ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
LINEの既読スルーに怯えているQooオレンジでございます。
既読が付かないのも怖いです。
今回はにこちゃんsideの15回目となります。
サンダーボルト宙域を舞台に始まったにこちゃんwithほのうみ&まきりんぱな のバトルロイヤル。
今回の彼女たちのお相手は…。
それでは 第7話A「無冠の女王」そのじゅうご 始まります。
フィールドのあちこちで稲光が走り回るサンダーボルト宙域を舞台に始まった本日2回目のバトルロイヤル。
サンダーボルト宙域は初体験の海未に変わって、今回はこの私“無冠の女王”矢澤 にこにー様が指揮をとることになったの。
まぁ今回のバトルフィールド“サンダーボルト宙域”が初体験なのって何も海未だけじゃないんだけどね。
ほら?何せこの子たちは半数以上がついこの前までガンプラバトルのガの字も知らなかった素人集団なのよ。
だからこの厄介極まりないサンダーボルト宙域について私が色々と教えてあげなきゃね。
そんなわけで私の指揮の元、まずはバトルフィールドの中央を目指して隊列を組んで移動を開始したわ。
最前列には驚異の防御性能を誇る凛のベニャッガイ。
その少し後ろに花陽のジム・カーバンクル。
真ん中には私のガンダムアストレイ・ダークフレーム禍にこと、海未のジム・スナイパーⅡ。
最後尾は穂乃果のエール・ストライクガンダムと真姫の百式って隊列よ。
普段は前衛の穂乃果と真姫が後衛で最後尾ってのが不思議だと思ったかしら?
一応、この隊列にはちゃんとした理由があるのよ。
まずは防御特化の凛とベニャッガイが最前列ってのはわかるわよね?
防御特化の機体が前に出て壁になんなきゃ意味ないもんね。
その次の花陽とジム・カーバンクルなんだけど…花陽には4体分の電子精霊の“目”がついてるから、レーダーがほとんど効かなくて有視界戦闘がメインになるこのサンダーボルト宙域では前に出て周辺警戒をしてもらっているのよ。
花陽は電子精霊の分、監視の目も多くなるって寸法ね。
あとは花陽の乗機のジム・カーバンクルも、凛のベニャッガイに次いで高い防御力を持っているってのもポイントかしら?
最悪の場合は、花陽には凛と2人で敵を引き付ける壁になってもらうつもりよ。
そして中衛の私と海未。
今回の指揮を執る私は、隊列を組んだチームの全体を把握しなきゃいけないからこの位置ね。
海未は近接戦闘も遠距離戦闘もどちらも問題なくこなせるから、前衛・中衛・後衛と、どのポジションでもいいんだけど、今回はとりあえずは私の側で他人の指揮がどんなもんなのかってを見てもらおうかな?って思って、中衛のこの配置してみたの。
て、最後は普段は前衛に出ている突撃アホ娘の穂乃果と、そんな穂乃果に振り舞わされながらもしっかりと付き合ってやっている真姫の初心者素組コンビ。
いつもは前衛のこの2人には、今回はあえて後衛に入ってもらったわ。
穂乃果の突撃癖を後衛に配置することで少しは矯正しようって思惑もあるんだけど、1番の理由はこの2人の使っている機体が素組のガンプラってことね。
レーダーも視界も効いて、奇襲の確率が少ない見晴らしのいいバトルフィールドならいつもみたいに前衛に出てもらってもいいんだけど、今回のバトルフィールドは見渡す限りコロニーやら戦艦やらの残骸だらけで視界も悪けりゃミノ粉の濃度が濃すぎてレーダーも効かない。
オマケにカミナリがゴロゴロ。
こんな奇襲にはうってつけのサンダーボルト宙域で装甲の薄い素組2人を前衛に出していたら、いきなりの奇襲からの事故死が怖いじゃい。
ただでさえこのサンダーボルト宙域のバトルフィールドには長射程高威力のクソ厄介な“アレ”が配備されてあるってんだから…。
そんなワケで穂乃果と真姫の2人には、接敵して戦闘が始まるまでは後衛に居てもらうことにしたの。
後ろからの奇襲…ってのも考えられなくはないけど、バカ正直に前衛で的にされるよりはマシでしょ?
