ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

ガンプライブ掲載3年目に突入しはじめの挨拶のネタが尽きそうになっているQooオレンジでございます。
挨拶のネタとか募集したら…ダメですよねー。

今回はことりさんsideの第14回目となります。
今回はことりさんが打倒にこちゃんの為のとある戦闘技法を習得する為がんばルビィしております。

それでは 第7話B「トベナイコトリ」そのじゅうよん 始まります。




















第7話B「トベナイコトリ」そのじゅうよん

「はーい♪みんな♪おはよう♪こんにちは♪こんばんは♪わ♪た♪し♪ロシアからやって来た性技と荒縄の伝道師♪音ノ木坂学院生徒会長の絢瀬 絵里よ♪前々回、余りの出番の無さに業を煮やしてオマケとして登場したエリーチカが予告した通り、今回はこのかしこいかわいいエリーチカが本編を乗っ取らせて貰うわ!!!それじゃ早速……かしこいかわいいエリーチカのSM講座!はっじまるよ~♪はい♪と、いうわけでついに始まっちゃいましたかしこいかしこいエリーチカのSM講座♪そんな第1回目の今回のテーマはズバリ!正しい荒縄の選び方よ!所詮は荒縄。されど荒縄。荒縄を笑う者は荒縄に泣く。なんてことわざもあるのよ♪そんなワケで今回は荒縄についてじっくりと調教していきたいと思います!まずは「スピリチュアルちょーーっぷ!とぉ!」ぐぇ!ばたり…………」

 

「ふぅ…危ない危ない♪まさかえりちがほんまに本編乗っ取ってSM講座なんか始めるとは夢にも思わんかったわぁ~。おぉっと♪みんな♪堪忍なぁ♪今年の夏の異常な暑さでえりちったら頭すっかりヤられても~て、ちょいおかしくなっとたみたいやねん。このポンコツはあとでしっかりと修理しとくん、とりあえずみんなは今回のことりちゃん回を見といてなぁ♪それじゃ改めて♪ガンプライブ♪第7話B「トベナイコトリ」そのじゅうよん♪はじまり♪はじまりぃ~♪」

 

「くっ…ここでエリーチカが倒れても…第二、第三のエリーチカが現れるわ…そして…そして必ず…いつの日にかエリーチカのSM講座を…「えりち!しつこい!とぉりゃぁぁぁ!」ふぎゃ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、どこからともなく現れた謎の音ノ木坂学院生徒会長さんに、ことりちゃんメイン回の今回のお話が乗っ取られそうになったような気がしたけど、これまたやっぱりどこからともなく現れた謎の音ノ木坂学院生徒会副会長さんの活躍で阻止されたっぽいので安心して前回の続きを進めたいと思いますぅ♪

 

前回、不愉快ですぅ♪って言い残してアミューズメントセンターから帰ってきちゃったことり。

 

ひとりぼっちの帰り道で、ことりは勝負することになっちゃった“無冠の女王”矢澤 にこさんをどうやって攻略しようかと考えていました。

 

アレをしてもダメ。

 

コレをしてもダメ。

 

それならあ~すれば…でもダメで。

 

ダメダメ尽くしですぅ。

 

そんな感じでうつむきながら考え事をしながら歩いていたら、曲がり角で女の人にぶつかっちゃったんですぅ。

 

そしてそのぶつかっちゃった女の人はなんとびっくり♪ちょっと前に学校の廊下で出会った謎の不審者さんだったんですぅ。

 

ことりはひょんなことから謎の不審者さん改め“神田 海空(かんだ みあ)”さんに、矢澤 にこさんとのガンプラバトルのいきさつを話しちゃったんだけど、そのお話を聞いた海空さんは、ことりに矢澤 にこさん攻略のためのとっておきを教えてあげるって言ってくれました。

 

ことりは怪しさ大爆発のその提案を、藁にもすがる思いで承諾して、海空さんに案内されるままに着いていったら…たどり着いたのは何故かおしゃれなケーキ屋さんでした。

 

そしてそこで出会ったのはオカマなパティシエさん。

 

あ♪これは完璧に騙されました♪って思いながらも、海空さんに促されるままにとりあえずはケーキ屋さんの中に入ったことりを待っていたのは…

 

「ふぇぇぇぇ?!これって!ケーキ屋さんの中にガンプラバトルシミュレーターの筐体?!えっ?!えっ?!えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

そう♪

 

ガンプラバトルシミュレーターの専用筐体でした♪

 

なんとびっくり♪

 

ケーキ屋さんの中にガンプラバトルシミュレーターの専用筐体があったんですぅ!

