ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

μ'sがグラブルに来てくれる前に十天衆を統べる事が出来たQooオレンジでございます。
これでようやくうちのジータちゃんに新しいお洋服を用意する事が出来ました。
そんな訳でμ'sの皆様…うちのジータちゃんが待っておりますので早くお空に来た下さいませ…。

今回は前回、絵里さん達が見守っていたバトルの海未さんVre.となります。
海未さんとことりさんが2人でソラへと挑み…。







それでは 第8話B「過去と今と、そして未来と」そのに 始まります。























第8話B「過去と今と、そして未来と」そのに

[[ぎゃーす!やーらーれーたー!!!]]

 

そんな穂乃果のアホな断末魔の叫びと共に、コックピットブロックをビームブレードで貫かれたソードストライクガンダムが爆発四散します。

 

私はその爆発を合図代わりにコンソールを操作し、フルスロットルで愛機を…ジム・スナイパーⅡを前へと加速させます。

 

本来ならば後衛で指揮役の私が前に出るなんて下策も下策なのですが…。

 

前衛として青空を引き付ける筈の穂乃果が毎度お馴染みの単騎突撃で呆気なく撃墜されてしまったこの状況で私がパッと思い付いた作戦は三つ。

 

一つは撃墜された本来の前衛である穂乃果のソードストライクガンダムの代わりに、ことりのウイングガンダム・リトルバードを前衛に立たせて、隙を突いて後衛の私が狙撃をする従来の作戦の延長の様な作戦。

 

もう一つはことりと共に後退し、何処か物陰に隠れて近づいて来た青空に対して二人で奇襲を仕掛ける作戦。

 

最後の一つは私が前衛に立ち青空の気を引き、隙を突いてことりが奇襲を仕掛ける作戦。

 

まず一つ目のことりを前衛に立てる作戦です。

 

これはことりのウイングガンダム・リトルバードが機動力を持って青空を相手にする事が前提なのですが…。

 

先程の青空のザク・リヴァイブの動きを見ると、残念ながらことりのウイングガンダム・リトルバードよりも青空のザク・リヴァイブの方が機動力を上の様なのです。

 

機動力が上の相手に機動力を持って対応だ等と、そんな無茶振りは私には出来ません。

 

よって一つ目のことりを前衛へ立てる作戦は無しです。

 

二つ目のことりと共に後退して物陰に隠れて奇襲する機会を伺う作戦ですが…そもそも既に目の前に青空が居る状態で後退して物陰に隠れる事なんて無理ですよね…。

 

それにこの周辺の宙域にはまともな遮蔽物がありません。

 

コロニーの残骸等が沢山あるバトルフィールドならば、それ等を使って後退する事も可能だったのですが…。

 

と、言う訳で、二つ目の作戦も無しです。

 

残るは三つ目の作戦。

 

私が前衛に立ちことりに奇襲させる作戦です。

 

高機動パックを装備したとは言え、機動力では私のジム・スナイパーⅡはことりのウイングガンダム・リトルバード以下です。

 

そのことりのウイングガンダム・リトルバードを上回る機動力を持つと予想される青空のザク・リヴァイブを相手に、機動力で劣る私のジム・スナイパーⅡで前衛に出る…と、言うのは一見下策に思えます。

 

ですが…ウイングガンダム・リトルバードを上回る機動力を持つザク・リヴァイブの機動力を発揮させない事が出来れば?

 

そうすれば私とジム・スナイパーⅡでも前衛は可能です。

 

そう…機動力を発揮させない状況…例えば…

 

「刀の間合いでの斬り合いならば!その機動力を発揮する事は出来ない筈です!」

 

刀の間合いでの斬り合い。

 

それならば機動力の差はそれほど問題にはなりません。

 

きっちり張り付いて楽しい斬り合いをしようではありませんか!

 

今取れる策の中で最善と思われる策を選び行動を始めていた私は、サブコンソールを操作してことりのウイングガンダム・リトルバードへ通信を送ります。

 

「ことり!散ったアホの代わりに私が前に出ます!」

 

[[ちゅん!りょ~かいだよ!海未ちゃん!]]