こんな感じで私たちは隊列を組んで周辺を警戒しながら、カミナリがあちこちでゴロゴロとしているサンダーボルト宙域を進んで行ったわ。
しばらく進むと、前衛に出ている花陽が私たちの進路上で戦闘の光が見えるって報告してくれたの。
うん。
やっぱり電子精霊って“目”が4つもオマケに付いてきている花陽を監視の目的で前衛に出したのは正解ね。
それでね?
その戦闘光をモニターの最大望遠で確認したら、5機の色とりどりのバザームが、毎度お馴染み雑魚いハイ・モックを相手にバトっていたのよ。
赤いバザームに青いバザーム。
緑のバザームに黄色のバザームにピンクのバザーム。
まるでニ○アサの○○レンジャーみたいな戦隊モノの配色をしたこの5機のバザームたちは、確か去年のガンプライブ秋葉原地区予選にも出場していた都立馬寒高校のチーム“バザーム友の会”のバザームレンジャーね。
最大望遠で見る限りは今日は仮面バザーム1号に2号、そして仮面バザームV3とかはいないみたい。
バザームレンジャーの5機だけね。
コイツらはランクとしては高くもないし低くもない。
今のこの子たちが相手をするにはちょうどいいくらいかしら?
んっふふ♪これはもう乱入するしかないっしょ♪
そうと決めたら早速行動!
私はみんなに5機のバザーム“バザームレンジャー”とハイ・モックの戦闘に乱入して、一網打尽にヤっちまうぜ!って伝え、凛のベニャッガイを先頭に戦闘宙域へと向かうことにしたわ。
禍にこが装備している、ランサーダートを改良して作った長射程を誇る6連装電磁射出式超高速貫通弾“御雷槌(ミカヅチ)”で、遠距離から一方的にぶち抜いてヤってもいいけど、それじゃ素人集団のこの子たちの訓練にはならないから却下よ!却下!
私は今回はあまり前に出ないでみんなのフォロー!
そう考えながら、私たちは足並みを揃えてバザームレンジャーとハイ・モックが戦闘を繰り広げている宙域へと近付いて行ったわ。
やがてバザームレンジャーの色とりどりの姿がハッキリと見える位置までやって来ると…
「待たせたわね!穂乃果!真姫!出番よ!」
後衛におとなしく位置していた突撃アホ娘の穂乃果と、聞き分けはいいけど味方がヤられるとすぐにキレる真姫に出番よ!って通信を送ったわ。
さぁーて♪
お楽しみの戦闘開始よ!!!
「アンタたちはお互いの死角をカバーし合いながら前衛に出なさい!!!花陽は前衛を穂乃果と真姫にスイッチしたら中衛ポジションまで後退!凛!アンタはそのまま最前列でハイ・モックを引き付けておきなさい!!!アンタが前衛の連携の要(カナメ)よ!気合い入れて防ぎなさい!!!」
穂乃果と真姫に出番を告げた私は、矢継ぎ早に他のメンバーへも指示を出すわ。
前衛に出ている花陽には、穂乃果と真姫と入れ替わって後退しろって伝え、凛にはそのまま前衛で邪魔なハイ・モックを引き付けろって。
[[おっけー!にこちゃん!穂乃果におまかせぇー♪♪♪真姫ちゃん!いくよ!]]
[[了解!穂乃果先輩!遅れるんじゃないわよ!!!]]
[[ふへぇー!ようやく下がれます…あ♪凛ちゃんは引き続き前衛で壁役がんばってね♪]]
[[おうにゃ!にこちゃんの言ってるカナメってにゃんのことか凛的にはわかんにゃーけど!とにかく凛にまるっとおまかせにゃ!!!]]
私の指示を受けた穂乃果たちは、それぞれそんなことを言いながら隊列を組み直し戦闘行動を始めたわ。
穂乃果と真姫の2人はそれぞれの機体…ストライクと百式のスラスターを噴かして機体を一気に加速させると、そのまま加速に乗って前衛へと躍り出て、それと同時に花陽のジム・カーバンクルはシールドを構えながら私と海未の位置している中衛へと後退し始めたわ。
花陽は慣れない前衛でずいぶんと緊張していたみたいで、機体を後退させながらふへぇーってなんか変なため息?をついてリラックスし始めていたわ。
戦闘開始早々にリラックスって…アホか!
