ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

花陽ちゃんのジムを作成中に腰のポリキャップを入れ忘れたQooオレンジでございます。

そんな本日はのんたん生誕祭の3回目となります。
今回はロリのんたんと愉快な仲間達が海中戦へと乗り出します。

それでは 2017 東條希生誕祭特別編「Early Days ~もしもから、きっと~ ③」 始まります。
















2017 東條希生誕祭特別編「Early Days ~もしもから、きっと~ ③」

「ねぇ?それで結局、キミはここで…アミューズメントセンターでナニしていたの?」

 

「僕がここで何をしていたのかなんて、貴女に関係ありますか?以前に貴女は自由は平等だ、と言っていましたよね?僕がここでナニをしていても、それは僕の自由であって、貴女にはこれっぽっちも関係はありませんよね?正直に言いますと、あまり僕に干渉してしないので欲しいのですが。と、僕が言っても、どうせ貴女は僕への干渉を止めないでしょうし、納得もしてはくれないのでしょうから、大人しくお答えしますよ。僕がここにいる理由は簡単です。ガンプラバトルに…大海戦ミッションに参加する為です。」

 

「ガンプラバトル???」

 

この時にウチは初めてガンプラバトルの詳細を知ったんよ。

 

当時からテレビとかではよくガンプラバトル関連の番組が放送されとったけど、特に興味はなかったんで、あの頃のウチは華麗にスルーしとったんよ。

 

いやー♪ガンプラバトルをスルーしとったなんて、あの頃のウチはほんまに人生損しとったなぁ♪

 

「“大海戦ミッション”???むぅ?ねぇ!それってなーに?」

 

「貴女は確か僕と同じ転校生だった筈なので、この街のローカルルールの“大海戦ミッション”を知らないのは理解できますが…本当にガンプラバトルも知らないのですか?」

 

「むぅ?少しならガンプラバトルは知ってるよ?ガンプラバトルってロボットのプラモデルで戦ったりするゲームだよね?たまーにテレビやってるヤツ。」

 

「ええ。そのガンプラバトルです。では“大海戦ミッション”について少しレクチャーしましょうか。めんどうですが。」

 

「むぅ!めんどう禁止!」

 

「はいはい。はぁ…めんどくさ。」

 

「むぅ!むぅ!めんどうは禁止だよ!」

 

さてさて♪あの頃のウチとあの子がじゃれあっとるうちに、アダルトな方の希さんが“大海戦ミッション”について説明してあげるな?

 

 

 

“大海戦ミッション”

 

 

 

それはこの海辺の街独自のご当地バトル形式なんよ。

 

一ヶ月の間、毎週金曜日の夕方から行われる特殊ルールのバトルロイヤル。

 

大体は一ヶ月で計4~5回くらい行われるんよ。

 

そんでな?あの頃のウチが見付けた海岸沿いのボロい方のアミュセンと、街の中心地にあるおっきな方のアミュセン。

 

この2つのアミュセンでそれぞれ大規模チームを組んで、色んなルールで争うんよ。

 

この“大海戦ミッション”。

 

1番の特徴は“大海戦ミッション”の名前からもわかるん思うやけど、必ず海のバトルフィールドを使用したバトルになるんよ。

 

日本各地(たまーに海外も)をあちこち転校してまわっとたウチでも、海中戦限定のバトルロイヤル…しかも長期間の継続バトルなんて珍しい形式のバトルはこの海辺の街だけでしかお目にかかれんかったんわぁ。

 

 

 

 

「ふーん。よくわかんないけど、キミはここでガンプラバトルをしてるんだ。」

 

そんな感じで当時のウチはあの子の説明をまったく理解できんかったんよ。

 

はぁ…。当時のウチ…あんだけ説明されといて結局は“ガンプラバトルをする”しか理解できんかったなんて…気を付けなきゃ穂乃果ちゃん(アホ)になってしまうよ?

 

まぁ“大海戦ミッション”のルールはちょい複雑だから、仕方ないんかなぁ…?