 

青空は“精霊使い(エレメンタラー)”…それも最上位の電子精霊であるアイリが憑いています。

 

アイリにかかれば通信傍受なんて簡単な筈です。

 

だから伝えるべき言葉は最小限。

 

幸いにも小さな頃からずっと一緒に過ごして来た幼馴染みのことりは、私の最小限の言葉ですぐに自分が何をするべきか理解してくれた様です。

 

頼もしく“りょ~かい!”と、返事をしてくれました。

 

さぁ…それでは気合いを入れて行きましょうか!

 

私は機体を加速させながら、穂乃果のソードストライクガンダムが爆発した地点に未だに居ると思われる青空のザク・リヴァイブに対して、牽制の為に右手の大型ビームスナイパーライフルを発射します。

 

一発。

 

二発。

 

三発。

 

四発。

 

五発。

 

合計五発。

 

早速一発目のビームが爆炎を貫いて青空のザク・リヴァイブへと襲い掛かりました。

 

ですが…

 

[[おっと!]]

 

青空は機体のあちこちに増設してあるスラスターを軽く噴かしてあっさりと避けてしまいました。

 

続く二発目、三発目、四発目、五発目も先程と同じ様に軽くスラスターを噴射させ最小限の動きで全ての避けてしまいました。

 

牽制目的での射撃ですから避けられても問題はありませんが、あそこまで簡単に避けられてしまうと何とも言えない気分になりますね。

 

まぁ相手が相手です。

 

仕方ありません。

 

とか思っている内に、青空のザク・リヴァイブが手にした大型ビームマシンガンの銃口をこちらへと向けて来ていました。

 

ですが…

 

[[そ~はイカのキ◯タマですぅ!]]

 

ことりのウイングガンダム・リトルバードが放った大型バスターライフルの一撃に遮られて、反撃の機会を失ってしまった様です。

 

私はと言いますと、ことりの一撃が青空を襲った隙に…

 

「この間合いなら!!!」

 

機体を加速させ続けて、何とかこちらの刀の間合いに入る事が出来ました。

 

ここからは少し私の剣戟に付き合って貰いますよ?

 

私は右手に装備してた大型ビームスナイパーライフルを武装領域(ウェポンストレージ)に収納し、右の腰に取り付けてある刀を抜き放ちます。

 

そして抜き放った勢いを乗せて、暗緑色の塗装が施された青空のザク・リヴァイブへと斬りかかります!

 

居合い抜き…とはお世辞にも呼べない横凪ぎの斬撃は、ザク・リヴァイブの胴体部分へとその刃を走らせます…が…

 

[[リアルブシドーの海未さんが相手でも!]]

 

青空は右手の大型ビームマシンガンを放り投げると、右の脚部からビームブレードの発振器を射出し、先程放り投げた大型ビームマシンガンの代わりにその手に握らせました。

 

私の放った横凪ぎの斬撃がザク・リヴァイブの胴体を両断しようと迫る直前…

 

[[近接戦闘で簡単に遅れを取るワケにはいかねぇーんだよ!!!オルゥラァァァァァァ!!!!!!]]

 

ビームブレードにビーム刃を展開させ、下から掬い上げる様に振り抜きました。

 

「っ?!」

 

その一撃は私の放った横凪ぎの斬撃を見事に弾き飛ばしました。

 

青空は右手のビームブレードを振り上げ終えると、間髪入れずに今度は左手に握らせてあったビームブレードにビーム刃を展開させてこちらの胴体中央にあるコックピット部分を狙って突き出して来ます。

 

[[コイツで逝っとけってんだ!!!]]

 

「その程度の突きで誰が逝くものですか!!!」

 

私は放たれたその突きを、ジム・スナイパーⅡの姿勢制御スラスターを左右それぞれ逆方向に噴射させて、機体を半身になる様に操作して回避してみせます。

 

機体が半身になるとほぼ同時に、コックピット部分すれすれに青空のザク・リヴァイブが放った鋭い突きが通り過ぎて行きました。

 

そして私は青空の放った鋭い突きを回避し終えると、今度はお返しとしてやや無理な体勢からではありますが、先程上へと弾き飛ばされた刀を握った右腕をザク・リヴァイブの脳天目掛けて…

 

「逝くのは…青空!貴方の方です!!!はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

一気に振り下ろしました!

