ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

170 / 583
皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

AQ○OS Rがいつの間にかアップデートされてスマホが死ぬほど使いづらくなって困っているQooオレンジでございます。
各種設定から挙げ句の果てはキーボードまで変わってしまいました…。
いつもスマホでガンプライブを書いているので、とても困っております。
元に戻して欲しいです。切実に。


さて、本日より本編より少し前の時間軸の音ノ木坂商店街を舞台とした新しい閑話が始まります。
今まで未登場だったA-RISEメンバーの1人が語り部となります。


それでは 閑話「商店街の七人 ①」 始まります。



























閑話「商店街の七人 ①」

「ちーす、お疲れ様でーす。って、なんだ。今日はまだ1年トリオしか来てないんだ。」

 

あーっと、その、なんていうか……うん。こんにちは?それともおはようございます?こんばんは?

 

私の名前はミサ。

 

彩渡 美咲(あやど みさ)。

 

髪の毛を両サイドで縛った髪型が特徴などこにでもいる普通の美少女だよ。

 

……………………ちょっと!なんで黙ってるのよ!

 

そこは“美少女”ってとこに突っ込むとこでしょ!

 

もう……これだから最近のお笑い芸人は………………ほら!ここも突っ込むとこ!

 

誰が最近のお笑い芸人だ!って!

 

はぁ……次からはちゃんと突っ込んでよね。

 

そんな私はピチピチの女子高生♪JKってヤツなんだ♪

 

アキバにあるUTX高校に通う2年生だよ。

 

UTXって入学金とかメチャクチャ高いんだけど、うちのおとーさんの友達が学長らしくて、そのツテで色々とお安く入学させて貰ったらいんだよね。

 

ホントなら私は近所にある音ノ木坂学院に通うはずだったんだけどね。

 

それでね?私なんだけど…実はこんなんでも一応はUTX高校のガンプラバトル部でチーム“A-RISE”の一軍メンバーの1人だったりしてるんだよね。

 

いや、まぁ私なんかがA-RISEの一軍ってのも“はっ?”て感じだけど、去年の年末に色々あってねー……。

 

ま、それは追々ってことで。

 

「あっ!ミサちゃん先輩!お疲れ様でーす!」

 

「「お疲れ様でーす!」」

 

そんなわけで始業式からちょっと経ったこの日、放課後の部室…ってかサロン?に顔を出した私を待っていたのは、我らがA-RISEの新人トリオ、仁村 羽生(にむら はねい)、羽生の双子の弟の仁村 草太(にむら そうた)、二人の幼馴染みの倉田 大地(くらた だいち)の三人だったわ。

 

今日はツバサさん達はまだ来てないんだ。

 

珍しいなぁ。

 

ツバサさんって誰よりも早くA-RISEの専用サロンに来てるイメージがあるからね。

 

そんな事を何となく考えながら、私は1年トリオがサロンに備え付けのノートPCでナニかを視ていた事に気付いたの。

 

「おーう。お疲れー。で?アンタ達さ、それってナニ見てんの?」

 

私は三人が声をかけるまで気付かない程に夢中になって視ているのが何なのか、ちょっと気になっちゃったから、ナニ見てんの?って聞いてみることにしたわ。

 

これがあんじゅさんなら百合百合な動画とかなんだろーけどね。

 

「これっすか?この間の何処かの商店街のスコアマッチの動画っすよ。」

 

「草太、確か音ノ木坂商店街って商店街だよ。あのですね?何でも凄いスクールファイターが出てるから良く見ておくように!ってツバサ先輩が……。」

 

「キィィィィィ!私のツバサお姉さまに凄いファイターだなんて言われるなんて!このザクのファイターが憎らしいぃぃぃぃぃ!!!」

 

「でもねーちゃん。このザクってホントにヤバいよ?ビグ・ラングと接敵した終盤はなんかグダグダになったけど、それまではアホみたいに強かったし。」

 

羽生は相変わらずツバサさんラブだなぁ。

 

で?この三人が視ていたのは音ノ木坂商店街のスコアマッチの動画?

 

あぁ。そう言えば確かこの前の土曜日にうちの商店街で公式戦のスコマやってたんだっけ。

 

ん?うちの商店街ってトコが気になった?

 

あのね?私のうちって音ノ木坂商店街で模型店やってんだよね。

 

だからうちの商店街。

 

あーゆーおっけー?

