ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
体調不良を抱えながらも古戦場を戦い抜いたQooオレンジでございます。
今回も真姫ちゃんメインの閑話となります。
続バトル回です。
今回の相手は…?
それでは 閑話「真姫ちゃんのドキドキ園田流体験入学⑤」 始まります。
ズゴックEの改造機(?)の奇襲&猛攻をなんとか凌いで撃墜した私と海未先輩は、再び周囲を警戒しつつバトルフィールドの中央へ向けて進軍を開始したわ。
今度はさっきみたいに樹上からの奇襲を受けないように、レーダーでの索敵と目視での確認を合わせて万全を期しているわ。
けど…
「イチイチ周囲を目視で警戒しながらとか面倒よね。」
安全を確認しながらの進軍だとスピードが微妙なのよね。
仕方ないって言ったら仕方ないんだけど、どうしてもイチイチ周囲を確認しながらの進軍って面倒って思っちゃうわ。
[[生身での戦闘ならば相手の気配を探って簡単に奇襲を防げるのですけどね。]]
「あー、うん。言っちゃなんだけど、気配を探るとかそんな人間の枠をはみ出したコトできるのって海未先輩くらいよ。」
[[人間の枠をはみ出したとか色々とツッコミたい事もありますが取りあえずはそうでもありませんよ?多分ですけど、あの忌々しい以下略な生徒会長も私と同程度の気配探査くらいはできると思いますし。]]
「は?」
忌々しい以下略な生徒会長って絢瀬先輩のコトよね?
えっ?ソコでなんで絢瀬先輩の名前が出てくるのよ?
[[あの忌々しい以下略な生徒会長はアレでアレがアレの癖に絢瀬流緊縛術の使い手で私と互角にやりあえる程度には使い手なんですよ。]]
「うそーん…。」
身近に人外がもう1人いたのね。
あと絢瀬流緊縛術ってナニ?
[[それに東條先輩も霊的な技術で生身での気配探査くらいならできちゃうかと。]]
「うわぁ…。」
身近に人外が以下略。
[[さらにことりも野性的な直感で生身での気配探査が可能な筈ですよ?]]
「あ。ソレは何か納得できちゃうわ。」
ことり先輩ってことり先輩だし。
[[まぁ真姫にもそのうち気の扱い方は学んで貰いますので、生身での気配探査くらいはすぐに出来る様になると思いますよ♪]]
…………私もそのうち人外になっちゃうんだ…。
ま、まぁ、生身での気配探査とかできるようになればきっと色々と便利よね。
うん。
便利に決まってるわ。
そうでも思い込まないと人外の領域になんて軽々しく踏み込みたくないし…。
そんなコトを話ながら周囲を警戒しつつ進軍を続けていると…
[[おや?]]
不意に海未先輩が声をあげたわ。
「ナニかあったの?」
私が海未先輩のあげた声に““ナニかあったの?”と声を掛けると…
[[いえ…今少しだけこちらのレーダーに反応があった様に見えたのですが…?]]
「レーダーに?」
レーダーに反応があったように見えた。
その言葉に私はすぐにレーダーが表示されているサブモニターへと目を向けてみたんだけど…
「ナニも表示されてないわよ?」
サブモニターに表示されているレーダーには、隣に居る海未先輩のジム・スナイパーⅡの友軍反応が表示されているだけで、ドコにも敵性反応を示す赤い光点は見当たらなかったわ。
[[見間違い…?あっ!]]
「っ!今の!」
海未先輩の見間違い…でこの件は終わりにしようとしていたら、レーダーに一瞬だけ赤い光点が表示されてすぐに消えてしまったのよ。
どうやらその一瞬だけ表示された敵性反応は私の百式のレーダーだけじゃなくて、海未先輩の方のレーダーにも表示されていたみたい。
海未先輩も私とほぼ同時に声をあげたわ。
[[どうやら私の見間違いではなかった様ですね。]]
「海未先輩の見間違いじゃないのはわかったけど、コレって…?」
それからもレーダー表示には時折一瞬だけ赤い光点が洗われてはすぐに消える、ちょっとイミワカンナイ表示が繰り返されていたわ。
しかもその赤い光点は徐々にだけど、私と海未先輩の方へと近付いて来ているっぽいのよ。
[[レーダーに表示されないと言う事は何らかのステルス装備を使用しているのではないでしょうか?]]
「ステルス装備って花陽がたまに持ち込んでるステルスマントみたいなヤツ?」
[[えぇ。ですが、この敵機のステルス装備は花陽のステルスマントの様に完全にはレーダー波を遮断出来てはいない様です。そのせいでこの様に時折一瞬だけ敵性反応が表示されるのではないでしょうか?]]
