ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

今年はお盆休みがあまり無いQooオレンジでございます。
おのれコロナ…。


引き続きMr.オーマイガー様のガンダムビルドストライカーズとコラボ中でございます。
よろしければMr.オーマイガー様のガンダムビルドストライカーズと合わせてご覧下さいませ。

今回も海未さんsideのお話となります。
追い詰められた海未さん。
逆転の芽はあるのでしょうか?











それでは 第8話B「過去と今と、そして未来と」そのなな⑫ 始まります。


















第8話B「過去と今と、そして未来と」そのなな⑫

重なる様にコクピットに響いた“soar”の発動音。

 

次の瞬間…

 

[[オルゥラァァァァ!!!]]

 

相変わらずチンピラ全開な青空の雄叫びにも似た裂帛の声と共に、私のジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)の左足は斬り飛ばされていました。

 

恐らくはいつもの様に“soar”で急加速してすれ違い様に斬撃を放ち、私のジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)の左足を斬り飛ばしたのでしょう。

 

ですが先程までのレーダー上での彼我の距離は、今まで見て来た単発の“soar”だけでは到底一瞬でその距離を詰められるモノではありません。

 

にも関わらず、青空は“soar”での急加速からの斬撃でこちらの左足を斬り飛ばした…。

 

それが示す事は…

 

「“soar”とは違う“soar”…?」

 

と言う事なのでしょうか?

 

そんな私の疑問に答えてくれたのは、“soar”(?)での加速を終えて少し距離の離れた場所に停止し、ザク・リヴァイブの膝をまるでナニかを確認するかの様に曲げ伸ばせしていた青空と彼の電子精霊のアイリでした。

 

≪ウミの“soar”とは違う“soar”と言うその推察は正解ではありませんが、ハズレでもありませんね。≫

 

[[だな。確かにさっきのは“soar”じゃねぇーけど“soar”だもんな。]]

 

≪えぇ。“soar”ではありませんがあれも歴とした“soar”ですからね。と、言う訳で超絶優秀な電子精霊であるこの私が少し説明して差し上げましょう。先程私達が使用したのは“soar”に“soar”を重ねたいわゆる“多重soar”とでも言うべきモノなのですよ。≫

 

「“soar”に“soar”を重ねた“多重soar”?」

 

[[ま、簡単に言っちまえば単純にいつもの単発“soar”の倍の距離を倍のスピードで駆け抜けるってトコだな。]]

 

いつもの単発“soar”の倍の距離を倍のスピードで駆け抜ける!?

 

そんなの…

 

「出鱈目ではありませんか!!!」

 

ただでさえ厄介極まり無い“soar”だと言うのに、その倍の距離を倍のスピードでだなんて!?

 

そんなモノにどうやって抗えばいいと言うんのですか!

 

こんなの理不尽です!理不尽過ぎます!!!

 

あっ…!?

 

ま、まさか…東條先輩が青空の方が理不尽だと言っていたのはこの事も含めてなのですか!?

 

長距離では先程の“多重soar”で、中距離では単発の“soar”で、そして近距離では“soar”を連続使用する“Rrapid acceleration”で。

 

それぞれの戦闘距離でそれぞれの“soar”を使い分けて規格外の超高速機動戦闘を行う…。

 

それが青空とザク・リヴァイブの本来のバトルスタイル…。

 

射撃を当てようとしても“soar”の超スピードの前では当たらない。

 

近接戦闘を仕掛けようにも“soar”の超スピードの前では追い付けない。

 

そして“soar”の超スピードで翻弄され続けてやがては………。

 

私はこの時、東條先輩が語っていた青空が一番理不尽だと言うその意味をようやく理解したのでした。

 

[[出鱈目な連中を相手にする為の奥の手のさらに奥の手ってヤツだからな。こっちも多少は出鱈目なコトをやらなけりゃどうにもなんねぇーんだよ。]]

 

