ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

グラブルのサンシャインコラボ、気付けばサンシャインブレードが15本ドロップしていたQooオレンジでございます。

今回はにこちゃんsideの14回目となります。
今回はラストで再びにこちゃんがバトルロイヤルに出撃いたします。
今回のバトルフィールドは…

それでは 第7話A「無冠の女王」そのじゅうよん 始まります。





























第7話A「無冠の女王」そのじゅうよん

大銀河宇宙No.1超絶美少女スクールファイターのにこにー様がうっかり言っちゃった余計な一言に過敏に反応して、肉食獣の群れと化した高坂 穂乃果を除いたチーム“μ's”の5人。

 

色々あってこの恐ろしい肉食獣の群れからなんとか逃れるついでに、南 ことりへのテコ入れもしっかりしてやった私はとりあえずはひと安心♪

 

命も助かって南 ことりの強化フラグも建ててあげたんだから、み~んなハッピーよね♪

 

ハッピーのハズなんだけど…なんか 南 ことりから硫酸で首を洗えと怖いこと言われたわ…。

 

まぁ硫酸で首を洗えとかかるーい冗談よね♪じょ♪う♪だ♪ん♪

 

……………じょ、じょーだん……よね?

 

いや、冗談じゃなかったらガチで怖いんだけど。

 

「…………不愉快ですぅ。ことり、今日はもう帰りますぅ。」

 

そんなことを思っていると、南 ことりは“不愉快です”だなんてどっかのフリーデンの副長みたいなことを言ってアミューズメントセンターから出ていっちゃったわ。

 

これはちょっとまずいわね。

 

南 ことりにテコ入れして強化フラグを建ててあげたけど、1人じゃ私を倒す策なんてそうそう簡単には思い付かないわよ。

 

ここは予定通りに…

 

「ことりさん!!!」

 

元チャンピオン様のこのへたれバカに南 ことりを追わせて打倒にこにー様♪を手伝わせてあげなきゃね。

 

ってなワケで…

 

「そら!そっちは任せるわ!南 ことりのフォローよろしくぅ♪」

 

そらに丸投げよ!

 

「フォローよろしくぅ♪って!クソ!フォローを俺に丸投げってやっぱり確信犯でことりさんを煽ったのかよ!わかっちゃいたけどにこちゃんってホントにこちゃんだよな!!!あとでマジで覚えてろよ!!!」

 

「わかってるわよ!前でも後ろでも口でも腋(わき)でも好きなとこで好きなだけヤらせてヤるから!いいから早く南 ことりのあとを追いなさい!急がないと見失っちゃうわよ!」

 

「はいはい!行きますよ!行けばいいんだろ!ってかにこちゃんなんかに言われなくてもこの状況なら追うってんだよ!!!」

 

「わかってんなら早く行け!バカそら!それじゃそっちはお願いね!あ♪あと“はい”は1回よ!」

 

「うっさい!!!この状況で返事は1回とかどーでもいいってんだよ!!!」

 

私の思惑を理解したそらは、アミューズメントセンターから出ていった南 ことりを追おうとしたんだけど…

 

「待つにゃ!!!」

「待ってください!!!」

 

何故か星空 凛と小泉 花陽の猫米コンビに呼び止められちゃったのよ。

 

今は急いで南 ことりのあとを追わないといけない場面でしょ?

 

この猫米コンビはいったい何の用なのよ!

 

「なんだよ!こっちは急いでんだ!用があるなら早くしてくれ!!!」

 

そう思ったのはそらも同じで、少しイラついた様子で“用があるなら早くしろー!”って猫米コンビに向かって言い放っていたわ。

 

それに対して猫米コンビの答えは…

 

「呼び止めておいてなんだけど、ぶっちゃけそら先輩にはあんまり用はないにゃ。」

 

「はひ!そら先輩にはあんまり用はありません!花陽たちか用があるのはそら先輩の…」

 

「お財布だにゃ!」

「お財布です!」

 

とか身も蓋もないこと言いやがったのよ。

 

「そう言えば今日のおやつや飲み物は青空のツケで頼んでいましたね。」

 

園田 海未がなんかさらっとツケとか言ったけど、アミュセンのレストコーナーでツケ……ってかさ、アミュセンのレストコーナーってツケできたんだ…。

 

「そうにゃ!ここでそら先輩に逃げられたら凛たちがお金払わなきゃダメになるにゃ!」

 

「それは今月はお米の買いすぎで財政難の花陽にとってはとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっても困ります!!!」

 

はぁ…後輩からたかられてるなんて、なんやかんやでそらも大変よね。

 

でも…長いこと1人で生きてきたそらには、このくらい騒がしい方がいいのかしら?

