ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

チナッガイとチニャッガイを買おうか迷っているQooオレンジでございます。


今回はのんたん生誕祭の最終回となります。
結局のんたん生誕祭は気付けば全8話に…。
どうしてこうなった。

それでは 2017 東條希生誕祭特別編「Early Days ~もしもから、きっと~ ⑧」 始まります。















2017 東條希生誕祭特別編「Early Days ~もしもから、きっと~ ⑧」

「GPベース、セット。ガンプラバトルシミュレーター…システム起動。メインシートのIFS接続を確認…サブシート、IFS接続を確認。ドム子。」

 

GPベースをセットしてガンプラバトルシミュレーターを起動させると、あの頃のウチらはそれぞれのシートでIFSを接続をさせて早速出撃準備を始めたん。

 

「うん!ファイア・コントロール・システム!ロックを解除!機体チェック!開始するね!」

 

あの頃のウチはFCS(ファイア・コントロール・システム)…火器管制システムをのロックを解除して、引き続き機体の各部に異常がないんかチェックをして行くん。

 

こんなん簡単にコンソールを操作して次々に機体チェックを済ませていけるんも、全部あの子がウチの為に改良してくれた簡易版のコンソールのお陰やね。

 

むふふ♪あの子があの頃のウチの為だけに改良してくれたこの簡易版コンソールのデータは、まだウチのGPベースの中に残ってたりするんよ?

 

今のあの子が知ったら“そんな旧式のコンソールデータなんて残してても容量がもったいねぇーだけだろ!”って言いそうやけど、ウチにとってこの簡易版コンソールはあの子が初めてくれたプレゼントみたいなモンやからね。

 

バックアップはもちろんとってあるんやけど、オリジナルのデータ自体にも何重ものロックをかけて、大事に保存してあるんよ。

 

いつか…ウチが本当に“結婚”して、そして子供が産まれて…その子がガンプラバトルをしたい!ちゅ~た時には…この簡易版コンソールのデータを使って貰おうかなぁ?

 

そんときには今度はあの子一人だけやなく、ウチも一緒に…二人でこの簡易版コンソールをさらに改良してみたいなぁ…。

 

「お願います。システムチェックは何時も通りに僕がやりますね。システムチェック開始………全システム問題ありません。そちら?」

 

「ちょっと待って…うん!“ディープダイバー”本体も外付けしてある“海王丸”も異常なし!武器も全部問題なしだよ!大丈夫!いつでも行けるよ!」

 

「了解しました。では…。」

 

「うん!行こう!今日は負けないんだから!“ウミヘビ”退治だよ!」

 

「えぇ!勝ちましょう!僕と貴女で…二人で一緒に!」

 

図書室で向かい合ってただ本を読んでいただけのウチらの微妙な距離は、言葉を重ねて、時間を重ねて、温もりを重ねて…気が付けばいつの間にか手を繋いで歩いて行ける…。

 

ウチらはそんな距離まで近付いていたんよ。

 

そう…こんときにはあの子はあの頃のウチを自分の“パートナー”として完全に認めてくれていたんよ。

 

「“ザク・ディープダイバー カスタム”!」

 

「“海王丸”♪」

 

「出撃します!!!」

 

「れっつごー!!!」

 

そんなあの頃のちっちゃくて色々と未熟なウチとあの子。

 

海辺の街を舞台にした小さな恋とバトルの物語も残すところあと少しやねん。

 

“大海戦ミッション”ラストステージ……さぁ~て♪“ウミヘビ”ちゃんとの最終決戦の始まり♪始まりやで~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“海王丸”の広域レーダーでも皆さんの反応はここからでは見えませんか…。やっぱり母艦からの再出撃じゃ前線までが遠すぎますね。」

 

気合いを入れて出撃したんは良かったんやけど、先週の“大海戦ミッション”で“ウミヘビ”に絞め潰されて撃墜判定になったあの頃のウチらは、護衛対象の最後尾に位置しておった母艦からの再出撃になったんよ。

 

もちろん最前線まではかなりの距離があるん、移動だけでもちょい大変やねん。

 

途中で湧いてくる敵側のAI制御のNPCマリンモックやこちらの輸送船を狙って攻めてきてるん中央店のファイターさん達も地味に邪魔やし。

 

倒すんは簡単なんやけど、こんときのウチらの目標は強敵の“ウミヘビ”だけやったから、他の連中を相手にして消耗したくはなかったんよ。

 

「母艦から再出撃になっちゃったのって、先週の“大海戦ミッション”のときにヤられちゃったからだよね…。ごめんね…。私がおバカなことしちゃったから…。」

 

「あっ…べ、別にこれは貴女を責めている訳ではありません!ただ、めんど…は禁止でしたね。そう、少し迂遠だな、と思っただけです。」

 

「でも…。」

 

「まったく…気にするなと言っているでしょうが…なら今日のバトルで確りと僕のサポートをして下さい。それで先週の事はお互いになかった事にしませんか?」

 

「いいの?そんなことで?」

 

「えぇ。構いませんよ。僕達は…その…貴女が言う所の“夫婦”…と言うヤツなのでしょ?なら…いちいちこんな些末な事で問答をするのは止めましょう。今の僕は貴女を信頼します。だから貴女も僕を…。」

 

「うん!信じてるよ!私もキミを信てるよ!どんなことがあっても!どんな時でも!どこにいても!絶対に!だって私とキミはケッコンして“夫婦”なんだから!うん!うん!」

 

「…(信じる、か…。我ながら陳腐な事を言ったモノだよ。分かっている筈だろ?誰かを信じれば絶対に裏切られるって…。人は絶対に裏切るって。僕は何回同じことを繰り返すつもりだよ…。分かっているよ。どうせ彼女もいつかは僕を……でも……それでも僕は…僕の心は彼女を信じたいと思ってる。彼女の真っ直ぐな好意を信じたい…。違う。“信じたい”じゃないよな。信じるんだ…。)…ありがとうございます…。では。その信頼に応えるためにも、まずはあの“ウミヘビ”に借りを返しに行きましょうか!」

 

そう言えばこんときのあの子の“ありがとうございます”は、なんや色んな複雑な感情が入り乱れていたような気がするなぁ…。

 

まぁ大方は“信じても裏切られる。”とか、考えておったんやろな。

 

そこら辺のネガティブな思考は今のあの子には少なくなっとるけど、今でもたまーにネガティブなスイッチ入ってしまうからなぁ…。

 

ウチは…ううん。

 

ウチだけやない。

 

ウチらは。

 

キミを裏切ったりはせんよ?