≪とは言え…2回とも胴体を狙ったにも関わらず右腕に左足と随分と狙いがズレましたね?まぁここは久し振りの使用の割には誤差が少なかったと誉めるべきなのでしょうか?≫

 

[[いや、2回も外しといてお前に誉められるとかキモいから止めろって。]]

 

≪可愛い可愛い電子精霊のアイリ様に対してキモいから止めろとか心外ですね。ではここはひとつ、我が親愛なるクソマスターのご要望にお応えして罵って差し上げましょうか?と、言う訳で…腐れ外道に堕ちて年単位でのおサボりの挙げ句の久し振り“多重soar”の使用で勘が消費期限切れを起こして異臭を放つ程度には腐りやがりましたか?この全知全能である最上位電子精霊の私が万全のサポートをして差し上げたにも関わらず2度も狙いを外すだなんて何ともまぁ酷い体たらくですね。≫

 

[[うるせぇ!ボケ!誰も罵れだなんて言ってねぇーだろ!ってか次は外さねぇってんだよ!!!それよりも!膝やあちこちのスラスターの消耗具合はどうなんだよ!]]

 

≪そちらは今の所は特に問題ありません。随分と値段が張りましたが関節部分の素材をまるごと衝撃吸収性に優れたモノに変更した甲斐がありましたね?と言った所でしょうか。≫

 

[[ハッ!ソイツは重畳だなぁ!前は2回もアレを使えば衝撃に耐えきれねぇーで膝関節がガタガタになりやがってたからなぁ!]]

 

≪えぇ、あの頃に比べれば実に重畳ですね。この様子ならばあとは全身のスラスターの設定数値を微調整すれば例の“アレ”も問題無く使用出来るかと思います。≫

 

[[あとは使いこなせるかどうかは俺次第ってか?]]

 

≪ですね。まぁ精々精進して下さい。我が親愛なるクソマスター?≫

 

[[ケッ!言ってろ!ボケ相棒が!]]

 

私がようやく青空と青空のザク・リヴァイブの理不尽さを実感している中、当の青空はと言うと上記の様に相棒である電子精霊のアイリと呑気に罵り合いながらも実に楽しそうに話しをしていました。

 

そんな一人と一体の会話の最中に青空の理不尽さを実感しての茫然自失状態から我に返った私は、件(くだん)の“多重soar”をどうやって攻略するか思考を重ねます。

 

先程の高圧縮エネルギーカートリッジを狙撃した時に使った私の切り札である“零の領域”でも、単発の“soar”の移動スピードを視認する事は叶いませんでした。

 

そうなるとその倍のスピードを発揮すると明言された“多重soar”を視認するなんて事は論外にも程があります。

 

視認する事が叶わない速度で近付いてくる相手への対抗手段として真っ先に思い付くのは散弾等の広範囲を覆う攻撃での対処ですが、ガンプラバトル初心者である私が思い付く程度の対処方法等は当の昔に青空とアイリに何らかの対策をされている筈です。

 

そもそも私のジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)には散弾系の武装は施されていません。

 

ショットガン等の散弾系武装を装備、または“武装領域(ウェポン・ストレージ)”に収納していれば話は別ですが、残念ながら今回のバトルにはその様な武装は持ち込んではいません。

 

そして現在手元にあるのは左の腰に佩いた刀が一振りと腰の後ろ部分にマウントされたビームサーベルが二振り、そして“武装領域(ウェポン・ストレージ)”内に収納してあるブルパップマシンガンとジム・スナイパーⅡの標準装備である通常のビームスナイパーライフルのみ…。

 

機体前面にブルパップマシンガンの弾丸を大量にばら撒いて散弾系での攻撃の代わりに…いえ、例えそれをしたとしても、恐らく例の“多重soar”の軌道を少しずらすだけで容易に躱されてしまう筈です。

 

ビームサーベルは刃に重さが乗らないので余り好きではありませんし、通常のビームスナイパーライフルを使用して狙撃を試みるだなんて事はもってのほかですし…。

 

これはもう現状の状況と装備だけでは手詰まりですね。

 

もう白旗でも上げてしまいましょうか?

