ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

最近は地味にグラブルを頑張っているQooオレンジでございます。
騎空団には所属してはいないので古戦場はスルーです。
クラスⅣのジョブまではまたまだ遠そうです…。

本日は絵里さん生誕祭特別編の最終回になります。
怪盗エリーチカ対ソラ刑事の勝負の結末は…。
そしてついに狂鳥病なあの人が最大深度で黒化をして…。


それでは 2017 絢瀬絵里生誕祭特別編「素敵怪盗えりーちか ④」 はじまります。


























2017 絢瀬絵里生誕祭特別編「素敵怪盗えりーちか ④」

「絡めとりなさい!影蛇(えいじゃ)!!!」

 

「チッ!クソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ソラ刑事は“私”が放った背後から奇襲してくる影蛇に対処しようと、振り返りながら手にした棍を振るって影蛇用の細い荒縄を切り裂こうとしているわ。

 

影蛇用の細い荒縄は操作性と速さは抜群なんだけど、その細さのせいで強度は普通の荒縄よりも数段劣っているの。

 

普通の荒縄も難なく切り裂いちゃうソラ刑事の一撃なら、影蛇用の細い荒縄なんて簡単に切り裂かれちゃうわ。

 

でもね?その影蛇もただの“魅せ縄”なのよ♪

 

本命はソラ刑事の真上のシャンデリアに密かに忍び込ませていた影蛇用の荒縄よりも更に黒く細い荒縄!

 

絢瀬流緊縛術の宗家にのみ伝わる絢瀬の縄師の秘技中の秘技!

 

闇より出でる真なる魔縄!

 

絢瀬流緊縛術口伝之縛!“闇蛇(あんじゃ)”よ!

 

「なっ?!上からもだと?!しまっ!」

 

「絢瀬の縄師を甘く見すぎたわね!“闇蛇”!獲物を縛り上げなさい!!!」

 

背後から忍び寄った“影蛇”の細い荒縄を、体制を崩しながらも手にした棍の一閃で切り裂いたソラ刑事だったけど、真上から時間差で襲い掛かった“闇蛇”の極細の荒縄には流石に対処出来なかったわ。

 

“闇蛇”の極細の荒縄は瞬く間にソラ刑事の身体中に巻き付いてその動きを一気に封じてしまったわ。

 

「捕らえたわよ!」

 

ソラ刑事の簀(す)巻きの一丁あがりよ♪

 

「ドクソが!ヤってくれやがったな!怪盗エリーチカ!だがまだだ!まだ終わらんよ!この程度の細さの荒縄なら!勁技で筋力を底上げして力任せに引きちぎってやる!!!」

 

そう言うとソラ刑事は身体中に巻き付いた“闇蛇”の極細の荒縄を無理矢理引きちぎろうと暴れだしたわ!

 

いけないわ!

 

“闇蛇”の極細の荒縄は力任せに引きちぎろうとすると余計に身体に食い込んで、肉を裂いて最後には骨まで切り裂いてしまうわ!

 

ソラ刑事は基本的には“私”の世界線のソラと同じで、こんな状況でやめてって言っても聞いてくれないわ!

 

いつも無茶ばっかりするんだから!

 

こうなったら暴れない様に意識を刈り取るしかないわね。

 

「危ないからおとなしくしていなさい!絢瀬流緊縛術!“豪腕螺旋縄(ごうわんらせんじょう)”!」

 

“私”はソラ刑事を気絶させる為に、急いで荒縄袋から新しい荒縄を取り出して、打撃に特化した絢瀬流緊縛術“豪腕螺旋縄”を放ったわ。

 

絢瀬流緊縛術“豪腕螺旋縄”

 

何本もの荒縄を螺旋状に束ねて回転させながら撃ち出すこの緊縛術なら、ソラ刑事が勁技で防御力をマシマシにしていたとしても、当たれば一撃で意識を吹き飛ばせるわ!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

“私”の気を吸い取りながら勢いよく放たれた螺旋の荒縄は、“闇蛇”の束縛から逃れようと暴れているソラ刑事の鳩尾へと突き刺さったわ。

 