 

最後の瞬間まで、ウチらはずっと一緒やねん。

 

どんな時も、どんな時だって、ウチらはキミと一緒やよ?

 

言葉で伝わらんなら、ギュッって抱き締めてあげる。

 

抱き締めて、ウチらの“大好き”を伝えてあげる。

 

だから大丈夫。

 

キミはウチらを信じてくれてもえぇんよ。

 

キミはウチらにもっと甘えてもえぇんよ。

 

キミはウチらにワガママを言ってもえぇんよ。

 

どんなキミでも、ウチらはずっと一緒やねん。

 

そう…ウチらはずっと一緒やねん♪

 

「うん!倍返しだぁー!」

 

あはは…ごめんな?またしんみりしてもうたなぁ?

 

堪忍してや♪

 

むむ!そんなこと言っとったら、あの頃のウチは“倍返しだー”なんて今度は08小隊やね♪

 

あの頃のウチは08小隊は、と言うよりもガンダム作品自体、まだなんも観てなかったん筈やねんけど、なんでこんときは“倍返し”やなんてネタをぶっ込んだやったけ?

 

うーん…。やっぱりあれかな?

 

夕方から再放送しとったドラマの半沢さんの方の“倍返し”なんかな?

 

“倍返し”違いやね。

 

あのドラマの影響で最近は半沢さんの“倍返し”の方がメジャーやねんけど、ウチらガンダムファンにとっての“倍返し”はやっぱり08小隊やね♪

 

みんなの“倍返し”はどっちの“倍返し”かな?

 

「最大戦速で前線に向かいますよ!スクリューモジュール!最大出力!!!」

 

「了解だよ!出力最大!行っくよー!全力全開!ヨーソロー!」

 

『了解であります!隊長!“海王丸”!全力全開!ヨーソロー♪』

 

ほんならウチも一緒にヨーソロー♪って!ちょい待ち!ウチの回想シーンに割り込んで来たんアンタは誰やねん?!

 

『ハイ!自分は渡辺さんちの曜ちゃんであります!敬礼!』

 

はい?渡辺さんちの曜ちゃん?

 

イヤ!マジで誰やねん!!!

 

『ハイ!浦の星学院ガンプラバトル部!チーム“Aqours(アクア)”所属の高校2年生!千歌ちゃん大好き渡辺さんちの曜ちゃんであります!4月17日産まれの牡羊座!血液型はAB型!身長は157cm!体重は!…秘密であります!スリーサイズは上から82・57・81!そんな渡辺さんちの曜ちゃんは生まれは沼津で育ちも沼津!趣味はコスプレ♪するのもさせるのも作るのも♪コスプレしながらオ○ニーするのも!みんな大好きであります!』

 

ふ~ん、コスプレしながらオ○ニーねぇ……あんな?渡辺さんちの曜ちゃんさん。

 

その程度のボケじゃウチは突っ込まんよ?

 

それにしてもコスプレが趣味なんかぁ…。

 

うん。えぇよね。コスプレ。

 

ほら、ウチな?神田明神さんで巫女さんのアルバイトしとるんやけど、そらっちの前で巫女さんの衣装着てあげると鼻息荒くしてめっちゃ喜ぶんよ♪

 

むふふ♪そらっちは巫女さん衣装なウチに一体ナニをしたいんやろね?

 

みんなは彼女さんが巫女さんの衣装着てたらナニしたいかな?

 

やっぱり“アレ”やろか?

 

半脱ぎくらいでエロいことしたいんやろか?

 

でもあかんよ?巫女さんは神聖なモンなんやから、性欲まみれでガチガチにWake UP♪した股間のマグナムをぶち込んで汚したりしたら?

 

バチが当たってしまうでぇ~♪

 

『好きなモノは千歌ちゃん!好きな人は千歌ちゃん!好きな千歌ちゃんは千歌ちゃん!好きな千歌ちゃんのパンツは千歌ちゃんのパンツ!好きな食べ物はハンバーグと千歌ちゃん全般であります!』

 

それにしてもこの子の…渡辺さんちの曜ちゃんさんの自己紹介…まだ続いてたんやね………好きなモノは千歌ちゃん?好きな人は千歌ちゃん?好きな千歌ちゃんは千歌ちゃん?好きな千歌ちゃんのパンツは千歌ちゃんのパンツ?好きな食べ物はハンバーグと千歌ちゃん?

 

その千歌ちゃんって子は随分と渡辺さんちの曜ちゃんさんに愛されとるなぁ。

 

……ん?ちょい待ち!今なんや“好きな食べ物はハンバーグと千歌ちゃん全般”とか言わんかったか?!

 

ちゃうやろ!ハンバーグはえぇねんけど!千歌ちゃんって子は食べ物とちゃうやろ?!

 

あかんって!千歌ちゃんって子を食べたら!マジであかんよ!性的にいただきます♪ならえぇけど!食用目的で千歌ちゃんって子を食べたらあかんねん!ハッ!突っ込まんよ!とか言っといて結局突っ込んでしもうたやんか!