 

ごめんなさい、勝てないので降参します、と。

 

ふふっ♪それはそれで悪い選択では無いのでしょうね。

 

きっとそれが賢い選択なのでしょう。

 

ですがそんなモノ…

 

「冗談ではありません!」

 

勝てないから白旗を上げて降参する?

 

それが賢い選択?

 

それがどうしたと言うのですか!

 

そんなモノは糞喰らえです!!!

 

何だか前も似たような状況で似たような手詰まりの状況で似たような事を思った様な気もしますが、取り敢えずは降参する位ならば自滅覚悟で特攻してやります!!!

 

私は意を決し、残されている左手で腰に納められている刀を逆手で引き抜きます。

 

そして逆手で引き抜いたその刀を手の中でくるりと回転させ順手に持ち直してから構えます。

 

※順手…普通に刀を持つ事。

 

私が選んだ構えは刀の切先を相手へと向けて突きを狙う“霞の構え”。

 

私の会得している剣技の中で最速の一撃は居合での一撃なのですが、右腕が斬り落とされた今の状況ではとてもではありませんが居合を放つなんて事は出来ません。

 

最速の一撃である居合が放てないのならば、私が次に選ぶべきは居合の次に素早い一撃を放てる突きでの迎撃です!

 

青空が件の“多重soar”で突っ込んで来てこちらの胴体部分のコクピットを両断しようと言うのならば、こちらはその瞬間を狙って相討ち覚悟で迎え撃つまでです!

 

例えこの身を斬り裂かれようとも!護国の剣士の不退転の意地を魅せてやりますよ!!!

 

[[おっ?海未さん覚悟完了ってか?]]

 

私が残されている左手で刀を構えると、それを見た青空が嬉しそう声でそんな事を言い出しました。

 

私はそんな青空に対してこう言ってやりました。

 

「護国の剣士は何時でも何処でも常在戦場の心構えです!覚悟なんてモノは当の昔に出来ています!さぁ!グダグダ言ってないで掛かって来なさい!!!」

 

[[へぇ…言うねぇ…。]]

 

と。

 

その私の言葉を黙って聞き終えた青空からは、今までにない程の気迫が伝わって来ます。

 

サウンドオンリーでの通信で青空の顔は見えませんが、無言のうちにビシビシとプレッシャーを感じます。

 

互いに無言でプレッシャーを放ち合う私と青空の沈黙を破ったのは…

 

≪素晴らしい。実にウミらしい潔(いさぎよ)さですね。それでは我が親愛なるクソマスター?その潔さにお応えして差し上げましょうか?≫

 

青空の電子精霊であるアイリでした。

 

アイリはいつも通りな淡々とした口調で自身の主である青空へと参りましょうか?と語り掛けます。

 

それに対して青空は…

 

[[だな。]]

 

と、短く答えました。

 

そして…

 

[[ってなワケで…]]

 

≪Are you ready?≫

 

[[おうよ!“high Accel”!!!!!]]

 

ビームブレードが握られた左右両方の手をダラリと下げたまるで“無形の構え”の様な状態から、辺りへ“soar”の発動を告げる爆発音を重ねる様に鳴り響かせて件の“多重soar”を発動させると、常人ではとても視認出来ない程の凄まじいまでの急加速で突撃を開始したのでした。

 

そんな青空の“多重soar”の発動に合わせる様に私も今一度切り札を切ります。

 

「コンセントレーション!」

 

私が切るべき札は極限の集中力がもたらす拡張された知覚の世界。

 

「“零の領域(レイヤー・オブ・ザ・ゼロ)”!!!!!」

 

“零の領域”の発動と共に私の世界からは色が抜け落ち全ての音が消え去ります。

 

色や音等の不要な情報を遮断し、全ての知覚を視覚へと集中させる事によって、私の視る全てのモノがとてもゆっくりと動く世界へと変貌します。

 