「ぐはっ!」

 

“豪腕螺旋縄”の一撃を鳩尾に喰らったソラ刑事は一瞬苦悶の表情を浮かべると、そのまま意識を失って前のめりに倒れてしまったわ。

 

良かった…ちゃんと気絶してくれたわ…。

 

あのまま無駄に抵抗されて“闇蛇”が身体に食い込み続けたら怖い事になっていたから…。

 

ソラ刑事にナニかあったら、“私”の為に色々と頑張ってくれていた私に…この世界線の絢瀬 絵里に申し訳ないからね。

 

「もう…いつも無茶ばっかりして……もう少しは心配している“私”達の事も考えてよね…。」

 

“私”は意識を失ってうつ伏せに倒れ込んでいるソラ刑事の身体から“闇蛇”用の極細の荒縄を回収して、改めて普通の荒縄で手首を後手縛りで縛ってからそっと仰向けに寝かせてあげたわ。

 

「はぁ…今回は切り札を2枚も使っちゃったわね…。次にソラ刑事と闘う事になったら“影蛇”も“闇蛇”も警戒されて今まで以上に苦戦しちゃうわ。まぁ怪盗エリーチカは今夜が最後だから構わないのかしら?」

 

とにかく、最後の難関だったソラ刑事も無事に倒せたわ。

 

外で暴れていることり警部が本格的にプッツンして自制心を無くして大暴れし始める前に、さっさと最後の“ラブカストーン”をゲットしちゃいましょう。

 

“私”は最後の“ラブカストーン”を手にするために、展示室の中央に飾られている展示ケースへと近付いていくわ。

 

展示ケースの中からすぐにでも“ラブカストーン”を取り出したかったんだけど、やっぱりと言うべきか当然と言うべきか、“ラブカストーン”が納められた展示ケースにもマッド花陽謹製の爆弾トラップが仕掛けられていたわ。

 

“私”は仕掛けられた爆弾トラップの起爆装置を解除して無力化すると、展示ケースを取り外して中の“ラブカストーン”に手を伸ばすわ。

 

「50個目の“ラブカストーン”…これで“私”は“私”の音ノ木坂に戻れるわ…。」

 

長い様で短かった“私”の“怪盗エリーチカ”もこれでおしまい。

 

明日からはいつもの“私”に…音ノ木坂学院ガンプラバトルチーム“μ's”の絢瀬 絵里に戻れるわ。

 

さぁ!帰りましょう!

 

“私”の音ノ木坂に!

 

ソラが!みんなが居る音ノ木坂に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ところがぎっちゅんちゅん♪そ~はイカのキ○タマですぅ♪]

 

“私”が最後の“ラブカストーン”を手に入れたその時、ことり警部の声と共に轟音を響かせながら展示室の壁をぶち破って灰色のモック…ことり警部が操る鳥モックが現れたわ。

 

「ことり警部?!外のモックをもう片付けて来たの?!」

 

ことり警部はマッド花陽と一緒に音ノ木坂美術館の外で、真姫がAIを書き換えたモックと戦っていたハズだわ。

 

この世界線のモックは“私”の世界線のヤられメカのハイ・モックと違って、最新鋭と呼ぶに相応しい性能を持っているわ。

 

いくらことり警部とマッド花陽のコンビでも、こんなに早く3機のモックを片付けてここに来るなんて不可能よね?

 

[ちゅん!ことりのお邪魔をするあんなガラクタさんの相手は花陽巡査に丸投げですぅ♪ことりのターゲットは怪盗エリーチカ!あなたです!]