 

ってゆうんか!渡辺さんちの曜ちゃんさんは千歌ちゃんって子を食べるんか?!

 

千歌ちゃんってたぶん人やろ?

 

食べるんかい!ん?アレ?それってことりちゃんもよく言ってるような……。

 

…ことりちゃん?

 

ことりちゃんは…狂鳥病で…狂鳥病は穂乃果ちゃんの穂乃果ちゃん(アホ)クラスにトップレベルの感染力を………

 

げっ!この子!まさかことりちゃんに感染しとるんか?!

 

こわっ!ちょっとこっち来んといて!

 

ウチにもことりちゃんがうつるやないかい!

 

『おぉ!確かに!千歌ちゃんのマタノトビラから分泌される千歌汁は食べ物じゃなくて飲み物だね!』

 

話聞いとらんし…あとな?それってマタノトビラやなくてユメノトビラなんやけど…。

 

そのネタはちょい前にもう使ってしもうてるんよ?

 

今さらそのネタ出してきてもなぁ…。

 

それに…千歌汁って……うん…ウチらんとこにも海未ちゃん100%の海未汁とかわけのわからんモンもあるし、まぁもうぶっちゃけ相手するのも疲れて来たからどうでもえぇわ。

 

千歌汁でも千歌液でも千歌腋でも千歌エキスでも千歌成分でもお好きなように貪ってな…。

 

『はぁはぁはぁはぁはぁはぁ千歌ちゃんのマタノトビラから流れ出る千歌汁が…千歌ちゃんのマタノトビラが…千歌ちゃんのオマ[自主規制♪]が…千歌ちゃんの千歌ちゃんが…千歌ちゃんが…千歌ちゃんが…千歌ちゃん…千歌ちゃん…千歌ちゃん…チカチャン…チカチャン…』

 

…うん…この子は……ほんま色々と大丈夫なんか?

 

『チカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカチャンチカァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

…どうにも大丈夫やなさそうやなぁ。

 

あ。えりち?どないしたんや?そんなブラとおパンツだけのセミ・ゼンラーモードに毎度お馴染みな荒縄さんフル装備(亀甲縛りVer.)+ボールギャグなんて咥えたどえーむちかルックで?

 

えっ?蝋燭垂らして欲しい?

 

あんな?えりち?今はウチの特別編もクライマックスでそれどころや…どうしても?

 

むぅ。しゃ~ないなぁ~。

 

忙しいんやからちょいだけやで?

 

それじゃ…逝くで?

 

そ~れ♪蝋燭ぽたぼた~♪っとな♪

 

『チカァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

……………えりち。わざわざ自分を荒縄で縛ってウチの回想の中にまで出て来たんは、“チカァァァ”は自分の持ちネタだってことを言いたかったからだけやねんね。

 

……うん。

 

もうほっとこか。

 

『チカァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

『チカァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

コイツらはもう色んな意味であかんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!いたよ!“ウミヘビ”だ!」

 

あの頃のウチらは“ウミヘビ”討伐に向けて気合いを入れると、“海王丸”の背部に搭載された4つのMA用大型スクリューモジュールを全力稼働させて、黒澤のおっちゃん&マサさんやマヒねーちゃん、サニーセンセー&桂ちゃん先生が戦っている最前線へと急いだんよ。

 

もちろん途中でお邪魔なマリンモックやら中央店から参戦しとるファイターさんが襲って来たんやけど、“海王丸”の4つのMA用大型スクリューモジュールの推進力は強力やから、相手にせんで取り付かれる前に一気に振り切って先へと進んだんよ。

 

「えぇ!こちらでも見えてます!ですが…。」

 

最大戦速で海中を進むと、しばらくしてようやくラスタカラーの“ウミヘビ”のド派手でおっきな機影がメインモニターに見えてきたんよ。

 

ただ、ようやく見えてきた“ウミヘビ”は…。

 

「なんかもうボロボロだね?」

 

そう。なんや今すぐ墜ちてしまいそうな位にボロボロになっとったんや。

 

「えぇ…そうですね……よく考えればあの5人を相手にして生き残ってましたね。」

 

「まひろおねーちゃん達って強いもんね。」

 

先週のバトルではあの頃のウチらは“ウミヘビ”の機動力に翻弄されて近接戦闘を仕掛けられんでいたんやけど、今回は桂ちゃん先生の戦闘潜水母艦“シルバーン”の援護を受けたサニーセンセーの“ヴィクトリア・ブルー”が、“ウミヘビ”以上の機動力で動き回って“ウミヘビ”の頭を押さえてることで、黒澤のおっちゃんとマサさんとマヒねーちゃんの3人がそれぞれ連携して近接戦闘を挑んでいたんよ。

 

その結果が今あの頃のウチらの目の前の光景やね。

 

“ウミヘビ”は機体の装甲をアチコチを削られ、手にしていたブレード付き水中ライフルもどっかに落としていたんや。

 

墜ちるまであと一歩ってところやね。

 

「ため息をつきたい気分ですよ。まぁため息をついてしまうと貴女と言う幸せが逃げてしまうので、つきませんがね。」

 

「えへへ♪うん♪」

 

こんときのあの子はちょい悔しそうやったなぁ。

 

きっとあの子はこんなボロボロの状態の“ウミヘビ”とやなくて、先週のバトルの時みたいなピンピンしとる“ウミヘビ”と決着を付けたかったんやろうね。

 

むふふ♪そこら辺はやっぱり“男の子”なんやね♪

 

「さて、それでは僕達も“ウミヘビ”退治に参戦しましょうか。後から来ておいてとどめだけを…と、言うのも寄生プレイの様で実に気が引けますが、あの“ウミヘビ”だけは僕の…いえ、“僕達”の手で倒さなければ気がすみません。」

 

「そうだね!それじゃ!」

 

「終わらせましょうか。僕達二人の手で!」

 

「夫婦の共同作業だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[オウ!坊主!遅いんじゃぁ!ワレェェェ!!!]]