「そう言えばほぼ完全なステルス装備を鼻歌交りで作っちゃえる花陽って案外チートよね…。」
ソレはそうと…
「コレってこっちに近付いて来てるんなら、もう私たちは捕捉されちゃってるってコトよね?」
[[そう言う事でしょうね。どうしますか?迂回して戦闘を回避しますか?それとも…]]
迎い撃つか…ね。
うん。
時折反応が漏れちゃう微妙なステルス装備を使って近付いて来てるってコトがわかってるんだから、ここは迎い撃つの1択でしょ。
「とーぜん、迎い撃つわ!」
[[それでこそ真姫ですね♪]]
ドコら辺がソレでこそなのかよくわかんないけど方針は決まったわ。
さっきのズゴックEの改造機(?)との戦闘じゃ刀で“斬る”コトができなかったけど、今度はちゃんと刀で相手を“斬って”やるんだから!
[[それでは早速参りましょう♪前衛は真姫にお任せしちゃいますね?]]
「えぇ!任されたわ!」
今度こそ、海未先輩に習った刀の使い方できっちり切り捨ててヤるわ!
こちらへと向かって来ている微妙なステルス装備(?)を使用している敵機を迎い撃つために、私たちはあえて敵機の存在に気付かないふりをして進軍を続けるコトにしたわ。
反応を消して奇襲するつもりなのに実は存在がバレバレで逆に襲われちゃうとかちょっと可哀想ではあるけど勝負は常に非情なの。
そうこうしているうちに…
[[一瞬だけ現れる反応がかなり近付いて来ましたね。]]
海未先輩の言うように、一瞬だけ現れるレーダー反応がこちらへとかなり近付いて来ていたわ。
かなり近い…って言うよりも、もう目視できちゃうんじゃないかしら?って感じの距離ね。
そう思って辺りを見回してみたら、“ソレ”はあったわ。
“居た”って表現が正しいんでしょうけど、なんだか“居た”って言うよりも“あった”って表現がぴったりなのよね。
だって…
「アルミホイル?」
[[ですね。]]
私と海未先輩の方へとひょこひょこと歩いてくる敵機は、全身にアルミホイルを巻き付けている銀色のナニかだったから。
厳密にはアルミホイルじゃないのかもしれないけど、私から見たらドコからどー見てもソレはアルミホイルなのよ。
実際、あとで花陽にこの時の画像を見せたら“あー、コレってアルミホイルですねー”って呑気に言ってたわ。
「ってかあのアルミホイルの塊。レーダーに映らないだけで姿は丸見えなのに気付いてないのかしら?」
[[アルミホイルを機体全体に巻き付けてステルス装備(?)にしている様な穂乃果に限りなく近い頭の持ち主なのでレーダーに映らないだけで自機の姿は丸見えな事には気付いていないのではないですか?]]
「ソレって…アホね。」
[[アホですね、確定で。]]
なんだろう…レーダーに映らない相手ってコトで結構警戒していたのにフタを開けてみたあとのこのやるせない残念感は。
[[取り敢えずは真姫?さっさとアレを斬り殺して来て下さい♪]]
「ア、ハイ。」
海未先輩のドコか黒い笑顔に促されながら、私は百式の腰の鞘から刀を抜き放ったわ。
本当は海未先輩みたいに鞘から刀を抜き放ちながら攻撃する居合抜き?ってヤツができたらカッコいいんだけど、刀の練習を始めたばかりの私はまだソコまでできないのよ。
だから大人しく鞘から刀を抜いて普通に攻撃するわ。
って言うか…あのアルミホイルの塊。
こっちが腰の鞘から刀を抜いて構えているって言うのになんでナニも反応しないのかしら?
普通なら目の前で刀を抜かれたらナニかしら反応するモノじゃないの?
そう思っていると、目の前のアルミホイルの塊からまさに“ひょっこり”って感じでガンダムタイプの頭が出て来たわ。
その瞬間、レーダーにピコン♪と反応が表示されたわ。
たまーにレーダーに反応が現れてたのって、ああやってアルミホイルの塊から頭を出して周囲を目視で確認していた時だったのね。
そのアルミホイルの塊から頭を出したガンダムタイプはこちらが刀を抜いているトコを今さらながら見たみたいで、面白いくらいに大慌てでアルミホイルの塊を脱ぎ捨てて戦闘態勢を取ろうとしていたわ。
もちろん私に相手が戦闘態勢を取るまで呑気に待っていてあげるつもりなんてこれっぽっち無いワケで、グッ!っと地面を踏み締めて元アルミホイルの塊だったガンダムタイプへ向けて駆け出すわ。
そして刀を上段に構えて…
「っ!えぇぇい!!!」
一気に振り下ろす!
でも今までみたいにただ刀を相手に振り下ろすだけじゃダメ!