 

……あぁなるほど。

 

面倒なモックの相手を花陽に押し付けてこっちに来ちゃったのね。

 

花陽は今ごろきっと3機のモックに囲まれて、いつもの“ダレカタスケテェェェェェェェェェェ!!!”って叫び声をあげながら、1人で必死にモックの相手をしているんでしょうね。

 

なんと言うか…ことり警部は本当にことり警部よね。

 

「もう!最後の最後までことり警部ったら“私”のお邪魔をしてくれるわね!今回で最後なんだから少しくらいはおとなしくしていなさい!」

 

[ちゃん!ナニ言いやがるですぅ!このドM怪盗!お邪魔なのは怪盗エリーチカ!あなたのほうです!だから今日こそ!ここで完膚なきまでにぬっこぬっこにぬっ殺してひき肉にしてことりのお夜食にしてヤルデスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!]

 

ことり警部はまるで“私”の世界線のことりが例の狂鳥病を発症させて黒化した時の様なしゃべり方に変わると、いきなり鳥モックを操って“私”に襲い掛かって来たわ。

 

[チュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンンンンン!!!!!]

 

黒化したことり警部が本能のままにの操る鳥モックは、いつの間にか外にいる時に装備していた試作プラズマ粒子砲からガトリングガンに武装を持ち換えて、室内に向けて弾丸の雨を降らせ始めたの。

 

ことりが…こちらではことり警部だけど…実弾連射系の武装を使うのってなんだか珍しいわね。

 

ことりといったら敵も味方も関係なく、とにかく自慢のごんぶとビームで薙ぎ払ってくるイメージが強いわよね。

 

実弾連射系の武装は…マシンキャノンやバルカンくらいしか使わないんじゃないかしら?

 

“私”はそんと事をぼんやりと考えながら、さっき絢瀬流緊縛術“豪腕螺旋縄”の一撃で気絶させたソラ刑事がことり警部の狂撃に巻き込まれて被弾しない様に彼の首根っこを掴まえて引き摺りながら、展示室に降り注ぐ弾丸の雨の中を駆け抜けるわ。

 

[ソラァクゥゥンヲォォハナァセェェェェェェェ!!!ドロボォォォオンナァァァァァァ!!!!チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!]

 

離してもいいけどその瞬間にソラ刑事は貴女のぶっ放す弾丸の雨に巻き込まれて、一瞬で挽き肉になるわよ?

 

そんなことは“私”も、“私”の中で眠っているこの身体の本来の持ち主の私も望んでいないから、悪いけどこの手だけは絶対に放さないんだから!

 

でもこのまま逃げ続けるだけじゃ、いずれは“私”の体力が限界に達して動けなくなるわね。

 

ことり警部は“私”が足を止めた瞬間にここぞとばかりに全力で(今も全力なんだけど)殺しに来るわ。

 

だからその前にことり警部の操る鳥モックをどうにかしないと…。

 

[チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!コトリノォォオヤツニシテアゲマスゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!]

 

さっきまでは“お夜食にしてやりますぅ♪”って言ってたのに今度はおやつ?

 

黒化の深度が高まって来て一貫性が無くなってるわよ?

 

でもここまでことり警部の黒化が深まっているなら、些細な事は一切気にしなくなるから逆に簡単にヤれそうね。

 

問題はどうやってマッド花陽の手で魔改造された、あの軍事用マニピュレーションスーツのモックを倒すかよね?

 

軍事用なら対電処理は当たり前に施されているハズだから、電磁ムチの電流びりびりは効かないわよね?

 

絢瀬流緊縛術なら大技を使えば倒せない事もないけど、さっきソラ刑事を倒す時に使った“闇蛇”でかなり気を消費しちゃったからちょっと難しいわ。

 

[チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンン!!チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンン!!!ハンバァァァグゥゥニィィィシチャイマスゥゥゥゥゥゥ!!!!!]

 

今回もって来ているモノは荒縄袋と電磁ムチと超硬化低温蝋燭と閃光弾。

 

そうね。

 

ここは超硬化低温蝋燭の出番ね。

 

-デミソォォォスゥゥゥデェェェ!!!チィィィィズゥゥゥモォトォッピングゥゥシチャイマスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!アハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!]

