焼きじゃないわ。」

 

「それじゃナニよ!」

 

「にこは“μ's”に入るの?」

 

っ!

 

このタイミングでそれを聞いてるかぁ…。

 

そらもよく言ってるけど、ほんと絵里って空気読まないわよね…。

 

…“μ's”に入るの?か…。

 

「正直…まだわかんないわ…。」

 

私としてはそらをもう一度歩き出させてくれた優しい子たちが作ったっていうガンプラバトルチーム“μ's”に入りたいかも?って思ってはいるけど…。

 

「にこ…。」

 

「私は…。」

 

私が絵里の問いかけにどう答えようか考えてると、急に希がゾッとするような冷たい声色でぼそぼそと話し出したわ…。

 

「……羽ばたきを恐れる小さき翼を導く時、“無冠の女王”の孤独は終わり、遥かなるユメノトビラは開かれる…。されどトビラの向こうは悪意に満ち、愛するモノは………。」

 

って。

 

希はナニを言ってるの?

 

羽ばたきを恐れる小さき翼?

 

それに“無冠の女王”って誰が言い出したか知らないけど私の二つ名よね?

 

「希…?急にどうしたの?」

 

「………へ?あれ?うち…今なんか言ってた?」

 

「なんか言ってた?って…ねぇ?」

 

「うん。なんかアンタ、ハイライトの消えたレイプ目でぼそぼそ言ってたわよ?」

 

「あちゃ……そっか…またなんか変なのが降りてきとったんかぁ…。」

 

「へ、へんにゃの?!のじょみ?!へんにゃのってにゃにゃよ!!!」

 

「ん?カミサマとかそんな感じのオカルト的な奴やけど…あっ。」

 

「おかりゅとてきにゃ……。」

 

何だか今度は絵里のヤツの様子がおかしいわよ?!

 

さっきから呂律が回ってないんだけど?!

 

「しもた!こんなんえりちに言ってもうたら!」

 

「おかりゅと…おかりゅと………おかりゅとは……お、おば…」

 

「ちょっと絵里?!どうしたのよ!絵里!」

 

「ち…。」

 

「ち?」

 

「おっと♪これはいつものヤツやね♪耳栓♪耳栓♪」

 

「ち…。」

 

「“ち”がどうしたのよ?!」

 

「ち、ち、ち、ち、ち…。」

 

「絵里!しっかりしなさい!絵里!!!」

 

「チカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

何故か情事の後からの始まりが多いにこちゃん回。
そんな第7話Aのにこちゃん回の次回は原作ラブライブのアイドル研究部の部室よりも豪華になっているガンプラバトル部の部室について軽く触れてみたいと思います。
次回はことりさんが語り部でメインを勤めます第7話Bとなります。



次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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