 

「よくわからない…はぁ……時間の無駄でしたね。切実に説明した時間を返して欲しいですね。」

 

堪忍なぁ。あの頃のウチが穂乃果ちゃんみたいに脳みそ足りんお子様で。

 

今のウチなら、あの頃のウチよりも、もうちょい脳みその容量あるんやけど…。

 

「むぅ!私!ちゃんとわかるもん!海の中でガンプラバトルするんでしょ!」

 

「……まぁそれでいいです。これ以上はめんどうなので。」

 

「めんどう禁止!」

 

「はいはい。」

 

「ねぇ?でもどうして金曜日だけガンプラバトルしてるの?あっ!わかった!キミ!おこづかい使いすぎてもうゲームするお金ないんだ!」

 

ちょい待ち!あの頃のウチ!

 

それは言ったらあかんヤツや!

 

あの子はおこづかいなんて貰える環境やなかったんや!

 

あの子には…おこづかいくれる親がおらんのや…。

 

この頃のあの子はまだひとりぼっちなんよ…。

 

「……僕は小遣いなんて貰ったことはありませんよ。それに、ガンプラバトルはバトル中に獲得したGPを利用してプレイすることも出来るので、お金が無くても関係ありません。」

 

「ふぇ?!なんか怒った?!」

 

「怒ってはいません。ただ、不愉快なだけです。」

 

あー、もう!言わんこっちゃない!

 

あの子を怒らせてもうたやん…。

 

まぁこの頃のウチはまだあの子の事情は知らんかったん、この時のおバカ発言は止めようもないんやけど…。

 

なーぁ?あの頃のウチ?お願いやからもうちょい空気読んで欲しいわぁ…。

 

「ゴルゥラァァァァァ!ボウズ!バトルが始まんぞぉぉぉぉぉ!!!準備はえぇーんかぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ん?あぁ…もうそんな時間ですか。さて、申し訳ありませんが出撃の時間のようです。これ以上は貴女と話すこともありませんので、そろそろお帰りになってはどうですか?」

 

「むぅ!やだ!私もそのガンプラバトルやる!“大海戦ミッション”やる!」

 

あんな?あの頃のウチ?だから空気読めって言ったやん?

 

この頃のウチはまだ自分のガンプラも持っとらんし、GPベースやって登録しとらんやろ?

 

せめてGPカウンターでGPベースの登録してもらってから言わなあかんよ?

 

「貴女も“大海戦ミッション”を?それは無理ですよ。月初めに機体の登録をしなければ“大海戦ミッション”には…。」

 

「やだ!やるもん!」

 

「やるもん、と言われましても…。ガンプラはGPカウンターで適当な水中用のレンタルガンプラをレンタルすればいいのでしょうが、機体の登録は今からではどうにもなりません。今月の“大海戦ミッション”への新規機体での出撃は無理なんですよ。お願いだから無理を言わないで下さい。」

 

「やーだ!私もやるもん!やるんだもん!キミと一緒にガンプラバトルやるんだもん!やるったらやるんだもん!」

 

……は、恥ずかしい…。

 

この頃のウチはなんでこんなん駄々っ子でアホやねん!

 

やるもん!って、なんか穂乃果ちゃんみたいやし…。

 

……考えたくはないんやけど、まさかウチも穂乃果ちゃん(アホ)に感染して…な、わけないやん!

 

この時のウチが穂乃果ちゃん(アホ)に感染しとったら、時間軸がおかしなことになるやん!

 

ハッ!まさか穂乃果ちゃんの穂乃果ちゃん(アホ)は、時間や空間さえも超越した恐るべき感染力を持つ穂乃果ちゃん(アホ)なんか?!

 

くぅ~!流石はこの世すべてのアホが現世に受肉して降臨しとるアホ神(ゴッド)の穂乃果ちゃん(アホ)!

 

時間も空間さえも超越するなんてめっちゃ驚異の感染力やなぁ!