 

「だからお金払ってからことり先輩を追うにゃ!ついでに小腹が減ったからラーメンもおごるにゃ!」

「だからお金払ってからことり先輩を追ってください!ついでに小腹が減りましたのでおにぎり奢ってください!」

 

「お、お前らなぁ………。」

 

ふふっ♪

 

やっぱりそらにはこれくらい騒がしい連中が周りにいた方がいいわね♪

 

コイツは1人にするとどんどん暗いこと考えて最終的にはろくでもないこと仕出かそうとするからね。

 

ね?そら♪

 

楽しい後輩たちじゃない♪

 

っと。

 

今はそれどころじゃなかったわ。

 

早く南 ことりを追わせないとね。

 

「ほら!後輩がお腹すかせるわよ!アンタ本体にはあんまり用はないって言ってんだから、バカは財布だけ置いてさっさと南 ことりを追いかけなさい!支払いはアンタの財布使って私がしておいてあげるから!」

 

「にこちゃんも何気にひでぇ?!チッ!わかったよ!ほれ!財布!レストコーナーの全メニュー制覇とか無駄遣いすんなよ!!!テメェで食いきれる量だけ買えよ!わかったな!」

 

私が財布だけ置いていけばあとはやっといてやるからって言うと、そらは顔をひくつかせながらおもむろに財布を取り出して、中から一万円札を取り出してから私に財布を放り投げて来たわ。

 

「「いやっほーい♪」」

 

それを見た猫米コンビは大喜び。

 

早速ダッシュでレストコーナーの注文カウンターへ向かっていったわ。

 

「今日もごちそうさまです、青空。」

 

そらの話では割りと常識人のハズの園田 海未は、優雅にお茶を飲みながら猫米コンビを見送ってるだけなのね。

 

猫米コンビの行動を止めないってことは、コイツもそこまで常識人じゃないんじゃないの?

 

「別にここの支払いくらい私が出してもいいのに…。」

 

一方で西木野 真姫は人差し指で髪の毛をくるくると弄りながらそんなことを言っていたわ。

 

この子は大金持ち…いわゆるセレブってヤツよね。

 

支払いくらい私が出してもいいのにって、やっぱりおセレブ様は金銭感覚が違うのね。

 

普通の高校生は5人分の飲み物やらお菓子やらラーメンやらおにぎりやらを気軽におごったりはしないもん。

 

まぁ金銭感覚がちょっとアレなのはバカそらも同じだけど…。

 

けど、バカそらの場合はおセレブ様が親の金で無双しているのと違って、自分で稼いだお金でやりたいことやってるから、そこまでうるさくは言いたくないのよね。

 

「ったく…にこちゃん!こっちは任せるからあとは頼むぞ!んじゃ海未さん!真姫!また明日な!」

 

「そっちも頼むわよ?」

 

「わかってる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりラーメンはとんこつラーメンだにゃ~♪」

「やっぱりおにぎりはお米の味がダイレクトにわかっちゃう塩むすびだよね~♪」

 

財布を私に預けて南 ことりを追っていったそらを見送った私は、お行儀悪いんだけどテーブルに肩肘で頬杖をつきながら猫米コンビの食事風景を眺めていたわ。

 

食欲風景なんて別に珍しいモノじゃないって思うでしょ?

 

それがそうでもないのよね。

 

だってコイツらすごい食欲なんだもん。

 

星空 凛は大盛りとんこつラーメンにトッピングでWチャーシュー。

 

それを3つ。

 

小泉 花陽はバスケットボールくらいの大きさのおにぎりを5つ。

 

アンタたちそれほんとに食べきれるの?ってくらいの量を買ってきて(支払いは私がそらの財布でしたわ!)、もきゅもきゅとすごい勢いで食べてるのよ?

 

どんだけ喰うのよって思わない?

