ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

玉ねぎが嫌いなQooオレンジでございます。
ポテトサラダに玉ねぎ…許せません!

今回はことりさんsideの第13回目となります。
ノリと勢いに任せてにこちゃんとの勝負を受けてしまったことりさん。
そんなことりさんに久しぶりに登場の怪しい?影が…。

それでは 第7話B「トベナイコトリ」そのじゅうさん 始まります。





























第7話B「トベナイコトリ」そのじゅうさん

前回のことり回で“無冠の女王”矢澤 にこさんが不用意に言っちゃった今夜“も”って一言を聞いて、うつむいて涙を流す寸前のシリアスモードから見事に大復活♪した無敵鳥人ことりちゃん♪

 

お話ばっかりで飽きちゃって、テーブルにぐで~っとなって眠っちゃった穂乃果ちゃんを除いたことり、海未ちゃん、真姫ちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃんの5人で、今夜“も”なんてと~っても気になる一言を発言した矢澤 にこさんをあれやこれやで追い詰めたんだけど…

 

「さぁ!“無冠の女王(ノー・クラウン)”!矢澤 にこ先輩!ことりとソラ君のアレやコレやでぐちゃぐちゃのぬちゃぬちゃなエロ輝かしい未来を賭けて!ガンプラバトルで勝負ですぅ!!!」

 

ことり、前回のにこちゃん回の最後の最後にやっちまったですぅ。

 

矢澤 にこさんに挑まれたガンプラバトル勝負をノリと勢いでついついうっかり受けちゃったんですぅ。

 

実力差がありすぎてまともなバトルなんてできるハズもないのに、お話が先に進まないとこのままずっとことりは処女のままですぅ♪って言われちゃって、それは困りますぅ!って感じで1度は断ったガンプラバトルを即答で受けちゃいました。

 

絶対に勝てない勝負なのに、ことりは自らの胸の奥から沸き上がる早くえっちした~い♪って欲求に負けちゃいました♪

 

てへ♪ぺろ

 

だって仕方ないじゃないですか!

 

矢澤 にこさんの言う通り、ガンプライブの世界線ではお話が先に進まないとことりは一生ソラ君と結ばれないんですよ!

 

えっちできないんですよ!

 

真姫ちゃん提供の怪しいおくすりでソラ君の自由を奪って、ことりのお家の秘密の地下室に無理やりご招待♪して、縛って動けなくしてさぁLet'sおたのしみた~いむ♪をしようとしても、世界の強制力とかの謎パワーでえっちできないオチになるんですよ!

 

信じられますか!

 

お話が先に進まないと、もうあとは挿れるだけの状態からでも色んな妨害がありまくってきっとことりはソラ君とえっちできないんですよ!

 

ひどいですぅ!

 

余りにもひどいですぅ!

 

ひどすぎますぅ!

 

「手のひら返しはやっ?!」

 

健全な恋する乙女としては好きな人とえっちしたいですぅ!

 

だからことりはついつい矢澤 にこさんとの勝負を受けちゃったんだけど………ど、ど~しよ?

 

「ふん!まぁいいわ!」

 

いえいえ。

 

あまりよくないですぅ。

 

できればガンプラバトルで勝負じゃなくて、お料理とか平和的な勝負に変更したいなぁ~♪とか提案したら…

 

「勝負は3日後の放課後!このアミュセンでよ!バトル形式は1対1のシングルバトル!バトルフィールドは…そうね…地上のランダムフィールドよ!」

 

ダメだよねぇ~。

 

矢澤 にこさんはヤル気まんまんみたいですぅ。

 

うわぁ~い。

 

やっぱり勝てる要素がミジンコ見当たりません。

 

あ♪でもバトルフィールドが地上のランダムフィールドってとこは、飛行禁止の地雷源フィールドなら、矢澤 にこさんが近付いてきた所にバスターライフルをぶっぱ~して、地雷を盛大に誘爆させちゃえば…………そう言えば射程は矢澤 にこさんのほ~が長かったんですぅ。

 

だってさっきまでのバトルで射程外から奇襲されちゃってましたもん。

 

ほら、あのランサーダートを改造した“だーりんすれいぶ”みたいなヤツですぅ。

 

「ふふん♪だ!肉食獣のアンタたちにリアルファイトでなら簡単に負けちゃう自信はあるけど、ガンプラバトルならそうそう簡単にはヤられたりはしないわよ!なんたってこの私は三千世界にその名を轟かせる世界のYAZAWAこと大銀河宇宙No.1超絶美少女スクールファイター!“無冠の女王(ノー・クラウン)”の矢澤 にこ様よ!!!おーっほっほっほっほっ♪♪♪」

 

むぅ。

 

ほんと、ど~しましょうか?