ここはビシッと注意してやらなきゃ!
「花陽!一息ついてる暇があるならさっさと下がりなさい!アンタは下がったら海未の護衛と周辺の警戒よ!まぁ海未に護衛は必要はないとは思うけどね。とにかくぐずぐずしない!しゃきしゃき動く!!!」
[[は、はひ!すぐに後退します!!!]]
ったく。
さて、次は海未への指示ね。
普段は指揮を執っている海未なら特に指示を出さなくても、自分でやるべきことを判断して勝手に行動してくれそうだけどね。
でも、穂乃果たちにだけ指示を出して海未には指示を出さないとか、なんか仲間外れにしたみたいで私がイヤだからちゃんと指示は出すわよ?
「それでいいのよ!戦場は刻一刻と変わってくモノなの!何事も素早く行動することを心がけなさい!海未!花陽が護衛についたらアンタも周辺警戒からオフェンスに加わりなさい!花陽がキッチリと護ってくれるでしょうから、周りを気にしないで片っ端から狙い撃ちなさい!」
海未への指示は花陽が護衛についたら攻めに転じなさいって内容ね。
この子の狙撃は一級品だから、穂乃果と真姫が引っ掻き回した敵機を片っ端から狙い撃ってもらうわ!
[[了解しました!では花陽が後退したようなので早速…スコープモード起動!ターゲット……ロック!一射一倒!墜ちなさい!!!]]
私の指示を受け取った海未は花陽が後退したのを確認すると、ジム・スナイパーⅡのバイザースコープをガシャっと下げて、狙撃戦用のスコープモードを起動させ無防備に背中を見せていたハイ・モックへ向けてスナイパーライフルの一撃をお見舞いしてやったわ!
気合いの入った海未の声と共に撃ち出されたビームの閃光は、こちらへ背中を見せていたハイ・モックの胴体部分に命中。
後ろからスナイパーライフルのビームで胴体を貫かれたハイ・モックは、一瞬の間を置いて機体を盛大に爆発させ、宇宙空間に四散して行ったわ。
「ほんと、いい腕してるわ。」
<マスター。3時方向にスラスター光をひとつ確認しました。どうやら新手がこちらへと向かって来ているようです。>
海未の射撃の腕に舌を巻いていると、そらが私のためにってプレゼントしてくれた特別なサポートAIのウズメが、新手の敵機がこちらへと向かってきているって報告してくれたわ。
えーっと、3時方向…3時方向……
「3時方向は……」
あっちね。
私はウズメが報告てくれた3時方向へと顔を向けてみると、そこには確かにこちらへと真っ直ぐ向かってきているスラスターの光が確認できたわ。
<こちらが最大望遠で捉えた画像となります。>
すかさずにウズメが最大望遠での画像を私が見ているメインモニターの端に表示してくれたの。
「ん。あんがと。どれどれ……」
そこに写し出されていたの1機の黒いサザビー。
やや照りのある塗装がされた機体の腕や胸部装甲には、まるで何かの紋様のようなモノが施されたいたわ。
このサザビー…いわゆる“袖付き”仕様に改装さたサザビーってことね。
へぇ…結構いい仕事してんじゃない。
[[にこちゃん先輩!見てください!袖付きのサザビーですよ!袖付きのサザビー!]]
「見りゃわかるよ!」
[[もしサザビーが袖付きに回収されていたらあんな感じに改装されてたかもしれないですね!]]
淡々と狙撃を繰り返して片っ端からハイ・モックを墜としている海未の護衛に付いた花陽が、黒いサザビーを見て妙にテンション上げて騒いでるけど…袖付きに回収されたら塗装は黒じゃなくて赤なんじゃないの?