 

攻撃直後の隙を突いて振り下ろされその一撃は…

 

[[うぉ!あっぶねぇ!!!!!]]

 

先程の私と同じ様に…いえ、先程の私よりも巧みに、より的確に、青空は己の機体の姿勢制御スラスターを操り回避してしまったのです。

 

むぅ。

 

無理な体勢から放った割には今の一撃は良い感じの斬撃でしたが避けられてしまいましたね。

 

流石は青空と言うべきでしょうか?中々どうして当たってはくれません。

 

何処かのアホな方の幼馴染みの様に、考えなしに無駄に突撃して盛大に失敗してそのまま斬られてくれたのならば楽が出来るのですが…。

 

そんな事を頭の片隅で思案しながらも、私は手にした刀を振るい続けます。

 

青空も負けじと両手に持ったビームブレードを振るい続けます。

 

時には斬り結び。

 

時には斬り払い。

 

時にはいなし。

 

私は刀を振るい続けながら、不意に自分の頬が段々と緩んで行っている事に気付きました。

 

信じられない事に青空と斬り合いを演じながら、私はいつの間にか笑っていたのです。

 

斬り合いを演じながら微笑むだなんて、これではまるで戦闘狂の様ではありませんか…とか思いながらも、私の心はいつになく高揚して行きます。

 

むぅ。

 

解せません。

 

解せませんが…実に楽しいのです。

 

ですが、そんな楽しい時間は唐突に終わりを迎えます。

 

私のジム・スナイパーⅡが振り下ろした刀の一閃を、青空のザク・リヴァイブが両手のビームブレードをクロスさせて受け止めたその瞬間…

 

<<Are you ready?>>

 

[[ちゅん!!!逝くですぅ!!!!!!]]

 

二人で繰り広げていた剣劇の応酬にことりが割って入って来たのです。

 

何処からもなく現れたことりは、“狂い鳥(クレイジーリトルバード)”の代名詞とも言える凶悪で狂暴で強力なごんぶとビームをぶっぱなす例の大型バスターライフルを投げ捨ててビームサーベルを引き抜くと、機体が消えてしまったかの様な錯覚さえ覚えてしまう程の猛スピードで…“soar”で青空のザク・リヴァイブ目掛けて突撃して行きました。

 

ビームサーベルを小脇に構えての“soar”からの“タマ獲ったるどー893”スタイルでの突撃の標的となった青空は…

 

[[イヤなタイミングで仕掛けて来やがる!けどなぁ!!!!!]]

 

<<機体出力90%に上昇。>>

 

[[ふっ飛べってんだよ!!!!!!]]

 

「きゃっ?!」

 

一気に機体の出力を上昇させて、まずは斬り結んでいた私のジム・スナイパーⅡを弾き飛ばしました。

 

その余りにも力任せな…この場合は出力任せな行動の前に、ほぼ素組の私のジム・スナイパーⅡでは耐えきる事が出来ずに意図も容易く押し飛ばされてしまいます。

 

そして…

 

[[アイリ!!!]]

 

<<Are you ready?>>

 

[[“Rrapid acceleration(ラピット アクセラレーション)”!!!!!!]]

 

ことりと同じ様にまるで消えてしまったかの様な急加速を行い、ことりのウイングガンダム・リトルバードの“soar”での突撃を見事に回避してしまったのです。

 

それだけではなく…

 

[[オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オラァ!オルゥラァァァァァァァ!!!!!]]

 

“soar”を連続で発動させ続けて、ことりのウイングガンダム・リトルバードの周りを何度も何度も何度も何度も駆け巡り始めました。

 

“バン”という“soar”が発動した特有の破裂音が響く度に、ことりのウイングガンダム・リトルバードはその身の何処かを斬り裂かれて行き…

 

[[コイツで…終いだぁ!!!!!!!]]