 

しゃ~ないなぁ…あとで真姫ちゃんに頼み込んで、真姫ちゃんとこの西木野総合病院で検査してもらわんとあかんなぁ…。

 

お薬の処方だけで治ればえぇ~んやけど、相手は究極完全体なアホ神(ゴッド)の穂乃果ちゃん(アホ)やからなぁ……。

 

下手するとお薬だけじゃあかんかもしれん…。

 

その場合は外科的な処置が必要になるかもしれんけど…穂乃果ちゃん(アホ)に感染しとる脳みそを切除とかはいややなぁ…。

 

「困りましたね…。」

 

「別に困るような事じゃないわよ?」

 

ん?おぉ!ウチがもしかしたら感染しとるかもしれん穂乃果ちゃん(アホ)のことで悩んどる間に、いつの間にかマヒねぇーちゃんがアミュセンに来とるやん♪

 

うひょ~♪制服姿のマヒねぇーちゃん♪めっちゃ懐かしいわぁ~♪

 

今では立派な人妻さんで、あの女装(?)趣味の変態教師(もうちょいあとで出てくるで~♪)の奥さんなマヒねぇーちゃんやけど、7年前はまだピチピチの女子高生さんやったんなぁ…。

 

「真海(まひろ)さん?いつの間に来ていたのですか?」

 

ウチだけがマヒねぇーちゃんのこと懐かしがっとてもしゃ~ないんで、ここでちょいマヒねぇーちゃんの紹介をしとくな?

 

このピチピチJKなお姉さんはマヒねぇーちゃん。

 

本名は“貝原 真海(かいばら まひろ)さん”。

 

真海(まひろ)さんやから、ウチはマヒねぇーちゃんって呼んどるんよ。

 

別にしびれびれな麻痺ってるおねーちゃんなわけやないんよ?

 

マヒねぇーちゃんはこの当時は高校三年生やったはずやね。

 

マヒねぇーちゃんのママさんがアメリカと日本のハーフで、マヒねぇーちゃん本人もアメリカと日本のクォーターやねん。

 

アメリカとロシアで違いはあるんやけど、クォーターちゅ~んはえりちと一緒やね。

 

見た目は元気系の美少女さんで、ゆる~くウェーブのかかった綺麗なブラウンの髪が特徴なんよ。

 

美少女さんなんやけど、おぱ~い…にこっち的に言えば胸部装甲は……あはは…。

 

ウチからのコメントは差し控えさせていただきます。やね。

 

このマヒねぇーちゃん、実は世界でも有数の造船会社“貝原造船”を有する“貝原財閥”の会長さんのお孫さんなんよ。

 

ちなみにマヒねぇーちゃんのじいちゃんが会長さんしとる“貝原財閥”。

 

西木野グループ、小原コンツェルン、ヤジマ・コーポレーションと合わせて日本四大企業とか四大富豪なんてよばれてるんよ。

 

西木野グループはみんなもご存じ、ウチら“μ's”が誇るツンデレお姫さまの真姫ちゃんのおうちやね。

 

そんな真姫ちゃんのとこの西木野グループは医療系が得意分野なんよ。

 

病院経営はもちろん、製薬や化学技術なんかでも世界最高峰の技術力を持っとるんよ。

 

最近はこの医療系の他にも、ヤクザ屋さんやマフィアも真っ青な警備会社“西木野警備保障[鉄華団]”なんかも有名やねん。

 

お次の小原コンツェルンは観光やホテル経営なんかがメインやね。

 

庶民の味方のお安いホテルから、セレブ御用達の超高級ホテルまで。

 

小原コンツェルンの経営しとるホテルや宿泊施設は世界各地にたくさんあるんよ。

 

そらっちがよく利用しとるラブホテルなんかもこの小原コンツェルンの経営やね。

 

そしてガンプラバトルシミュレーターで超有名なヤジマ・コーポレーション。

 

西木野グループと共同で開発したナノマシン技術やIFS技術、そらっちも開発にかかわっとるサポートAIシステムなんかの最先端科学技術で有名やね。

 

ヤジマの技術は世界いちぃぃぃぃぃぃ!!!やねん♪

 

マヒねぇーちゃんとこの“貝原財閥”もそんなキ○ガイ級のお金持ちの仲間なんよ。

 

ひと昔前まではあの悪名高い鳴金グループも日本有数の大富豪の一つに数えられておったんやけど、そらっちの一件以降は色々とケチがついてもうて、今じゃだいぶ落ちぶれとるんよ。

 

まぁヤジマ・コーポレーションとは関係を切られて、ついで西木野グループと貝原財閥も鳴金グループとの取引を控えるようになってもうたからなぁ…。

 

