ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

ビビりながらも初めてアルバハHLを自発したら思っていたよりも簡単に倒せて驚いたQooオレンジでございます。
これでようやくオメガ剣が完成いたしました。
さぁ来い!古戦場!2000万ワンパン編成も出来てるぞー!

今回からは再び本編が再開いたします。
予定通り絵里さんのメイン回なります。
ついにあかされる絵里さんの過去。
ソラとの確執の裏にあるモノとは…?







それでは 第8話A「夢の欠片」そのいち 始まります。























第8話A「夢の欠片」そのいち

 

何処までも澄んだ青い青い空。

 

それはあの子と…私の大好きで大嫌いなあの子の名前と同じ“青い空”。

 

[[絢瀬!絵里!!!!!]]

「鳴神!青空!!!!!」

 

そんな青い空で、愛憎の入り交じった怒声にも似た叫び声で互いの名を呼び合う私と彼は……

 

[[アンタだけには!!!!!]]

「アナタだけには!!!!!」

 

それぞれ手にした得物を構え…

 

[[絶対に!!!]]

「絶対に!!!」

 

何処までも続くこの青い青い空を…

 

[[負けるワケにはいかねぇんだよ!!!!!!!]]

「負けるワケにはいかないのよ!!!!!!!」

 

一気呵成に駆け抜ける。

 

私は彼を貫くために。

 

彼は私を貫くために。

 

ただただひたすらに、青い空を力の限り駆け抜ける。

 

互いの思いを相手にぶつけるために。

 

これまでの全てを清算するために。

 

これからの私たちを始めるために。

 

私は青い空を駆ける。

 

彼へ…ソラへ…この思いをぶつけるために…。

 

私は青い空を駆ける。

 

どうしてこんな事になったんだろう。

 

私は愛機“トールギス・ヴァルキュリア”のコックピットの中で、不意にそんな事を考えてしまったわ。

 

素直になれない私の意地と、素直になった彼の意地。

 

それぞれの意地を賭けた全力全開の真っ向勝負。

 

互いに最後の一撃を放つために全速力で空を駆け抜けている真っ最中。

 

そんな大事な場面で余計な事を考えている暇なんてこれっぽっちもないのにね。

 

そう思いながらも私は考える事を止めなかったわ。

 

いいえ…正確には止められなかった…かしら。

 

どうしてこんな事になっているのか、を。

 

そう…事の発端は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…り…え……」

 

り?

 

え?

 

なんだろう…誰かが何かを言ってる様な…

 

「…りち…」

 

りち?

 

リチウム電池?

 

なんでリチウム電池?

 

「えりち!いい加減に起きぃや!」

 

「ぴゃぁ?!」

 

すっかり聞き慣れた親友の…希の私を呼ぶ大きな声。

 

その声でぼんやりと微睡んでいた私の意識は一気に覚醒したわ。

 

「いや、えりち。ぴゃぁ♪ってソレなんなん?まぁぴゃぁ♪でもあはん♪でもなんでもえぇんやけど…それよりも会議、終わったよ?」

 

「かい…ぎ…?」

 

この時、希の声で意識は覚醒したのはいいけど、ぶっちゃけ私には今どんな状況なのか把握出来なかったわ。

 

かいぎ?

 

懐疑?

 

海技?

 

それとも…会議?

 

ん?会議?

 

会議……会議……あ。

 

「会議!!!」

 

思い出したわ!

 

そうよ!懐疑でも海技でもないわ!

 

会議よ!会議!

 

各部の部長さん達を集めて、今年の部活動で使用する施設や設備の大まかな順番とかその他諸々を決める会議よ!

 

って!私…寝ちゃってたの?!そんな大事な会議の最中に?!

 

「の、のじょみぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

どーしよう!やっちゃった!やっちゃったわ!

 

せっかく去年の秋に就任してからずーっと“賢い可愛い生徒会長”で認められないわ♪とか言ってクールに決めていたのに大事な会議で寝ちゃったなんて…!

 

ようやく事態を把握してあたふたと慌て出した私に、生徒会の副会長で私の大切な親友でもある希は…

 

「安心してえぇ~よ♪幸せそ~にぐっすりおやすみのえりちの代わりに、うちがみ~んなまるっとやっといたから♪えっへん♪ドヤ~♪やね♪」

 

音ノ木坂でもトップクラスの大きな胸をえっへん♪っと張って、私の代わりに全部やったわよー♪って行ってくれたわ。

 

そっか…全部代わりにやってくれたんだ。

 

流石は希ね。ホント頼りになるわ。

 

希が居てくれて良かったわ。

 

あと、今日の各部の部長さん達との会議がちゃんと成功して良かった………あれ?