 

「ようこそ、ガンプラバトルとケーキのお店“サルモン”へ♪お嬢ちゃん♪」

 

「ね?ね?ケーキ屋さんにガンプラバトルシミュレーターの筐体があるなんてちょっとスゴいでしょ?」

 

「はい!スゴいですぅ!」

 

ぶっちゃけことりは海空さんにはこれっぽっちも期待してなかったから、騙されたら騙されたでストレス発散のためのイケニエになってもらお~かな?とか考えてました。

 

それなのにまさかこんなことになるなんて、ほんとびっくりですぅ♪

 

「んふふ♪おねーさんのサプライズ大成功だね♪」

 

「海空ちゃん、お嬢ちゃん。登録は済ませてあるから、出撃するならさっさとしちゃいなさい。」

 

「おっと♪ありがと、蓮凰さん!よぉーし!それじゃことりちゃん!おねーさんと一緒にバトルロイヤルに出撃だよ!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回のバトルフィールドは……」

 

ショーケースの中に飾られていた色とりどりの美味しそうなケーキさんたちにうしろ髪を引かれながら、ことりは海空さんと一緒にバトルロイヤルへと出撃しました。

 

ゲートを飛び出た先に広がっていたのは真っ暗な宇宙空間。

 

一言で宇宙って言っても、ガンプラバトルシミュレーターでは色々な宇宙空間のバトルフィールドがあります。

 

一目でわかる宇宙空間のバトルフィールドもあるけど、今回のバトルフィールドは特に特徴が見つからなくて、ことりではちょっと判断つきませんでした。

 

だからことりはサブコンソールをポチポチと操作して、マザーシステムからあらかじめ与えられている今回のバトルフィールドのフィールド情報を確認することにしました。

 

サブモニターに表示させれたフィールド情報は…

 

「宇宙世紀系のどノーマルな宇宙空間フィールドみたいですね。ワナもないしミノフスキー粒子の散布もないっぽいですぅ。」

 

ワナもミノフスキー粒子の散布もないこのスタンダードな宇宙空間系のバトルフィールドは、良くも悪くもファイターの技量が問われるバトルフィールドですぅ。

 

障害物があまり無いのは高機動タイプの機体を使っていることり的にはありがたいですぅ。

 

[[ことりちゃん。初期異常とかは大丈夫?]]

 

ことりがサブモニターに表示されているバトルフィールドの基本情報を確認していると、いつの間にかことりのウイングガンダム・リトルバードの隣に、青と白をベースに塗装されている見たことのないガンダムタイプの機体がやって来ていました。

 

右手にはライフルを、左腕にはシールドをそれぞれ装備したこの青と白のガンダムタイプの機体…背中にはデスティニーガンダムの翼に似たバックパックが取り付けられていますぅ。

 

そんな青と白のガンダムタイプは、リトルバードの隣に位置するとこちらへと通信を送ってきました。

 

ことりが送られてきた通信を開くと、案の定それは一緒に出撃した海空さんからの通信でした。

 

機体に初期異常はない?って質問にことりは…

 

「はい。問題ありません。ことりもリトルバードもいつでも行けますぅ。」

 

って答えますぅ。

 

ぶっちゃけ出撃前にちゃんと機体チェックしていれば、機体の初期異常なんてそんなことは滅多にありません。

 

“μ's”だと凛ちゃんなんかは機体チェックをサボり気味だから、たま~に初期異常が発生しちゃって慌てにゃ~にゃ~言ってますぅ。

 

[[おっけー!ちょうどこっちに6機向かってきてるみたいだから、とりあえずはウォーミングアップ代わりにサクッとヤっちゃおっか♪]]

 

ことりが頭の中でデフォルメされた凛ちゃんがにゃ~にゃ~鳴いてるところをイメージしてひそかに和んでいると、海空さんがこちらへ6機の敵機が向かって来てるって教えてくれました。

 

こんな序盤で6機で固まって向かってきてるなら、たぶん毎度お馴染みのハイ・モックさんですぅ。

 

固まったままこちらへ向かってきてるなら飛んで火にいるなんとやらですぅ♪

 

リトルバードご自慢の大型バスターライフルの餌食にしちゃいますよ♪

 

それにしても…こっちに6機向かってきてる、ですか?