おまけにこの流れに小原コンツェルンまで便乗したもうたし。

 

落ちぶれるのもしゃ~ないねん。

 

煽りを喰らった社員さんには悪いんやけど、ウチ的にはぶっちゃけ“ざまぁ(笑)”やねん。

 

子供相手にガチめのネガティブキャンペーンなんてするんがいけないんよ。

 

「アミュセンに到着したのはついさっきよ。私、今日は掃除当番だったの。バトル開始に間に合わないかと思ったけど、無事に間に合ってよかったわ。それよりも…その子♪ドム子ちゃんだっけ?キミのザクを複座に改造しちゃって、サブシートに乗せて一緒に出撃しちゃえばいいのよ!うーん…例えば…そうだ!水中用のバックパックとか新しく作って、それに一緒に増設コクピットも取り付けちゃえばいいのよ!」

 

マヒねぇーちゃんの紹介のつもりがちょい脱線してもうたなぁ。

 

さてさて♪ほんならお話を本筋に戻そか?

 

こんときに駄々っ子ちゃんなあの頃のウチのために、マヒねぇーちゃんが提案してくれたんは、あの子の機体を複座に改造して一緒に出撃しようってナイスな提案やったんよ。

 

「複座に改造ですか?新しく水中用のバックパックと増設コクピットを作るには、僕の手持ちの予備パーツだけでは無理ですよ?真海さんも僕の事情はご存じですよね?少ない所持金を遣り繰りして海中戦用の装備を揃えたばかりなので、新しくパーツを買うお金なんて僕にはありませんし、GPだって無駄使いは出来ません。」

 

「分かってるわよ!大丈夫!大丈夫!私が言い出しっぺなんだから、私の“フリンティ・アクアマリン”の予備のパーツ使うといいわ!ホラ!」

 

「そう言うことなら…坊主、あっしの“グレイズ・オルカ”の予備パーツも使ってくだせぇ。おやっさん。」

 

「フン!わかっとる!しゃーないのう!ホレ!ボウズ!特別にワシの“フイッシャーマン・ロディ”の予備パーツもわけてやるわい!オラァァァ!野郎どもぉぉぉぉ!!!テメェらも余ってるパーツだせやぁぁぁぁ!!!残らず全部じゃぁぁぁぁ!!!ケチケチすんなぁぁぁぁ!!!」

 

「「「「「「「「「「おうよ!ボウズ!ドム子の嬢ちゃん!予備のパーツなら腐るほどあるぞ!好きなもん使ってくれや!!!」」」」」」」」」

 

「あ、あの!よくわかんないけどありがとーございます!」

 

マヒねぇーちゃんに黒澤のおっちゃんにマサさん…他にも沢山のおっちゃん達…。

 

みんな見ず知らずのガキんちょの我が儘のために、自分達の予備パーツを躊躇なく放出してくれたんよ。

 

この海辺の街のおっちゃん達はほんまにいい人達やったなぁ…。

 

正確には黒澤のおっちゃんとその一派はこの街の人やないんやけどね。

 

こんときの黒澤のおっちゃん達は、新しい漁船を建造するためにこの街にきとったんよ。

 

頼んでハイおしまい。でええハズなんやけど、細部まで拘りたい黒澤のおっちゃんは新しい漁船の完成までこの街におって、あれやこれやと細かい注文つけとったらしいんや。

 

黒澤のおっちゃん…厳つい見た目に反して案外と細かいんよ。

 

おっちゃんのガンプラ“フィッシャーマン・ロディ”なんて、漁師にしておくんがもったいないくらいにめちゃくちゃええできやったなぁ…。

 

そんなおっちゃんのフィッシャーマン・ロディは、今はウチの対戦相手で黒澤のおっちゃんの娘さんの真珠ちゃんが使っとるみたいやけどね。

 

「ね?これだけ一杯パーツがあれば、キミのビルダー技術なら水中戦に対応した増設コクピットなんてすぐに作れちゃうよね♪キミはシステム系の設定も得意だし!」

 

「それは…確かにこれだけのパーツがあれば簡易型の増設コクピットくらいなら作れますし、システム周りの再設定も簡単ですが…………はぁ…めんどくさ。」

 