 

良かった…のかしら?

 

“賢い可愛い生徒会長”的には大事な会議でぐっすりと眠っちゃって代わりに全部副会長にやって貰らうとか、ソレって限りなくダメなパターンなんじゃないかしら?

 

「あぁ。それもだいじょ~ぶやで♪生徒会の子たちも各部の部長さんたちも、み~んな“生徒会長はお疲れみたいだから、ゆっくり休ませてあげよう”って感じですやすや安眠しとったえりちを優し~く生暖かい目で見守ってたでぇ?1人を除いては、やけど。」

 

私が内心で“限りなくダメなパターンなんじゃない?”って思ってると、そんな内心の声に答える形で希がそれも大丈夫♪って言ってきたわ。

 

生暖かい目で見守られてた時点であんまり大丈夫じゃないない気もするけど、とりあえずは…

 

「………希…また随分ナチュラルに人の心の中の声…毎度お馴染みだけどメタく言えば、私の一人称の地の文を読んで来たわね。」

 

私は私の内心で思っていた事を…メタい表現で言えば一人称の地の文に対して答えて来た希にちょっと引きぎみでそう言っちゃったわ。

 

普通ならこの場合、メタい事をやるなー!で終わるんだけど、希の場合はガチでこっちの内心の声を読んでるっぽいから手に終えないのよね。

 

時々この親友は本当にニュータイプやXラウンダーみたいなナニか得体の知れない特殊な力を持ってるんじゃないかと思っちゃうわ。

 

「あっはは~♪うちがニュータイプやXラウンダーだなんてそんなワケない♪ない♪それにもう今のうちやと“うちにも敵の動きが…視える!”とかはできんもん♪あそこまで強い“力”はもう持っとらんよ~♪昔はうちの“力”もそこそこいい線いっとたんやけどなぁ~。」

 

うん。

 

昔は今よりも強い“力”があったとか…ナニソレ?

 

普通に怖いわ。

 

希の言ってる強い“力”ソレって…アレよね?

 

お、お、お、お、お、お、お、お…的なヤツを視ちゃう的なヤツよね?

 

うん。

 

やっぱりナニソレ怖い。

 

「もう何処から突っ込めばいいかわからないわ…。」

 

これ以上突っ込んで藪からナニか末恐ろしいモノが出てきても困るし。

 

止めましょ。

 

この話題は。

 

怖いから。

 

「怖くなんてないよ?スピリチュアルなだけやん♪」

 

「だからそれが怖いのよ!あっ!べ、別に怖いのが怖いワケじゃないからね!なんか…アレよ、アレ…そう!アレでアレ的なアレがアレしてアレだからアレでそこからさらにアレがアレになってアレのアレでアレがアレはアレでアレなのよ!」

 

「あー、はいはい。アレやね、アレ。そうやねぇ~。で?いい加減にお話を先に進めてもえぇかな?」

 

「ちょっと待って!今の言い方だと私のせいで話が先に進まない様に聞こえるわよね?!私のせい?!私のせいなの?!」

 

絶対に違うわよね?!

 

希が謎のスピリチュアルパワーで私の内心の声を…地の文を読んで来たのが話が脇道に行方不明になった発端よね?!

 

ほら!これっぽっちも私のせいじゃない!

 

「それでな?みんなはおおむねえりちの寝顔見て微笑ましい顔でニコニコしてたんやけど、1人だけむっちゃニヨニヨしとったんよぉ~♪」

 

「いや、人の話を無視…はぁ…もういいわ。それで?その1人だけニヨニヨしてたのって、どうせにこなんでしょ?あの子、今日の部長会議にガンプラバトル部の部長として参加してたものね。」

 

生暖かい目で見守らるのもイヤだけど、あからさまにナニかを企んでそうなにこにニヨニヨ見られていたってのもイヤよね。

 

「せ~か~い♪えりちの予想通り、ニヨニヨしてたのはにこっちやね。にこっちな?涎垂らして“しょらぁ~♪しゅきぃ~♪”とか幸せそ~に寝言言ってたえりちを自分のスマホで動画撮影してたで?」

 

「は?えっ?ど、動画?!」

 

「そ。動画♪それでな?にこっちから伝言も預かっとるんよ♪“この動画をそらに見せられたくなかったら、放課後アミュセンに来なさい!”やって♪」

 

いやいやいやいや!ちょっと待って!色々と待って!

