ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
小学生の頃に仲の良かった女の子(現人妻)と好きだった女の子とドラクエ3の世界で冒険の旅に出るなんとまぁ“なろう”の様な夢を視たQooオレンジでございます。
……久しぶりにドラクエ3やろうかなぁ…。
今回も海未さんsideのお話となります。
ようやく…。
それでは 第8話B「過去と今と、そして未来と」そのろく⑩ 始まります。
前回のラストに雪穂の何気無い一言でアレ?これって私なら普通に斬っちゃった方が早いんじゃ?と言う事に気付き意気揚々とその首、頂戴しちゃいます♪とか言ったまでは良かったのですが、まずはまるで獲物を狙う猛禽類の様にぐるぐると旋回を繰り返していやがりますあの忌々しい以下略な生徒会長に追い付かなければいけません。
追い付かなければいけないのですが…あの忌々しい以下略な生徒会長の操るトールギス・ヴァルキュリアはこれまた忌々しい事に旋回を繰り返す度にどんどんとその速度を増していたりしやがります。
ぶっちゃけますと、私のジム、スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)ではもうあの速度には追い付けそうにありません。
それは今回のバトルで私と共に唯一生き残った雪穂のガンダムホワイトラビットも同じだと思います。
ガンプラバトル素人の私が何でそんな事わかるのか?ですか?
だって雪穂のガンダムホワイトラビットは大きな銃を一丁だけ携えて後方から砲撃を放つ見るからに遠距離砲戦型の機体ではありませんか。
それに今まで見て来た所謂“高機動型”と言われる機体はそのほとんどが背中に何かしらの大出力の推進機を取り付けてありました。
雪穂のガンダムホワイトラビットの背中に通常サイズのスラスターはありますが、他にはなーんにも取り付けられてはいないのでノット高機動型!と判断したのです。
名推理ですね♪
そんな名推理を脳内で展開していると…
[[で?海未さんなら切れちゃうのはいいんだけど、アレにどうやって追い付くんですか?]]
雪穂がどうやって追い付くんですか?と問い掛けて来ましたけど
どうやって追い付くんですか?と言われても返答に困りますね。
「追い付けないから困ってるんですよ。雪穂は何か良いアイデアありますか?」
ここは素直にガンプラバトルに関しては私よりも先輩な雪穂に逆に問い掛けてみましょう♪と、言う事で早速私は未だにぐるぐると旋回を続けている忌々しい以下略な生徒会長のトールギス・ヴァルキュリアを片目に見ながら、雪穂に何か良いアイデアはありますか?と聞いてみました。
雪穂は先程肉壁となって謎の断末魔と共に果てた何処かのアホな方の看板娘な姉と違い、ちゃんと考えて行動する賢い子なのできっと何かしらの名案があるに違いありません♪
園田さんちの海未ちゃん的にはそこら辺、とーーーっても期待しちゃってます♪
その様な私の内心の期待を知ってか知らずか、雪穂は何時もの調子でこちらの問い掛けに早速答えてくれちゃいました。
その答えは…
[[えっ?あれだけスピードに乗った状態のアレに追い付くとか普通に無理ですよ?]]
私の求めていた答えではありませんでした…。
[[って言いますか、スピード勝負で絵里さんに追い付けるのってかなりのレベルのスピードファイターくらいですよ?素組に少し手を加えたにわか素人ファイターと後衛砲戦型の中堅ファイターの組み合わせじゃどう足掻いてもスピード勝負で抵抗するのはムリなんですよ。]]
「はい………?」
おまけにハッキリと私達の組み合わせじゃアレを相手にスピード勝負で抵抗するのは無理とまで言ってきやがりました。
「な、なら!どうして最初から無理とわかっていてどうやってアレに追い付くんですか?とか聞いてきたんですか?!私はてっきり雪穂には何か良案があってその説明の前フリかと思ってルンルン気分で聞き返してしまったではありませんか!」
[[前フリって海未さんも何か最近芸人気質が身に付いて来ましたよね…は、どーでもいいとして。いや、ほら。物理法則とか割りと簡単に無視して一般人の私から見たらそれって超常現象?って感じの頭のおかしい現象を起こして色んなモノを問答無用でぶった切ってる海未さんならスピードとか距離とかそんな感じの概念的なナニかも涼しい顔してえいっ♪って感じで切り裂いたりできちゃうのかなぁーとか思ったんですよ。]]
「無理です!概念的なナニかを斬り裂くってそんな事は私にはまだできません!」
[[ですよねー………ん?海未さん、今…“私には”って言いました?あと“まだ”って…?]]
「ん?言いましたよ?それがどうしたのですか?」
[[“私には”ってコトは…“まだ”ってコトは…]]
「事は?」
[[“私以外”ならできる人が居るし、そのうち海未さんもイケちゃうようになるってコト…ですか?]]