たぶんシャアの再来とか言われているフル・フロンタルが、プロパガンダの意味も込めて乗るんでしょうから。
まぁここでそんな“if(もしも)”を考えても仕方ないわね。
シャアは第二次ネオ・ジオン抗争で行方不明になって、サザビーの行方もよくわかってないんだし。
そんなことよりも今は…
「気に入ったんならアンタも後で袖付きサザビーを作んなさい!海未!狙撃中に悪いけど新手が来たわ!私が迎撃に行ってくるから戻るまでこの場の指揮は任せるわよ!」
新手の敵機の迎撃よ!
私は海未に新手の敵機の出現と、その敵機の迎撃に向かうってこと、そして私が迎撃に行ってる間は一時的に指揮を海未に預けることを通信で伝えたわ。
ほんとはこの厄介なバトルフィールドでの指揮を、一時的にとはいえ初見の海未に任せるのはあんまり得策じゃないんだけど、ファンネルを積んだ機体が戦闘宙域に入ってきて、オールレンジ攻撃で場を引っ掻き回されるよりはマシよ。
せっかく強襲してこの戦闘宙域のイニシアチブを握ったんだもん。
そうそう簡単には場の優位を渡したりしてやるもんですかってのよ!
[[了解しました。にこ先輩の実力ならば心配はいらないかと思いますが、一応はお気をつけて。]]
「あんがと!んじゃちょーっと行ってくるからあとはお願いね!花陽!アンタもサボってないで、海未の護衛をしながら全体のサポートすんのよ!」
[[はひ!]]
「よっし!いいお返事!それじゃ…行くわよ!禍にこ!!!」
時折サンダーボルト宙域特有のカミカリのせいで明るくなるけど、基本的には真っ暗な宇宙空間を、スラスター光を輝かせながら真っ直ぐにこちらへと向かってくる袖付き仕様の黒いサザビー。
バーザムレンジャーやハイ・モックの相手を海未たちに任せて、その黒い袖付きサザビーの迎撃に出向いた私に対して、あちらさんは射程内に入るや否や腹部の拡散メガ粒子砲をぶっ放して歓迎してくれたわ。
広範囲を覆うように派手に散らばる黄色のビームを、禍にこのスラスターをやや強めに噴かすことで大きく迂回するように回避し終えると、黒い袖付きサザビーは今度は背中のバックパックから無数のファンネルを射出させてこちらへと向かわせてきたの。
ふん!
上等よ!!!
そっちがその気ならこっちだってヤってやろーじゃないの!!!
ファンネルにはファンネルよ!!!
「ウズメ!!!」
ファンネルにはファンネル。
そう思い立った私はさっそく相棒のサポートAI“ウズメ”にファンネルを…厳密にはファンネルじゃなくて禍にこに搭載されている球状の多目的オールレンジ兵装“ヤサカニノマガタマ”の射出を命じたわ。
命じたって言っても私はウズメの名前を呼んだだけなんだけどね。
でもウズメは私の意を汲んでくれて、すぐに背中に背負ってあるトリニティストライカーから“ヤサカニノマガタマ”を射出してくれたわ。
<了解しました。“ヤサカニノマガタマ”、全基射出します。>
禍にこの周囲に展開された合計6つの多目的オールレンジ兵装“ヤサカニノマガタマ”。
私は展開が完了した“ヤサカニノマガタマ”を、禍にこに迫りくる無数のファンネルの群れへと…
「逝きなさい!!!“ヤサカニノマガタマ”!!!!!」
迎撃に向かわせたの。
<オフェンシブシフト起動。攻撃を開始します。>
勢いよく駆け出した“ヤサカニノマガタマ”は、次々にビームを撃ち出して黒い袖付きサザビーの放ったファンネルを撃ち落として行ったわ。
もちろん黒い袖付きサザビーのファンネルだって、“ヤサカニノマガタマ”を迎撃するために無数のビームを放って来てるけど、ぶっちゃけ私がそらの手を借りて作り上げた“ヤサカニノマガタマ”とただのファンネルなんかじゃオールレンジ兵装としての完成度が違いすぎるから、いくらビームを撃ち出して来てもまともに当たりはしないってのよ!