 

[[全くよ。ほら?“ご馳走”はちゃんと残してあるわよ?さっさとヤっちゃいなさいな。]]

 

あの頃のウチらが戦闘圏内に到着すると、早速おっちゃんとサニーセンセーから通信が入ったんよ。

 

むぅ。どうやらおっちゃん達はわざわざ“ウミヘビ”にとどめを刺さないようにしながら、ウチらが到着するのを待っていてくれたみたいやね。

 

[[チッ!ここに来てまた厄介そうなデカイヤツが来たのかよ!ギアルギーナ!一旦退くぞ!]]

 

“ウミヘビ”のサブファイターさんのラテン系なおにーさんのヘイジーさんは、あの頃のウチらの機体…“海王丸”を見ると、一旦退こうって相棒のギアルギーナさんに言うんやけど…。

 

[[ウフフフフフフ…アハハハハハハ!!!イ!ヤ!よ!こんなゾクゾクするバトルから逃げて堪るもんですか!]]

 

まぁテンションMAX状態のギアルギーナさんは聞くはずもなく、戦闘を続行しようとしてたんよ。

 

[[はっ?オイ!ナニ言ってるんだ!ギアルギーナ!もうろくな武装も残ってないんだぞ!]]

 

こんときには“ウミヘビ”にはもうほとんど武装は残されておらんかったやけど、まだ最大で最強の武器はしっかりと残されていたんや。

 

[[武器はワ♪タ♪シ♪そう!まだ“サンダーソニア”の自慢の身体が残ってるわ!あのデカいのは先週の坊やとお嬢ちゃんなのよ!また絞め潰してキモチイイ悲鳴をあげさせてやるわ!さぁ!いらっしゃい!坊や!お嬢ちゃん!お姉さんと今日も一緒に快楽を貪りましょう!一緒にイッちゃいましょう!]]

 

巨大でにょろにょろな“ウミヘビ”の身体…。

 

それこそが“ウミヘビ”の最大の武器やったん。

 

あ、とりあえずはまた際どいこと言っとるギアルギーナのおねーさんはほっといてな?

 

あのおねーさんはテンション上がると無駄にエロい表現を使いたがるんよ。

 

ちょい前にウチが言ってたの覚えてるかなぁ?

 

このギアルギーナさんはえりちとことりちゃん足してにこっちでかけ算したようなひとなんよ。

 

ドMでドSで家庭的でいい人ちゅ~よくわからんひとやったんよ。

 

「ご指名、ありがとうございます。ではお望み通りに僕達がお相手しますよ……このクソ変態ウミヘビ女!ドム子!行くぞ!」

 

さて♪さて♪ようやっとあの頃のウチらと“ウミヘビ”とバトルやね♪

 

あの子もインチキ臭い話し方を止めて、“素”の方でノリノリやん♪

 

「うん!目標!“ウミヘビ”さん!ターゲット!ロックオン!」

 

あの頃のウチはあの子の呼び掛けに応じて、“ウミヘビ”に狙いを定めるとすぐさまありったけの魚雷の発射準備をしたんよ。

 

「いい仕事だ!ドム子!オラァ!クソウミヘビ野郎!コイツのありったけだ!貰っとけよ!“海王丸”!フルバースト!!!」

 

そして“フルバースト”の声と同時に、“ディープダイバー”に取り付けられた“海王丸”から、勢いよく大量の魚雷が発射されて行ったんよ!

 

「全弾発射だよ!」

 

こんときは中々に壮観やったなぁ。

 

見渡す限り一面の魚雷。

 

あの量の魚雷は瀕死の“ウミヘビ”相手には過剰火力やね。

 

[[うわぁ…アレってあきらかにオーバーキルなんじゃ…。]]

 

[[いいんじゃないですか?どうせ時間もあと少しですし。]]

 

マヒねーちゃんはちょい引きぎみで、桂ちゃん先生はさもどうでもいいみたいなコメントやったなぁ。

 

[[アレを潰しゃワシらの勝ちは決まったようなモンじゃろぉ。お、着弾したのぉ。フン!これで終わりじゃい。野郎共ぉ!終わったら焼肉じゃ!ワシが奢ってやるわい!マサァァァ!!!]]

 

うん。おっちゃん。

 

ソレは…撃墜をよう確認せんと勝ったねんて言うんはフラグやねん。

 

[[ヘイ!店の方は予約しておきやす!ん?っ!いや…コイツは!おやっさん!まだでさぁ!まだヤツは!]]

 

「ねぇ!今ナニか動いたよ!あっ!」

 

な?フラグやったやろ?

 

あれだけの魚雷の大爆発を抜けてくるなんてほんまにびっくりやね。

 

「ウソ?!あれだけの魚雷を抜けてきたの?!」

 

「あのクソバケモノのウミヘビ野郎!あれだけ魚雷ぶち込んでもまだ生きてんのかよ!なら!コアを直接潰してやる!突っ込むぞ!ドム子!」

 

さぁ~て♪そろそろとどめのお時間やね♪

 

「うん!今日こそ串刺しだよ!」

 

両腕をシールド代わりにすることで、大量の魚雷の爆発を何とか耐えて、その身体をくねらせながらウチらへと直進して来とった“ウミヘビ”に向けて、ウチらもサブアームも使って固定しとる大型突撃槍“ヴォーテックスランス”を構えると、全てのスクリューモジュールを全開で稼動させて一気に加速して突っ込んでいったんよ!