 

実はことりのリトルバードの広域レーダーには、まだこちらへ向かってきてる敵機の反応はありません。

 

海空さんの使っている青と白のガンダムタイプの機体のレーダー範囲はかなり広いみたいですね。

 

って言いますか、いつまでも青と白のガンダムタイプの機体って呼ぶのもめんど~ですぅ。

 

だ♪か♪ら♪

 

「りょ~かいですぅ♪6機で固まって向かってきてるなら、ど~せ毎度お馴染みのザコいハイ・モックさんですぅ。リトルバードの射程内に入ったらバスターライフルで一網打尽にしてやりますぅ♪ところで…海空さんのそのガンダムのお名前って聞かせてもらってもい~ですか?」

 

わからないことは聞いちゃえばい~んですぅ♪

 

[[ん?この子の名前?メサイアだよ。メサイアガンダム。今回はコンクエストストライカーを付けてるから、正確にはメサイアガンダム・スカイコンクエストだね♪]]

 

メサイアガンダム・スカイコンクエスト?

 

メサイアって確か英語で…救世主…だったかな?

 

スカイは空でコンクエストは……征服者?

 

スカイコンクエストで天空の征服者って感じかな?

 

[[今回はことりちゃんにおねーさんのとっておきを教えちゃうから、おねーさんのメサイアもことりちゃんのウイングガンダム・リトルバードとおんなじ高機動タイプのストライカーパックを付けてきたんだ♪]]

 

ふむふむ。

 

ストライカーパック…ですか。

 

それならこのおねーさんのメサイアガンダムってガンダムのベースはストライク系の機体なんですね。

 

まぁふむふむとか言っちゃってますけど、ストライク系じゃなくてもストライカーパックを装備できるんだけどね~。

 

「メサイアガンダムってお名前なんですね。あは♪なんだか世界を救っちゃいそうなお名前のガンダムですぅ♪」

 

[[世界を救う?うん♪うん♪おねーさんとメサイアなら簡単…じゃなかったけど、救っちゃうよ?世界の1つや2つ♪]]

 

「それはと~っても心強いですぅ♪」

 

[[おうよ♪おねーさんにまっかせなさーい! (けどまぁ…この子とアレで…“モーメントリンカー”でみんなの力を借りて世界は救えても…大切な人たちは救えなかったんだけどね…あの人もあの子も…そして……“私”も…………) ん?ことりちゃん!前見て!ハイ・モックが見えてきたよ!]]

 

ことりと海空さんが楽しくおしゃべりしていると、海空さんの言うようにリトルバードのメインモニターにもハイ・モックさんの集団が見えて来ました。

 

「ちゅん♪こっちでも確認しました!パッと見ではレアモックさんは混じってないみたいですね。それなら……バスターライフルでみ~んなまとめて!」

 

今日はあの人の…矢澤 にこさんのせいで色々とストレス溜まっちゃってますぅ♪

 

ここは1発♪ぶっぱ~♪ぶっぱ~♪でストレス発散しちゃいますよ♪

 

「消し飛んじゃぇ!!!!!」

 

ってなワケでこっちに向かってきてる6機のハイ・モックさんたちをみんなまとめてロックオ~ン♪しちゃって、バスターライフルの発射ボタンをポチっとな♪ですぅ。

 

リトルバードが構えた大型バスターライフルからは、いつも通りに黄色のごんぶとビームが発射されて行きました。

 

まっすぐ、まっすぐに、障害物のない宇宙空間を突き進んだ黄色のごんぶとビームは…

 

「あは♪あはははは♪やっぱり無抵抗の相手に一方的にぶっぱ~♪しちゃうのはサイコ~ですぅ♪と~っても♪爽快ですぅ♪♪♪と~っても♪痛快ですぅ♪♪♪と~っても♪愉快ですぅ♪♪♪ザコいハイ・モックさん風情がことりの前に立ちふさがりやがるから惨めに消し飛ばされちゃうんですよ♪ザコはザコらしくおとなしく死に腐りやがれですぅ♪ついでにことりの処女の卒業式の邪魔をしやがるあのクソ忌々しい“無冠の女王”とかおバカな二つ名のボッチを拗らせたにっこにこに~♪とか言ってる痛くて痛くてど~しよもうないまな板ロリっ子のにこっぱちもタンスの角に小指をぶつけて悶絶して死に腐れやがれですぅ♪♪♪もういっちょオマケにですぅ♪ですぅ♪ですぅ♪♪♪」