 

どうやってこの目の前で高笑いあげてるチビッ子先輩を攻略してヤりましょうか?

 

大前提として、まずことりは弱い。

 

次にチビッ子先輩は強い。

 

機体の相性も最悪ですぅ。

 

せめてあのクソ厄介なビーム吸収さえなければ、もう少し戦いようもあるんだけど…

 

「まぁヤっちまったことは仕方ありません。3日後にぬっこぬっこにしてやりますのでその首を今すぐに硫酸で洗っておもしろおかしくくたばりやがれですぅ。」

 

考えなきゃ。

 

この人に勝つために。

 

ことりとソラ君のあっはん♪うっふん♪でぐちょぐちょでぬちゃぬちゃなエロ輝かしい未来のために。

 

それにしても…

 

「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんでぇぇぇぇ硫酸で首洗わなきゃいけないのよ!!!バカでしょ?!決定的にバカでしょ?!硫酸で首なんなて洗ったら首が溶けちゃうでしょ?!ってか大銀河宇宙No.1超絶美少女スクールファイターなだけで中身は家庭的なごくごく普通の女子高生のにこにー様なんかにそうそう簡単に硫酸なんて危ない薬剤買えるわけないでしょーが!!!」

 

「硫酸程度、欲しいならあげるわよ?」

 

「いらんわい!!!」

 

「真姫ちゃんのとこは病院とか製薬会社とかあきらかにヤクザ屋さんな警備会社とか手広くやってるから、硫酸のひとつやふたつくらい簡単に手に入りますもんね♪良かったですね!矢澤先輩!硫酸わけてもらえそうで!」

 

「よくねぇーから!!!これっぽっちもよくねぇーから!!!わけてもらったその硫酸で私はてめぇの首洗わなきゃダメなのよ!痛いでしょ!硫酸で首なんて洗ったら痛いでしょ!!!にこにー普段から痛い子って言われてるけど硫酸で首洗ったらそっちの痛いじゃなくガチでシャレにならない方の痛いでしょ!!!硫酸で首洗うとかぜぅぇぇぇ ぇぇぇぇぇたぁぁいに!イヤだってのよ!!!」

 

「首洗うのイヤならお風呂いっぱいに硫酸入れて全身洗えばいいにゃ。」

 

「あ♪そっか~♪首洗うのイヤなら硫酸風呂に入ればいいのよねぇ♪星空 凛ったら頭いいわねぇ~♪なんて言うと思ったかゴルゥラァァァァァ!!!この駄ネコ!!!ダメなネコで駄ネコォォォォォ!!!!!!人に硫酸風呂なんて非常識極まりない危ないお風呂進めんなら!まずはてめぇから硫酸風呂に入って溶けてなくなっちまぇってのよ!!!」

 

「え?ヤにゃ。」

 

「イヤなら他人に進めんな!このボケェェェェェ!!!」

 

矢澤 にこさんはことりたちに馴染みすぎですぅ。

 

すっかりとことりたちに馴染んでノリノリで突っ込みに励んでいる矢澤 にこさんを半目で見ていると…

 

「ことり?本当に良いのですか?捕まえて拷問なり尋問なり真姫から効果は抜群ですが使うと確実に頭がパーになる怪しい自白剤を取り寄せて自白させるなりすれば簡単に青空との関係を白状させる事も出来ますよ?」

 

矢澤 にこさんと成り行きからガンプラバトルで勝負をすることになっちゃったことりを心配した海未ちゃんが話しかけてくれました。

 

海未ちゃんがの言う通り、拷問とか尋問とか自白剤で強制自白とかしたほ~が早いし簡単ですぅ。

 

でもそれじゃたぶんダメですぅ。

 

お話が先に進んではくれません。

 