 

で、うちの商店街のスコマねぇ……どうせ場末の商店街のスコマなんて微妙なんだろうから見に行かなかったけど……ん?アホみたいに強いザク?

 

「……ねぇ?そのザクのファイターの名前ってわかる?」

 

音ノ木坂でアホみたいに強いザクのファイター……いや…まさか、ね。

 

夫婦みたいな関係のにこちゃんの誘いを断り続けてるアイツが公式戦なんかに出てくるわけ…。

 

「鳴神 青空(なるかみ そら)ってファイターですよ。」

 

「じーざす。マジか…。」

 

鳴神かよ!アイツなんで公式戦に出てんだよ!

 

公式戦トラウマはどーしたのさ!

 

「ね、ねぇ?そのチームに“矢澤 にこ(やざわ にこ)”ってファイターは居なかった?」

 

「矢澤?」

 

「にこ?」

 

「変な名前っすね?そんな名前のファイターは出てなかったすよ?」

 

「あ。にこちゃんは居ないんだ…。」

 

おかしいな……あの鳴神がにこちゃん抜きで公式戦に出た?

 

「きらーん♪羽生ちゃんの女の勘発動!さてはミサちゃん先輩!このザクのファイター!鳴神 青空ってヤツを知ってるんですね!」

 

「ん?あぁ…鳴神ね…うん。知ってるよ……よーく……知ってるよ……。」

 

アイツの……いや。

 

アイツとにこちゃん。

 

そしてアイツらの知り合いらしい謎の二人組の凄腕ファイターのおかげで、うちの商店街は救われておまけに私がA-RISEの一軍に入ることになったんだからね。

 

そう……あれは………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ?!ノリと勢いでヤクザにケンカ売って商店街の権利を丸ごと賭けたガンプラバトルぅぅぅぅぅぅぅぅ?!」

 

「おう。わりぃなミサ姉。売り言葉に買い言葉でつい。」

 

「“つい”じゃねーよ!“つい”で商店街の権利を賭けんなよ!アホか!アホなのか!って!コイツはアホだったよ!おいこら!幹也(みきや)!このアホはお前の管轄だろ!どーなってんの!」

 

「あはは…………うん。ごめんなさい。」

 

「お前もごめんじゃねーよ!ごめんで済めば警察はいらねーんだよ!謝るくらいなら始めっからこのアホっ子にノリと勢いでヤクザにケンカ売らせんなよ!あぁもう!どーすんのさ!ってか幹也はともかく!絢音(あやね)はガンプラバトルなんてしたことねーだろ!」

 

「おう!ねーぞ!ガンプラも持ってねぇ!だからミサ姉!なんか適当なガンプラくれよ!」

 

「威張んな元凶!しかもくれってなんだ!くれって!買えよ!」

 

「本当すいません……。」

 

あの日……クリスマスも終わってあと少しで年越しって時季に、その事件は唐突に起こったんだ。

 

うちの商店街の組合長をしている建設会社(元ヤクザ屋さん)の雨宮組の一人娘の“雨宮 絢音(あまみや あやね)”が、この年末のクソ忙しい時季に突然最大級の面倒事を持ち込んで来やがったんだ。

 

面倒事……それはこの無鉄砲なデカ乳JC(去年の段階ではまだコイツらは中坊だったんだよね。クッソー!中坊のクセになんであんなに乳がデカいんだよ!女らしさの欠片もねぇーの!)が知り合い(因縁のある?)らしいヤクザと口喧嘩になって、何故かいつの間にか商店街の土地の権利を賭けたガンプラバトルをするって事……。

 

バトルはこちら側が10人1チームで参加する変則ミッションバトル形式。

 

あちらが用意したバトルステージをクリアすれば商店街チームの勝ち。

 

全滅、もしくはタイムオーバーになればあちらの勝ち。

 

負けたら商店街はタダ同然で買い取られてこの年末にみんな仲良く路頭に迷う。

 

うん。

 

クソだわ。

 

ホントにクソだわ。

 

「ミサ姉ならつえーから大丈夫だろ!だってほら!なんて言ったけ?あのなんとかって裏バトルに彼氏と出て勝ったんだからよ!」

 

彼氏、か。

 

まぁ確かにアイツは彼氏だけど……。

 

「あれは……アイツが一緒だったからだよ……私だけじゃどうにもなんないよ…。」

 

私のパートナーは…アイツは…“ミサ!ちょっと修行の旅にでるよ!”とか言ってどっかに行ったきり帰ってこないし。

 