 

「さて、もぐもぐタイムの凛と花陽、あとヨダレを垂らしながら爆睡している居眠り女王の穂乃果(アホ)は放っておくとして……改めて矢澤 にこさんには色々とお聞きしたいと思うのですが…。」

 

私が呆れながら猫米コンビの食事風景を眺めていると、園田 海未が改まって声をかけて来たわ。

 

「ナニを聞きたいか知らないけど、質問の内容にもよるわね。で?ナニが聞きたいの?にこにー様のスリーサイズ?好きな食べ物?好きなガンプラ?まさか初体験はいつですかとか?それとも…大銀河宇宙No.1超絶美少女スクールファイターの強さの秘訣とか?」

 

「スリーサイズも好きな食べ物も好きなガンプラも、ましてや初体験か何時かなどとそんな事には興味はありません。貴女の強さの秘訣というのは少し気になりますが…それは追々聞くとして、私が1番知りたいのは矢澤 にこさん、貴女と青空の関係です。」

 

「私とあのバカの関係…か…。」

 

ま、コイツが聞きたいことってのは予想していたけどね。

 

私の初体験の話を聞けばある程度はあのバカとの関係もわかったかもしれないんだけどね。

 

「随分と親しげにしていましたが、お二人は一体どの様な関係なのですか?」

 

さて……私とあのバカの関係…か。

 

実際問題、私とあのバカってどんな関係なんなんだろ…。

 

たたの友達…じゃないし…。

 

だからと言って恋人でもない。

 

身体だけの関係…ってのも違うし。

 

今さらだけど改めてこうして考えてみると、私とあのバカってよくわかんない関係よね。

 

始まりは私の夢とくだらない意地。

 

あとあのバカのゲスい性欲。

 

その次はお互いのほんの少しの気まぐれ。

 

そして………

 

「お二人は…その…あの…いわゆる………恋人同士…………なのですか?」

 

私が過去に想いを馳せながらどう答えたらいいか考えていると、今度は園田 海未はすごく不安そうに“恋人同士”なのか?って聞いてきたわ。

 

私は園田 海未のその不安そうな表情を見て、“あぁ…コイツもあのバカが好きなんだなぁ…”ってわかっちゃったの。

 

そりゃ不安よね。

 

好きな相手に妙に親密そうな異性がいるなんて。

 

でも…

 

「安心しなさい。残念ながら私とあのバカは恋人同士だなんてそんな甘い関係じゃないから。」

 

肉体関係もあってお互いの家に普通に寝泊まりしたりとか、限りなく恋人に近い関係ではあるけどね。

 

「本当ですか?その割には妙に親密そうな関係に見えましたが…。」

 

「あー…まぁ親密って言えば親密なんだけど…私とあのバカの関係ってなんて言えばいいのかしら?」

 

「やはり二人は恋人…」

 

「違うって言ってるでしょ。ってか私とあのバカがどんな関係なのかは南 ことりが私に勝てたら教えてあげるって約束でしょ?それを今知りたいとかルール違反は誉められたモノじゃないわよ?」

 

「そう言えばそうでしたね………………わかりました。では先程の質問はことりが貴女を倒した後で改めてお聞きするとしましょう。」

 

「そうしなさい。それまでには私もアイツと私の関係を説明できるように少しは考えて来るから。」

 

「“考えて来るから”ですか。その言い様ではまるで貴女はことりに負けると言っている様ですね。あれだけの強さを持つ貴女がことりに負ける事を前提に話している…。あとは…そうですね。貴女は青空を敵であることりのフォローへと向かわせた。」

 

………へぇ……。

 

「今の貴女の言葉と青空をことりのフォローへと向かわせた事から考えられるのは…貴女は…。」

 

さっきの私の言葉だけでそこまでたどり着けるなんて、コイツは…園田 海未は私が思っていた以上に使えそうな人材じゃない。

 

バトルが得意なヤツは掃いて捨てるほどいるわ。

 

けど、現状のスクールファイターの中では頭を使って戦略を練れる人材はそこまで多くはないわ。

 

あのA-RISEだって個の強さでゴリ押ししてる感がぬぐえないもの。

 

確かにこの世の中にはそらやA-RISEの連中のように、策を強引にねじ伏せる圧倒的な強さがあるわ。

 

でもその逆に、圧倒的な強さを搦め手で降す策士だっているの。

 