「うん。それはことりも考えたけど、それじゃたぶんお話が先に進まないからやっぱりことりはソラ君とえっちできないままになっちゃうと思うんだ。だから、だいじょ~ぶじゃないけどだいじょ~ぶだよ。これはことりが売られたケンカだから。なんとかしてみるよ。」

 

「ことり…わかりました。それではきっちり勝って青空との関係も白状させて下さいね!」

 

そうだね。

 

矢澤 にこさんとソラ君との関係も気になるよね。

 

でも…なんとなくだけど、ことりはこの目の前でまきりんぱなの1年生トリオに弄られまくってる“無冠の女王”さんとソラ君がどんな関係なのか気づいちゃってます。

 

たぶん2人は………

 

「…………不愉快ですぅ。ことり、今日はもう帰りますぅ。」

 

負けません。

 

技術も心も何もかもが矢澤 にこさんより泣けちゃうくらいに弱いことりだけど、ソラ君を想うこの“大好き”って気持ちだけは絶対に負けません。

 

そうです!

 

ことりの“大好き”は負けちゃダメなんです!

 

絶対に!

 

絶対に絶対ですぅ!!!

 

だから………せいぜい見せてやります!

 

ことりの“大好き”を!

 

そして…“トベナイコトリ”の意地ってヤツを!

 

目にもの見せてやりますぅ!

 

です!です!ですぅ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不愉快ですぅ。って言って1人で帰ってきたのはいいけど…これからど~しよう…。」

 

大好きなソラ君と矢澤 にこさんがどんな関係なのか、なんとなくわかってしまったことりは、どこかのフリーデンの副長さんが戦闘中にお化粧していたティファちゃんを見たときに呟いた一言みたいに“不愉快ですぅ”って言ってアミューズメントセンターから1人だけ帰って来ちゃいました。

 

いつもは途中まではみんな一緒のアミューズメントセンターからの帰り道を、今日はことり1人ぼっちでとぼとぼ歩きながら、これから一体どうすればいいかを考えます。

 

あの人を…矢澤 にこさんを攻略するためにはどうすればいいのか。

 

どうすればことりのウイングガンダム・リトルバードであの人の真っ黒い天ミナの改造機を倒せるのか。

 

どうやって防御フィールドまで搭載した厄介なビット(ドラグーン?)を攻略するか。

 

リトルバードの大型バスターライフルのごんぶとビームを越える超ごんぶとビームをどうすればいいのか。

 

そんな色んな“どうすればいいのか?”を考えながら、夕方に近づきつつある街をことりは1人うつむきながらとぼとぼと歩きます。

 

「花陽ちゃんのジム・カーバンクルからレールカノンを借りる?確か対フェイズシフト用の特殊弾頭があるって言ったからそれなら……でも実弾系の手持ち武装なんて最近は使ったことないし…そんな慣れない武装を使ってもまともに当たりっこないよね……。」

 

今日のバトルを見る限り、たぶんだけど…“無冠の女王”矢澤 にこさんを攻略する正しい答えは“近接格闘戦”なんだと思いますぅ。

 

でもそれをするにはあのビットの攻撃を避けまくって接近しなきゃダメですぅ。

 

それに仮にビットの攻撃を掻い潜って何とか近づけたとしても、近接格闘戦はことりが1番苦手な戦闘方法ですぅ。

 

ことりの得意な戦闘方法は中距離での砲撃戦…。

 

大型バスターライフルの大火力で押して押して押しまくるぶっぱ~戦法ですぅ。

 

でも肝心の大火力…リトルバードの大型バスターライフルのごんぶとビームは、あのクソ厄介なビームを吸収するアブソーブシステムの前では無力ですぅ。

 

無力どころか吸収されちゃうんだからマイナスですぅ。

 

むぅ。

 

困りました。

 

と~っても困りました。

 

ほんとにど~しようかなぁ…。

 