斬撃の際に気を付けるのは、昨日の重り入り木刀での地獄の素振りの後で学んだ刀を“引く”って動作よ!
だから振り下ろした刀の刃が元アルミホイルの塊のガンダムタイプの肩口へと当たった瞬間、私は手にした刀を“すっ”っと手元の方へと引いたわ。
そうすると…
[[またまたお見事です♪]]
昨日までのバトルではアレだけ刀を相手に力一杯叩き付けても全然斬れなかったのに、昨日までがウソのようにスッパリと目の前の元アルミホイルの塊のガンダムタイプは両断されていたわ。
海未先輩に習った通りにただインパクトの瞬間に刃を引いただけなのにコレの結果って…。
[[今の斬撃は意識的に刃を引いていた様ですが、慣れて来ると斬撃の瞬間に無意識に刃を引ける様になりますよ♪]]
私は目の前でモノ言わぬ残骸になり果てた元アルミホイルの塊のガンダムタイプを見下ろしながら、海未先輩の言葉をぼんやりと聴いていたわ。
なんだろう。
“斬った”って言う実感がないくらいにキレイに斬れたわ。
だからなのかしら?
目の前の残骸を作り出したのが自分だって言う実感が沸かないのよ。
それでも私は次第にこの手で初めてマトモに刀を振るって相手を斬り伏せたって実感がふつふつと沸いて来ているのを感じていたわ。
回りに誰も居なかったら“やったー!”とか大声で叫んではしゃいじゃっていたかも。
“やったー!”とか大声で叫んではしゃいじゃうのが私のキャラじゃないってのは重々承知してるんだけどね。
そうして私は何の気なしに、百式の手に持たせてあった刀を軽くひゅっと振るってみたわ。
その動作はなんとなくだけど、ドコか昨日とは違う気がしたわ。
一皮剥けたって感じかしら?
そんなコトを考えながら、私は手にした刀を腰の鞘へと戻したの。
そう言えば…
「この元アルミホイルの塊の中身って結局は何のガンダムだったの?」
相手が何のガンダムなのかもわからずに斬り倒しちゃったからちょっと気になったのよ。
ほら?初めてマトモに刀で斬り倒した相手でもあるし。
せっかく何だから自分がナニを斬り倒したのかって知っておきたいわ。
海そんな私の問い掛けに海未先輩は例の相手の素体を判別する便利システムで元アルミホイルの塊の中身を調べて答えてくれたわ。
「ガンダムですね。」
海未先輩の答えは“ガンダム”。
うん。
そんなの頭の特徴的なV字アンテナにツインアイを見ればわかるわ。
[[ガンダムなのは見ればわかるわよ!私が知りたいのはこのガンダムが何のガンダムか?よ!]]
私が知りたいのはこのガンダムが何のガンダムかなのよ!
ほら!あるでしょ!ナントカガンダムとかウンタラガンダムとか○○ガンダムとかってイミワカンナイ名前が!
って言うかそもそもガンダムってガンダムって名前のガンダムが多過ぎるのよ!
ガンダムって名前のMSって一体何体居るのよ!
私が内心でガンダムって名前のMSが多過ぎるコトに憤慨していると、海未先輩が再びおもむろに口を開いたわ。
[[いえ、だから“ガンダム”です。]]
でもその唇から出てきた言葉はまたまた“ガンダムです。”の一言。
だーかーらー!
「ソレはわかってるって言ってるでしょ!知りたいのはコレが何のガンダムかなのよ!」
[[だから“ガンダム”なんですが?]]
「ガンダムなのはわかるわよ!私が聞いてるのはナニガンダムなのか!なの!」
[[だからこのガンダムは“ガンダム”だと言っているではありませんか?]]
もう!何なのよ!
さっきからガンダムガンダムガンダムガンダムって!
ガンダムなのは見ればわかるのよ!見れば!
知りたいのはナニガンダムなのかなの!
それなのに海未先輩ったらガンダムしか言わないし!
ガンダムなのは…アレ?
ガンダム?
ガンダムって…ガンダム?
「えーっと…もしかして…普通のガンダム?」
[[はい。普通のガンダムです。]]
「1番最初のヤツ?」
[[えぇ。1番最初の奴ですね。]]
「あー…そう。」
この元アルミホイルの塊だったガンダムタイプ。
中身は普通のガンダム…いわゆる“ファーストガンダム”ってヤツだったのね。
だから海未先輩はずっと“ガンダム”って言ったんだ。
「あー、うん。何かごめんなさい…。」
[[いえいえ。]]
うん。
普通に恥ずかしいわ。
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。
次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。
皆様からのご感想、お気に入り登録、“高”評価等がポンコツな私のモチベーションへと繋がります。
皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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