 

こちらへと向かってきていた6機のハイ・モックさんたちをみんなまとめて消し飛ばしちゃいました♪

 

ザコいハイ・モックさんが相手ならと~ぜんの結果だね♪

 

[[わぁーお…ことりちゃんテンションたかっ…(そんでもってこわっ!タンスの角に小指をぶつけて悶絶して死に腐れとかこわっ!しかも、ですぅ♪ですぅ♪ですぅ♪ってたぶんデス♪death♪DEATH♪なんでしょ?!日本語に訳すと死ね♪死ね♪死ね♪なんでしょ?!それを超笑顔で言うなんて、ここでもあっちでもやっぱりことりちゃんが1番怖いよ!) ]]

 

<<ミア。ドン引きしてるとこ悪いけど、レーダーに新しい機影を捉えたよ。数は今度も6機。さっきと同じ様に固まってるから、これもハイ・モックっぽいね。>>

 

ことりがテンションあげあげ♪で色々と溜まっていたストレスとかうっぷんとかをぶっぱ~♪のついでに吐き出していると、開きっぱなしの海空さんとの通信画面から男の子の声がしました。

 

「ちゅん?男の子の声?もしかして…電子精霊さんですか?」

 

さっき海空さんと一緒にガンプラバトルシミュレーターの筐体に乗り込んだ時には男の子なんていませんでした。

 

と、言いますか、“サルモン”に設置されていたガンプラバトルシミュレーターの筐体は1人用だけで、複座用の筐体はなかったですぅ。

 

そこから推理すると、海空さんのコックピットから聞こえてきた男の子の声は電子精霊さんの声だと思いますぅ。

 

名探偵ことりちゃんの推理…さぁ♪正解は如何に?ですぅ♪

 

[[そ♪せーかいだよ!この子は電子精霊のジョン。アニマルタイプの高位電子精霊だよ♪]]

 

<<ハロー、コトリ。ほんとはジョンって名前じゃないけど、ほんとの名前はワケあって言えないからコトリも僕の事はジョンって呼んで。>>

 

はいは~い♪

 

名探偵ことりちゃんの名推理♪ずはり大正解ですぅ♪

 

名探偵ことりちゃんにとって名推理が大正解は当たり前のことなので、別にいいんですが、海空さんの電子精霊さん…ほんとのお名前は言えないとか海空さんとおんなじで偽名なんですね。

 

「電子精霊さんまで偽名ですか?まぁそこら辺はあんまり気にしないことにしますぅ。ジョン君♪よろしくね♪」

 

<<よろしく。それで?こっちに向かってきてる6機のハイ・モックはどうする?またコトリにバスターライフルで消し飛ばして貰う?>>

 

[[ううん。今回はことりちゃんにおねーさんのとっておきを教えようってことだったから、いつもみたいにバスターライフルをぶっぱ~して無双してたら意味ないんだよ。だから…今度のハイ・モックはおねーさんが相手をするよ!それでいーかな?ことりちゃん?]]

 

「ことりは別に構いませんけど…ことり的にはそろそろ海空さんの“とっておき”がなんなのか教えて欲しいですぅ。」

 

[[あれ?説明してなかったけ?]]

 

「されてませんよ~。」

 

[[あはは…おねーさん♪うっかり♪]]

 

「なんか少しイラっとしたので、突っ込みの変わりにバスターライフルをぶっぱ~♪してもいいですか?」

 

[[うわっ?!ちょ!ちょっとことりちゃん?!いいですか?とか言いながらこっちにバスターライフル向けてチャージ始めないでよ!!!]]

 

「チッ。ですぅ。それならふざけてないでさっさとことりに海空さんのとっておきを教えるですぅ。さもないと…」

 

[[わかったから!教えるよ!教えるからバスターライフルのチャージ止めて!ことりちゃんに教えようとしてるのって“soar(ソア)”だよ!“soar”!]]

 

“soar”?

 

それってどこかで聞いたことあるよ~な…ないよ~な…?