「こちらもあのビットみたいに機体に防御フィールドを積んで…でも今のリトルバードじゃもう機体容量はいっぱいいっぱいで防御フィールドを搭載できるだけの余裕はないし…それなら防御フィールドの代わりにABC(アンチ・ビーム・コーティング)スプレーをプシュっとして全身に簡易ビームコーティングを…ダメ…簡易ビームコーティング程度じゃ2・3発はビットからの攻撃を耐えれるかもしれないけど、その後が続かない…いっそのこと機体を凛ちゃんのベニャッガイみたいなガチガチの防御特化に乗り換えて…でも勝負は3日後…それまでにベニャッガイクラスの防御特化のガンプラを作り上げるなんてムリですぅ…そもそも防御特化の機体を用意しても、あの超ごんぶとビームが直撃しちゃったら1発で消し飛んじゃいますぅ…機動力を強化して避けまくって…ことりの掃除技術じゃ今以上に機体の機動力を強化しても扱いきれないし…バスターライフルをもっと大型化して火力を上げてアブソーブシステムの吸収限界を超えれば…でも吸収限界って言ってもどれくらい火力を上げればいいのかわかんないし……何か…何か…何か方法は…………きゃっ?!」

 

ことりがあれやこれやと矢澤 にこさんを攻略する方法を考えながら歩いていると…

 

「うわっ?!っと、と、と、っと!」

 

曲がり角を曲がろうとしたときに誰かとぶつかってしまいました。

 

「あ、あの!ごめんなさい!ちょっと考え事していて…アレ?あなたは…。」

 

ことりは慌ててぶつかっちゃった人にごめんなさいをしたんだけど、ことりがぶつかっちゃった人は…

 

「あはは♪だいじょ~ぶ!おねーさんは元々頑丈だしDG細胞並みに超再生しちゃうスッゴいの搭載しちゃってるから!」

 

少し前に学校の廊下で出会った不審者さんでした。

 

「不審者さん?」

 

「えっ?!ふ、不審者さん?!なんで不審者さん?!違うって!おねーさんは不審者さんじゃないよ!おねーさんはおねーさんだよ!」

 

ちゅん。

 

いい年ぶっこいた女の人が自分で自分のことを“おね~さん”って呼ぶのは、それだけでも割りと不審者さんだとことりは思うんだけど気のせいでしょうか?

 

「でもこの前、関係者以外は基本的に入ってきちゃダメな学校に入ってきていましたよね?無断で学校に入ってきちゃうなんて不審者さんですよね?無断で学校に侵入してきてナニをしていたんですか?お手洗いに盗撮用の小型カメラでも仕掛けていたんですか?それても更衣室ですか?あ、わかりました。下着とか盗んで売りさばこうとかしていたんですね。不審者さんって言うよりももう犯罪者さんですね。余罪も色々とありそうですぅ。これは完全に通報案件ですよね?事案なのでお巡りさん呼んでもいいですか?ってか呼びますね?」

 

「チョットマッテテェェェェェェェェェ!!!!!違うから!犯罪者じゃないから!盗撮も下着泥棒もしてないから!だから事案なんて言わないでよ?!それに学校は…音ノ木坂は私の!」

 

「私の?」

 

「っ……(ここで音ノ木坂は私の母校とか言ったら、ことりちゃんなら理事長におねがぁい♪して私のことを調べさせるよね。それは今の段階じゃ不味いよなぁ…。“μ's”の近くにあのクソ女がいるって仮定した場合、せめてあの日が来るまでは……)……………………何でもない…。」

 

何でもない。

 

そう言った不審者さんのお顔は、何だか寂しそうに見えました。

 

どうして不審者さんなおね~さんが寂しそうに見えたのか、この時のことりにはまだ理解できませんでした。

 

でも…“みんなで叶える物語”の最後の1ページ…その最後の1ページを開いたときに、この目の前の寂しそうにしているおね~さんの全てを知った時、ことりは…ううん。

 

ことりたちは、たった1人で運命に抗うために戦い続けた孤独な女神の成れの果ての物語を知りました。

 

“災厄の魔女”と“孤独な女神”の織り成す物語を…。

 

さよならの向こう側を…。

 

悲しみの果ての結末を…。

 

そして…ことりたちは知りました……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

災厄に彩られた絶望の未来を…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不審者さんのお名前は“神田 海空(かんだ みあ)”さんって言うんですね。」

 

「いや、不審者さんって…まぁほんとの事を話せない以上は不審者さんでも仕方ないんだけど……。」

 

あれからことりは何故か寂しそうにしていた不審者さんに、改めてぶつかってごめんなさいをしました。

 

不審者さんはあはは♪って笑いながら気にしてないよ~って言ってくれて、何故かことりに自己紹介してくれました。

 

この不審者さんなおね~さんのお名前は”神田 海空(かんだ みあ)”さん。

 