 

超硬化低温蝋燭を鳥モックの関節に撃ち込んで、冷えるとガッチリと固まっちゃう特殊な超硬化蝋で動きを封じちゃいましょう。

 

あの鳥モックさえどうにかしちゃえば後は簡単よ♪

 

最高深度まで黒化していとしても、生身のことり警部が相手なら楽勝だわ♪

 

うん♪そうと決まれば時間も惜しいからサクッと逝っちゃいましょ!

 

まずはこのソラ刑事を弾丸の当たらない様な物陰に…“ラブカストーン”の展示されていた展示台の後ろがいいわね。

 

[チュゥゥゥン♪チュゥゥゥゥゥゥン♪チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン♪♪♪タノシィィタノシィィミナゴロシィDEATHSuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu♪♪♪♪♪♪♪♪]

 

いよいよ本格的に最高深度まで黒化したことり警部の狂撃を華麗に避けながら、“私”はソラ刑事を“ラブカストーン”の展示されていた展示台の後ろへと引き摺って行ったわ。

 

安心してね、ソラ刑事。

 

この展示台の後ろなら安全よ……たぶん。

 

[DeTeKuRuDEATHuuuuuuu!!!!!CHuuuuuuuNuuuuuuu!!!!!CHuuuuuuuNuuuuuuu!!!!!]

 

ソラ刑事はこれで問題ないわ。

 

それじゃちょっと囀ずる野鳥にお仕置きしてあげましょうか!

 

「逝くわよ!ことり警部!!!」

 

[DEATHuuuuuuu!!!]

 

腰の蝋燭ホルダーに吊るしていた超硬化低温蝋燭を4本取り出して火を灯した“私”は、弾丸に当たらない様に身を屈めながら展示台の後ろから飛び出したわ。

 

火を灯した左右2本ずつ、計4本の超硬化低温蝋燭はいい感じに溶け出しているわ。

 

後はこの溶け出している超硬化低温蝋燭をことり警部の鳥モックの関節に撃ち込めば!

 

[CHuuuuuuuNuuuuuuu!!!CHuuuuuuuuuuuuuuNuuuuuuuuuuuuuu!!!!!CHuuuuuuuuuuuuuuNuuuuuuuuuuuuuu!!!!!!!!!]

 

ことり警部……黒化が進み過ぎてもうまともな思考能力が残っていないわね。

 

こちらの世界線だと真姫が西木野製薬の責任者じゃなく西木野財閥の総帥だから、あちらの世界線で真姫がことりに渡している狂鳥病の抑制薬なんてないのよね。

 

そのせいでことり警部の狂い方もあちらのことりよりひどい事になっちゃってるのよね…。

 

「狙いは外さないわ!えいっ!!!!!」

 

“私”はことり警部の狂撃を避けながら、手にした左右2本ずつの超硬化低温蝋燭を鳥モックの肩の関節と足の付け根の関節へと投げ付けたわ!

 

“私”の投擲した4本の超硬化低温蝋燭は狙い通りに鳥モックの関節に直撃して、溶け出していた蝋で鳥モックの関節を覆ったの。

 

ふふ♪完璧ね♪

 

後は超硬化低温蝋燭の蝋が冷えて固まれば……。

 

[CHuuuNuuu?!UGoKeNaIiiii?!]

 

「うふふ♪動こうとしてももう無駄よ♪貴女の鳥モックの関節を蝋で固めちゃったから♪」

 

[GuNuNuuuuuuu!!!!!マダデスゥゥゥ!!!

 

あ。しゃべり方がカタカナになったから黒化深度が下がったわね。

 

「ハッチオープン!怪盗エリーチカ!お覚悟ですぅ!!!!」

 

鳥モックが封じられた事で冷静になったことり警部は、鳥モックのコクピットハッチを開くと、両手に捕獲用ネットバズーカを構えながら飛び出して来たわ。

 

でもね、ことり警部?

 

生身の貴女じゃ絢瀬の縄師にはどう足掻いても勝てないわよ!

 

「覚悟するのは貴女よ!ことり警部!!!」

 

これでおしまいにするわよ!