この子は…園田 海未は強さと策を弄する頭…そのどちらにも期待できそうね。

 

くっくっくっ…良いわ。

 

実に良いわ。

 

また1つ、A-RISEを倒すための手札が揃ったって感じね。

 

「そらがアンタのこと、スナイパーとしてだけじゃなく、頭の回転も早くて指揮官に向いているって言ってたけど、さっきの私の一言でそこまでわかったなんてマジで頭の回転早いわね。」

 

「では…」

 

「今のままでも南 ことりはそれなりには戦えるわ。けどそれはあくまでも“それなりに”なの。南 ことりが現状に満足して今のレベルのままでガンプライブに出場すれば、そう遠くない未来に間違いなくあの子は自分の弱さを後悔することになるでしょうからね。余計なお世話だと思うけど、その前にちょっとテコ入れしておこうかと思ったのよ。」

 

「はぁ…やはりそうでしたか。始めはことりを“いらない”だなんて、この女は何て嫌な女だと思いましたが…ふふ♪嫌な女とは真逆で随分と優しいのですね。矢澤先輩は。」

 

私が優しい、か。

 

それは違うわ。

 

私はこれっぽっちも優しくなんてないわ。

 

だって私が南 ことりにいらないお節介をしたのは、最終的には自分のためだもの。

 

負けたくないから。

 

勝ちたいから。

 

ただそれだけのためだもん。

 

高校生活の最後でようやく出場できそうなガンプライブで、少しでもチームの勝率をあげたいから。

 

全てはあの幼い日にパパと交わした約束を果たすため。

 

全ては私を縛るこの“夢”っていう呪縛から逃れるため。

 

そんな自分勝手な理由。

 

だから私はこれっぽっちも優しくなんてないの。

 

「別に。優しくなんてないわよ。」

 

嫌になるくらいに自分勝手。

 

嫌になるくらいに自己チュー。

 

「照れなくても良いではありませんか♪」

 

「照れてないっての!!!」

 

「ではそういう事にしておきましょう♪」

 

まったく…調子狂うわね。

 

「ふーん…ただことりちゃんをディスってただけだったら、後で○そうかと思ったけど、ことりちゃんの為に悪役を買って出てくれたんだ……ホノカも海未ちゃんとおんなじでなんて嫌な女だって思ったけど、案外いい人なんだね…むにゃむにゃ…。」

 

私と園田 海未が向かいながら優しい、優しくない。と、問答をしていると、不意にそんな声が辺りに響いたわ。

 

聞き取れるか聞き取れないかギリギリの声量で。

 

「「えっ?」」

 

その言葉はテーブルに突っ伏してヨダレを垂らしながら爆睡している高坂 穂乃果から聞こえたような気がしたんだけど…

 

「……ねぇ園田 海未…今…コイツ…なんか言った?」

 

「………言ったように聞こえましたが………寝てますよね?間違いなく。」

 

「…ねむ…ねむ…もぉほのかたべれないよぉ……でもあとちょっとだけならぁ…むにゃ…。」

 

高坂 穂乃果は幸せそうな寝顔で爆睡を続けているのよね。

 

「寝てるわね。」

「寝てますね。」

 

寝言?

 

でも寝言にしてはいやにハッキリとしゃべってたし…。

 

それに今のセリフ…事前に調べていた高坂 穂乃果のキャラじゃないわね?

 

だって高坂 穂乃果ってアホなのよ?

 

そのアホがあんなこと言うかしら?

 

「はぅ?!おにぎりがもうありましぇん?!」

 

「にゃにゃ?!ラーメンももーねぇーにゃ!!!」

 

私と園田 海未が、高坂 穂乃果が発したっぽい謎の寝言?に眉をひそめていると、ラーメンとおにぎりをバカ食いしていた猫米コンビが大きな声で“もうない!”って騒ぎだして…

 

「にこちゃん先輩さん!」

「にこちゃん!」

 

そらからお財布を預かっている私に向かって…

 

「おにぎり買ってください!!!」

「ラーメン喰わせろだにゃ!!!」

 

って要求してきやがったわ。

 

別に私のお金じゃないからおにぎりでもラーメンでも好きなだけ食べさせてあげてもいいんだけどさ、コイツら食い過ぎじゃない?

 

小腹が空いてきたって言っても今はもうお夕飯前なのよ?