神田明神の神田に、海と空で“海空(みあ)”。

 

このお名前…偽名らしいんですけど、海空さんの大切な人たちから一文字ずつ貰って付けたお名前だそうです。

 

何だかどっかで聞いたお名前を合わせたようなお名前ですぅ。

 

まぁ海未ちゃんとソラ君とは関係無いとは思いますけど…。

 

「それで?ことりちゃんはどうしてうつむいてぶつぶつ言いながら歩いてたの?」

 

一方的に自分の自己紹介を終えた謎の不審者おね~さん改め海空さんは、どうしてことりがうつむいてぶつぶつ言いながら歩いてたのかって聞いてきました。

 

はっきり言ってついさっき…ほんの数分前に会ったばかりの赤の他人なこの人に…海空さんに話すことじゃないと思うけど、ぶつかっちゃった手前、聞かれたら答えなきゃ失礼だよね?

 

そう思ったことりは元謎の不審者おね~さんの海空さんにどうしてうつむいてぶつぶつ言いながら歩いていたのか、そのわけを話すことにしました。

 

「それが……かくかくしかじかまるしかく……なんですぅ…。」

 

ことりのお話を聞いた海空さんは…

 

「そっか…大好きな人とぽっと出の謎の先輩がどんな関係なのかを知るために、そしてお話を先に進めて目指せ!処女卒業!をするためにガンプラバトルで勝負、ねぇ。(この頃はようやくにこちゃんが“μ's”に加わる頃だもんね。それなら今はことりちゃんがにこちゃんに“いらない”って言われた直後、か…。にこちゃんもことりちゃんのことを想ってあんなこと言ったってのはわかるけど、もうちょっと言い方ってのがあるよね。でもそんな不器用な優しさがにこちゃんらしいって言ったららしいんだけどね。) 」

 

そう言いながらあごの下に手を当てて、何かを考えているようか素振りをしていました。

 

とりあえずは話ちゃったけど…この人にものすご~く個人的な悩みを話したところで事態は好転するわけじゃなく…

 

「はい…二つ名持ちのファイターさん相手に、いつもバスターライフルを振り回してぶっぱ~しているだけのことりなんかじゃ勝てない戦いってことはわかってるんです…。操縦技術もガンプラの作成技術も、心の強さも…何もかもがことりじゃあの人には…矢澤 にこさんには勝てないけど…それでも…ことりがソラ君を大好きって気持ちは負けたらダメなんです…。負けたらダメなのに…勝てるビジョンがこれっぽっちも浮かばなく…。」

 

もうことりはお先真っ暗♪って感じですぅ。

 

あの人にはことりなんかじゃどうやっても勝てないんですぅ…。

 

「勝てない…か… (そりゃそうだよね。まだことりちゃんは“白い翼(エルブランシュ)”も“黒い翼(エルノワール)”も持ってないんだし。そんな状態で現役スクールファイターの中でも10本の指に入るくらいにバカ強いにこちゃんに勝てってのはちょーっと無理だよね。う~ん…今のことりちゃんでもにこちゃんに勝つ方法…私は知ってるけど、それを教えるのってホントはそら君の役目なんだよなぁ…でも…こんなに悲しそうにしていることりちゃんを放ってはおけないよね♪“私”としてはさ♪) ねぇ♪それならおねーさんがとっておきを教えてあげよっか♪」

 

ことりが改めて現実を直視して、ままならない現状にへこんじゃっていると、海空さんがことりに意外な提案をしてきました。

 

とっておきを教えてあげよっかって。

 

「とっておき?ですか?」

 

「そう♪とっておき♪」

 

怪しい謎の不審者おね~さんのとっておき…。

 

ぶっちゃけなんか…怪しいですぅ。

 

激しく怪しいですぅ。

 

怪しさ大爆破ですぅ。

 

でも……

 

「ことりちゃんは勝ちたいんでしょ?にこちゃんに?」

 

怪しさがアトミックバズーカ級に核爆発しちゃってるけど…

 

「にこちゃんは確かにバカみたいに強いけど、今のことりちゃんにだって十分に勝機はあるよ。おねーさんが教えるとっておきを覚えられたら、ね♪」

 

あの人に…矢澤 にこさんに勝てるなら……ことりは………

 

「あの人に勝てるなら!ことりに教えてください!海空さんの“とっておき”を!」

 

例え怪しさ“限界突破(リミットバースト)”な謎の不審者おね~さんだろ~となんだろ~と!