 

「絢瀬流緊縛術!」

 

“私”は腰の荒縄袋から荒縄を取り出して、ことり警部へ向けて必殺の緊縛術を放つわ!

 

“私”が選んだ緊縛術は絢瀬の縄師の代名詞とも言えるこの技!

 

「“亀甲万年縛り”!!!」

 

絢瀬流緊縛術の基本中の基本にして奥義でもある“亀甲万年縛り”よ!

 

「きゃ?!いや~ん♪荒縄が巻き付いて動けませぇんよぉ?!やん♪おまたに荒縄が食い込んじゃってますぅぅぅぅ♪」

 

“私”の放った“亀甲万年縛り”は、瞬く間にことり警部を見事な亀甲縛りへと縛り上げたわ。

 

うふふ♪普段はSっ気の強いことり警部が荒縄で縛られて悶える姿はいつ見ても興奮しちゃうわね♪

 

今日で最後なんだからこのままことり警部をお持ち帰りしてマゾヒストに調教してあげようかしら♪

 

「そんな暇は無いわね。ことり警部、お別れよ。今まで色々と楽しかったわ。」

 

「ま、待つですぅ!怪盗エリーチカ!」

 

「ダスヴィダーニャ、ことり警部♪」

 

これで“私”は帰れるわ。

 

“私”の世界線へ。

 

“私”の音ノ木坂へ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…48…49…50!揃ったわよ!さぁ!“ラブカストーン”!“私”の願いを叶えて!“私”を“私”の世界線へ!あの懐かしい音ノ木坂へ!」

 

ことり警部の操る鳥モックとの死闘に終止符を打ち、ついに最後の“ラブカストーン”を手にした“私”は、警官隊に囲まれた音ノ木坂美術館を脱出して急いでアジトに保管していた“ラブカストーン”を取りに向かったわ。

 

アジトに到着して保管していた“ラブカストーン”とさっき手に入れた最後の“ラブカストーン”…合わせて50個の“ラブカストーン”を並べた“私”は、早速願いを叶える為に“ラブカストーン”へ祈りを捧げる事にしたの。

 

“私”が願いを込めた祈りを捧げると“ラブカストーン”は輝きを放ち始めて、どこからともなく学校のチャイムの様な音が鳴り響き出したの。

 

チャイムの音と共に“ラブカストーン”の放つ輝きは眩しさを増していって……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…さ…」

 

ん…だれかに…よばれたような…

 

「え…さん……」

 

だぁれ……えりーちかをよぶのは…

 

「絵里さん。」

 

あぁ…このこえ、そらかぁ……

 

「起きろって。風邪引くぞ?」

 

かぜひく?なんで?

 

「ほら?みんなも待ってる。」

 

みんなもまってる?

 

みんなってだーれ?

 

えりーちかわかんないわ。

 

「起きろって。」

 

おきなきゃだめなの?

 

おねがいだからもうすこしだけねむらせてほしいなぁ……。

 

きのうはえりーちかいっぱいがんばったからまだねむいの…。

 

「ったく……。」

 

「そら!そのドMをそんなに優しく起こす必要はないわよ!1発ド突いてヤればいいのよ!」

 

あ。

 

にこもいるんだ…。

 

「は~い♪ことりもにこちゃんにさんせ~ですぅ♪」

 

ことりもいるのね。

 

「ですがこんなに気持ち良さそうに眠っているんですよ?流石にそれはちょっと可哀想な気もしますが…。」

 

うみも。

 

「大丈夫やろ?えりちはドMさんやから、ド突かれるのなんてごほうびやん♪」

 

のぞみも。

 

「ねぇ?希ちゃん?なんで絵里ちゃんはドつかれるのがごほーびなの?」

 

ほのかも。

 

「穂乃果ちゃんはピュアピュアだにゃ。そんな穂乃果ちゃんはマゾとかサドとかアブノーマルなことは知らない方がいいにゃ。知れば凛みたいに汚れてしまうにゃ…。」

 

りんも。

 

「花陽は汚れちゃった凛ちゃんもまじえんじぇーだよ!キレイになるまで全身ぺろぺろしてあげるね!」

 

はなよも。

 

「ねぇ?なんでもいいからエリーのこと早く起こしてアミューズメントセンターに行かない?」

 

まきも。

 

みんないるんだ…。

 

でももうすこしだけねむらせてほしいわ。

 

えりーちか、とってもねむいの。

 

あとすこしだけ………あみゅーずめんとせんたー?