「むぅ!めんどう禁止!」

 

「………はぁ……。」

 

「ため息は幸せが逃げるわよ♪はい!キミは増設コクピットの作成決定!出撃まであんまり時間が無いから急いでね!ドム子ちゃんは私と一緒にGPベースの登録してこよっか?大丈夫♪GPベースの登録は無料だし、作るのはスゴく簡単だから♪」

 

「はい!お願いします!」

 

あぁ…そうや…。

 

ウチがGPベースの登録したんはこの時やったなぁ…。

 

ウチの初めてのGPベース…ほんまに懐かしいわぁ…。

 

お父さんとお母さんに音ノ木坂の入学祝に限定モデルのGPベース“ミスティ・ムーン”(薄紫のGPベースで、アクセントに三日月のお月様が描かれとる可愛いヤツなんよ♪)を買ってもらうまでは、ここで作ったノーマルのGPベースを使っとたんやよ。

 

もちろんこんときのGPベースは今でも大事に保管しとるん♪

 

この初めてのGPベースは、ウチとあの子と、それにマヒねぇーちゃんや黒澤のおっちゃん達みんなとの大切な想い出やねん♪

 

「いいお返事だね!あ!私は真海。貝原 真海だよ!よろしくね!ドム子ちゃん!それじゃ行こっか♪」

 

「はい!」

 

「分かってるわよね?キミは私達がGPベースの登録している間にちゃーんと複座に改修しておくのよ!」

 

「はいはい…まったく…なんで僕が…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「GPベース、セット。ガンプラバトルシミュレーター…システム起動。IFS接続を確認…。FCS…ロック解除。機体チェック、開始………簡易増設コクピットは…今のところは特に問題はないみたいですね。」

 

「これがあのガンプラのコクピットの中なんだね!わ!ねぇ!なんだかいっぱいボタンとかあるよ!これってなんのボタン?押してもいいのかな?押しちゃおうか?押しちゃうね!」

 

ウチの初めてのガンプラバトルシミュレーターのコクピット。

 

それは複座型のコクピットのサブシートやったん。

 

このときのウチは、あちこちにピカピカしとるボタンが綺麗で、なんのボタンかもわからんかったのに、思わず押してしまいそうになったんやったなぁ…。

 

「押さないで下さい。まったく…お願いですから貴女は下手にコンソールに触らないで下さいよ?複座に改造したせいで、そちら側のコンソールでも出力調整やレーダー設定、通信設定等が操作できるようになっていますが、貴女は今日が初めてのガンプラバトルなんです。余計なことはせずに、大人しく座って外の景色でも楽しんでいて下さい。」

 

そんでもってあの子に注意されたんよ。

 

「むぅ!つまんない!」

 

つまんない!って、初めてのガンプラバトルをプレイするお子様が下手にあちこち弄ってもうたら、大変なことになるやろ?

 

と、ベテランファイターになった今のウチならわかるんやけど、あの頃の小さなウチにそんなことはわかるハズもなく…やね。

 

そんなあの頃の小さなウチに、あの子は面倒とか言いながらもレーダーの基本的な見方と使い方を教えてくれたんよ。

 

「はぁ……めんどく「めんどう禁止!」…はぁ「幸せ逃げるからため息も禁止!まひろおねーちゃんが言ってたよ!」…逃げる幸せなんて僕にはありませんのでため息くらいは許して欲しいのですが……そちら側の中央モニターにレーダー情報を表示させておきます。レーダーの見方ですが、中央の光点が自機…つまりは現在僕達が搭乗しているこの機体です。青い光点は真海さんや黒澤のお頭さん、マサさんや他のみなさんを示しています。所謂“友軍機”…味方機と言うやつですね。緑の光点は今回の“大海戦ミッション”での護衛対象の輸送船です。目的地までにこの輸送船の6割が撃沈してしまうと、残念ながら今回の“大海戦ミッション”は僕達の敗けになります。そして赤い光点は敵機になります。この赤い光点が示している敵機はAI操作の無人機もいるのですが、街の中心地にある大きなアミューズメントセンターから出撃しているファイター達の機体でもあります。赤い光点が中央に…自機に近付いて来たり、僕達の周辺の緑の光点の護衛対象に接近して来たら教えて下さい。」