「ねぇ?そのヤクザに今からバトルを断るのは……」

 

「無理!ってかあのケツアゴジャスレイに頭下げんのだけは絶対にヤダ!んなことするくらいならアタシがこの商店街をぶち壊す!」

 

「ですよねー……はぁ…しゃーない。絢音はおチビの頃からこんなヤツだったもんね…うっし!こーなったら徹底的にやるきゃないか!そうと決めたらまずは参加する面子を揃えないとね!私と幹也…数合わせで絢音入れて3人。10人まであと7人か…。幹也、知り合いで誰か強いのいない?」

 

「うーん…そうですね……普通のレベルのファイターなら何人かは知り合いにいますけど、強いファイターとなると…。ミサ姉こそ誰か暇で強い人知りませんか?」

 

「暇で強い人…か…。そんな都合のいいヤツなんて……。」

 

「こんちわー!ミサー!いないのー!大銀河宇宙No.1スクールファイターのにこにーがわざわざ来てやったわよ!ちょっとミサ!マジでいないの!私が頼んでたガンプラが届いたんでしょ!アレがなきゃ禍(まがつ)にこが完成しないのよ!ごるぅらぁぁぁ!ミサー!出てコイヤー!!!」

 

暇で強いファイターなんていない。

 

そんな風にぼやきそうになったその時、店の扉を開けて入ってきたのは下手をすると小学生に間違われるんじゃね?ってくらいに幼い外見をしたツインテールの女の子だったわ。

 

このツインテロリっ娘……うちの模型店の常連さんの1人の矢澤 にこちゃんは、ああ見えて実はこの街の野良バトルでは結構有名なスクールファイターなのよね。

 

強いのに仲間が1人もいないせいでガンプライブには出場できない悲運のスクールファイター。

 

出場すればうちのUTX高校のA-RISEの綺羅 ツバサ先輩に負けないくらいの凄腕なのにね。

 

そんなこんなでにこちゃんについた二つ名は“無冠の女王(ノー・クラウン)”。

 

うん。にこちゃんなら暇で強いから間違いなしだわ。

 

そしてナニよりも……にこちゃんを引っ張り込めばアイツが……世界最強クラスのガンプラファイターがもれなくオマケで付いてくんのよ。

 

そう。

 

世界大会優勝者…“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”。

 

鳴神 青空が。

 

「あ。居たわ。強くて暇なヤツ。しかも飛びっきりのオマケ付きで。」

 

商店街の命運を賭けたこのバトル…ぶっちゃけダメかも。って思ってたけど、にこちゃんとあのバカが手伝ってくれれば案外と何とかなるかもしれないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?いつもこの商店街を使ってるにこちゃんはともかく、なんで俺までお前らのゴタゴタに巻き込まれなきゃダメなんだよ!」

 

あのあと、にこちゃんに事情を説明して商店街の特別割引券10枚を条件に仲間に引き入れる事に成功した私は、さっそくにこちゃんにオマケを呼び出してもらったんだ。

 

ってかさ……“ちょっとそら!特別に今夜もヤらせてあげるから今すぐ音ノ木坂商店街に来なさいよね!”で呼び出すってどーなのよ?

 

まぁ実際にこのバカはその電話1本でノコノコやって来たんだからいいんだけど……。

 

それでね?にこちゃんのオマケ…世界最強クラスのガンプラファイター“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”の二つ名を持つ鳴神 青空はやって来て私の説明を聞くなりごね出したのよ。

 

うちの商店街の命運がかかってるってのに信じられる?

 

バカでしょ?コイツ?

 

「鳴神!うっさい!アンタはにこちゃんと基本的にワンセットでしょ!にこちゃんが戦うんだからオマケのアンタもつべこべ言わずに戦え!」

 

「んな!おい!ゴルゥラァァァ!バカミサ!誰が誰とワンセットだ!誰が誰のオマケだ!」

 

「バカミサ言うな!ワンセットはアンタとにこちゃんに決まってるでしょ!オマケもお前だ!」

 

「こ、このアマァ…………!」

 

私の言葉に鳴神のバカは拳を握りしめてプルプルしてやんの。

 

はっ!ざまぁ。

 

「なぁミサ姉……このチンピラ……ホントにつぇーのか?」

 

で、そんな私と鳴神のやり取りを半目で眺めていた絢音が私にこのチンピラは本当に強いのかって聞いてきたんだけど……コイツって腐っても世界大会の優勝者だからガンプラバトルの腕前だけは超一流なんだよね。

 

ま、私の彼氏ほどじゃないけどね♪

 

なーんて、ちょっとのろけてみたり?

