ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
好きなポケモンはキノガッサなQooオレンジでございます。
本日は凛ちゃん生誕祭特別編の最終回になります。
何時もより長めで尚且つ何時もよりグダグダでございます。
それでは 2017 星空凛生誕祭特別編「わがはいはりんである。 ②」 はじまります。
「にゃにゃ。にゃにゃにゃにゃんにゃん…。(うーん。おかーさんから逃げ出せたのは良かったけど、これからどーしよっか?)」
前回、忌々しいとりにこコンビのネコカフェモフモフ話を聞いちゃって、ネコさん大好きなのにネコアレルギーでネコさんをモフれないけどどーしてもネコさんをモフりたくなっちゃった凛は、“不可能を可能にする”がキャッチコピーな西木野製薬を率いる真姫ちゃんにお願いして、凛のネコアレルギーを治すクスリを作ってもらいました。
そんな真姫ちゃんwith西木野製薬に作ってもらったネコアレルギー完治薬“ネコナオールX(濃厚トンコツラーメン味)”を飲んでナゼかネコさんになっちゃった凛は、おかーさんの魔の手?から逃げ出すためにお部屋の窓から決死の大ジャンプを慣行したんだよ。
2階の窓から飛び降りるのなんてかなーり怖かったけど、このネコさんボディは凛が思っていたよりもずっと高性能だったんだ。
2階の窓から飛び降りて、にゃっと空中3回転を決めて地面に簡単に着地できちゃった。
そんな感じで無事に脱出&着地した凛は急いでおうちから離れて、これからどーしよっか?って考え中です。
やっぱりげんきょーのツンデレ残念セレブ姫の真姫ちゃんをみぎゃ!っとひっかくのが先だよね。
ふくしゅーするは凛にあり!だよ!
でもここから真姫ちゃんのツンデレラ城までは遠いにゃぁ…。
いつもの凛ならランニングのついでに行けちゃう距離だけど、今のこのネコさん状態じゃ…。
それにまだ朝ごはんも食べてなかったからおなかぺこぺこだし…。
うん!まずはやっぱり腹ごしらえからだね!
腹が減っては戦ができないんだよ!
と、ゆーわけでやって来ましたかよちんのおうち!
かよちんならネコさんの言葉をほんやく?してくれる“ニャウリンガル”って機械を持ってるから、ネコさんになっちゃった凛の言葉もわかるはずだよ!
それにかよちんってとっても優しいから、ネコさんになっちゃった凛にもおいしいごはんをいっぱい食べさせてくれるよね!
そんなことを考えていたら、かよちんのおうちの玄関からかよちんが出てきたにゃ!
どーやってかよちんをおうちの中から呼ぼーかなぁ?って思ってたけど、かよちんの方から出てきてくれたにゃ!
ニャッハー♪こいつは幸先いいにゃ!
凛にも運が向いてきたにゃ!
にゃ!次はごはんもらうにゃ!
「にゃにゃにゃん!にゃにゃ!にゃんにゃー!(かよちん!かよちん!凛だよ!あのね!凛ね!お腹へったにゃ!ごはんくれにゃ!飯食わせてほしいにゃ!)」
「えっ?あっ!ネコさん!しかも仔ネコさんだ!うわぁ♪にゃーにゃー鳴いてかわいい♪」
おっと♪かよちんはネコさん化した凛のぱーふぇくとにゃんにゃんにメロメロだよ!
凛は罪な女だにゃ♪
しょーがないからあとでモフらせてあーげよっと♪
でもまずは腹ごしらえが先だよ!
凛は朝からなーんにも食べてないから腹ペコにゃんにゃんだよ!
ぎぶみーごはん!かよちん!腹ペコにゃんにゃんの凛にごはんくれにゃ!
「にゃにゃにゃんにゃにゃ!にゃん!にゃー!(かよちんにはあとで特別にモフらせてあげるからとりあえずはごはんくれにゃ!腹ペコにゃんにゃんな凛にごはん食わしてほしいにゃ!)」
「どーしたの?ネコさんひとりぼっち?おかーさんはいないのかな?うーん…なんだかスゴい一生懸命ににゃーにゃー鳴いてるけど…あっ!もしかしてネコさんはお腹減ってるのかな?」
「にゃん!(おうにゃ!)」
「ふふふ♪にゃん!ってなんかお返事してるみたいだね♪お腹減ってたら悲しいよね?ちょっと待っててね?すぐにネコさんが食べれそうなモノ持ってきてあげるかね。」
「うにゃっ!にゃん!(やった!ごはん!)」
かよちんは凛にちょっと待ってるよーに言うと、おうちの中へと戻っていったよ。
食べれそうなモノ持ってくるって言ってたから、きっと凛のためにおいしいごはん持ってきてくれるんだね!
