ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
ようやく体調が回復して来ましたQooオレンジでございます。
今回の体調不良で今月の病院代が凄いことになってしまいました…。
先日発売されたペーネロペーが一体何機買えた事か…。
今回も絵里さんsideのお話となります。
絵里さんと穂乃果ちゃんが新たに立ち向かう敵機は…。
それでは 第8話A「夢の欠片」そのろく③ 始まります。
ただのザコキャラなハイ・モックを相手に繰り出すには余りにもオーバーキルなトールギス・ヴァルキュリアの最大にして唯一の攻撃方法でもある超高速でのランスチャージを繰り返すこと数分…
「これで!ラスト!!!」
最後に残っていた大きな斧を持った近接型のハイ・モックを串刺しにし終えた私は、ハイ・モックの集団との戦闘が始まってからずっと加速し続けていた機体にゆっくりと制動をかけて、今回の僚機である高坂さんのエールストライクガンダムの隣で止まったわ。
大型ランスを振るって串刺しになったままの近接型ハイ・モックを放り投げると、隣に居る高坂さんが通信モニターの向こう側で…
[[絵里先輩!やっぱりすごい!]]
と、両手を握って感激した声をあげていたわ。
そんな高坂さんを見ながら、同時にメインモニターに映る高坂さんが乗っている新しいエールストライクガンダムの様子を確認してみると、意外なことに外見上は特に目立った損傷は見当たらなかったわ。
どうやらたった2機でハイ・モック25機の大集団を相手にした大乱戦の中でも、高坂さんは被弾しなかったみたいね。
「ありがと。高坂さんも随分といい動きしていたわね。」
っと言うか高坂さん、戦闘中にチラリと見たけどスゴい反射神経をしていたわね。
けど…真後ろからの攻撃を避けるとか反射神経が良いで片付けちゃっていいのかしら?
でも…
[[ホントですか!やった!絵里先輩にほめられちゃった♪]]
私に誉められたってはしゃいでいる高坂さんを見ていたら、色々とどーでもよくなってきちゃったわ。
さっきの真後ろからの攻撃を回避してみせた時に後ろに目があるんじゃないの?!とか思ったりもしたけど、高坂さんが楽しくガンプラバトルをしてるならそれでいいわよね?
ガンプラバトルは楽しんでなんぼ♪ってよく希も言ってるし。
先生も…3代目メイジン・カワグチも絢瀬君!精一杯ガンプラバトルを楽しみたまえ!っていつも言ってたし。
うん。
楽しんでるならそれでいいのよ♪
[[ちょー強い絵里先輩にほめられちゃったから穂乃果もきっと新しいストライクでちょー強くなったちゃったんだ♪いぇい♪]]
楽しんでいて何よりだけど…
「こーら。確かにいい動きだったって誉めたけどあんまり調子に乗っちゃダメよ。」
あんまり調子に乗ってると痛い目を見るわよ?
調子の良いときこそ慎重に行動しなきゃ。
「高坂さんのそのエールストライクは今日が初乗りなんだから、いきなり全開で振り回さないで少しずつ機体のクセや感じを確かめながら戦いなさい。」
新しい機体…機体自体は同じストライクガンダムだけど…に乗り換えてテンション上がってるのはわからなくはないわ。
だからこそ調子に乗って油断して、こんな野良バトルなんかで撃墜されちゃったりしたら、せっかく新しい機体でいい気分になってるのが台無しになっちゃうわ。
[[はーい。でも…機体のクセ…ですか?]]
高坂さんはどこか気のない返事を返しながら、私の言葉について考えていたわ。
まぁ中身がアレな高坂さんにいきなり機体のクセがどーとか言っても困惑しちゃうよね。
だってほら、高坂さんってアレがアレでアレがアレだから…。
だから…
「その新しいストライクなんだけど、昨日まで使っていたストライクとはかなり勝手が違うんじゃない?操作しやくなってるとか加速性能が上がってるとか。」
私はもうちょっと噛み砕いて説明してあげたのよ。
たぶん以前までのストライクと比べて操作性や加速性能は目に見えて変わってるんじゃないかな?って思ったから、そこら辺が変わってない?ってね。
そうしたら私の話を難しい顔で聞いていた高坂さんは…
[[あー…言われてみればなんか動きやすくなってるなー、って思ってました!]]
さっきの話をようやく理解してくれたみたいで、新しいストライクについて動きやすくなったって感想を話し出したのよ。
普通の素組で動きやすくなったって今まで高坂さんが使っていた適当に作ったストライクはどれだけ操作しづらかったのかしら…。
SEEDの第1話でキラがOSを書き換える前くらいに使いにくかったとか?