 

「おうよ!いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

そして………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はらぺこ肉盛りセット5つともりもりお野菜セット5つ!特選カルビ30人前!厳選ロース30人前!厚切りタン塩20人前!お待たせしました!」

 

と、言うワケで打ち上げの焼肉やねん♪

 

はい?何でいきなり焼肉になっとるかって?

 

いやほら?さっき黒澤のおっちゃんが言っとったやろ?

 

“終わったら焼肉奢ってやるわい!”って。

 

そうやねん。

 

あのあと、あの頃のウチらの突撃は見事に“ウミヘビ”のど真ん中をぶち抜いたんよ。

 

中央店側の最大戦力を墜としたことで、こちら側の勝利条件“輸送船団の6割りを目的地に送り届ける”も無事に達成して、“大海戦ミッション”の勝敗ももれなくゲットやね♪

 

「おう!ねーちゃん!追加じゃ!こっちにビールくれや!1番デカいヤツで持ってこい!」

 

「「「「「「「「「「おう!ねーちゃん!こっちにもビール!ピッチャーで!」」」」」」」」」」

 

「あっしにはウィスキーをロックでお願いしやす。」

 

「こっちはワインね!今日は質より量でガンガン飲むから安いのでいいわよ!」

 

「僕はとりあえずビールで。」

 

「この呑兵衛共は…あ、店員さん!私とこの子達にはウーロン茶をお願いしまーす。」

 

「ヘイ!ガール!こっちにもビールを頼む!」

 

「ワタシは度数の高いアルコールならなんでもいいわ♪」

 

こんときの打ち上げにはいつの間にか“ウミヘビ”…正式名称は“サンダーソニア”のファイターさんだったヘイジーさんとギアルギーナさんも混ざっていたんよ?

 

なんでも自分達を撃墜した連中の顔を見に来たらしいんやけど、その場のノリで一緒に打ち上げに参加してもうたんやって。

 

あはは♪えぇ~んやないか♪

 

焼肉はみんなでワイワイ♪楽しくやるんが正義やからね♪

 

「はーい!毎度ありー!」

 

「はぐ…はぐ…はぐ…はぐ…」

 

あの子はびっくりするくらいにお肉ばっかりを食べとったなぁ。

 

お肉食べて、ご飯食べて、お肉食べて、ご飯食べて…。

 

それの繰返しやねん。

 

「あ!ほら!お野菜も食べなきゃダメだよ!私がとってあげるね!」

 

せやから絶賛お嫁さん中なあの頃のウチが色々とお世話してあげたんよ。

 

こんときは今のウチらに…“μ's”と過ごす時間に負けんくらいに、めっちゃ幸せな時間やったなぁ…。

 

あの子がいて、みんながいて。

 

誰もが笑顔で美味しい焼肉を頬張って♪

 

お酒飲んで歌って踊って♪

 

モブのおっちゃん達は店員さんにセクハラしようとしてマヒねーちゃんに蹴り倒されたり…。

 

おバカな連中とバカ騒ぎ♪

 

うん♪ほんまに幸せな時間やったね♪

 

「はぐ…はぐ…はぐ…ごくん。野菜でも…はぐ…肉でも…はぐ…ごくん…食べれるモノならば何でも構いません。ドム子、焼けた物からどんどん僕のお皿に乗せて下さい。」

 

「むぅ。いっぱい食べるのはいいけど、よく噛んで食べてね?お腹壊しちゃうよ?」

 

「はぐ…はぐ…問題…はぐ…ありません…はぐ…たぶん…ごくん。」

 

「むぅ?たぶんじゃ問題あるような気がするけど…まぁ今日くらいはいいのかな?」

 

これにてあの頃のウチらの物語は一件落着やね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、終われば良かったんやけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドム子、これを貴女にあげますよ。」

 

「プレゼント?わぁ!ありがとう!ナニかなぁ♪…むぅ?箱?この絵の紫色のずんぐりむっくりしたロボットなんだろ?ねぇ?これってなーに?」

 

「それがガンプラですよ。それを組み立てるとガンプラバトルで僕達が使っていた様なモノになるんです。」

 

「へぇー!これがガンプラなんだ!それじゃこれを組み立てると私達が乗ってたみたいなロボットになるんだね!」

 

「えぇ。それを組み立てるとドムになりますよ。」

 

「むぅ?ドム…?………これが?」

 

「はい。ドムです。」

 

「ドム…私はドム子なんだよね……私はドムに似てる…ドムはこれ…これが私……むぅ!私!こんなんじゃないもん!もっと可愛いもん!いらない!返品だよ!プレゼントなら婚約指輪にして!」

 

「指輪なんて無理を言わないで下さいよ。そのドムだって“大海戦ミッション”での報酬や“ウミヘビ”を撃墜して獲得したGPのほとんどを使って購入したのですから。」

 

「むぅ!私!ガンプラ貰っても困るもん!私のお仕事はキミのサポートだもん!キミと一緒にザクに乗るんだもん!」

 

「もうそれは無理なんですよ。」

 

「むぅ!むぅ!むぅ!どうして!どうして無理なの!いじわるしないで!一緒にガンプラバトルしようよ!私!ちゃんとキミのサポートするよ!だからまた二人で一緒に!みんなで一緒に!」

 

「無理なんですよ。僕は転校しますので。」

 

「……えっ……。」

 

「急な事なのですが、次の引き取り手が決まったんです。引っ越し先は東京。今までで1番の遠縁の親戚だそうです。今度はとんな人達なのやら…まぁそう言う訳でして…お別れなんです。ドム子。」

 

「おわ…かれ…?」

 