それに、例え当たったとしても、着弾の瞬間に瞬時にエネルギーフィールドを展開させて防いじゃうしね♪
「っしゃあ!ファンネルは“ヤサカニノマガタマ”に任せて!私たちは本体を潰すわよ!!!」
<了解しました。各部スラスター出力上昇。ビームライフル、スタンバイ。>
ファンネルの迎撃を“ヤサカニノマガタマ”に任せた私は、機体各部のスラスターを噴かして黒い袖付きサザビーに向かって加速を始めたわ。
機体が加速することで身体に襲いかかってくるGを歯を食いしばって耐えながら、ウズメがスタンバイしてくれたトリケロス改Ⅱに内蔵されているビームライフルを黒い袖付きサザビーへ向けて…
「まずは牽制!!!」
向かい合っての射撃戦闘のセオリー通りに、牽制射撃として3発のビームを放ったわ。
トリケロス改Ⅱに内蔵されているビームライフルの銃口から立て続けに発射された蛍光グリーンに似た色合いのビームは、真っ直ぐに黒い袖付きサザビーへと向かって行ったけど、所詮は牽制目的で撃ち出した狙いも半端な射撃なんかじゃ当然のごとく当たるはずもなく、黒い袖付きサザビーが軽く機体を横へと移動させることで避けられちゃったの。
でも避けられるの最初から折り込み済み♪
だって牽制射撃だもんね♪
避けてもらわなきゃ意味ないし♪
「次はそこ!!!」
私は初擊の三連斉射を避けた黒い袖付きサザビーに向けて、今度は射撃の感覚をややあけて再度ビームライフルを3発放つわ。
1発。
2発。
3発。
と。
黒い袖付きサザビーはこの3発のビームも軽やかな動きで回避してみせたわ。
そしてお返しとばかりに手にしたビームショットライフルでダッ!ダッ!ダッ!ダッ!って禍にこへ4発連続でぶっ放して来たのよ。
私はというと、黒い袖付きサザビーがこちらへとビームショットライフルを向けた瞬間に、すでに機体各部の姿勢制御スラスターを稼働させて回避行動へと入っていたわ。
こちらへと向かってくる4発のビームをあっさりと避けきってみせると、黒い袖付きサザビーは今度は私の禍にこの回避先に向けて、腹部の拡散メガ粒子砲を発射してきたわ。
拡散タイプの攻撃って広範囲に広がるから避けるのがめんどうなのよね。
シャワーのように降り注ぐ(宇宙で降り注ぐって表現もなんか変ね)拡散メガ粒子砲のビームを見ながら、そんなことを考えた私は、一瞬だけ避けるのもめんどうたがらビームを吸収するアブソーブシステムを内蔵した左腕のシールド“マフツノヤタカガミ”で美味しいく吸収してやろうかしら?って思ったんだけど…
「拡散タイプのメガ粒子砲なんて吸収したところでたかがしれてるわよね!」
ってことで回避することにしたのよ。
接敵した直後のようにスラスターを噴かして大きく迂回するような回避運動で拡散メガ粒子砲を再び避けた私は、もう一度トリケロス改Ⅱ内蔵のビームライフルを黒い袖付きサザビーに向けて3発立て続けに発射したの。
黒い袖付きサザビーはさっきの射撃と同じように、スラスター光を輝かせながら軽やかな動きで3発のビームを避けてようとしていわ。
うふふ♪そうそう♪
いい子ね♪
そのままちゃーんと、避けきってみせなさい♪
「リズムに乗って三拍子♪いち♪に♪さん♪そこ!!!」
私は黒い袖付きサザビーが3発目のビームを避けきって、こちらへとビームショットライフルを構えようとした瞬間を狙い透かして、もう1発ビームをぶちこんでやったわ。
黒い袖付きサザビーはこの4発目のビームも見事に避けてみせてくれたわ♪
でもね?
私の目的は最初の牽制射撃から一貫して、黒い袖付きサザビーに攻撃を回避されることなのよ♪
だってほら♪
周りをよぉーく、見てみなさいな♪
黒い袖付きサザビー…アンタが避けた先は大きなコロニーの残骸だらけのポイントよ♪
残骸だらけで狭苦しいそこじゃ、さっきまでのように軽やかな回避運動なんてできっこないでしょ♪
ざぁーんねん♪
結構いい腕してる割には、私に注意が向きすぎて周りが見えてなかったわね!