そんな全てのモノがゆっくりと動いて視える筈の“零の領域”の中であっても、“多重soar”を発動させて超高速で駆け抜ける青空のザク・リヴァイブを視認する事は叶いませんでした。

 

先程の高圧縮エネルギーカートリッジを狙撃した際に発動させた“零の領域”の中でも単発の“soar”を視認出来なかったので、この結果は当然と言えば当然ではありますね。

 

ですが、それでも、たった一瞬だけでも、ほんの少しだけでも、加速状態の青空のザク・リヴァイブの姿を捉える事が出来れば!

 

私のこの手に握る刃はきっと届く筈です!

 

私はそんなあるかどうかもわからない一瞬に全てを賭けてただただひたすらに“零の領域”で拡張された知覚の世界で待ち続けます。

 

永遠の様な一瞬。

 

一瞬の様な永遠。

 

数字に表せばきっとゼロコンマ何秒かのほんの僅かな時間。

 

それでも私にとってのこの一瞬は本当に永遠の様に感じられました。

 

その永遠の様な一瞬の末に…

 

「っ!視えた!!!!!!!」

 

私は遂に視認が不可能な程に超高速で駆け抜ける青空のザク・リヴァイブの姿をこの瞳に捉える事に成功したのでした。

 

それは今まさにこちらの懐へと入り込み右手に握られたビームブレードでジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)の胴体部分へと斬撃を放とうとする瞬間。

 

そう。

 

攻撃する一瞬だけ、緑色のビーム刃が危うく煌めくその瞬間だけ、青空のザク・リヴァイブは僅かばかり加速の速度が落ちて、その姿を“零の領域”の世界へと現したのでした。

 

私は青空のザク・リヴァイブの姿を瞳に捉えると、迷う事無く切っ先を前方へと向けて構えた刀を突き出します。

 

「キェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェィィィィィィィィィィィィィィイ!!!!!!!」

 

獣の雄叫びの様な裂帛の猿叫と共に放たれたその一突きは、間違いなく私の今までの人生で放たれた突きの中でも最速の一突き。

 

青空のザク・リヴァイブが握るビームブレードの緑色のビーム刃が、私ジム・スナイパーⅡ(高機動パック装備♪)の握る刀の切っ先が、それぞれのコクピットを斬り裂き、または穿ち貫く為に迫ります。

 

(あぁ…これは相討ちですね。)

 

迫り来る緑色のビーム刃と、迫り行く刀の切っ先を見つめながら私がそう思った矢先…

 

[[チッ!“full Accel”!!!!!]]

 

青空の叫びと共に目の前からザク・リヴァイブの姿が一瞬にして消え去ってしまいました。

 

次の瞬間…

 

[[グルゥラァァァァァァァァァァ!!!!!]]

 

再び響く青空の叫び声と共に…

 

「っ!?きゃぁぁぁぁ!?」

 

ジム・スナイパーⅡのコクピットに激しい衝撃が走り抜けました。

 

そして…

 

 

 

<<BATTLE END>>

 

 

 

無情にもメインモニターにはバトル終了を告げる文字が表示され、同時にコクピットへと同じくバトル終了を告げるシステム音声が響いたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。


奮闘虚しく全滅と相成りました。
最後の最後にソラが使用した3つ目の“soar”。
その正体は…?



次回は幕間としてソラから見た今回のバトルのお話となります。
全二回位で終われば良いなぁ…と愚考中でございます。
また、長らく放置しておりましたQooオレンジのもうひとつのお話のわるくまも近々久しぶりに更新予定でございます。
この前のリライズのラストに盛るのを止めたっぽいアヤメさんがチラリと映ったのでノリと勢いで…。



次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。



皆様からのご感想、お気に入り登録、“高”評価等がポンコツな私のモチベーションへと繋がります。
“μ's”全員集結までもう少し…皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。
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