 

[[“soar”って言うのはね?伝説の最年少チャンピオン、“始まりの精霊使い(オリジンエレメンタラー)”鳴神 青空が得意としていた高速空間機動戦術のことなの。ソニックなんちゃらどーたらこーたらとかって英語の頭文字を取って“soarって言うらしいんだけど、そこら辺は割愛しちゃうからね?それでね?”超簡単にぶっちゃけちゃうと、“soar”って言うのは足場のない宇宙空間とか空中とかでクイックブーストを使う技術なんだ♪]]

 

「“soar”…ソラ君の得意な機動方法……。」

 

[[口であれこれ説明するよりも実際にやって見せた方が早いかな?ちょうどハイ・モックの団体さんも到着したことだしね♪そんなワケで…ジョン!サポートよろしくぅ♪]]

 

<<了解。メサイアの各部スラスターを高機動戦闘用に移行。>>

 

[[よぉーし!それじゃ……いくよ!]]

 

“soar”について簡単な説明を終えた海空さんは、今までのどこかでおどけた雰囲気から真面目な…まるで抜き身の刀のように冷たく鋭利な雰囲気を纏わせたと思ったら、気合いの声と共にことりの視界から一瞬で消えてしまいました。

 

それはあの日…ことりがソラ君と初めて一緒にバトルロイヤルに出撃した日に、ことりを助けてくれるためにソラ君がA-RISEの綺羅 ツバサさんに突撃して行った時と同じような…ううん。

 

同じじゃない。

 

あの時よりも、もっともっと速い踏み込みでした。

 

さっき海空さんの言っていた通り、足場のない空間でのクイックブースト。

 

海空さんが見せてくれたのはまさにその通りの光景でした。

 

<<シールドサーベル、展開。>>

 

[[はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!せやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!]]

 

海空さんのメサイアガンダムはそんな消えたと思うような神速の踏み込みで、一瞬でハイ・モックさんへと近づくと、左腕に取り付けてあるシールドからビーム刃を展開させて一気に振り抜きました。

 

一気に間合いを詰めての斬撃…。

 

そっか…これが…これがことりの探していた答えなんだ。

 

矢澤 にこさんを攻略するための答えなんだ。

 

[[ふぅ…久しぶりに使ったけどやっぱりタイミングとかGとか色々とキツいわー…(これを絶え間なく連続で使い続けて縦横無尽に走りまくるとか、やっぱりそら君って半端ないわー。)…ことりちゃん?どうだった?これが“soar”♪今のことりちゃんに必要な“翼”なんじゃないかな?]]

 

「ことりの…“翼”………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラ君が得意としている高速空間機動戦術“soar”

 

矢澤 にこさんを攻略するために、前提条件のクイックブーストもできないことりが無謀にもこの“soar”を習得しようと、海空さんの指導のもとでさっそく練習を始めたんだけど……

 

[[違う!違う!1番最初の踏み込みはダン!って感じで!そして次にグッて!最後にぐわぁーって!とぉりゃー!って!]]

 

うん。

 

ダン!とか、グッ!とか、ぐわぁー!とか、とぉりゃー!とか…はっきり言って海空さんの説明は抽象的過ぎてイミワカンナイですぅ。

 

「海空さんの説明はワケワカメですぅ。もう少し具体的に教えて欲しいですぅ。」

 

[[むぅ。そんなこと言われてもなぁ…。]]

 

そんなこと言われてもとか言われても困ってるのはことりですぅ。

 

はぁ…せっかく矢澤 にこさん攻略の道筋が見えてきたと思ったのに、いきなり高濃度のミノフスキー粒子がバリバリに散布されてる暗礁宙域に突撃しちゃった感じです。

 

仕方ありません。

 

役に立たない海空さんの説明は無視して、こ~なったら見よう見真似でなんとかするしかありませんね。

 

確か…さっきの海空さんは……

 

「足裏のスラスターと背中のスラスターを一気に噴射させて……こう…かな?きゃぁぁぁぁ?!」

 

ことりが海空さんの見よう見真似で足裏のスラスターと背中のスラスターを一気に最大出力で噴射させてみると、リトルバードはバランスを崩して錐揉みし始めちゃいました。

 

ことりは思わぬ錐揉み大回転に驚いて悲鳴をあげちゃいます。

 

[[あっはは♪それって宇宙ステージ初心者がスラスター噴かし過ぎて盛大にバランス崩すヤツじゃん♪え~?ナニナニ♪ことりちゃんってば宇宙ステージ初心者さんかな♪あははは♪♪♪]]

 

海空さんは悲鳴をあげながら錐揉み大回転中のことりを見ながら、リトルバードを指差して爆笑してやがります。

 

イラっと来ますね。

 

か~な~り、イラっと来ますね。

 

バトルロイヤルが終わったらヤっちゃいましょ~か?