「はい。“さよなら”です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穏やかで騒がしくて、幸せな時間がずっと続くと思っとった…。

 

ウチとあの子と、みんなと一緒に。

 

どこまでも、いつまでも…。

 

せやけど、あの頃のウチに待っとったのは、突然のあの子との“さよなら”やったんよ。

 

あの日…夢の終わりがやってきたんよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぐっ…ひくっ…」

 

あの頃のウチは、あの子から“さよならです”の言葉を聞くと、貰ったドムのガンプラの箱を小脇に抱えて大号泣しながら海岸沿いのアミュセンへと…あの頃のウチの新しい“居場所”へと走っていったんよ。

 

アミュセンに辿り着くと、すぐにみんなは号泣しとるウチを見付けて口々に“どうしたんだ!”とか“どこの組のモンにヤられた!”とか言っててくれたんよ…。

 

あの頃のウチはそんなみんなに泣きじゃくりながらも、あの子がいなくなるってことを伝えんたんよ。

 

どうにもあの子はみんなには何も言わんで、黙っていなくなるつもりだったみたいやね。

 

「泣かないで、ドム子ちゃん…。悲しいのはわかるけど、あの子にも色々と事情があるのよ。」

 

「じ、事情なんて…えぐっ…しらない…ひくっ…もん…。」

 

マヒねーちゃんは泣き続けてるあの頃のウチを優しく抱き締めてくれたんやったなぁ…。

 

こんときからやったなぁ…ウチとマヒねーちゃんが本当の姉妹みたいな関係になっていたんは。

 

「……ふん!辛気くさいのぉ!」

 

そんな泣き虫なウチを一喝したんは、黒澤のおっちゃん。

 

「ちょっと!それはないんじゃないの!ドム子ちゃんは!」

 

「お嬢はちょい黙っとれ!」

 

「なっ!黙ってろってどう言う意味よ!」

 

「すいやせん、お嬢。ここはおやっさんに任せて貰えやさんか。」

 

「マサさん…わかったわよ…。」

 

黒澤のおっちゃんは今まで見たこともない真剣な顔で、そして優しい瞳で、泣き続けてるウチに言ってくれたんよ。

 

「ドム子!お前さんはこのまま坊主とサヨナラでえぇんか?別れを告げられただけで!黙って“はい!サヨナラ!”でえぇんか!」

 

「や…だ…。」

 

「なら行くぞい!」

 

「行く…?」

 

「おうよ!今日は坊主の目出度い門出じゃ!ワシらは坊主のダチとして!坊主の晴れの門出を祝って盛大に“お見送り”じゃ!のぉ!野郎共ぉぉぉぉ!!!」

 

「「「「「「「「「「ヘイ!おやっさん!!!」」」」」」」」」」

 

「そうだね…うん!みんなで一緒に!あの子を笑顔で送ってあげよ?ね?ドム子ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからはてんやわんやの大騒ぎやったん。

 

まずはあの子と一緒に戦った仲間達みんなに連絡してアミュセンに大集合!

 

それから駅までダッシュやねん。

 

タクシー使えばよかったんやろうけど、黒澤のおっちゃんが“走れぇぇぇ!!!”って叫んで駆け出してしもうたんよ。

 

そのあとはもうノリでみんな一緒に猛ダッシュやねん。

 

「ドム子の嬢ちゃん!おやっさん!坊主の乗るのはあの新幹線でさぁ!もう時間がありやさん!急いでくださぇ!」

 

息も絶え絶え、なんとか駅のホームが見えて時には、もうあと少しで新幹線の発車の時間やったんよ。

 

「おうよ!ゴルゥラァァァ!!!野郎共ぉぉぉぉ!!!あと少しじゃぁぁぁ!!!走れぇぇぇ!!!」

 

「走るけど!私とドム子ちゃんは野郎じゃないわよ!!!」

 

黒澤のおっちゃんの号令でみんな最後の力を振り絞って猛ダッシュ!

 

エスカレーターを使わんで階段を一気に駆け上がって…

 

「ほら!桂ちゃんも頑張りなさい!あっ!居たわよ!あの子よ!」

 

駆け上がった先には、つり目のめっちゃ綺麗な女の人に連れられたあの子がおったんよ。

 

今思えば、あんときのめっちゃ綺麗な女の人って、日本が誇る二大ハリウッド女優の一人、“りせ”さんやったんね。

 

もう一人はみんなご存じな元ガンプラアイドルの“キララ”さんやね。

 

「う、運動は苦手なんですよ!はぁはぁはぁ…な、なんとか間に合いましたね…。」

 

あの子は大騒ぎしながら階段を駆け上がってきたあの頃のウチらにまだ気付いておらんかったんよ。

 

うつ向いて、ただじっと、下を向いていたんよ。

 

不安やったんやろうなぁ。

 

また知らない人に引き取られて、また知らない土地で、また何もかも初めからやり直しになるんが。

 

転校しまくっておったウチには、あの子の気持ちが少しはわかってしまったんよ。

 

そんなあの子を見た瞬間、あの頃のウチは色んな感情が沸き上がってきてしもうて、思わず固まってしまったんよ。

 

「ドム子ちゃん!」

 

「ほれ!ドム子の嬢ちゃん!」

 

でもな?すぐにマヒねーちゃんと黒澤のおっちゃんの声で、自分が今ナニをするのかを、ナニを伝えたいのかを思い出したんよ。

 

せやからあの頃のウチは…

 

「お願い!待ってぇぇぇぇ!!!」

 

ありったけの想いを込めて、叫んだんよ。

 

“お願い。待って。”って。

 

「ドム子?それに皆さんも?」

 

あの子はその声でようやく顔をあげて、ウチらがきとったことに気付いてくれたんよ。

 