それって逆にちょっと興味あるわ。
とか言ってるけど、操作性に関しては私のトールギス・ヴァルキュリアもかなり扱いづらいんだけどね。
操作性が壊滅的なのは特化型の宿命だから仕方ないんだけど。
………また余計なことを考えちゃってたわね。
高坂さんの以前までのストライクは個人的にスゴく気になるけど、とりあえず今は目の前のバトルロイヤルとガンプラバトル初心者な高坂さんへのコーチングよ。
そう思って高坂さんへとアドバイスをしようとしていたら…
「でしょ?今日はその新しいストライクを…っと、どうやらお客さんが来たみたいね。」
トールギス・ヴァルキュリアのコックピットにアラートが響き、敵機の接近を知らせてくれたわ。
横目でチラリと広域レーダーを確認してみると、そこにはこちらへ向かって直進して来る3つの赤い光点が映し出されていたの。
[[ふぇ?えりちさん先輩?お客さんって?]]
高坂さんは私の“お客さん”って言葉が何を意味しているのかわからなかったみたい。
でも…
<<れーだーにてきせーはんのー。かずはさん。まっすぐこっちにきてるよー。>>
すぐに高坂さんの電子精霊が敵が近付いているって事を知らせてくれたわ。
[[てきせーはんのー?ナニソレ?(穂乃果!穂乃果!要するに敵が来たって事だよ!レーダー確認してみて!) へ?敵?あっ!ホントだ!よぉーし!いっくよー!!!]]
最初は敵性反応が何を意味しているのか理解していなかった高坂さんだけど、その意味に気付くや否や右手に持ったビームライフルを構えて突撃して行こうとしたの。
「ちょっと待ちなさい!相手がどんな機体なのかもわからないのに無闇に突っ込まないの!!!」
私はそんな突っ込んで行こうとしている高坂さんを慌てて止めたわ。
[[えーっ!]]
「えーっ!じゃないわよ…まったく…。」
普段から突撃三昧な私が高坂さんの突撃を止めるのも何だか変だわね。
まぁ私の場合は頑丈な装甲でどんな攻撃でも防いじゃう自信があるからいつもすぐに突撃しちゃうんだけど。
私のトールギス・ヴァルキュリアの自慢の装甲はぶっちゃけ核でも耐える自信あるわよ?
実際にGP02のアトミックバズーカの一撃に耐えきったこともあったりするわ♪
相手のGP02は素組だったけど。
[[高坂さんのストライクは素組で装甲値はそんなに高くはないわ!さっきのハイ・モックの時みたいにまずは私が突撃して敵機を分断するから、高坂さんはそのあとで追撃をしてちょうだい!]]
相手がまだどんな機体なのかはわからないけど、私たちが取るべき作戦は高坂さんでもわかりやすいような単純明快な作戦よ。
私のトールギス・ヴァルキュリアが突っ込んで相手を掻き乱して、そこを高坂さんが追撃して撃墜していく。
そんな簡単な作戦。
まぁ掻き乱すとか言ってるけど、スキがあったらランスでぶち抜いてあげるつもりよ。
[[絵里先輩だけ突撃してなんかズルいです!]]
ズルいって言われても困るわね。
だって高坂さんの素組のストライクで未確認の敵機相手に突撃なんてしたら、すぐに墜とされちゃうじゃない。
もう少し作り込んで“フェイズシフト装甲”の防御アビリティを発現させていれば、まだ突撃しても簡単に墜とされちゃうような危険性は無かったと思うんだけどね。
でもフェイズシフトがあっても相手がビーム兵器主体だとダメかも。
私みたいに突撃したいならビーム、実弾双方の攻撃を完璧に防げるくらいに厚い装甲がなきゃ♪
「ズルいって言われても…。」
そうね…高坂さんに私の予備のシールドをプレゼントしようかしら?
あとはバックパック…ストライクの場合はストライカーパックだけど…を、今のエールストライカーよりもっと速度の出るヤツを作って…。
ふふ♪希に手伝って貰って高坂さんが泣いちゃうくらいにスピードの出せるヤツを作っちゃおうかしら♪
頑丈なシールドを構えてバカみたいなスピードで駆け抜ける…ならやっぱり武器はランスが1番ね♪
確か部屋に昔使ってたランスがあったからそれも予備のシールドと合わせてプレゼントしちゃおっと♪
シールドとランスを構えて颯爽と駆け抜けるストライクガンダム…うん♪アリかも♪
名前は…シュヴァリエストライクガンダムとか?
[[絵里先輩?どーしたんですか?なんかボーッとしてたけど…?]]
「へ?」
ボーッとしてって……あ。
ま、また思考が変な方向に行っちゃってわ……。
「ごほん。何でもないわ。とりあえずは私が突っ込むからそのつもりで!行くわよ!штурм(シュトゥールム)!!!!!」
[[ちょっ!絵里先輩?!待ってくださーーーーーい!!!!!]]