 

っと、今はそれどころじゃありません!

 

早く機体を安定させないと!

 

「っ!こ、これで…ふぅ…なんとか止まってくれました…ぐぬぬぬぬぬ!おのれ海空さん!笑いましたね!ことりのこと笑いましたね!!!」

 

[[あはは♪ごめん♪ごめん♪だって私のこと笑ってたあのことりちゃんがバランス崩して大回転なんてしちゃうんだもん♪]]

 

人が真剣に頑張ってるのを笑いやがるなんて、やっぱりこの人は用がすんだらぬっ殺しましょう。

 

それとも裸にして縛って“ご自由にお使いください♪”って看板と一緒にそこら辺の公園にでも放置してヤりましょうか?

 

ぬっ殺すコースにしても、裸にして縛って“ご自由にお使いください♪”コースでも、どちらでもことりを笑いやがったことを徹底的に後悔させてヤりますぅ。

 

ことりをナメんな!ですぅ。

 

そもそもことりが大回転しちゃったのは海空さんがまともに“soar”の使い方を教えてくれないからですぅ!

 

ここは厳重に抗議しなきゃいけません!

 

えぇ!いけませんとも!

 

Let's抗議ですぅ!

 

「むぅ!むぅ!むぅ!ことりが宇宙ステージ初心者さんがヤっちゃうよ~な大回転しちゃったのは、海空さんがてきと~なことしか教えてくれないから自分なりに一生懸命にやってみた結果なんです!しかも私のこと笑ってたあのことりってどのことりですか!ことり!海空さんのこと笑ったことなんてありません!ひどい言いがかりですぅ!」

 

[[おっと…(危ない危ない…みんなと絡むとついつい失言がポロっと出ちゃうんだよねぇ…にこちゃんの時もそれでしくじったのに…この先もし妙に鋭い希ちゃんと接触したら、今みたいな失言一つで簡単に“私”の正体がバレちゃうかもしれないよね…。正体がバレても困りはしないけど、“あの日”までは“私”っていう不確定要素はできるだけ省かないと……うん。ホント気を付けないとね……)…細かいことは気にしない♪気にしない♪それよりも、今のはダメなパターンだよ?足裏のスラスターは噴かし過ぎだし、そもそも“soar”の準備段階?1歩目?は、背中のスラスターは使わないんだよ。]]

 

ことりの抗議を受けた海空さんは少し考える素振りを見せたと思ったら、気にしない♪気にしない♪とか言い出して急にナニかを誤魔化そうとしました。

 

ナニを誤魔化そうとしたんだろ?

 

ことりのことを笑ったこと?

 

それとも…“あのことり”って一言?

 

………まぁどっちでもいいですぅ。

 

気にはなりますが、今はそれどろこじゃありませんから。

 

今は…ことりとソラ君のめくるめく素敵な初体験を成し遂げる邪魔をしやがっている矢澤 にこさんをけちょんけちょんにするために、一刻も早く”soar”を習得しなきゃです!

 

今のことりの失敗…足裏のスラスターが噴かし過ぎなのはなんとなくわかってましたけど、さっき海空さんは“最初は背中のスラスターは使わない”って言いましたよね?

 

それってど~ゆ~意味なんだろ?

 

“soar”の前提条件のクイックブーストって、足裏のスラスターと背中のスラスターを踏み込みと同時に短いタイミングで連続して最大噴射するんだよね?

 

それなのに“soar”だと背中のスラスターは使わないで、最初は足裏のスラスターだけ噴射?

 

むぅ。

 

解せません。

 

説明が下手くそな海空さんに聞いてもまともな答えが返ってくるかちょっと不安だけど、今は頼れるのはこの怪しさ大爆発継続中の海空さんしかいません。

 

ここはダメ元で一応は聞いてみるしかありませんね。

 

「“soar”では最初は背中のスラスターは使わないんですか?」

 

と、いうわけで、ことりはさっそく海空さんに聞いてみることにしました。

 

ことりの質問に海空さんは…

 

[[うん。使わないよ。背中のスラスター…ってか足裏のスラスター以外の出番は第2段階からなんだ。]]

 

って答えやがりました。

 

足裏のスラスター以外は使わない?