 

いま、まきはあみゅーずめんとせんたーっていったわよね?

 

まきはなにをいってるの?

 

こっちのせかいにはあみゅーずめんとせんたーはないわよ?

 

「急がないとバトルロイヤルが始まっちゃうわよ?」

 

ばとるろいやる?

 

ねぇまき?ばとるろいやるって……がんぷらばとるはこちらには………あれ?そういえばみんななんでいっしょにいるの?

 

これじゃまるでわたしのせかいせんのみゅーずみたい………

 

「はぁ…仕方ありませんね。にこ。方法はお任せしますので殺さない程度に手加減して起こしちゃって下さい。」

 

“私”の世界線の“μ's”?

 

確か…“私”は“ラブカストーン”を全部集めて…。

 

チャイムの音が聞こえたと思ったら意識が遠のいて…。

 

それから……

 

「おっけー!この大銀河宇宙No.1スクールファイターのにこにーにまるっと任せておきなさい!逝くわよ!ドM!」

 

「は~い♪にこちゃん♪絵里ちゃん用によけ~に痛くなるよ~に作ったハリセンだよ~♪」

 

「ありがと♪ことり♪さぁ!逝くわよ!どえむーちか!この一撃で沈めてみせるわ!せーのー!ぐぉらぁぁぁぁぁぁぁ!!!ぽんこつドM変態女ぁぁぁ!起きろぉぉぉぉぉ!こんのぉボケェェェェェェェ!!!」

 

それから…“私”は…“私”は………

 

「きゃん?!ふぇ?!な、なに?!スパンキング?!なんで頭でスパンキング?!スパンキングならお尻にしてよね!」

 

“私”がまどろみの中でおぼろげに“ラブカストーン”を揃えて願いを叶えた事を思い出したその時、頭に“すぱん!”といういい音と共にスゴい衝撃が走ったわ。

 

そんな頭の芯まで響くような衝撃でまどろみを吹き飛ばれて一気に目を覚ました“私”は、頭のじんじんとする様な痛みに思わずちょっとだけ恍惚としかけちゃったけど、“私”を囲んでいる面々の顔を見て色ボケする直前でなんとか正気に戻れたの。

 

だって……。

 

「ソラ刑事?にこに真姫も?それにことり警部にマッド花陽にスナイパー海未?希は占術省のお仕事はどうしたの?凛もテレビの収録は?」

 

“私”の周りには何故か懐かしい音ノ木坂学院の制服を着たみんながいたんですもの。

 

「は?!刑事?俺が?」

 

「そらが刑事って…絵里、アンタはナニ寝ぼけてんのよ。って起きたばっかだったわね。」

 

「それでもソラが刑事ってないわよ。どちらかと言うとソラって刑事さんに逮捕される側よね?」

 

「ちゅん?ことりは警部さん?ですか?」

 

「チョットマッテテェェェェェ!!!マッド花陽ってなんですか!マッド花陽って!花陽はマッドじゃないですよ!ただちょーっとお米とガンプラとえっちなことが好きな普通の女の子なだけですよ!」

 

「私としては花陽は割りとマッドだと思いますよ?あと私がスナイパーですか。まぁガンプラバトルでは確かにスナイパーですから間違いではありませんね。」

 

「そんなことよりもなんでえりちが占術省のこと知っとるん?一応はあそこって一般人は知らんはずなんやけど…。むぅ。なぁえりち?あんまりあそこには深入りせぇ~へんほうがえぇよ?」

 

「にゃんで凛だけテレビの収録?凛はテレビの収録なんてしないよ?」

 

みんな怪訝な顔で“私”を見ているわ。

 

“私”としてはこちらの世界線のみんなが一緒にいる方が不思議よ。

 

本当になんなのかしら?この状況は?