 

「そこは問題ないわ。性格とか色々とクソだけど、コイツを越えるファイターなんてそれこそ世界中探しても数人しかいないから。」

 

実際、コイツと同じレベルのファイターなんてほとんどいないんじゃないの?

 

そうだなぁ……コイツと同じレベルのファイターなんて、具体的には3代目メイジン・カワグチとか伊織 星さんとかあのレベルのファイターくらいかな?

 

あとは世界大会決勝トーナメントの常連さんとか?

 

あ♪私の彼もこのバカとまともにヤりあえる数少ないファイターの1人だよ♪

 

「あ、あのー?鳴神さんってもしかして“あの”鳴神さんですか?“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”の……?」

 

「チッ……坊主は俺のこと知ってんのかよ……。」

 

「アンタって割と有名よ?でね?幹也の言う通りコイツは“あの”鳴神 青空よ。だから例えチンピラでもコイツの強さだけは折り紙付よ。」

 

「チンピラじゃねぇーっての!」

 

「アンタなんかチンピラで十分でしょ!」

 

「………本物の“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”……マ、マジっすか……それならこのバトル…行けそうですね!」

 

鳴神のバカの素性を理解した幹也は、さっきまで諦めが入っていた眼差しを一転させて、尊敬とか憧れとかでキラキラと瞳を輝かせながら鳴神のバカを見つめてるわ。

 

まぁ世界大会の優勝者になんて滅多なことじゃお目にかかれないからね。

 

仕方ないっちゃ仕方ないんだけどね。

 

私も最初ににこちゃんがこの鳴神のバカをうちの店に連れてきたときは素直に感動しちゃったもんね。

 

思わずサインとか頼んじゃったし。

 

そうしたらさ、このバカはなんて言ったと思う?

 

“貧相な身体でも矢澤先輩よりはましか。顔もまぁまぁだしな。サインしてやるからとりあえず1発ヤらせろよ。”

 

ってとんでもないこと言いやがったのよ!

 

はぁぁぁぁ?!ふざけんな!死ね!って感じよね?

 

今年の(本編では去年の)6月くらいのことだけど、ホントあの頃の鳴神は酷かったなぁ……。

 

例の世界大会優勝の後に色々とあって大変だったのはわかるけど、あそこまで腐ってるヤツなんて初めて見たよ。

 

でもそんな腐りきっていた鳴神も今じゃずいぶんとまとも?になったよね。

 

なんだかんだ言いながらもにこちゃんが腐りきっていた鳴神を見捨てないで面倒見てやって、少しずつまともになっていったんだよね。

 

愛だね、愛。

 

「まぁ今回はにこちゃんの頼みだから仕方ねぇか…おい!バカミサ!感謝しろよ!巻き込まれたからには俺とにこちゃんでキッチリとそのヤクザをぶちのめしてヤる…って、言いたいところなんだが…どーにも今回のバトルはイヤな予感がすんだよなぁ…。」

 

「イヤな予感…ですか?」

 

「おう。イヤな予感だ。」

 

……イヤな予感ねぇ…。

 

私の彼もそうだけど、最強クラスのファイターのイヤな予感ってよく当たるんだよね…。

 

「なーんか、フラグが建った気がするのは気のせいかな?」

 

「気のせいじゃない気がします…。」

 

「ハン!イヤな予感でもなんでも関係ないね!アタシがコイツでまとめてぶち抜いてやるぜ!」

 

鳴神のイヤな予感発言で変なフラグが建った気がして憂うつになっているってのに、元凶の任侠娘は組み上げたばかりのガンプラを片手になんか騒いでるし。

 

こっちのバカは自分が元凶で商店街がヤバいってホントにわかってんのかなぁ…。

 

ちなみにこっちのバカこと任侠娘の絢音が選んだガンプラはガンダムグシオンリベイク・フルシティ。

 

理由は何となく、だって。

 

「その素組のフルシティでか?」

 

今日初めてガンプラバトルをプレイするド素人が、これまた今日初めて作った素組のガンプラを使ってまとめてぶち抜いてやるぜ!とか言ってるけど……普通に無理だよね。

 