それとも…いい腕をしてるからこそ、私の力量を感じ取ってこっちの一挙一動に注意していたのかしら?
ま、どっちでもいいわ。
さてさて♪
迂遠な誘導は終わりよ♪
トドメ…サクッと刺しちゃおっかな♪
「ふふん♪だ!アンタみたいなデカブツには、残骸だらけの“そこ”でさっきみたいな回避運動なんて無理なのよ!おとなしくヤられちゃいなさい!」
黒い袖付きサザビーは背中にコロニーの残骸が当たったことで、ようやく自分が動きづらいポイントへと誘導されたことに気づいたみたいね。
サザビーは宇宙世紀系の機体の中でもそれなりに大型のMSよ。
私がビームライフルの射撃で誘導してやった残骸まみれのそのポイントじゃ、サザビークラスの機体はさぞ動きづらいでしょうね♪
「それなりには楽しめたわよ♪じゃあね♪黒い袖付きサザビー♪」
黒い袖付きサザビーは悪あがきのつもりか、こちらへとビームショットライフルを向けてきたけど、その銃口からビームが発射される前に…
「ばっきゅーん♪なーんてね♪」
禍にこのトリケロス改Ⅱ内蔵したビームライフルから撃ち出された蛍光グリーンのビームが、黒い袖付きサザビーの頭をぶち抜いてやったわ。
「ばいばい。名前も知らないゆきずりのファイターさん。またどこかの戦場で遊びましょ♪」
んっふふ♪
やっぱりにこにー様ったら最強で無敵よね♪
さっすがにこにー様♪
やっぱりにこにー様♪
とぉーってもにこにー様♪
素晴らしくにこにー様♪
そう!にこにー様はこの私!
大銀河宇宙No.1超絶美少女スクールファイターの矢澤 にこさまよぉぉぉぉ♪♪♪
あ♪そうそう♪
なんで私が黒い袖付きサザビーの頭をぶち抜いたかはもちろんみんなわかるわよね?
でもほら?ラブライバーオンリーでガンダム?そんなもん知らんわ!ボケェェェ!!!な人は知らないかもしれないから、心優しいにこにー様が一応説明してとくわね?
ガンダムファンのみんなは知っての通り、普通は胴体にあるコックピットがサザビーの場合は頭にあるのよ。
だから頭を…コックピットをぶち抜いた♪ってことね♪
どう?わかってくれた?
わかってくれたらお返事よろしくぅ♪
さん♪はい♪
……………ゴルゥラァァァァァァァ!!!声が小さぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!
もう1度!!!
さん!はい!!!
……………はい♪
よくできました♪
いい子のみんなにはとっておきのはなまるにこにーあげちゃうわ♪♪♪
と、あっちでは戦闘の光が見えてるってことは、“μ's”の子たちはまだバーザムレンジャーとオマケのハイ・モックと戦ってるってことね。
さっき戦って確認したあの子たちのレベルなら、バーザムレンジャーくらいは問題ないとは思うけど、それでもこんなとこで遊んでないで早く戻ってあげなきゃ。
だって、もう私もあの子たちの“仲間”、なんだからさ♪
待ってなさいよ!
今すぐにこにー様が助けに言ってあげるから!!!
超銀河宇宙No.1に悶絶心優しいにこにー様は、黒い袖付きサザビーを撃墜した余韻に浸る間もなく、今すぐにこにー様が助けに言ってあげるんだから♪とか意気込んで戻って見たんだけど…うん。
なーんか私の手助けは必要ないっぽいわね。
みんなが戦っている宙域へと戻ってきた私が見たのは、大量のハイ・モックの残骸と穂乃果たちに押されまくってるバーザムレンジャーの姿だったのよ。
みんなそれぞれ頑張って戦っていたみたいなんだけど、特に目を引く動きを見せていたのはアホでお馴染みの穂乃果。
ナニが目を引いたかって言うとね?