ふぅー。一時はどーなるかとおもったよ。
でもかよちんにゃんのお陰でなんとかごはんにはありつけそうだね!
そうだ!もしこのまま凛がネコさんから戻れなかったら、かよちんのおうちでお世話してもらお!
かよちんならネコさんになった凛のこといーっぱいかわいがってくれるよ!
うん!我ながらイイ考えだね!
「ネコさん、お待たせ!ご飯持ってきたよ♪はい♪どーぞ♪」
凛がこのままかよちんのおうちでお世話になろうとか思っていると、玄関のドアを開けてお皿を持ったかよちんが帰ってきたよ。
かよちんナニ持ってきてくれたのかな?
今の凛はネコさんだから、立ってるかよちんが持ってるお皿の中身は見えないよ。
「炊き立てほかほかのおいしいおいしいご飯ですよ!」
お皿を持ってネコさん化した凛の前までやって来たかよちんは、しゃがんで手に持っているお皿を地面に置いてくれたんだけど…。
「にゃ、にゃにゃ…。(お、お米だけ…。)」
お皿の中は見事なまでに白一色。
お米だけでした。
「今日のお米は○○県産のブランド米“○○の○○”だよ!お水も○○県からお取り寄せした日本の名水100選のひとつ!“○○の清水”!やっぱりお米を炊くときはそのお米の産地の名水を使わなきゃね!オコメマイスターとしては基本中の基本だよね!」
「うにゃ…にゃにゃ?にゃん。(ねぇ…お米はおいしいそうなんだけどおかずは?お米だけは凛にはきびしいにゃ。)」
「あれれ?ネコさんはどうしてご飯食べないのかな?食べていいんだよ?」
かよちんはごはんを食べないネコさん化している凛を見て、首をかしげながらそんなことを言ってるにゃ。
うん。あのね、かよちん。
凛は味のないごはんだけもらっても食べれないよ。
ナニか味のあるおかずがほしいんだよ。
「にゃにゃ!にゃん!にゃにゃにゃ!(かよちん!おかず!おかずをぷりーず!)」
凛はかよちんに必死におかずもちょーだい!ってにゃーにゃーないて訴えます。
っていうかかよちん。
早く“ニャウリンガル”持ってきてよ…。
あれがあれば凛が凛だって伝えられるし、いろいろと説明できるのんだよ?
「どーして食べないんだろ…ご飯美味しいのに…あっ!そっか!そうだよね!ごはんだけじゃダメだよね!おかずもなきゃ!ネコさん!チョットマッテテェェェェェェェェ!!!」
真っ白なほかほかのごはんの前でうなだれながら、おかずがほしいと願っていた凛を不思議そうに見ていたかよちんだったけど、凛がナニを求めているのか気づいてくれたみたい!
よかった!凛のおかずがほしいって願いはかよちんに通じたみたいだよ!
かよちんはいつもの“チョットマッテテェェェェェェェェ!!!”を叫びながら、またおうちの中に戻っていきました。
今度はおかずを取りに行ってくれたんだね!
かよちん!おかずはできたらおさかな以外でお願いしたいにゃ!
凛はおさかな苦手にゃ!
お肉とかラーメンがいいな!
「はい!おかず持ってきてよ!」
とか言ってるうちにかよちんは両手にお皿を持って戻ってきたよ!
戻ってくんのはやっ!