ド素人が素組のガンプラを使ってなんとかなるほどガンプラバトルは甘くはないよ。

 

「おう!アタシに任せろ!」

 

「どっかのバカな任侠娘の親父さんが世界一周旅行なんかに行ってる間、商店街の組合長をバカな任侠娘なんかに任せたから、現在進行形でこんな面倒な事態になってるんだけどねー。」

 

「“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”が手伝ってくれるなら、このバトルはイケるかも!とか思っていたけど……やっぱり無理かも……。」

 

「そんときは諦めてそのクソヤクザにこの商店街を売り払うんだな。」

 

「やっぱダメかも。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで私と鳴神のバカと絢音と幹也の四人でグダグダとしていたら、自分のガンプラを家に取りに戻ったにこちゃんが帰って来たんだけど……。

 

「…………………………ねぇ……にこちゃん。なんで目出し帽?」

 

その格好がなんかヤバかったの。

 

ナニがヤバいのかって……この似非ロリっ娘、なんか銀行強盗みたいな格好に着替えて来たのよ。

 

いつもは無駄におしゃれには気を使って可愛い系の服しか着ないにこちゃんが、上下どっちも真っ黒なジャージに着替えて帰って来たの。

 

あのにこちゃんがジャージよ?ジャージ?

 

しかもよ?頭には目出し帽までかぶってるし。

 

店に入って来たときに一瞬“ゲッ?!強盗?!”って思っちゃったわよ。

 

でもそれも一瞬だけなんだけどね。

 

だって目出し帽の脇からどっかで見たようなツインテールがピョコピョコしてたんだもん。

 

それ見たら“あっ、にこちゃんだ。”ってすぐにわかったわ。

 

ところでみんなは目出し帽ってわかる?

 

デストロイヤーってプロレスラーの覆面みたいなアレよアレ。

 

えっ?わかりづらい?デストロイヤーとか古すぎ?

 

うーん……それじゃなんて説明したらいいんだろ?

 

メタな発言しちゃうとラブライブ!サンシャイン!!の二期の函館回で主人公の高海 千歌がかぶってたアレよ。

 

は?サンシャイン二期を観てないからわかんない?

 

………………なんかこれ以上は面倒ね。

 

はーい♪もしにこちゃんがどんな帽子をかぶって来たか気になる人は“目出し帽”とか“デストロイヤー帽子”でレッツ!検索♪検索♪

 

最初からこーすれば早かったわね…。

 

「なんで目出し帽かって?そんなこと決まってるでしょ!今回のバトルの相手はヤクザなのよ!ヤクザ!顔バレとか怖いじゃない!それに素顔のままでヤクザなんかに会ったら、超絶美少女のにこにーは一目惚れされちゃって拐われちゃうわぁ♪」

 

「イヤ、それはない。」

 

ヤクザが貧乳ロリっ娘に一目惚れとかないわ。

 

マジで。

 

「ちょっ!即答?!ぬわぁんでぇよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「貧乳ロリっ娘なにこちゃんに一目惚れして拐うとかどんなロリコンヤクザよ。」

 

「貧乳ロリっ娘って言うな!ってか私が貧乳ロリっ娘なら私とそんなにバストサイズ変わんないアンタだって貧乳ロリっ娘枠でしょ!」

 

「んな?!私は貧乳じゃねーよ!オッパイちゃんとあるよ!少なくてもにこちゃんよりはある!」

 

「オッパイちゃんとある~♪へ~♪ほ~♪ねぇ?ミサ?知ってるかしら?世間一般ではね?その程度の胸なんてあってないようなモンなのよ!!!」

 

「ぐぬぬ!うっさいんじゃ!貧乳!」

 

「にこにーのプリティバストは貧乳じゃなくて美乳よ!美乳!!!ってさっきから貧乳!貧乳!ってやかましい!この貧乳!」

 

うわっ!また貧乳に貧乳って言われたし!

 

ホント腹立つ!この貧乳ロリっ娘!

