ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

続々体調不良なQooオレンジでございます。
咳が治りません…。



今回から絵里さんsideのお話となります。
ガンプラ作品の癖に相当久しぶりなガンプラ作成シーンのアレコレには突っ込み不要でお願いいたします。
いや、マジで。








それでは 第8話A「夢の欠片」そのろく① 始まります。

































第8話A「夢の欠片」そのろく①

「えーっと…切るときはパーツのちょっと手前から…ですよね?」

 

「えぇ、そうよ。さっきも教えたけどランナーはちょっと手前から切ってゲートを少し残すようにするの。そして後から残したゲート部分を綺麗に切り取るのよ。」

 

「はーい!」

 

ふぅ…色々と説明も終わって、高坂さんもちゃんと理解してくれたみたいだから、これでようやくまともにガンプラを組み立てられるわね…まったく…ランナーを切るときにニッパーじゃなく爪切りをカバンから取り出して使おうとした時はなんの冗談かと思ったわ…冗談じゃなくガチで使おうとしていたってわかってめまいがしてきし…高坂さんがここまでアレだとは…まぁわかってはいたけど再確認しちゃうと色々とアレでアレがアレよね……あ♪みなさんお久しぶりね♪かしこいかわいいえりーちかでお馴染みな超絶無敵生徒会長♪絢瀬 絵里よ♪気軽にエリーチカって呼んでね♪

 

超絶無敵生徒会長とか言ってることがにこっぽいけど余り気にしないでね♪高坂さんの相手をしていて色々あり過ぎてアレがアレでアレになってアレになっちゃっただけだから♪

 

さてアレなことをアレとかアレって言いまくるのはこの辺にしておいて……何だか私達の裏側ではガンプライブにしてはとても珍しく園田さん達が比較的真面目にバトルしていたみたいだけど…。

 

ねぇ?第8話って私がメインのお話じゃなかったのかしら?

 

ここまでの流れだと園田さんメインのお話な気がしちゃうのはえりーちかの気のせいかしら?

 

しかも園田さんったら初心者のクセに無駄に強いし。

 

知ってる?ガンプライブって連載を初めてからリアルでは3年以上時間が経ってるのに、作中では実はまだ1ヶ月も時間が経過してないのよ?

 

3年以上連載して作中時間1ヶ月も経過してないって…もう高坂さんもビックリよね。

 

このままだとサンシャイン編が始まるまであと10年以上リアル時間が必要かもとか気のせいよね?

 

きっと気のせいよね?

 

とかメタい事を考えていたら、バキッ♪っというガンプラを作ったことがある人なら1度は聞いたことがあるんじゃないかしら?っていう忌々しい音と共に高坂さんが…

 

「あっ?!」

 

っと声を上げたの。

 

私がそんなやっちまった感満載の声を上げた高坂さんの方を見てみると…

 

「えっ?!ちょ!高坂さん?!なんでランナーからパーツを全部切り取ってるの?!しかもさっきバキッ♪って…あぁ!アンテナのパーツが折れてるし!」

 

そこにはご丁寧にランナーから全てのパーツを切り取っているアホが居たの…。

 

しかも最後に切り取ろうとしていたガンダムタイプの特徴的なV字アンテナの片側をポキッ♪っと折っちゃってるし。

 

ようやくまともにガンプラを組み立て始めたと思った矢先にこれよ?

 

もうほんと高坂さんは高坂さんって書いてアホって読むんだなぁ…って嫌でも理解しちゃうわ…。

 

「説明書通りになんで作らないの?!何十体とザクを作りまくってもう説明書見ないでも作れるようになったどこかのオレンジ野郎と違って高坂さんじゃ説明書見なきゃ作れるハズないじゃないの!それなのに何で…………ま、まさか…」

 

「はい?まさか?」

 

「説明書に書いてる日本語が読めないとか………。」

 

「ひどっ?!って!説明書に書いてるヤツくらい穂乃果だってちゃんと読めますよ!」

 

流石に日本語は読めたのね。

 

そりゃそーね。

 

日本語読めなきゃ受験の時に確実に落ちてるでしょうし…とか思いながらも、実は南さんのお母様…つまりは理事長が裏からこっそりと手を回して不合格を合格にしたとかじゃないわよね?って思ったりもしたんだけど、高坂さんって本気を出せば難しい問題をアッザムじゃなくてあっさり解いちゃってたわね。

 

あぁ…ダメだわ。

 

なんか高坂さんのペースに巻き込まれて思うように考えがまとまらないわ。

 

とにかく…

 

「ならどーしていきなり全部のパーツを切り取ったの!説明書にはそんなこと一言も書いてないわよね!」

 

まずはこのアホの権化の高坂さんにまともにガンプラを作らせることから始めましょ。

 

色々とアレなことを考えるのはあとよ!あと!