「なんか人種も年齢も性別もメチャクチャな集団だけど…あの人達はキミのお友達かな?」

 

「…僕に友達なんて…」

 

と、まぁあの子はまたネガティブな発言をぶっ込んでこようとしたんやけど…

 

「ゴルゥラァァァ!!!クソガキィィィィ!!!ダチがいねぇなんて抜かしやがったらぶん殴るぞぉぉぉ!!!ボケェェェェ!!!」

 

「そうよ!私達は友達でしょ!一緒に戦った仲間でしょ!」

 

「坊主。悲しい事を言わねぇでくだせぇ。あっしらは“仲間”なんじゃありやせんか?」

 

「マサさんの言う通りです。年齢は離れてはいましたが、僕達は確かに友人でした。そう思っていたのは僕達だけですか?」

 

「なぁーに!アンタ!アタシ達と絶交しようっての?ふざけんじゃないわよ!」

 

黒澤のおっちゃんにマヒねーちゃん、マサさんに桂ちゃん先生にサニーセンセー…

 

「そんなつもりは…。」

 

「「「「「「「「「「おう!坊主!モブでも俺達は坊主のダチだぜ!」」」」」」」」」」

 

モブのおっちゃん達も。

 

みんなが否定して、“友達だ!”って言ってあげたんよ。

 

「…皆さん…。」

 

「うふふ♪なーにが“僕には別れを言う友達はいません”よ?こんなにイッパイ、こんなに素敵な、こんなに一生懸命な。キミと別れを惜しんでくれる最高のお友達がいるんじゃないの?ね?ちゃんとお別れしなさい。」

 

「……貴女にご迷惑をかける訳には…」

 

「あ!そう言うのは私の所では禁止よ!貴方はまだ子供なんだから!子供は“親”に迷惑をかけるのが仕事なのよ!ほら!なんでもいいから早く行って来なさい!新幹線が出るまで、ホントに時間が無いわよ!」

 

綺麗な女の人は優しい顔であの子を諭して“お別れをしてきなさい”って背中を押してあげたんよ。

 

みんなこの瞬間に“あぁ。あの子はいい人の所に引き取られるんだな”って思ったんやろうなぁ…。

 

「……はい!」

 

あの子もそんな優しさがわかったみたいで、少し困ったような、嬉しそうな顔で“はい!”っていいながら、ウチらの方に一歩踏み出したんよ。

 

“友達”に…“仲間”に…お別れを言うために…。

 

「黒澤のお頭さん。マサさん。」

 

「おうよ!」

 

「へい。」

 

「真海さん。」

 

「うん。」

 

「サニーさん。桂さん。」

 

「今日はジョセフィーヌよ。」

 

「いつも通りこのバカはほっといて下さいね。」

 

「モブの皆さん。」

 

「「「「「「「「「おうよ!坊主!」」」」」」」」

 

「皆さんと一緒に戦えたことを、僕は誇りに思います。絶対に忘れません。今まで本当にありがとうございました。」

 

初めて見る笑顔で、みんなに“ありがとう”って頭を下げて…。

 

「…ドム子…。」

 

最後にあの頃のウチに向き直って…

 

「うん。」

 

「貴女との約束…忘れません。もしも…もしもまた僕達が出会えて…その時に…。」

 

あの子はウチとの“約束”を忘れないって言ってくれたんよ。

 

「大丈夫!私達はまた会えるよ!きっと!だから!忘れないよ!キミとの約束!私も絶対に忘れない!いつか!いつかきっと!ちゃんとしたキミのお嫁さんになる!きっと!」

 

「あら?それじゃこの子は未来の私の義理の娘なのね♪」

 

「ふぇ?!義理の娘?あっ!うん!よろしくお願いします!お義母さん!」

 

「やったわね♪可愛いお嫁さんをあっさりゲットよ♪」

 

「えへへ♪可愛いだなんてそんなホントのこと…♪」

 

「…やれやれ……では皆さん。またいつか、どこかのバトルフィールドでお会いしましょう。」

 

お別れの時間やね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、綺麗に終わるって誰もが思ってたんやけど、突然サニーセンセーがおかしな事を言い出したんよ。

 

「ねぇ…ところでさ?かなり今さらなんだけど、あの子の名前ってなんて言うの?」

 

“あの子の名前って何?”って。

 

「えっ?もう!サニー!ナニ変なこと言ってるのよ!あの子の名前は…あれ?…私も知らない…お頭さん?知ってる?」

 

「ワシは知らんぞ?マサァァ!」

 

「申し訳ありやせぇん!おやっさん!あっしも坊主の名前は…。」

 

「ちなみに僕も知りませんよ?」

 

「「「「「「「「「俺達も知らねぇーぞ?」」」」」」」」」

 

ここでようやくウチらは気付いたんよ。

 

誰もあの子の名前を知らないことに。

 

イヤ!それってかなり今さらやねん!

 

なんで今まで誰もあの子の名前聞いておらんのや!