 

「なぁ?確かロリコンならあのケツアゴジャスレイの手下にいたはずだぜ?」

 

「「えっ?!ヤクザの手下にいんの?!ロリコン?!」」

 

「おう。5年くらい前か?名瀬のアニキの知り合いの金持ちの女の子を身代金目当てで拐って来たときに、そのロリコンの手下が拐って来た女の子をひん剥いて無理矢理にヤろうとしたとかなんとか…。そんときのゴタゴタであのケツアゴジャスレイのクソは破門になったんだっけ?」

 

「うん。おじさん…絢音のお父さんはそんなこと言ってたよね。」

 

「カタギの娘っ子を犯そうしただなんで、ホントにクソだよな。」

 

「うちの妹も…ハナちゃんも目をつけられないように気を付けなきゃ。」

 

「あぁ…お前の妹…おハナ坊はロリコン共にとってはドストライクだろうからな。ちゃんと気をつけてやれよ?幹也!」

 

そのケツアゴヤクザの手下のロリコンってなんかヤバくない?

 

身代金目的で誘拐してきた女の子をヤろうとしたんでしょ?

 

にこちゃんってロリコン垂涎の見た目してるから、もしかするとマジで拐われたり…。

 

「ねぇ……そら…私……。」

 

流石のにこちゃんもケツアゴヤクザの手下のロリコンの話を聞いて不安になったみたいで、鳴神の服の裾をちょこんと握ってるわ。

 

でもさー……目出し帽かぶった全身黒ジャージでソレやってもなんかなぁ……絵になんないわね。

 

にこちゃんがいつも通りの可愛い服装でソレやったならマンガとか映画とかの1場面みたいで絵になるんだけどね。

 

でもここで突っ込んだら空気読め!って責められるよね。

 

うん。色々と突っ込みたいけど大人しく黙っとこ。

 

「心配すんな。そのクソロリコン野郎がもしも俺のにこちゃんになんかするつもりなら……俺がソイツを殺してヤる。」

 

私が心の中での葛藤を飲み込んでいると、鳴神のヤツはにこちゃんの頭をポンポンとして“心配すんな”って笑いかけてたわ。

 

鳴神も目出し帽はスルーするんだ。

 

ま、いいんだけど。

 

それにしても……“俺のにこちゃん”……ね。

 

にこちゃんも鳴神も、どっちもお互いのことをすごく大切にしてるのに、この二人って付き合ってないんだよね。

 

とっくの昔(?)にヤることはヤってるのに。

 

変な関係だよね。

 

ホント、この二人はいい加減に付き合っちゃえばいいのに。

 

いつまで今の関係を続けんだろ?

 

互いに甘えあってるぬるま湯みたいな関係…。

 

鳴神のバカが先に進むのを怖がってんのかな?

 

それとも……怖がってんのはにこちゃん?

 

この二人ってナニかきっかけがあれば簡単にまとまりそうなんだけどなぁ…。

 

ま、この二人なら私がとやかくお節介しないでも、ほっとけばそのうちなるようになるでしょ。

 

だってあんなにお互いのことを大切にしてるんだもん。

 

「そら……うん!」

 

迫り来るロリコンの影に不安そうにしていたにこちゃんは鳴神の一言で安心したみたいだね。

 

だってにこちゃんの目からさっきまでの怯えの色がすっかり消えてるもん。

 

色々と突っ込みどころ満載だけど、まぁ丸く収まって良かったんじゃないかな?

 

あのままにこちゃんがヤクザの手下のロリコンを怖がってバトルに出ないとかなったらヤバいもんね。

 

そんな感じで丸く収まって良かった良かったって思っていたら、私たちの後ろから突然聞き覚えのない声が響いたの。

 

「相変わらず鳴神君とにこっちはらぶらぶやね~♪ほんまうらやましい~やん♪」

 

「いつも言ってるけどヤるならちゃんとコンドームを使って避妊をしなさいよ。在学中に妊娠なんてことになったらいくら私たちでも庇いきれないわ。あとにこに手を出しそうなそのヤクザの手下のロリコンを殺したいのはわからないでもないけど殺人は止めておきなさい。倫理的にダメよとか言うつもりないけど、死体の処理って意外と面倒なのよ。バラして埋めてもいつかは骨が出てくるし、お風呂場で溶かしてもアレって調べれば色んな反応が出ちゃうのよね。殺したあとの処理を考えると割りに合わないわ。荒縄で縛り上げてあげるからせめて半殺しくらいにしておきなさい。」

 

私がその声に振り向くと、そこには綺麗な金髪でスタイル抜群の女の人と、金髪さんよりもさらにスタイル抜群のなんかちょっとだけドムっぽい女の人が立っていたわ。

 

うん。

 

空気を読んでヤクザの手下のロリコンとかにこちゃんの強盗ルックとか鳴神とにこちゃんの変な関係とか色々と突っ込みを飲み込んだけど、お願いだから今回は突っ込ませて。

 

まずはコイツら誰?