 

そんな若干キレ気味な私の叫びにも似た魂の一言に対して高坂さんは…

 

「うぐっ!そ、それは……」

 

って言葉につまってナニか下手な言い訳をしようとしやがったの。

 

言い訳なんかさせないわよ!ってことで…

 

「それは?それはなんなの!はい!チャキチャキ答える!」

 

私は高坂さんが変な言い訳を言い出す前に先制してどーしていきなり全部のパーツを切り取ったのかの答えを促したの。

 

高坂さんの答えは…

 

「はひ!先にぜーんぶパーツ切り取った方が楽だと思ったからです!」

 

全部のパーツを先に切り取った方が楽だと思ったから…ってあまりにも高坂さんな答えだったわ。

 

うん。

 

「楽なワケあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!バカなの?!アホなの?!高坂 穂乃果なの?!高坂 穂乃果って書いて定番のアホって読ませたいの?!広○苑に新しくアホ=高坂 穂乃果って記載されたいの?!」

 

アホだわ。

 

あまりにもアホだわ。

 

「むっ!穂乃果!アホじゃありません!ってかアホってゆーほーがアホなんですよ!だから絵里先輩のほーがアホなんです!」

 

「黙らっしゃい!!!言うに事欠いて私がアホ?!ぽんこつ気味だけど高坂さんに比べたら限りなくアホじゃないわ!ってか高坂さんはアホじゃないって言うけど絶対にアホでしょ!アホの極みでしょ!アホ乃果でしょ!私がさっきアレだけゆっくりでいいから説明書の手順に沿って慎重につくるのよって耳にタコができるくらい説明したのに先にぜーんぶパーツ切り取った方が楽だと思ったから♪とか言って私の説明ガン無視していきなり全部のパーツを切り取るなんてどこからどー見てもアホでしょ!アホの所業でしょ!!!」

 

「しょぎょーとか言われても穂乃果!イミワカンナイもん!あ♪今の真姫ちゃんっぽいですね♪」

 

「イミワカンナイのはこっちよ!ってか話を逸らすな!!!!!全裸にひん剥いて縛るわよ!!!!」

 

「はひ!!!こめんなしゃあぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…やってしまったことはどーしようもないわ。そもそもこのアホから一瞬でも目を離した私も悪いんだし。」

 

高坂さんを一瞬でもやればできる子って信じたえりーちかが間違ってたわ。

 

高坂さんはやってもできない子…だから完全介護でガンプラ作成するしかないわね。

 

「ほんとアホでごめんなさい…って!穂乃果!アホじゃないし!」

 

自分で自分のことアホって言ってアホじゃないし!とか1人で突っ込み入れてる高坂さんを横目に見ながら、私はこの完膚なきまでにバラバラにされてしまったストライクガンダムのパーツ達を分別して行くことにしたわ。

 

あ♪そうそう♪

 

高坂さんがなんのガンプラを作っていたか…それはまぁ見て?の通り高坂さんが今まで使っていた物と同じストライクガンダムなのよ♪

 

初期のHGストライクじゃなくてHGCEの方のストライクよ♪

 

初期のHGストライクも悪くはないんだけど、やっぱり後発のHGCEストライクに比べるとどうしても見劣りしちゃうのよね。

 

そこら辺を自分好みのストライクに仕上げるのがガンプラビルダーの腕の見せ所ではあるんだけど、高坂さんはまだガンプラバトル同様にガンプラ作成の方も初心者だから、今回はより洗練された方のHGCEストライクの方にしたの。

 

したの♪とか言ってるけど元々高坂さんが使ってたのもHGCEストライクの方だったんだけどね。

 

まぁそれは置いておいて…このHGCEストライクなんだけど、前回のえりーちか回で色々と性癖関連のことでぶっちゃけちゃって、それを誤魔化すためにおこづかいをほぼ使いきってるって言ってた高坂さんにえりーちかがプレゼントしてあげたの。

 

後輩にガンプラをプレゼントしてあげちゃうなんてえりーちかったらほんと太っ腹よね♪

 

まさにハラショーよ、ハラショー♪

 

「アホでもアホじゃなくてもどっちでもいいから、早くストライクを作っちゃいましょ。」

 

「はーい!」

 

さて…それじゃサクッ♪っと組み立てちゃいましょっか♪

 

まずは…

 

「胴体部分からね。えーっと…このパーツとこのパーツと…あとは…これとこれね。」

 

私は説明書に書かれている絵を見ながら、さっき全部切り取ってしまったパーツから該当するパーツを探して高坂さんに手渡したわ。

 

パーツを手渡しながらふと、高坂さんが全部切り取ってしまったパーツは何気にキレイに切り取られてるなぁ…って思っちゃったの。

 

アレだけアレでアレなぶっちゃけアホな高坂さんのことだから、適当にパーツを切り離したんじゃないかしら?って思ってたけど、意外にキレイに切り取られていたのよ。

 

これには私も素直に感心したわ。

 

手先は意外に器用…なのかしら?

 

手先が器用だったら額のV字アンテナを折ったりはしないわよね?