 

それなのに大盛りとんこつラーメン3杯とかアホみたいにデカいおにぎり5つとか食べた後で、さらにラーメンとおにぎりを要求するってマジでどんだけ喰うのよ。

 

「ほら。呼ばれてるわよ、にこちゃん。早くラーメンとおにぎり買ってあげないと、変わりににこちゃんがあの2人に食べられちゃうかもしれないわよ?」

 

私が猫米コンビの食欲に呆れていると、いつの間にか自分の鞄から取り出したファッション雑誌を読みながら優雅に紙コップのカフェラテを飲んでいた西木野 真姫がそんなことを言ってきたわ。

 

その姿は流石は超弩級のセレブ姫。

 

こんな場末のアミュセンの紙コップのカフェラテのクセに、ムダに洗練された佇まいでちょっとやそっとじゃ真似できないようなセレブ感を醸し出してるわ…。

 

これがホンモノのセレブ……悔しいけど………どっからどーみてもセレブだわ…。

 

っと。

 

今はセレブがどうとかじゃなかったわね。

 

「いくらお腹空いてるからってヒトを食べるとか、んなわけないでしょ。ったく…アンタたち!買ってあげるけどお夕飯前なんだからあと一つずつにしなさい!ここでお腹いっぱい食べて、家に帰ってお夕飯食べれません!じゃ、せっかくお夕飯作ってくれてるお母さんに失礼でしょ!はい!わかったら返事!」

 

ほら、あれよ。

 

旦那さんが遅くに帰ってきて奥さんが“あなた、ご飯は…”って聞くと旦那さんは“あぁ。外で食べてきたらからいらないよ”って言われて奥さんが悲しい気分になるヤツ。

 

そんな感じのヤツね。

 

もっとも、将来そらと私が結婚とかしてそんなこと抜かしやがったら全力でぶん殴るけどね!

 

さてさて。

 

ラーメン狂いと米狂いの2人はちゃんと理解してくれたかしら?

 

「はーい。」

「はーい。だにゃ。」

 

うん。

 

この子たちは私の言ったことちゃんとわかってくれたみたいね。

 

えらいえらい♪

 

「よっし!それじゃお金渡すから好きなの一つ買ってきなさい。いい?一つだけだからね!」

 

「何回も言わなくてもわかってるにゃ!」

 

「一つだけ…ここは量で攻めるか質で攻めるか…むむむ!悩みます!!!」

 

「凛はもちろん量で攻めるよ!とんこつラーメン特盛りのトッピング全部のせ!」

 

「なら花陽は質で行きます!最上級魚沼産コシヒカリを厳選した有明の海苔で包んだ至高のおにぎりです!!!」

 

「かよちん!」

 

「はひ!」

 

「「突撃ぃぃぃ!!!!!!」」

 

「こら!お店のなかで走るな!!!」

 

はぁ…ほんと、子供なんだから。

 

帰ってきたらお店の中で走っちゃダメよって、ちゃんと叱ってあげなきゃ。

 

知ってる?

 

最近はスーパーとかで走り回って遊んでいても叱らない親もいるのよ?

 

酷い子なんて踵(かかと)にローラーの付いた靴をはいて、それでお店の中で駆け回って遊んでいやがるの。

 

お年寄りにぶつかっても謝りもしない。

 

ダメなことしたのにちゃんとごめんなさいしないとか、ほんとクソよね。

 

でももっとクソなのは親の方よ。

 

ダメなことはダメって教えもしない。

 

そのクセに子供に他人が注意すると、うちの子に何の用よ!ってスゴい剣幕でわめきたてる。

 

毒親って言うのかしら?

 

親も親なら子も子ね。

 

私はいつか子供できても絶対にそんなクソにはならないわ。

 

うちのママみたいに立派なママになってみせるわ!

 

「ふふふ♪矢澤先輩はなんだかお姉さん…と、言うよりもお母さんみたいですね。」

 

いやん♪

 

今の段階でもにこにーのあふれでる母性が止まらない感じ?