誤魔化せた…かしら?
いつも通りに大型ランスとシールドを構えて両肩のスーパーバーニアを起動させ、こちらへと向かって来ている3機の敵機へと突撃を開始して数十秒。
トールギス・ヴァルキュリアのメインモニターに映し出されたのは…
「ジェガンとリゼルと…最後尾の機体はグスタフ・カールかしら?」
連邦軍が誇る傑作量産型MSジェガンと、可変機構を持った同じく量産型のMSリゼル(一般機)。
そして見るからに分厚い装甲を持った量産型MSグスタフ・カールの合計3機だったわ。
「見たところジェガンとリゼルは素組ね。後ろのグスタフ・カールは装甲部分を少し弄ってあるかしら?」
グスタフ・カールのただでさえ厚い装甲を弄ってさらに頑丈にしたのね。
タイプ的に言えばあのグスタフ・カールは私のトールギス・ヴァルキュリアと同じ防御特化型かしら?
あの見た目と装甲の弄り具合で機動力に特化させたタイプだった…とかならビックリよね。
でも先行して来ている素組のジェガンとリゼルよりも足が遅いから、機動力に特化って線はは無さそうね。
私のヴァルキュリアと同じで装甲を極端に強化した防御特化型でも、あのグスタフ・カールの改造機は先行して向かって来ている素組のジェガンとリゼルの2機よりも足が遅いみたいだからスピードはあまり無いみたいね。
鈍足で高い防御力…高坂さんたちμ'sで言えば星空さんのベニャッガイみたいなタイプね。
うーん…そうなると今の高坂さんと素組のエールストライクガンダムじゃ、あの装甲強化型のグスタフ・カールを相手にするのはちょっと厳しいかもしれないわね。
高坂さんは例のスゴい反射神経があるから見た目的には標準装備のあのグスタフ・カールの攻撃を避けることに関しては問題ないけど、使ってる素組のエールストライクガンダムじゃあの装甲強化型のグスタフ・カールの装甲を抜くには根本的に攻撃力が足りてないわ。
関節部分を狙えば何とかかるかもしれないけど、それをガンプラバトル初心者の高坂さんに強要するのは酷よね。
なら…
「あの装甲強化型のグスタフ・カールは私の獲物で決まりね♪」
どんな装甲だろうと穿ち貫くこのヴァルキュリア自慢の大型ランスで串刺しにしてあげるわ♪
そうと決まればサクッとヤっちゃいましょ♪
「高坂さん!聞こえてる!私が後ろのグスタフ・カールの相手をするわ!貴女は前衛のジェガンとリゼルをお願い!」
私は後ろから追いかけて来ている高坂さんにそう通信を送ったんだけど…
[[じぇがん?りぜる?ぐすたふかーる?あ、あのー!どれがどれだか穂乃果!わかんないです!]]
と、なんともまぁアレな答えが返ってきたのよ。
100歩譲ってちょっとマイナーなグスタフ・カールがわからないのは仕方ないわ。
でも…ジェガンとリゼルもわからないとかそれってガンプラファイターとしてどーなのよ…。
「前に居る2機がジェガンとリゼルよ!うす緑色の機体がジェガン!もう片方の紺色の方がリゼルよ!」
[[えーっと、うす緑の方がじぇがん?で、紺色の方がりぜる?]]
「そう!あとリゼルの方は変形するから気を付けて!」
[[へ、へんけー?!]]
うん。
不安だわ。
ホントはフルブーストでグスタフ・カールのところまでサクッ♪っと飛んで行きたいけど、ここは高坂さんにちゃんとジェガンとリゼルの特徴を説明してからにした方が良さそうね。
「いい?うす緑色の方のジェガンはとてもバランスの取れた量産機よ。武装はビームライフル、ビームサーベル、頭にあるバルカン砲にシールドに内蔵してあるミサイルランチャー、それと腰のアーマー部分に取り付けてあるハンドグレネードよ。ジェガンにはこれと言って変わったアビリティとかは無いわ。もう1機の方はリゼルって言う可変型の量産機よ。可変型ってわかる?さっきも言ったけど変形するってことよ?」
[[うん!ぜっんぜん!わかんないです!!!!!]]
あ。
これはアレね。
ダメなパターンだわ。
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
今回も本編にまったく関係ないのですが、スクスタでようやく上級Sクリアが出来る様になってきました。
いつの間にか3凸していた穂乃果ちゃんとにこちゃんがムダに強いです。
次回も絵里さんsideのお話となります。
まずは絵里さん対グスタフ・カールです。
次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は妄想力の低下&クソ上司のお陰でブラック労働万歳の為、しばらくはお休みさせていただきます。
何卒ご了承下さいませ。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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