 

最終的には胴体を真横に両断されて…

 

[[ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん?!]]

 

撃墜されてしまったのです。

 

「ことり!!!」

 

[[2人目!残るは海未さん!アンタだけだ!]]

 

私が気を引いて、隙を突いての“soar”を使ったことりの奇襲。

 

絶対的な強者である青空を倒す為に弄した私達の策では、結局は青空を止める事は叶いませんでした。

 

近接戦闘で青空を私のジム・スナイパーⅡに釘付けにする…までは良かったのですが…。

 

敗因は青空の新しい…本人曰く新しいではなく本来の機体との事ですが…兎に角、青空が乗り換えたあのザク・リヴァイブと言う機体を侮った事でしょうか。

 

侮ったと言っても相手は青空の本来の機体です。

 

最大限の注意と対策を取って私としては侮っていた訳では無いのですが、あのザク・リヴァイブは私の予想以上に高性能だったのですよ…。

 

まさか鍔迫り合いから力任せに弾き飛ばされるなんて思ってもいませんでした。

 

機体の出力に差がありすぎです。

 

もしもあの時、私がもっと踏ん張れていたのなら、ことりの突撃は避けられる事は無かったのですが…。

 

はぁ…“もしも”を語っても仕方ありません。

 

さて…ここからどうしましょうか?

 

私としてはこれは所謂“詰み”と言う奴だと思うのですが、だからと言って簡単に白旗を上げて諦めるのは論外ですよね?

 

なら…

 

「もう一度…いえ!何度でも!私と楽しく斬り合いをして貰います!!!」

 

一対一の状況では遠距離狙撃はまず当たりません。

 

中距離での射撃戦も同じです。

 

ならば残された手段は近接戦闘ただ一つ。

 

本音を言っちゃいますと、実は先程まで青空と二人で演じていた剣戟が楽しかったので、また一緒に楽しく斬り合いをしたいなぁ…とかなのですけどね。

 

このバトル…アホな穂乃果とことりが脱落してしまい一人残された私だけでは恐らく青空には勝てません。

 

諦めるつもりはさらさらありませんが、私一人では勝てないのもまた事実。

 

ならばこそ…最後のその瞬間まで抗い、そして楽しんで楽しんで楽しんで楽しみ尽くして!

 

そうして終わりを迎えようではありませんか!

 

と、言う訳なので…

 

「逝きますよ!青空!!!」

 

楽しみましょう。

 

これはガンプラバトル。

 

本気の“戦い”であると同時に、楽しい“遊び”なんですから♪

 

ねぇ?そうでしょ?

 

青空?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、この日のバトルは私達が全機撃墜での完敗でした。

 

私の最期については…悔しいので言いたくありません。

 

まったく!青空ったら折角の楽しい剣戟の真っ最中に閃光弾だなんて無粋な物を…。

 

でも…まぁ楽しめたので良しとしてあげましょう。

 

優しい私に感謝して下さいね?

 

うふふ♪

 

とか思っていたら…

 

「そんなワケでしばらくはこの2人が…絵里と希がアンタたちを鍛えてくれるわ!」

 

ガンプラバトルシミュレーターの筐体から降りて来た私達に、にこがとんでもない事を言ってきやがりました!

 

えっ?!えっ?!

 

生徒会長と副会長がコーチ?!

 

副会長はまぁ良いとしても…あの生徒会長がですか?!

 

それって大丈夫…

 

「貴方達を潰すつもりでビシバシ逝かせて貰うから、悪いけどそのつもりでいてちょうだい。」

 

じゃないですよねー…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

次回は久し振りにことりさんが本性(?)を顕現させて絵里さんをガクブルさせる予定でございます。
これまたいつも通りにグダグダメタメタなお話ではございますが、お付き合いいただけましたら幸でございます。


次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は妄想力の低下&クソ上司のお陰でブラック労働万歳の為、しばらくはお休みさせていただきます。
何卒ご了承下さいませ。


それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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