 

一万歩譲ってにこが私の眠ってるとこの動画撮ってたのはわかるわよ?!

 

けどなんでそこでそらに見せるとかイヤならアミュセンに来いとかって話になるのよ?!

 

「鳴神君に動画見せるんは…(寝言で思いっきり鳴神君にしゅきーとか言っとったからなぁ)…まぁ軽い嫌がらせ?あとアミュセンに呼んどるんは一緒に遊びたいからやないの?」

 

遊びたいからやないの?ってアミュセンで何をして遊ぶのよ。

 

やっぱりアレかしら?ガンプラバトル?にこったら…私達にあの子達の相手でもさせるつもりかしら?って!希?また地の文を読んだわね!もう!止めてよね!メタくなるから!

 

「メタくなるとかいいながら、えりちやって地の文でうちと普通に会話しとるやん♪」

 

うぐっ?!そ、そう言えば…あまりにもナチュラルに返事されたから思わず地の文で対応しちゃってたわ…って!

 

「だーかーら!そーじゃなくって!」

 

「ほなにこっちも待っとるやろ~から、アミュセンにれっつらご~♪」

 

「希!待ちなさい!希!!!」

 

あー!もう!これじゃあの子たちとおんなじでグダグダじゃない!

 

「えりち~♪早く来んと置いてくよ~♪」

 

はぁ…。

 

ほんと、もうため息しか出ないわ……なんて言ったら…うふふ♪あの子と…ソラとお揃いね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なし崩し的な展開で希を追いかけてやって来たのは…

 

「遅い!アンタら!この大銀河宇宙No.1スクールファイターの矢澤のにこ様を何万時間待たせんのよ!!!」

 

毎度お馴染みの学校近くにあるアミューズメントセンター音ノ木坂支店のガンプラバトルシミュレーターブース。

 

そこで私達を待っていたのは到着早々もう既に荒ぶっているにこだったわ。

 

「何万時間も待っとたらにこっちはもうおばあちゃんやね♪よっ!このロリBBA♪」

 

そんな荒ぶるにこを相手に希は平然とボケだか突っ込みだからわからない返しをしているけど…ロリBBA?

 

それってなぁーに?

 

ロリって単語はわかるけどBBAって単語がナニを示しているのか、えりーちかちょっとわからないわ。

 

「どぅあれぇがぁぁぁロリババァじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!デカ乳たぬぅぅきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」

 

ロリババァ?

 

ロリババァ……ババァ……あ!

 

もしかしてBBAって…

 

「BBAってババァって意味なの?」

 

希がにこに言ったBBAって単語の正解?に辿り着いた私が、ボソッとBBAはババァって意味なの?と呟いたら…

 

「う"ぉぉぉいぃぃぃぃ!!!ごるぅらぁぁぁぁぁぁ!!!どぅぅぅぅあぁぁぁかぁぁぁらぁぁぁぁぁ!!!!!どぅあぁれぇぇぇぇぇぇぇぇがぁぁぁぁぁぁぁぁババァじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!ボォケェェェェェェェ!!!!!!!!!」

 

にこに怒られちゃったわ。

 

むぅ。

 

別にえりーちか、にこに対してババァ?だなんて言ってないのに。

 

解せないわ。

 

「そんなことよりえりち♪ほら♪大型モニター見てみぃや♪鳴神君が高坂さんたちと絶賛バトり中みたいやでぇ♪」

 

希はBBAという単語でさらに荒ぶっちゃったにこを華麗にスルーして、アミューズメントセンターの中央付近に設置されてある大型モニターを見ながら私にも大型モニターを見るように促した来たわ。

 

私がやっぱりさらに荒ぶっているにこをスルーして、その言葉に釣られる様に店内で行われているガンプラバトルの様子を映し出している大型モニターを見ると…

 

「“ザク・リヴァイブ”…」

 

そこにはソラの本来のガンプラ“ザク・リヴァイブ”が宇宙を駆け抜けている様子が映し出されていたわ。

 