 

「モニターのレーダー?うーん…おぉ!これだね!えーっと、真ん中が私達で、青い光がまひろおねーちゃんとか黒澤のおじさん達で味方なんだね?緑色がごえーたいしょう?ごえーって守るって意味だから、この緑色は守らなきゃダメなんだね?あとは赤色が敵で赤色が私達や緑色に近付いて来たら教えればいいんだね!うん!だいじょーぶ!わかったよ!」

 

「とてつもなく不安な分かったよですが、まぁいいでしょう。 (めんどうなので。) もう1度言っておきますが、くれぐれもコンソールには触らないで下さいね。勝手に操作でもされて、戦闘中に出力が急激に低下したりなんて事態はごめんなので。」

 

あの頃の小さなウチには、あの子の言っとる出力の急激な低下がどんなに恐いことか理解しとらんかったなぁ…。

 

みんなもちょい想像してみてくれんやろか?

 

なんの異常もないのに、戦闘中に急に出力ががっくり下がってしまったらどないなるんおもう?

 

戦闘中にいきなり膝カックン食ろうたみたいに、ガクッてくるんよ?

 

そんなん堪忍して欲しいわぁ…。

 

「はーい!」

 

[[二人とも!もうすぐ出撃だけど、そっちの出撃準備は大丈夫?]]

 

「え?え?まひろおねーちゃん???どこから声してるの???」

 

おぉ!あの頃のウチの初めての通信やね♪

 

確かこんときは音声オンリーの通信やったなぁ。

 

「落ち着いて下さい。これはただの通信ですよ。真海さん。こちらは特に問題はありません。ただ、こちらの簡易増設コクピットはあくまでも急造品なので、今回のバトルでは僕はあまり無茶が出来ませんので悪しからず。正直に言えば少しでも敵機を墜としてGPを稼ぎたい所ですが、今回は後方で大人しく皆さんの“食べ残し”でも漁りますよ。」

 

[[フン!なーにが“食べ残し”を漁るじゃ!ボケェェェ!そんなこと言いながらどーせすぐに前にしゃしゃり出てくるんじゃろーが!]]

 

[[あー…まぁキミならそうだろうね。キミって話し方も丁寧で大人しく見えるけど、なんか妙に好戦的だし。]]

 

「僕が好戦的…ですか?僕が好戦的なのは否定はしませんが、僕よりも更に好戦的なお頭さんや真海さんにだけは言われたくありませんね。いつも陣形も作戦も無視して、真っ先に先陣を切るのはどこのどなたでしょうか?」

 

[[さぁ?少なくても私じゃないわよ?そんなことするのってサニーでしょ?]]

 

[[わしゃそんなことはせんぞ!お嬢の言う通り、んなことするアホはセンセーしかおらんじゃろーが!!!]]

 

あの子もマヒねぇーちゃんも、黒澤のおっちゃんも。

 

好戦的なんはこんときチームを組んどった連中、み~んなおんなじやと思うんやけど…?

 

あとは…マヒねぇーちゃんと黒澤のおっちゃんが言っとる“サニー”とか“センセー”ちゅうんはな?

 

めっちゃキレイで、そしてめっちゃ強いガンプラを使ってるファイターさんなんやけど…。

 

変人やねん。

 

この海辺の街で出会ったウチの初めてのお仲間さん達の中でも、飛びっきりの変人なんよ。

 

センセー…つまりは教師なんやけど…普段は理想的な教師なんやけど……アミュセンでのセンセーは…。

 

はぁ…。

 

思い出すと幸せが逃げるちゅ~のに、ため息が出てきてしまうわぁ…。

 

うん。とりあえずはセンセーのことは一回隅っこに放り投げて置いとこか?

 

「お二人とも自覚なし、ですか…。やれやれですね…。まぁどうでもいいです。めんどう「めんどう禁止!」……さて、どうやら時間のようですね。みなさん?行きましょうか?」

 

さてさて♪変人は後回しにしといて、気を取り直していよいよ出撃の時間やね♪

 

[[オッケー!了解よ!それじゃまずは私から!“フリンティ・アクアマリン”!貝原 真海!行くわよ!]]