 

お母さんみたいだって♪

 

ふふ♪

 

これはもう将来は立派なママになるのは確定ね♪

 

「ふん!それより!アンタたちはこのあとどうすんの?」

 

まぁそれはとりあえず置いといて。

 

「どうするの?とは…?」

 

「もう帰るのか、って聞いてんの。それとも時間あるならもう一戦、いっとく?今度は私とチームを組んでとかさ。」

 

「あぁ。そういう意味ですか。そうですね…では時間はまだありますので、もう一戦、矢澤先輩も含めてみんなでバトルロイヤルに出撃しましょうか。」

 

「おっけー♪そう来なくちゃ♪」

 

さぁーて♪

 

そんじゃ帰る前にもういっちょ派手に暴れて来ますか♪♪♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星空 凛と小泉 花陽の猫米コンビが追加のラーメンとおにぎりを平らげた後で、ヨダレを垂らしながら爆睡していた高坂 穂乃果を何とか起こした私たちは、それぞれのガンプラのスキャンと出撃登録を済ませてさっそくバトルロイヤルへと出撃したわ。

 

“禍にこ”のスラスターをフルスロットルで噴かしまくって、勢いよく発進ゲートから飛び出て真っ先にメインモニターに写し出された光景は……

 

「っ!今の光ってカミナリ?!」

 

宇宙に走る稲光の閃光だったわ。

 

私はその稲光を見て、急いでサブコンソールを操作して今回のバトルフィールドの情報をサブモニターに表示させ確認したんだけど…

 

「チッ…やっぱりバトルフィールドはサンダーボルト宙域、か…。」

 

表示された情報は私の予想通り、“機動戦士ガンダム サンダーボルト”に登場した“サンダーボルト宙域”を模したバトルフィールドだったわ。

 

しかもトラップあり、ミノフスキー粒子もバリバリに散布済み。

 

オマケにあちこち残骸だらけ。

 

ミノフスキー粒子のせいでまともにレーダーの効かない場所で、これだけの残骸があるってことは隠れて奇襲し放題じゃない。

 

これはまたずいぶんと厄介なバトルフィールドを引いちゃったわね。

 

ちなみに、今回一緒に出撃した南 ことりとそらを除いたチーム“μ's”の5人の反応はというと…

 

[[うわぁ…カミナリにワナとミノ粉アリアリのサンダーボルト宙域とか今回のバトルフィールドはハズレですねー。]]

 

小泉 花陽は元々重度のガンダムファンってことだから、もちろんサンダーボルト宙域のことも知ってるみたいで、漆黒の宇宙を走り回る稲光を見ても対して驚きはしていなかったの。

 

それどころかフィールド情報を確認し終えてワナとミノ粉(ミノフスキー粒子のことね♪)があるのを知ると、心底めんどくさそうに“ハズレですねー”っていってるわ。

 

[[ぎゃーす!!!ひ、ひかったよ!ピカってしてゴロゴロしたよ!!!]]

 

サンダーボルト宙域を見てめんどくさそうに“ハズレですねー”と言ってる小泉 花陽とは対照的に、高坂 穂乃果はあちこちで発生している稲光を見てはぎゃーぎゃー騒いでいたわ。

 

ってかぎゃーすって叫ぶのは女の子的にどうなのよ?

 

もっとこう…きゃ♪とか、ピギャ♪とか、ピギィ♪とか、他にも叫び方が有るんじゃないの?

 

それをぎゃーす!って…ん?ぎゃーす?あれ?なんか最近おんなじ叫び方する人に……………?

 

[[う、宇宙に雷?!えっ?!雷って宇宙でも発生するのですか?!]]

 

ぎゃーすって叫び方について考えていると、今度は園田 海未が宇宙でカミナリの謎現象に驚きの声をあげていたわ。

 

でもサンダーボルト宙域のこのカミナリって、厳密にはカミナリじゃないのよね。

 

確かそこかしこに浮いているコロニーの残骸やデブリが帯電していて、それが放電している…だったかしら?

 

ぶっちゃけにこにー的にはカミナリでも放電でもあんまり変わんないと思うんだけどね。

 

園田 海未にはあとでにこにー様が参考資料として部室に置いてある、マンガ版のサンダーボルトを貸してあげるわね♪

 

読み終わったら次はアニメ版のサンダーボルトよ!

 

マンガ版とアニメ版!両方見てしっかり勉強しなさい!

 

[[きゃ?!もう!さっきからこのカミナリは何なのよ!バリバリゴロゴロうるさいわね!イミワカンナイ!!!]]