 

うーん……もしかして手先はそこそこ器用だけど集中力が途中で途切れて最後に切り取ろうとしていたV字アンテナのパーツの部分だけ折っちゃったとか…かしら?

 

私がそんなことを考えていると…

 

「あ!説明書に書いてる絵とおんなじパーツだ!」

 

高坂さんはさっき手渡したパーツと説明書に描かれているパーツの絵を見比べて呑気におんなじパーツだー♪って言っていたわ。

 

そう言えば…私が初めておばあさまと一緒にガンプラを作った時に、今の高坂さんと同じことを言ったような気がするわね。

 

あの頃はガンプラを作るのがまるでパズルを作るみたいで、説明書を見ながら組み立てること自体が面白かったわね…。

 

今じゃほとんど素組なんてやらなくなったから、そんなことすっかり忘れてたいたわ。

 

そうよね…ガンプラって楽しいのよね…。

 

なんで私はそんな当たり前のこと忘れてたいのかしら…。

 

…………まぁいいわ。

 

今はまず高坂さんのストライクを組み立てることが先決よ。

 

「同じ絵で当たり前よ。そもそも違ってたら組上がらないでしょ?そんなことよりもほら!サクッと組み立てる!」

 

「はーい!」

 

高坂さんは目を輝かせながら説明書に描かれているパーツの絵と手に持っているパーツを何度も見比べていたけど、私が促すと素直に返事をしてようやくストライクの胴体部分を組み立て始めたわ。

 

まったく…ほんとに手がかかる子ね…。

 

いつもこの調子じゃ高坂さんと幼馴染みらしい園田さんや南さんは大変でしょうね。

 

きっとあの子も…ソラも高坂さんにあれやこれやと手を焼いてるんでしょうね。

 

ちょっと前までの…腐っていた頃のソラなら、高坂さんみたいなこんな手のかかる子は簡単に切り捨ていたハズなのにね。

 

使えないクソはいらねーよ。とか言って。

 

って!言ってる側から!

 

「ちょっと!高坂さん!ポリキャップ!ほら!そこ!まだ腕の接続部分のポリキャップ入れてないわよ!!!」

 

「ふぇ?ぽりきゃっぷ?」

 

「これよ!これ!このゴムっぽいパーツ!これをここに入れないとあとで腕が胴体に接続できなくなるの!説明書にもちゃんと書いてあるでしょ!よく読んで!」

 

「おぉ!ほんとだ!説明書にちゃんと書いてる!絵里先輩すごーい♪」

 

「すごーい♪じゃないわよ…。」

 

これ…一瞬でも目を離したら確実に詰むわね…。

 

そうして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紆余曲折ありながらも……

 

「エールストライカーを背中に付けて…っと…これで……完成!!!」

 

高坂さんはついにエールストライクガンダムを完成させたの。

 

素組に簡単に墨入れをしただけのエールストライクガンダム。

 

ただそれだけでも今まで適当に作ったストライクを使っていた高坂さんにとっては大きな一歩よね。

 

ちなみに折っちゃった額のV字アンテナは、私がアミューズメントセンターに併設してあるガンプラショップのジャンクパーツコーナーから見付けて来てわ。

 

ストライクのジャンクパーツがあってよかったわ…無かったらまたアンテナが折れたストライクになっちゃってたわ。

 

「絵里先輩!ありがとうございました!!!」

 

「どういたしまして。」

 

手に完成したばかりのエールストライクガンダムを持ちながらはしゃぐ高坂さんを微笑ましい気持ちで見ながら、ふとアミューズメントセンターの壁に設置されている時計に目がいったの。

 

時刻は5時30分。

 

この時間なら…

 

「1回くらいはバトルロイヤルに出撃できるかしら?」

 

そんな私の一言を聞いた高坂さんは…

 

「バトルロイヤル!やりたいです!ってかやりましょう!絵里先輩!」

 

グッとこちらへ顔を近付けて来て、鼻息も荒くバトルロイヤルやりましょう!って迫って来たの。

 

「近いから!顔近いから!」

 

もうちょっとくちびるを付き出せばキスできちゃう距離よ?

 

流石に女の子同士でもこの距離は恥ずかしいわ。

 

「なら早く行きましょ!ガンプラバトル!」

 

はぁ…ほんと、この子のお守りは大変ね…。

 

でも…どこかほっとけないのよね、高坂さんって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

パーツをいきなり全部切り離す…ガンプラ初心者あるあるかなぁ…と。
私もかつて人生で初めてのプラモであるエルガイムを作ったときにやらかしました。

次回も絵里さんsideのお話となります。
ペアを組んで出撃した絵里さんと穂乃果ちゃん。
果たしてぽんこつ凸凹コンビに未来はあるのでしょうか…。



次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は妄想力の低下&クソ上司のお陰でブラック労働万歳の為、しばらくはお休みさせていただきます。
何卒ご了承下さいませ。


それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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