「えぇ。そうなりますね。ちなみに私のお祖父様なら概念だけを斬り裂くとか出来ちゃう筈ですよ?」
[[切れるんだ…流石は人外集団園田流…。]]
失礼な。
園田の剣士みんながみんなが人外の力を持ってる訳ではないのですよ。
私もまだ概念だけを斬り裂くとか無理ですし。
人外の領域に片足どころか腰の辺りまでズップリと浸かっているのは私のお祖父様と数人の高弟さん達位です。
「まぁそこら辺は今は割りとどーでも良いので、これ以上グダグダが蔓延する前にお話を先に進めましょう。」
[[割りとどーでもいいって……(お姉ちゃんが海未さんと仲良くできるのって頭の中身がアレで海未さんの人外的な要素をまるっと気にしてないからなんだろーなぁ…そう思うとうちのお姉ちゃんも結構スゴいんじゃ…なんて無いか。お姉ちゃんだし…)…そーですね。とりあえず、追い付けないら絵里さんが海未さんにランスチャージを仕掛けて来たら、その時にカウンターでヤっちゃえばいいんじゃないですか?]]
「カウンターですか?」
[[はい。カウンターで。]]
カウンター……なるほど。
無理にスピード勝負に持ち込まなくてもカウンターなら彼方から勝手に近付いて来た時に斬り捨てれば良いだけなので、確かにイケちゃいそうですね。
ただ…
「あれだけのスピードで突っ込んで来やがる相手に上手く合わせられるか…そこが問題です。」
[[だから人外な海未さんならイケちゃうんじゃないですか?]]
「あのですね…さっきから人外人外と雪穂は私の事を何だと思っているのですか?」
[[頭がアレな姉の幼馴染みで近所の怪しい人斬り集団的なナニかの跡取り娘?]]
「随分とぶっちゃけやがりましたね……。」
何だかんだと雪穂とグダグダとしていると…
[[あ。来た。]]
不意に雪穂が“来た”と一言を漏らしました。
「来た?誰が…っ!」
その一言に私が首を傾げ様としたその時、メインモニターにこちらへと向かって猛スピードで突っ込んで来やがる一機の機影が映し出されたのでした。
それは先程までぐるぐると私と雪穂を中心に旋回を繰り返していたあの忌々しい以下略な生徒会長のトールギス・ヴァルキュリア…。
そう。
遂にあの忌々しい以下略な生徒会長が仕掛けて来やがったのです。
ドンドンと近付いて来やがる忌々しい以下略な生徒会長の操るトールギス・ヴァルキュリア。
対して…
[[海未さん!私が“ウサギの一本角(ラビットホーン)”をぶっぱなして少しでもスピードを相殺させますから、海未さんは何とかアレをぶった切ってください!]]
雪穂は機体を後ろへと下がりながら、手にした大型の銃“ウサギの一本角(ラビットホーン)”へと圧縮エネルギーカートリッジを装填させて、私にそう言い放って来ました。
あれだけの大出力ビームをぶち当ててスピードを相殺させるとか、それもある意味で凄い発想ですよね。
と、言いますか、普通はあれだけの大出力ビームが当たればスピードを相殺とかじゃなく問答無用で撃墜出来ちゃうモノなんですけどね。
そんな事を思っている内にもあの忌々しい以下略な生徒会長のトールギス・ヴァルキュリアはドンドンとこちらへと近付いて来ていました。
あの猛スピードのランスチャージを紙一重で避けてガチムチ装甲を断ち斬る…。
不可能ではありませんが中々に難しいモノがありますね。
止まってただ棒立ちになってくれたら簡単に両断出来ちゃうんですけどね。
実戦で相手が棒立ち何て状況はまずあり得ませんね。
さて…それでは迎え撃つとしましょうか!
忌々しい以下略な生徒会長を迎え撃つべく、意を決した私は腰に取り付けた刀の使えと手を添えてやや前屈みの体勢になりながら…
「雪穂!ぶっ放しなさい!!!」
後方へと下がり“ウサギの一本(ラビットホーン)”を構える雪穂へと檄を飛ばします。
雪穂は私の声に応える様に…
[[うっしゃおらーー!ぶっ飛べ!!!“ウサギの一本(ラビットホーン)”!!!!!ふぁいやーーーーー!!!!!]]
迫り来るトールギス・ヴァルキュリアの恐怖のランスチャージに向けて、“ウサギの一本(ラビットホーン)”を撃ち放ったのでした。
“ウサギの一本(ラビットホーン)”の銃口から解き放たれた真っ赤なビームはこちらへと猛進して来やがっているトールギス・ヴァルキュリアが機体前面に構えた大型シールドへと着弾。
[[雪穂ちゃんは相変わらず良い腕をしてるわね!でも!その程度のビームじゃ私のヴァルキュリアを抜けないわよ!!!!!]]
[[“ウサギの一本(ラビットホーン)”の大出力ビームをその程度とか言えちゃうのは絵里さんくらいなんで問題無しです!!!!!それに…]]
サブモニターに標示されているトールギス・ヴァルキュリアの速度を確認すると、ほんの僅かではありますが雪穂の思惑通りにその進撃スピードを遅らせる事に成功していました。
[[これくらいで絵里さんが墜ちるなんて思ってもいませんから!!!]]