 

こっからは少しみんなの使っとるガンプラを紹介しとこ~かな?

 

まずはむさいおっちゃん達の中の紅一点♪

 

マヒねぇーちゃんの“フリンティ・アクアマリン”からやねん♪

 

ベースになっとるガンプラは“HGUCメタス”。

 

みんな知っとるん思うけど、機動戦士Zガンダム(とZZガンダムの序盤)に出てくる可変機やね。

 

マヒねぇーちゃんの“フリンティ・アクアマリン”。

 

見た目を簡単に説明すると、両腕に肘くらいまでの大きさのナックルガードをつけとって、肩と背中に大きなウィングバインダーが付いとるメタスやね。

 

メインカラーは白で所々にアクセントに薄い青が使われとるんや。

 

このマヒねぇーちゃんの機体は、本来の名前は“フリンティ”で、高機動型で空中戦闘を得意としとるんやけど、今回の“大海戦ミッション”のために水中戦闘用に改修してあるんよ。

 

水中戦闘用の“フリンティ”やから、“フリンティ・アクアマリン”なんやね。

 

主な改修ポイントは機体全体を強化プラスチックで補強しての強度強化と、水中用のスクリューモジュールの増設。

 

メタスは脆いん、強度を増しとかんと深海で圧壊…なんてことになったらしゃれにならんからなぁ…。

 

武装は手持ち式の水中用マシンガンと、両腕のナックルガードに内蔵しとるアームバルカン(もちろん水中用に改修済み♪)。

 

あとは武装領域(ウェポン・ストレージ)には予備の水中用マシンガンと、水中用のランスが入っとったハズやね。

 

“フリンティ”っちゅ~名前の意味は、確かワインとかのテイスティング用語で“硝煙香”やったかなぁ?

 

マヒねぇーちゃんは“火打石”って言っとたこともあったかなぁ?

 

[[フン!野郎共ぉぉぉぉぉぉ!!!内浦漁業連合!黒澤組の出番じゃ!ボケェェェ!!!波の谷間に命の華ぁぁぁぁ!!!一発見事に咲かせてやるわい!!!安全!確認!黒澤 金剛!“フィッシャーマン・ロディ”!操業開始じゃ!ワレェェェェェェェ!!!]]

 

お次は黒澤のおっちゃんの“フィッシャーマン・ロディ”やね。

 

ベースになっとるガンプラは“HGIB-Oマン・ロディ”。

 

“機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ”に登場した機体やね。

 

そのマン・ロディにオプションパーツセットの拡張セットを取り付けた“ランドマン・ロディ”が素体になっとんよ。

 

機体の色は濃いめのブルーと水色のツートーンカラー。

 

水色とかぶっちゃけヤクザ屋さんフェイスなおっちゃんに似合わん色やねん思うんやけどなぁ。

 

この“フィッシャーマン・ロディ”、見た目は色を塗り替えただけのランドマン・ロディなんやけど、あちこちに水中戦用の改修がされとるん。

 

例えば、本当ならスラスターになっとるん足裏には、スクリューモジュールが取り付けられておって、その丸っこくてどんくさそうな見た目に反して、水中では驚異の機動力を発揮するんよ。

 

武装は腰にマウントしとる水中用マシンガンと、おっちゃん曰く漁師の命な“銛(もり)”。

 

あとはサイドスカートの中に入っとる、投網が仕込まれとる手投げ弾やね。

 

水ん中ではこの投網の仕込まれとる手投げ弾が結構エグいんよ…。

 

初見殺しにも程があるん。

 

[[ヘイ!おやっさん!あっしとあっしのグレイズ・オルカ!何処までもお供しやす!野郎共!遅れんじゃねぇぞ!おやっさんに続きやがれぇぇぇぇ!!!]]