 

「ねぇ!絵里ちゃん!なんで穂乃果だけなんにもないの?!」

 

そもそも穂乃果がここにいる時点でおかしいのよ。

 

こちらの世界線の穂乃果って……。

 

「お前がアホだからだろ?」

 

それは無いわ。

 

この世界線の穂乃果はアホとは対極の存在だもの。

 

「あっ!そら君がまた穂乃果のことアホって言った!どーしていつも穂乃果のことアホって言うの!穂乃果はアホじゃないもん!」

 

ふぇ?!今のソラと穂乃果やり取りって?!

 

あれって“私”の世界線のソラと穂乃果がいつもやってるヤツよね?!

 

なんでこっちの世界線のソラ刑事と穂乃果があのやり取りをしているの?!

 

こっちの世界線じゃあり得ないわ!

 

だってこっちの世界線の穂乃果は……

 

「んじゃアホじゃねぇ高坂 穂乃果さんに問題です。3×0は?」

 

「え"。ホ、ホノカ!たす「ホノカ!お前は手を貸すなよ!」けて!(ゴメンね♪ほのか♪そら君が助けちゃダメだって。簡単だから自分で考えてね♪)ぎゃーす!ホノカにみすてられたぁぁぁぁ!」

 

でも“ぎゃーす”って叫んでる穂乃果のあの顔って“私”のよく知ってる穂乃果のアホっぽい顔よね?

 

この穂乃果ってもしかして“私”の世界線の…“私”よく知っているあの穂乃果…つまりは“アホ乃果”なの?

 

「ねぇ?みんな。この穂乃果はアホなの?アホ乃果なの?」

 

「は?絵里さんナニ言ってんだよ?どーみてもコイツはアホ乃果だろ?」

 

「アホに決まってるでしょ!穂乃果なのよ!」

 

「アホだよね~♪だって穂乃果ちゃんだもん♪」

 

「アホですね。例えば穂乃果が脳を入れ換えたとしても、穂乃果がアホな事に代わわりありません。」

 

「アホよ。穂乃果だもん。それに海未の言う通りだわ。穂乃果のアホって脳がどうこうじゃなく、たぶん遺伝子や魂とかの根源的なレベルでアホなんだと思うわ。」

 

「穂乃果ちゃんやからアホに決まっとるやん。それにしても真姫ちゃんは中々おもしろいこと言うなぁ♪むふふ♪ちなみに穂乃果ちゃんはスピリチュアル的にもアホなんよ♪」

 

「穂乃果ちゃんはアホ…げふんげふん。凛はコメントを差し控えるにゃ。同じ穴のアホな凛には穂乃果ちゃんがアホだなんて言えないにゃ。」

 

「アホですよ。だって穂乃果ちゃんだから。それに穂乃果ちゃんがアホじゃなかったらそれは絶対にこの世界線の穂乃果ちゃんじゃないですよ!アホじゃない穂乃果ちゃんなんて別の世界線の穂乃果ちゃんじゃなきゃあり得ないです!」

 

「うわっ!なんかみんなひどい!穂乃果がアホって即答したよ!」

 

穂乃果のアホさを全力でいじり倒すこのノリ…。

 

これって“私”の世界線のみんなのノリよね?

 

それじゃ“私”は…“私”は……。

 

「帰って来たんだ…“私”の世界線に…“私”は帰ってこれたんだ…。」

 

「絵里さん?さっきから変だけど、どうしたんだ?」

 

帰って来た。

 

“私”は“私”の世界線に帰って来た!

 

ならこの目の前で“私”の顔をを心配そうに覗き込んでいるソラは“私”のソラなのね!