さぁ。
雪穂は自らの成すべき事をちゃんとやってくれました。
次は私の番です。
今度は脳天ぶち抜くぞ♪ではなく…
「ど真ん中をぶった斬ってやりますよ!!!!!!!」
私は迫り来るトールギス・ヴァルキュリアを断ち斬るべく、腰の鞘に納められた刀の鯉口を切り……
[[残念♪園田さんの相手は次よ♪]]
一刀両断!と、逝こうと思ったのですが…
[[まず先に…]]
忌々しい以下略な生徒会長が操るトールギス・ヴァルキュリアはあっさりと私をスルーして…
[[雪穂ちゃん!アナタからよ!!!!!]]
後方へ下がり私を援護してくれていた雪穂目掛けて突っ込んで行きやがったのです。
[[げっ?!こっち来た?!]]
話の流れ的には完全に私があの忌々しい以下略な生徒会長のトールギス・ヴァルキュリアを両断する展開だったのですが、なんとまぁ流石は空気を読まない忌々しい以下略な生徒会長。
話の流れとか思いっきり無視して私をスルーしやがりましたよ。
私はカウンターの一撃を忌々しい以下略な生徒会長へと叩き込んでヤるつもりで構えていたので、その予想外な動きに反応が遅れてしまいみすみす素通りを許してしまいました。
そして私の横を素通りして行った忌々しい以下略な生徒会長は…
[[これで…6機目!!!!!!]]
[[ぎゃぁーーーーーーーす!!!!!]]
構えた大型ランスの穂先を雪穂のガンダムホワイトラビットのコクピット部分へと突き刺しやがりました。
大型ランスで貫かれてしまった雪穂は、姉と全く同じ断末魔の叫びをあげながら撃墜判定を受けてゲームオーバーとなってしまいました。
雪穂が撃墜されてしまい、これで残すは…
[[お待たせ♪園田さん♪次は…アナタの番よ♪]]
私ただ一人。
忌々しい以下略な生徒会長は“次はアナタの番よ♪”と言いながら、雪穂のガンダムホワイトラビットを貫いた大型ランスを振るいその残骸を放り投げると、スピードを維持したまま機体を旋回させて…
[[アナタで…終わりよ!!!シュトゥールム!!!!!!!!!]]
私のジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)目掛けてランスチャージを仕掛けて来ました。
次はアナタの番?
それはこちらの台詞です。
次に葬られるのは私ではなく…
「忌々しい以下略な生徒会長!!!貴女です!!!!!」
超高速で迫り来る大型ランスの穂先。
「コンセントレーション!!!」
極限の集中がもたらすゆっくりとした時の流れ。
私の奥の手のひとつ“零の領域”。
“零の領域”のゆっくりとした時の流れの中で迫り来る穂先を見切り、ランスチャージを掻い潜りながら私は腰の刀の鯉口を切り…
「断ち斬れ!!!護国園田流!奥義の初伝!“一刀一閃”!!!!!!」
トールギス・ヴァルキュリアの胴体目掛けて抜き放ちます。
走る刃はトールギス・ヴァルキュリアの胴体へと食い込み…
[[っ!このっ!!!!!]]
その身体を両断…
「なっ?!」
出来ませんでした。
横薙ぎに振るわれた居合いの一撃。
その一撃は確かに堅牢を誇ったトールギス・ヴァルキュリアの装甲に食い込み斬り裂きました。
ほんの僅かに。
そのまま行けば確かに胴体を両断出来ました。
ですが刀身がその胴体に食い込んだ直後、あの忌々しい以下略な生徒会長は咄嗟の判断で大型ランスを手放し、右肘を振り下げて刀の腹へと肘打ちを放ったのです。
刀の腹へと放たれた肘打ちはトールギス・ヴァルキュリアの胴体へと食い込んでいた刀身を半ばからへし折ってしまい、結果として私の放った“一刀一閃”の一撃は不発に終わってしまったのでした。
[[あっぶな… (ただの市販品の片刃のブレードでヴァルキュリアの装甲を斬り裂いた?何の冗談よ!でも… ) 今度こそ!終わりよ!!!!!!]]
そして忌々しい以下略な生徒会長は、折れた刀を振り抜いた体勢で硬直してしまった私に向け左腕の大型シールドでのシールドバッシュでこちらを押し退けて距離を取ると、手放した大型ランスを再びその手に握り…
[[想像以上に楽しめたわ。ありがと、園田さん。]]
ジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)の胴体のど真ん中を狙い突き出して来ました。
無防備な状態の私へと放たれた大型ランスの一穿。
その一穿は私のジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)のコクピットを性格に貫き………
<<BATTLE END>>
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
装甲は斬れましたがまだまだ絵里さんの方が何枚か上手でございました。
次回からは再び絵里さん回となります。
無事にバトルに勝利してごめんなさいから逃れられた絵里さん…かと思いきや…。
引き続きものすごーく虚無っておりますので、途中で挫けてお休みをいただくかもしれません。
しばらくはご容赦くださいませ…。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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