 

利用できるモノはとことん何でも利用しまくってヤりますぅ!

 

「あは♪それでこそことりちゃん♪よぉーし!それじゃ早速おねーさんのとっておきの特訓だよ!!!」

 

“無冠の女王(ノー・クラウン)”矢澤 にこさん!!!

 

せいぜい首を洗って待っていやがれですぅ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレ?

 

そう言えば………ことり、海空さんにことりのお名前教えてなかったような…?

 

それと、どうして矢澤 にこさんのお名前も知ってるんですか…?

 

むぅ。

 

なんだか解せません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい♪目的地に到着♪到着♪」

 

「目的地って…あの~、ここってケーキ屋さんなんじゃ…?」

 

「そ♪おいしいおいしいケーキ屋さん♪“サルモン”だよ♪ケーキ屋さんって言っても厳密にはケーキ屋さんもやってる喫茶店なんだけどね♪」

 

謎の不審者おね~さんに案内されてたどり着いた先にあったのは、おしゃれなケーキ屋さん(喫茶店?)でした。

 

“とっておき”を教えてくれるって言うから、ガンプラバトルシミュレーターの筐体があるどこかのアミューズメントセンターに行くのかと思ったんだけど…どうしてケーキ屋さん(喫茶店)?

 

ケーキ屋さん(喫茶店)なんかじゃガンプラバトルの練習はできません!

 

この元謎の不審者さんは切羽詰まって藁にもすがる思いで怪しさ“限界突破(リミットバースト)”の提案を受け入れたことりのこと、ただのかわい~♪かわい~♪ことりちゃんだと思って舐めてるんですか?

 

ペロペロと舐めてるんですか?

 

舐めやがってるんですか?

 

あは♪

 

じょ~と~ですぅ♪

 

もし意味もなくこんなケーキ屋さん(喫茶店)に藁すが状態のことりを連れて来たのなら、この舐めた真似し腐ったクソ不審者さんは……

 

「ケーキ屋さんでも喫茶店でもどっちでもいいですぅ。こんなとこでどうやって矢澤 にこさんに勝つための“とっておき”を教えてくれるんですか?ことと次第によっては……バラシマスヨ♪」

 

ヒサシブリニギッチュンチュンデスゥ♪

 

「ひぃぃ?!だ、だいじょーぶ!だいじょぶだから!目的地はここであってるから!だからお願い!ガチで怖いから黒化しないで!!!」

 

チッ。

 

「……………わかりました。でも…もし…もしも今回は割りと真剣に足掻こうとしてることりのことを騙したりしたら………ただじゃ済みませんよ?コロッとして臓物を丁寧に処理したり皮を剥いだり血抜きをしたり食べやすいよ~に細切れにしたりお料理したり…そんな感じに人としての死じゃなく、家畜としての死が待ってますからね。そのことを努々(ゆめゆめ)忘れないよ~に。」

 

も~♪

 

ことりちゃんったらこんな見ず知らずの怪しさTRANS-AMな不審者さんを見逃してあげるだなんて激烈に優しすぎですぅ♪

 

でも…この元不審者さんの海空さん。

 

なんだかあまり“見ず知らず”って感じがしないのは何ででしょうか?

 

まるで………ずっと昔から………うん。

 

きっと気のせいですぅ。

 

だってついさっき出会ったばっかりなんですぅ。

 

そんなわけあり得ません。

 

「あ、あはは…(こわっ!ことりちゃんこわっ!久しぶりに黒化したことりちゃん見たけどやっぱりめちゃくちゃこわっ!迫力が半端ないって!これで名前が“ことり”なんて絶対に間違ってるよ!ことりじゃなくて鷲とか鷹とかだよ!ってかむしろ狼とかライオンとか虎とか肉食獣系だよ!うわぁーい♪下手なことしたらマジでバラされておいしいお料理されちゃうよん♪って!ふざけてる場合じゃないし!)…ま、まぁ“サルモン”の中に入ればことりちゃんの心配もなくなるよ♪た、たぶん…。」

 