穂乃果のストライクは緑のバーザムとピンクのバーザムの2機を同時に相手していたのよ。
ピンクと緑のバーザムレンジャーはうまく連携しながら穂乃果のストライクを攻め立てていたんだけど、あのアホ娘はそのことごとくをかるーく避けまくっていたの。
攻撃を避けまくる穂乃果にらちがあかないと思ったのね。
緑のバーザムレンジャーが少し距離を取った瞬間に、ピンクのバーザムレンジャーがビームライフルを放り投げて、代わりにビームサーベルを引き抜いて突撃していったのよ。
これを見た穂乃果は同じくビームライフルを手放して、背中に背負ってあるエールストライカーからビームサーベルを引き抜くと、すばやくビーム刃を展開させてピンクのバーザムレンジャーの一撃を受け止めたの。
あ♪
初期のSEED系のビームサーベルでつばぜり合いとかできねぇーよ!とかは言わないでね?
これはあくまでもガンプラバトルシミュレーター♪
“魅せる”演出のためにSEED系のビームサーベルでもつばぜり合いができるようになってんの♪
だから細かいことは気にしないでね♪
にこにーからのぉ♪お♪ね♪が♪い♪うふっ♪
さて。
にこにーのお願いは終わったから、さっきの続き行くわよ?
ビームサーベルでつばぜり合いを始めた穂乃果のストライクとピンクのバーザムレンジャー。
そんな穂乃果のストライクの後ろに回り込むように、さっき後退した緑のバーザムレンジャーが移動を始めたの。
穂乃果もその動きには気づいていたっぽいんだけど、ピンクのバーザムレンジャーとのつばぜり合いが忙しくて対応できなそうなのよね。
そんなヤベェぜ!動けねぇ!な穂乃果を狙って、ストライクの真後ろへと近づこうとしてい緑のバーザムレンジャーなんだけど…
[[そこの緑色!戦場でスナイパー相手に背中を見せるだなんていい度胸です!!!ならば!お望み通りに真後ろからぶち抜かせていただきます!!!]]
って感じで、獲物を求めていた海未に後ろ姿を晒しちゃったのよ。
バカよねー。
もちろん後ろ姿を晒してるバカなヤツを相手に、海未が狙撃を外すワケもなく、まぬけな緑のバーザムレンジャーは背中からコックピットをぶち抜かれて爆発四散♪
ここからはもう転がる石のように戦闘は一気に“μ's”へと傾いて行ったわ。
[[ヤるなら今です!!!しーちゃん!のーちゃん!突撃しますよ!!!]]
<<すらすたーましましー。>>
<<しーるどかまえーの。>>
[[いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!]]
まずは海未を狙っていた青いバーザムレンジャーと戦っていた花陽が動いたわ。
ジム・カーバンクルのバックアップから伸びるサブアームに持たせてある2枚のシールドを機体前面に構えて、スラスターを全開に噴かして突撃からの体当たりをぶちかましたのよ。
青いバーザムレンジャーは2枚のシールドを構えて突撃してくる花陽のジム・カーバンクルに向けてビームライフルを乱射したんだけど、ベニャッガイ並の強度を誇るジム・カーバンクルのシールドの前では豆鉄砲みたいなもんで、まったくダメージを与えられなかったの。
で、体当たりをぶちかました花陽はシールドを振り払って青いバーザムレンジャーを吹き飛ばして…
<<びーむきゃのんせっとー。しょーじゅんよーし。みはらしよーし。おひがらよーし。>>
[[さーちゃん!ナイスタイミングです!ビームキャノン!ヨーソローで発射です!!!]]
バックアップの右側に取り付けてあるビームキャノンを発射して、吹き飛ばされて体勢を崩した青いバーザムレンジャーを撃ち落としたわ。
[[えっへん!見ましたか!これがお米のちからです!!!]]
うん。
頑張って苦手な近接戦闘したのは偉いわ。
偉いけど……お米のちからってナニよ!!!!!!
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
袖付き仕様のサザビー…腕の良いビルダー様なら実際に作っておられそうですね。
個人的にはサザビーよりもギラ・トーガが好きだったりしております。
理由はもちろん量産機だから!
νガンダムよりもジェガン!サザビーよりもギラ・トーガ!
それはさておき。次回にこちゃん回は残りのバーザムレンジャーとの戦闘と久しぶりに花陽ちゃんのガンプラに対する愛が溢れだします。
次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。