 

さ~て♪お次はマサさんの“グレイズ・オルカ”やね♪

 

マサさんの機体“グレイズ・オルカ”のベースになっとるガンプラは、名前からもわかるん思うけど“HGIB-Oグレイズ”やね。

 

おっちゃんのマン・ロディと同じ“機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ”に登場した量産型の機体なんよ。

 

そんなマサさんの“グレイズ・オルカ”は、通常の量産型のグレイズの背部のハードポイントに水中用のスクリューモジュールを増設してあるんよ。

 

機体の色はほぼ全身真っ黒。

 

頭部の一つ目だけが黄色く“ぐぽ~ん”って光っとるんやで。

 

武装はグレイズのライフルを水中用に改造した水中用グレイズライフルと“長ドス”…。

 

長ドスってみんなはわかるかなぁ…?鍔のついとらんポン刀のことなんやけど…?

 

え?ポン刀もわからん?あ~…ポン刀はな?日本刀のことやねん。

 

長ドスを横着せんで正確に言えば、“長脇差”になるんよ。

 

マサさんは水の抵抗で“斬る”ことが難儀な海中でも、平気な顔でこの長ドスを振る回して、次々に敵機をぎっちょんちょんするんよ。

 

水ん中でチャンバラなんて、ウチには今でもムリやなぁ…。

 

なぁマサさん?なんやコツでもあるんか?

 

[[[[[[[[[[おうよ!操業開始じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!]]]]]]]]]]

 

そんでもってお次はモブのおっちゃん達。

 

みんなズゴックやハイ・ゴック、グーンにゾノなんかの水中用の量産機を使っとるんよ。

 

モブのおっちゃん達…なんの拘りがあるんかしらんけど、水中戦に対応しとるアビスガンダムやディープフォビドゥンなんかのガンダム系のガンプラは誰も使ってないんよ。

 

なんでも“モブにはモブの維持がある!量産機で戦ってこそのモブ!モブ舐めんなよ!モブを!”とか言っとったなぁ…。

 

「それでは僕達も行きましょうか?全システム、オールグリーン。ドム子、貴女には発進時のGが少しキツいでしょうが、すぐに慣れますので我慢して下さいね。では…“ザク・ディープダイバー”。」

 

最後はあの子とあの頃のウチが乗っとるこの機体。

 

“ザク・ディープダイバー”

 

ベースになっとるガンプラは“HGUC量産型ザクⅡ”やね。

 

量産型ザクⅡにはランドセルや機体のあちこちにハードポイントなんてないんやけど、どうにもあの子が弄ったみたいで、この量産型ザクⅡにはあちこちに3mm穴のハードポイントが設けられていたんよ。

 

複座にするために急遽取り付けた簡易増設コクピット付きのスクリューモジュールユニットは、このランドセルに設けられていた3mm穴ハードポイントに固定されてるんよ。

 

他にも、脚部の外側に設けられておる3mm穴ハードポイントにも水中用の小型スクリューモジュールユニットが取り付けられとるんやで。

 

機体の色は全体的に濃い緑色で、胸部のコクピット部分だけは確か黒やったなぁ。

 

武装は水中用の大型ランスと、他のみんなの水中用マシンガンとは違って、威力はちょい下がるんやけど取り回しやすい短銃身タイプの水中用マシンガンが腰の後ろのウェポンラックにマウントされとるんよ。

 

武装領域の中には予備の水中用マシンガンが一丁。

 

確かそんなところやったなぁ。

 

「出撃しますよ。」

 

「Gがキツい?慣れる?出撃?っ?!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

さぁ~て♪次回はいよいよウチの初めてのガンプラバトルやねん♪

 

まぁ初めてのガンプラバトルちゅ~ても、ウチはサブシートにちょこんと乗っかって、レーダー見とるだけなんやけどね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

ブレイクエイジと言う昔の漫画をご存じの方にはお分かりもしれませんが、今回のお話のベースにはブレイクエイジ外伝ボトルシップトルーバーズの成分が多分に含まれております。
本編もりよマイナーな作成なので、どれだけご存じの方がいらっしゃるか…。

次回はバトル回になる予定でございます。
バトル回の筈ですが、何故かザリガニの話に…。
また、今回作中で登場した“フィッシャーマン・ロディ”を一応はガンプラで作ってみました。
他の皆様の様に合わせ目消しや改造などしていないただの色変えですが、よろしければご覧になってみて下さい。


【挿絵表示】



次回は月曜日に本編の更新を、金曜日にのんたん生誕祭特別編の更新を予定しております。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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