 

今のセリフからの推測だけど、にこちゃんと鳴神の知り合い?

 

まぁ知り合いなら知り合いでもいいんだけどさ…いいんだけどさぁ…とりあえずそのカッコはナニ?

 

「希さんと絵里さん?なんで二人がここに居んだ?」

 

「やっと来たわね。ソイツらは私が呼んだのよ。デカ乳たぬきつ生徒会コンビでもいないよりはマシでしょ?頭数は多いに越したことはないしね。」

 

あ。やっぱりにこちゃんと鳴神のバカの知り合いなんだ。

 

ってか生徒会コンビ?

 

この金髪さんとデカ乳さんはにこちゃんと鳴神の高校の生徒会の人なの?

 

生徒会の人なのに……なんでこんなカッコしてんの?

 

「なぁ?ヤザワの姐さん?頭数って言ってもその二人は戦力になんのか?」

 

「そっちは問題ないわ。頭に来るけどその二人…とくにロシアンキツネの方は私とタメ張れるからね。」

 

「希さんも十二分に戦力になるしな。」

 

「ホントですか!やった!これなら今回のバトルはホントにイケそうですね!」

 

「ちょっとにこ?人のこと呼び出しておいてロシアンキツネって酷くないかしら?ほら?希もたぬきとか言われてれわよ?ナニか言ってやりさい。」

 

「うちはたぬきさん嫌いやないから別にえぇ~よ♪」

 

「もう…希は優しいんだから。」

 

ダメだ。

 

「おっ?そろそろ時間じゃねぇか?なぁおい!幹也!」

 

「うん。そうだね。」

 

ホントにダメ。

 

「10人制の変則ミッションバトルか。さて、ヤクザ共はどんなステージを用意したことやら…。」

 

マジでダメ。

 

「どんなステージでもどんな敵でも!この大銀河宇宙No.1スクールファイターのにこにーが蹴散らしてやるんだから!」

 

お願いだからちょっと待て。

 

「ねぇソラ?バトルが終わったら…あの…その…い、一緒に…。」

 

なんで……

 

「むふふ♪えりちは鳴神君にラブホに連れ込んで欲しいんやって♪」

 

どうして……

 

「はぁ?!希さんナニ言ってんの?絵里さんがんなこと言うかよ。まぁにこちゃんが無理言って呼び出したんだから、お詫びとお礼に飯くらいなら奢るけど…。」

 

誰も……

 

「マジか!鳴神のアニキ!うっし!タダ飯ゲットだぜ!」

 

「あのー?うちの妹も連れてきてもいいですか?あと妹の友達も。」

 

「えぇ~やん♪えぇ~やん♪みんなで一緒にご飯♪うん♪なぁ?なぁ?やっぱりみんなでわいわいご飯食べるなら焼肉で決まりやん♪」

 

「 (エリーチカ的にはラブホでもいいんだけど…。) 希は本当に焼肉好きよね?でもそれならちょうどこの近所に焼肉食べ放題のお店があったはずよ?お値段もお手頃だったはずだし。」

 

「あっ!その店なら私も知ってるわ!あそこってかなり混むから早めに予約の電話入れておかなきゃ!ちょっとそら!もちろんうちのチビたちも呼ぶからね!あの子たちを置いて私だけ焼肉食べ放題なんていけないからね!」

 

「クソ…せっかく絵里さんと希さんと三人で飯でも食ってあわよくば…なんて思ってたのに、なんかいつ間に人数が増えてんぞ?!しかも結局は今回も俺の奢りかよ…。あぁはいはい!わかりました!もう好きにしろ!」

 

「あっ!ちょっとそら!あんたまた“はいはい”って“はい”を2回言ったわね!“はい”は1回よ!1回!早くソレ直しなさいよね!」

 

「へーい。」

 

「どうして誰もその二人のカッコに突っ込み入れないんじゃァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回の語り部は皆様ご存知かとは思いますが、ゲーム“ガンダムブレイカー3”のヒロインのミサちゃんのガンプライブの世界線の同一人物となります。
そして作中で登場しました雨宮 絢音と炉洲 幹也の二人はとあるお方よりお預かりいたしましたキャラクターとなっております。
この三人はそのうち本編でも登場する予定でございます。

次回の更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。