 

宇宙で発生しているカミナリに驚いている園田 海未のお次は、乗機の百式(素組)のすぐそばでピカッと来て、驚いて“きゃ♪”とか可愛らしく悲鳴をあげた西木野 真姫ね。

 

西木野 真姫はカミナリに驚いて思わずあげてしまった“きゃ♪”っていう可愛らしい悲鳴を誤魔化すように、キレ気味で“イミワカンナイ!!!”って叫んでるわ。

 

“イミワカンナイ!!!”って言われてもサンダーボルト宙域は四六時中あちこちでカミナリゴロゴロしてるトコなんだから仕方ないでしょ。

 

サンダーボルト宙域でカミナリゴロゴロしてなかったら、それってもうサンダーボルト宙域じゃなくてただの暗礁宙域よって話ね。

 

[[カミナリくらいベニャッガイはへっちゃらだにゃ!]]

 

“きゃ♪”って女の子らしい悲鳴をあげていた西木野 真姫のお次は、カミナリがゴロゴロしていても平気そうな顔をしていても星空 凛ね。

 

平気そうな顔って言ったけど、このアホ猫はカミナリにはまったく動じてないわね。

 

肝が据わってるのかただ単に鈍感なだけなのか…。

 

まぁこのアホ猫が肝が据わってるのか鈍感なだけなのか、どっちかは知らないけど、いちいちカミナリに驚いていられるよりはマシね。

 

「アテンション!各機!機体に初期異常は無いわね!無かったら隊列を組んでバトルフィールドの中心部分目指して進撃するわよ!!!園田 海未!普段この問題児集団を押さえてるアンタには悪いけど、このバトルフィールド“サンダーボルト宙域”を初見で指揮すんのは厳しいから、今回は私がアンタに代わって指揮をするわ!アンタは今後のためにこのバトルフィールドの特徴をしっかりと把握しときなさい!」

 

今回はサンダーボルト宙域初体験の園田 海未じゃなくて、この大銀河宇宙No.1超絶美少女スクールファイターのにこにー様が指揮官をやった方がたぶんいいわね。

 

園田 海未にはこの次にサンダーボルト宙域のバトルフィールドが当たったときのために、気楽なバトルロイヤルの内に色々と学んでもらわなきゃね。

 

そう思うと今回のバトルロイヤルでサンダーボルト宙域のバトルフィールドが当たったのは良かったかもしれないわ。

 

公式戦やガンプライブの予選とかでいきなり未経験のサンダーボルト宙域のバトルフィールドが当たったとかだったら散々なことになっていたかもだからね。

 

[[その方が無難ですね…了解しました。あぁ、それと…]]

 

「ん?ナニよ?」

 

[[戦闘中にいちいち“園田 海未”とフルネームで呼ぶのもどうかと思いますので、以降は名前で…海未と呼んでください。私も矢澤先輩…いえ、にこ先輩と呼ばせて貰います。]]

 

[[あ!にこちゃん!穂乃果も穂乃果って呼んでいーよ!でも穂乃果は穂乃果だからぜーったいにアホ乃果とかアホとか呼んじゃダメだからね!]]

 

[[それじゃ花陽も花陽でお願いしますね♪にこちゃん先輩♪]]

 

[[しょーがねーにゃ!にこちゃんには特別に凛のこと凛って呼ばせてやるにゃ!]]

 

[[ここで私だけ西木野って呼んでとか言ったら台無しよね?もちろん私も名前で呼んでちょうだい。よろしく、にこちゃん。]]

 

名前で呼んで…か。

 

どっかの拘束してから全力全開で最大火力をぶっ放すこれっぽっちもリリカルじゃない魔王系魔法少女が友達になるのは簡単♪名前で呼んで♪とか言ってたけど…その理屈だともしかして私ってもうコイツらの…………。

 

「……ともだち……か……。」

 

[[にこ先輩?何か言いましたか?上手く聞き取れなかったのですが?]]

 

「ん。何でもないわ。それじゃ行くわよ!海未!穂乃果!真姫!凛!花陽!」

 

悪くない…かもね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

ほのうみ+まきりんぱなを率いてバトルロイヤルへと出撃したにこちゃん。
次回はサンダーボルト宙域にてにこちゃんの叫び声が木霊…するかもしれません。
一応は真面目なバトル回になる予定です。

次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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