 

「ドム子ちゃん!ドム子ちゃんなら!」

 

「わ、私も知らない!」

 

まぁあの頃のウチもおっちゃん達と同じ穴の狢なんやけどね~。

 

せやからあの頃のウチはこれはあかん!って思って、新幹線に乗り込もうとしとったあの子に急いで声をかけたんよ。

 

「待って!名前!キミの名前教えてぇ!!!」

 

「えっ?名前ですか?」

 

「うん!キミの名前!」

 

「あぁ…そう言えばまともに自己紹介もしていませんでしたね?」

 

うん。あの子も自分の名前をみんなに教えるのを忘れとったんやね。

 

「僕の名前は…」

 

あの子は少しだけハニカミながら、上を…お天道さまを見上げて…。

 

「“そら”」

 

“そら”って呟いたんよ。

 

「青い空と書いて青空(ソラ)。」

 

それからしっかりとウチの瞳を見つめて…

 

「鳴神 青空です。」

 

自分の名前を…“鳴神 青空”って名前をハッキリと口にしたんよ。

 

そう。

 

この子の名前は“鳴神 青空”…。

 

世界大会に出場するちょい前くらいの、まだ無名の頃の…。

 

「なるかみ そらくん…。」

 

まだ電子精霊のアイリちゃんと出会う前の、“始まりの精霊使い(オリジン・エレメンタラー)”と呼ばれる前の…

 

「はい。僕の名前は“鳴神 青空”です。」

 

えりちが出会う前の、にこっちが出会う前の、穂乃果ちゃんが、ことりちゃんが、海未ちゃんが、凛ちゃんが、花陽ちゃんが、真姫ちゃんが、ウチ以外の“μ's”のみんなと出会う前の。

 

ウチ以外の“μ's”のみんなが誰も知らない。

 

ウチだけが知っとるウチだけの“鳴神 青空”

 

そう…あの頃からずっと、ウチが恋しとるこの子はそらっちなんよ。

 

「ドム子、貴女の名前は?」

 

そうやった…。

 

名前を教えておらんかったのはあの子だけやなかったんや。

 

「私の名前?あっ!」

 

あの頃のウチもようやくその事に気付いて、急いで自分の名前を教えようとしたんよ。

 

「私は!」

 

せやけど、それはちょい遅かったんよ。

 

無情にもあの頃のウチ目の前で、新幹線の扉は閉まってしまったんよ…。

 

それでもウチは全力で、おっきな声で、自分の名前を叫んだんよ。

 

「のぞみ!とうじょー!のぞみぃぃぃ!!!私の名前は!東條!希!希だよ!!!」

 

ってね♪

 

「もしもじゃないよ!いつか!いつかきっと!私達はまた会えるよ!だから!それまでちょっとだけ待っててね!そら君!必ず!私は!そら君のお嫁さんになるから!世界で1番の!そら君だけのお嫁さんになるから!きっと!きっとだよ!大好きだよ!そら君!ずっと!ずっと!大好きだよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これにてウチの昔語りは一応おしまい♪おしまいやね♪

 

なんや恥ずかしいなぁ♪

 

ちなみにな?この後もあの海辺の街では色々とあったんよ?

 

この次の月の“大海戦ミッション”でアホみたいに強い、真っ赤でおっきな“ザリガニ”とみんなで戦ったり。

 

サニーセンセーとマヒねーちゃんの大喧嘩があったり。

 

桂ちゃん先生がマヒねーちゃんのトコのメイドさんとえぇ仲になったり。

 

ほんまに色々なことがあったんよ…。

 

そんなこんなで今にいたるわけやね♪

 

むふふ♪そろそろ終わるにはえぇ時間やね♪

 

そう♪そう♪

 

前期ガンプライブ秋葉原地区予選第三回戦…その最終第5バトル。

 

ウチと黒澤のおっちゃんの娘さんの真珠ちゃんとのバトルの結果はやね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本編でのお楽しみ♪やね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

これはちょっとだけ未来のお話♪

 

あの子とウチが…ううん。

 

あの子と“みんな”が結ばれた後のお話やねん。

 

 

 

 

 

「なぁ?そらっち?」

 

「ん?」

 

「なんでウチとの“約束”…忘れてたん?」

 

「あぁ…あの“約束”か…。アレさ、実は忘れて無かったんだよ。」

 

「へ?」

 

「あの日…音ノ木坂に入学した日…希さんが俺に声を掛けてくれた時にさ、すぐに気付いたんだよ。“あぁ。この綺麗で優しい人はドム子だ”って。」

 

「むぅ!せやったらなんで!」

 

「物凄く個人的な理由なんだけどさ…ほら…あんときの俺ってクソだったから…。」

 

「むぅ…確かに…入学してすぐの頃のそらっちは腐ってなぁ…。」

 

「そ。だから…数少ない綺麗な想い出を…大切な“ドム子”を傷付けたくなかったんだよ。あそこで希さんとの“約束”を果たしていたら……希さんを色んなモノの捌け口にしてしまいそうで怖かったんだよ…。」

 

「で、その色んなモノの捌け口はウチやのうて無謀な勝負を挑んてきたにこっちになったワケや。うん。ほんまに勝手やね。」

 

「返す言葉もございません。本当に希さんにもにこちゃんにも申し訳ない。としか言えねぇーよ…。」

 

「もう…多少腐ってたとしても、ウチは気にせんかったのに…。」

 

「俺が気にしたんだよ。」

 

「そんなもんなんかね?まぁ、えぇよ。こうして今は“約束”を果たして幸せになれたんやし。むふふ♪そうや♪なぁ?そらっち♪ほんなら…今夜はウチを色んなモノの捌け口に使ってや♪」

 

「…ソイツは魅力的なお誘いで。」

 

「そやろ?さ♪おいで?そらっち♪ナニかも♪ウチがぜ~んぶ♪受け止めてあげるな♪」

 

このあとどうなったかは……むふふふ♪

 

ご馳走さまでした♪

 

やね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

長らく続きましたのんたん生誕祭はこれにて終了となります。
にこちゃん生誕祭と直近に迫って参りました穂乃果ちゃん生誕祭も現在作成中でございます。
穂乃果ちゃん生誕祭は…間に合うかなぁ……。
もちろん本編も週一更新は休まずに更新予定でございます。
そんな次回本編はAqoursから特別ゲストが…。


次回は月曜日に本編の更新を、金曜日ににこちゃん生誕祭特別編の更新を予定しております。
穂乃果ちゃん生誕祭は間に合えば8月3日に更新いたします。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。
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