ことりがちょっと考え事をしていると、黒化状態のことりから漏れだした瘴気にあてられて、さっきまでガクブル状態だった海空さんが、なんとかガクブル状態から復帰してあははって乾いた笑みを浮かべながらお店の中に入ればことりの心配もなくなるよって言ってきました。

 

海空さんはそ~言うけど…

 

「中に入ればって言いますけど、こんなケーキ屋さんの中に入って何になるんですか?今のことりにはあんまり時間がないから、1分1秒もムダにしたくないんですぅ。」

 

ぶっちゃけこんな状況じゃなかったらケーキ屋さんでおいしくおやつタイムしちゃいたいんだけど、今はそうも言ってられません。

 

圧倒的戦力差を持ってる矢澤 にこさんを倒すために色々とやらなきゃいけないから、ケーキ屋さんでおやつタイムなんてムダな時間はありません。

 

早くどこかガンプラバトルシミュレーターの筐体があるアミューズメントセンターに行って練習しなきゃですぅ。

 

「あ~ら、お嬢ちゃん。“こんなケーキ屋さん”だなんて聞き捨てならない事を言うわね。」

 

「ちゅん?」

 

おいしいケーキの誘惑を振り切って、ケーキ屋さんに背を向けどこか近場のアミューズメントセンターへ行こうと歩き出そうとしたことりの耳に聞こえて来たのは、野太いけど甲高いなんだか不思議な声でした。

 

ことりはその声のした方向へお顔を向けてみると、そこには…

 

「オカマさん?」

 

スッゴく背の大きい、鍛え上げられた筋肉でガチムチになってるオカマさんが居ました。

 

「オカマじゃないわよ!!!」

 

オカマじゃないわよって言われても…どっからど~見てもオカマさんですぅ。

 

オカマさん以外の何者でもありません。

 

むしろ完全にオカマさんだとことりは思いますぅ。

 

「やっほ♪蓮凰(れんおう)さん♪」

 

「あら?海空ちゃん?」

 

「どもっす♪」

 

やっぱりこの元謎の不審者さんに着いてきたのは失敗だっかもしれません。

 

ちゅん、ちゅん。

 

ですぅ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが私、南 ことりと、この後も色々とお世話になる元伝説の傭兵にして現世界最高峰の天才パティシエ。

 

おいしいケーキのお店“サルモン”のオーナー“蓮凰・ピエール・エルリック”さんとの出会いでした。

 

みすた~♪でんじゃらぁ~すぅ♪

 

ですぅ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

「ねぇ、希。」

 

「なぁ~に?えりち?」

 

「最近、私達の出番少なくないかしら?」

 

「まぁ、しゃ~ないんやないん?ほら?今回はことりちゃんとにこっちがメインの回やし。」

 

「そうだけど…賢い可愛いエリーチカとしてはもう少し出番が欲しいわ。」

 

「出番ゆ~ても…(ど~せ全裸になって荒縄で自縛したろうそくかも~ん♪とかそんなヤツやりたいだけやろ…。) 」

 

「私…決めたわ!この次のお話は武力介入してでも私が乗っとってみせるわ!」

 

「あ、はい。そ~ですか。」

 

「次回!ガンプライブ!エリーチカのSM講座にロックオン!」

 

※やりません。

 

「いや、えりち…SM講座とかもうめんどうなん、そこは突っ込まんけど、とりあえずはロックオン!ってえりちのガンプラに射撃武装ついてないやん。武装ってランス1本だけやん。ロックオンする必要これっぽっちもないやん。」

 

「そこはホラ!気分の問題よ!気分の!みんな!エリチカの楽しいSM講座をお楽しみに!」

 

「そんなん絶対にやらんって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

久しぶりに登場した謎のお姉さんの海空さん。
皆様にはもう彼女の正体がバレバレ…でございますね。
だがしかし!そんな正体バレバレの彼女の正体は実は皆様が予想している人物とは違うかもしれません。
謎のお姉さんの海空さん…彼女の目的は…。

そして本編では初登場の某ドリアンなライダーがモチーフのオカマなパティシエさんの蓮凰さん。
去年のことりさん生誕祭特別編でことりさんがこのお店でアルバイトしていのはこの時の出会いがきっかけまなっていたりしなかったりしております。

次回は7割グダグダの後ににこちゃんがほのうみ&まきりんぱなを率いてバトルロイヤルへと出撃いたします。
今度のバトルフィールドは…。

次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。








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