「調整、終わったんだ…。」

 

去年の冬にソラと希とにこの3人で参加したとあるバトルを終えてから、何を思ったのか知らないけどずっと細かい調整を繰り返していたソラ本来のガンプラ“ザク・リヴァイブ”。

 

ソラの大好きなザクⅡF2型(ジオン仕様)をベースに改造したザク・リヴァイブはあの日、世界大会の決勝で私の先生を……3代目メイジン・カワグチを撃ち破った時にも使われていたガンプラ…。

 

そしてエキシビションマッチで私が戦うハズだったガンプラ…。

 

そう…あんな事がなかったら…。

 

「えりち?だいじょぶ?」

 

私が大型モニターに映し出されているソラのザク・リヴァイブを見つめたまま黙り込んでしまっていると、その様子を心配した希が私に声をかけてくれたわ。

 

だいじょぶ?って。

 

「うん。大丈夫よ。大丈夫…もう大丈夫だから…。」

 

嘘。

 

ホントは大丈夫なんかじゃない。

 

アレは私の…あの頃の“私”の夢の象徴だから。

 

憧れて、恋い焦がれて、そして……憎んだ。

 

“私”の夢の象徴。

 

だから大丈夫なんかじゃないわ。

 

これっぽっちも。

 

そんな私の心情とは裏腹に、大型モニターに映し出されているバトルは進んでいたわ。

 

大型モニターに映し出されているガンプラは4機。

 

ソラのザク・リヴァイブ。

 

アンテナの片方が折れているソードストライカーを装備した素組っぽいソードストライクガンダム。

 

通常よりも大きなバスターライフルを携えて白と薄い緑色で塗装が施されたウイングガンダム。

 

バックパックを高機動タイプの物に換装して腰には片刃のブレードを、そして火力強化型の大型スナイパーライフルが装備されたジム・スナイパーⅡ。

 

片方のアンテナが折れたソードストライクは高坂さんのガンプラ。

 

大きなバスターライフルを持ったウイングガンダムは南さんのガンプラ。

 

少しだけカスタマイズされたジム・スナイパーⅡは園田さんのガンプラね。

 

「あのアホ乃果…またアホみたいに突っ込んだわね!」

 

大型モニターの中ではちょうど高坂さんのソードストライクが対艦刀を振りかざしてソラのザク・リヴァイブへと襲い掛かっていたわ。

 

その様子を見たにこは苦虫を噛み潰した様な顔で、アホみたいに…って叫んでいたわ。

 

そんなにこに希は…

 

「でもソードストライクなら近接戦闘タイプやから突っ込んでなんぼやないん?」

 

って言ったけど…

 

「近接戦闘タイプが突っ込んでなんぼでも今回は3機編成で出撃してるのよ!それをまるっと考えないで単機で突っ込んでるのが問題なの!!!しかもリヴァイブを使ってるソラ相手によ!素組の素人がどーこーできると思う?思わないわよね!」

 

あっさりとにこに一蹴されちゃったの。

 

にこの言う事は当然ね。

 

接近戦はソラの得意とする戦い方よ。

 

そんなソラを相手に…ましてや世界大会を勝ち抜いたザク・リヴァイブを相手に、昨日今日ガンプラバトルを始めたばかりの子が援護も無しで真っ向から接近戦を挑むなんて自殺行為もいいところだわ。

 

そうこうしているうちに…

 

「あー…確かに南さんと園田さんに援護して貰いながら突っ込まんと…」

 

高坂さんのソードストライクは対艦刀を力一杯振り抜いたけど、そんな大振りの攻撃は当たるハズもなく、ソラのザク・リヴァイブに簡単に避けられちゃって…

 

「簡単に墜とされるに決まってるわ!」

 

無防備になった所を左手に持ったビームブレードでサクッとコックピットを刺されて墜とされちゃったわ。

 

『ぎゃーす!やーらーれーたー!!!』

 

はぁ…案の定、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

次回からは第8話Bとしまして、海未さんがメインのお話となる予定です。
いつも通りにグダグダメタメタなお話ではございますが、お付き合いいただけましたら幸でございます。


次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は妄想力の低下&クソ上司のお陰でブラック労働万歳の為、しばらくはお休みさせていただきます。
何卒ご了承下さいませ。


それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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