 

ってか第2段階?!

 

第2段階ってなんですか?!

 

なんじゃそりゃ?!ですぅ!

 

「だ、第2段階?!ナニソレ?!ことり!第2段階とか聞いてませんよ!!!」

 

ことりがそんなことは聞いてません!って問い詰めると、海空さんは…

 

[[そだねー。だってまだ言ってなかったし。]]

 

って某カーリング女子チームの人たちみたいな返事をしやがりました。

 

あは♪

 

あははは♪♪♪

 

も~ね。

 

この人はなんなんでしょ~か?

 

ふざけてるんですよね?

 

ことりをからかって遊んでるんですよね?

 

珍しく真面目に頑張ってることりを面白おかしく楽しんで遊んでるんですよね?

 

うん。

 

ことり、またまたイラっときちゃいました。

 

コロッとするのは止めようかと思ってましたが、反省の色が見られないからやっぱり止めるの止めようかな?

 

「そだね~。じゃありません!言ってなかったし。でもありません!あんまりふざけてるといい加減にやさし~やさし~ことりちゃんでもイラっと来て思わず殺しちゃいますよ?ってかもうイラっと来たので確定で殺しますよ?殺しますからとりあえずはガンプラバトルシミュレーターから降りてください♪」

 

[[うぇぇぇぇぇ?!ちょ!ちょっと待ってよ!だっておねーさんが説明する前に勝手にスラスター全開で大回転しちゃったのはことりちゃんだよ!そりゃ説明してなかったおねーさんも悪いけど、ソレだけで確定で殺しますよ?はひどいよー!ちゃんと教えるからホント勘弁してよねー!]]

 

チッ。ですぅ。

 

確かに説明される前にスラスター全開で大回転しちゃったのはことりの落ち度ですぅ。

 

落ち度だけど…なんだ釈然しません!

 

[[勝ちたいんでしょ?にこちゃんに?ならもう少しだけおねーさんに付き合ってみなって♪絶対に損はさせないからさ♪ね?ことりちゃん♪]]

 

勝ちたいんでしょ?

 

当たり前ですぅ。

 

勝たなきゃ…勝って物語を先に進めなきゃ、ことりは処女を卒業できないんですよ!

 

それに…処女を卒業とか抜きにしても………ことりはあの人に…矢澤 にこさんに勝ちたいです!

 

売り言葉に買い言葉でなし崩し的に勝負することになっちゃったけど、ことりだって“いらない”って言われて傷付いてるんです!

 

じみ~に頭にキてるんです!

 

だから勝って“いらない”って言葉を撤回させてやるんですぅ!

 

“無冠の女王(ノー・クラウン)”に“トベナイコトリ”の意地を見せてやりますぅ!!!

 

だから…

 

「ふん!ですぅ!今回だけは特別に見逃してやりますぅ!」

 

勝つため…ことりは貴女を利用させて貰いますぅ!

 

さぁ!ことりちゃんの戦いはこれからですぅ!

 

って、この言い方だとなんだか打ち切りになっちゃったマンガの最終回みたいですぅ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回ことりさんが打倒にこちゃんの為に習得を目指しているsoar。
本来ならば主人公のソラの切り札の1枚として登場する予定でしたが、本家(?)のソラが使用するよりも先に謎のお姉さんの海空さんが気づけば使用してしまいました…。
久し振りのどうしてこうなった…。
そんなどんどんと出番を奪われていく主人公のソラの本領は、絵里さんの加入回からとなります。
ソラの本来のガンプラ…ザク・リヴァイブ。
絵里さん加入回ではソラのザク・リヴァイブと絵里さんのトールギス・ヴァルキュリアが互いの意地を賭けてで真っ正面から激突いたします。
そんなザク・リヴァイブとトールギス・ヴァルキュリアの実際(?)のガンプラ画像が活動報告の方に掲載させていただいております。
どの様な機体か気になる方がおられしたら覗いてみてくださいませ。

次回はサンダーボルト宙域を舞台に、にこちゃんとほのうみ&まきりんぱなの六人が恐らくは真面目にバトルをする予定です。
今回のお相手はカラフルなあの量産機部隊と、黒い袖付き仕様のあの機体…。


次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。





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