 

「ソラ!」

 

「うおっ!っと!なんだよ絵里さん!いきなり抱き付いてきて?!」

 

「ただいま!ソラ!みんな!えりーちか!おうちにかえってきわ!」

 

「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして“私”の世にも奇妙な体験は幕を閉じたわ。

 

あちらの世界線…怪盗エリーチカの世界線での出来事は今でも夢だったんじゃないかって思う事もあるわ。

 

そう…全部“私”がみた夢なんじゃないかって…。

 

でも…例え夢だったとしても…。

 

“私”は…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おねーちゃん!朝だよ!早く起きてよ!」

 

「うーん…ありさぁ…おねーちゃんはきのーはたいへんだったのよ…。だからまだねむいの…もうすこし…。」

 

「もう少しってもうお店の開く時間になっちゃうよ!」

 

「おみせ?なんのおみせよ…。」

 

「お店はお店だよ!わたしとおねーちゃんのお店!ロシアン喫茶ハラショーだよ!」

 

………………………………………………………………………は?

 

「早く起きなきゃソラさん来ちゃうよ♪」

 

ロ、ロシアン喫茶ハラショー?!

 

まさか?!

 

「し、知らないけどよーく知ってる天井だわ?!」

 

“私”が見上げた天井はこの前までは知らないけど今ではすっかりと見慣れてしまったよく知る天井だったわ!

 

“私”!また来ちゃったの?!

 

怪盗エリーチカの世界線に?!

 

あれだけ苦労して必死に“ラブカストーン”を集めて元の世界線に戻れたのに!

 

なんでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

『親愛なる“私”へ。

 

またこちらへ来ちゃったのね。

 

せっかく“ラブカストーン”の力で元の世界線に戻れたっていうのに、また戻って来ちゃうなんてホントに仕方ない子ね。

 

でも安心して。

 

今回もちゃんと元の世界線に戻る為の手段は用意してあるわ。

 

今回、“私”が元の世界線に戻る為に集めて欲しいのは、愛の戦士ラブライバー達の間で女神を生け贄に捧げるか戦士達の祭典でスコアランキングを上位にするかスコアを貯めて解放するごほうびBOXから手に入る事が出来ると言われている伝説の“シール”よ。

 

この伝説の“シール”には虹色シール、金色シール、銀色シール、桃色シールの4種類があるんだけど、今回は銀色シールと桃色シールがターゲットなの。

 

貴女は銀色シールならか2枚、桃色シールなら30枚で1枚手に入る“補助チケット”を25枚集めて、ウルトラでレアな願いを……元の世界線へ戻る願いを叶えてちょうだい。

 

“補助チケット”5枚でも願いを叶えられる可能性もあるんだけど、そちらは確実じゃないわ。

 

“補助チケット”5枚だと、だいたい20%の確率でしか願いは叶わないの。

 

でもね?“補助チケット”25枚なら必ずウルトラでレアな願いが叶うのよ!

 

スゴいでしょ♪100%なのよ!

 

だから貴女は桃色シールなら750枚、銀色シールなら50枚を頑張って集めて“補助チケット”25枚と交換してちょうだい。

 

もちろん今回もにこと真姫に協力をお願いしてあるから心配しないでね。

 

そしてこちらももちろん、ことり警部と特殊犯罪捜査室の面々も懲りずに貴女の邪魔をしてくるわ。

 

さらにはあの“高坂 穂乃果”もシールを狙っているって噂もあるの…。

 

ふふ♪今回は中々に大変なショーになりそうね。

 

さぁ!行きなさい!怪盗エリーチカ!

 

新しいショーの始まりよ!』

 

「えりーちか!もうやだ!おうちかえりたい!!!しょらぁぁぁぁ!!!たしゅけてぇぇぇぇぇぇぇ!!!むかえにきてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

これにて絵里さん生誕祭特別編は終幕となります。
もしかすると怪盗エリーチカネタはまた閑話や特別編で行うかもしれません。
ことり警部サイドのお話とかも書いてみたいですね。

次回更新は本編を月曜日に予定しております。
凛ちゃん生誕祭特別編は…どうしましょうか…。
一応は完成はしているのですが、全体的に手直しをしたいなぁとか思っております。


それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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