「はい♪ネコさん♪おいしいごはんにぴったりのおかずだよ♪」
戻って来たかよちんは凛の目の前におかずの乗ったお皿を置いてくれたんだけど…。
「うにゃ?にゃにゃにゃ?(これがおかず?これってごはんだよね?)」
かよちんがおかずだよって言って凛の目の前に置いたお皿の中には、最初に出されたお皿とおんなじで真っ白ほかほかのごはんしか乗っかってませんでした。
「こっちのお米は○○県産の○○○○○で優しい甘味が特徴なんだよ!もうひとつの方は○○県産の新しいブランド米で○○○○○って言うんだけど、モッチリとした歯ごたえと深いうま味が最近の花陽のお気に入りなんだ!どっちもご飯にピッタリのおいしいご飯だよ!」
かよちんは二つのお皿のごはんを説明してくれてるけど、ぶっちゃけ凛にはおこめの違いとかわかんないよ。
「にゃにゃん?にゃにゃーにゃ。にゃんにゃ。(どー見てもごはんだけだよね?お米の甘味とかうま味とかどーでもいいからおかずくれにゃ。ってかごはんはおかずじゃないにゃ。)」
凛はごはんでごはんを食べるのはちょっと無理だよ。
「な、何てことを!このネコさんは何てことを言うでしょーか!ごはんはおかずじゃないですってぇぇぇぇぇぇ!!!ふ、ふじゃけんにゃぁぉぉぁぁ!!!ごはんはおかずです!おかずはごはんなんです!ネコさん!花陽はネコさんをそんなネコさんに育てた覚えはありません!!!」
凛がごはんはおかずじゃないって言ったとたんに、かよちんはぷるぷると震えながら怒り出しちゃいました。
怒り出しちゃったかよちんを見て、凛は大事なことを忘れていたのを思い出しました。
「にゃ…。にゃにゃ。(あぁ…そうだったよ…。かよちんはこーゆーヤツだったよ…。ごはんをおかずにごはんを食べるヤツだったよ…。はぁ…かよちん…とりあえず凛はかよちんに育てられた記憶はねーにゃ。あとなんでごはんはおかずじゃないってとこだけ理解できるにゃ?ニャウリンガルは使ってないのに。)」
そう…凛は忘れていたんだよ…かよちんが米狂いのオコメスキーだってことを。
「こうなったらネコさんを1日3食お米を摂取しなきゃ死んじゃう身体にしちゃいます!さぁ!口を開け!ネコ!!!まずはこのお米を無理矢理にでも詰め込んでやります!!!」
「ぎにゃ?!みにゃ!にゃ!!!(ぎにゃ?!かよちんのオコメスキースイッチが入っちゃった!このままじゃヤベェにゃ!とにかく逃げなきゃ!)」
かよちんは片手にごはんが盛られたお皿を持って、もう片方の手をわきわきさせながら凛に迫ってきました。
かよちんのあの目!ことりちゃんが黒化したときみたいにハイライトが消えて完全に逝っちゃってるヤバいときの目だよ!
このままかよちんに捕まったら凛はお米だけを食べさせられ続けて大変なことになっちゃうよ!
凛はまるでことりちゃんみたいにヤバい状態で逝っちゃってる目でネコさん化した凛に迫っくるかよちんに、思わず身の危険を感じちゃって、大変なことになる前に逃げることにしたよ!
「にゃんにゃんにゃーん!(逃げるが勝ちだにゃ!)」
「あっ!逃げた!待ちなさい!こめたろー!ごはんを食べなさい!!!」
おいまて!米狂い!“こめたろー”ってなんだ!“こめたろー”って!!!
それってオスにつける名前だよ!
凛は女の子…今はネコさんだからメスだにゃ!
ってかオスでも“こめたろー”はないにゃ!
「にゃ…。(ひでぇ目にあったにゃ…。)」
かよちんにオコメスキーに調教されそうになった凛は、おこめ片手に迫ってきたかよちんから猛ダッシュで逃げ出したにゃ。
暴走状態のかよちんってことりちゃんの黒化状態のときみたいに真姫ちゃん的イミワカンナイことをしてくるからあぶねぇーにゃ。
あのままかよちんに捕まっていたら凛は今ごろは……。
凛はオコメスキーなかよちんは大好きだけど、自分がオコメスキーになるのは勘弁だよ。
だって凛はラーメンスキーだもん♪
「にゃ。うにゃ…。(かよちんから逃げ出せたのはよかったけど、結局ご飯食べ損ねたよ…。はぁ…お腹減ったなぁ…。)」
「あ♪こねこさんがいますぅ♪」
「うにゃ?にゃ!(うにゃ?あっ!ことりちゃん!)」
きょーふのオコメスキー化調教計画を発動したかよちんから逃げ出した凛が、お腹が減ったなぁ…とか考えながらとぼとぼ歩いていると、後ろから聞きなれた声が…ことりちゃんの声が聞こえてきました。
凛がその声に反応して後ろを振り向くと、そこにはいつも通りのふわふわしたかわいい服装(たまには凛もあんなかわいいお洋服着てみたいなぁ…)でやっぱりふわふわした雰囲気をした凛達チーム“μ's”の衣装担当兼プッツン砲撃娘なことりちゃんがいました。
「や~ん♪あのこねこさん…」
「にゃ!にゃにゃにゃ!にゃ…(そうだ!ことりちゃんならかわいいモノ好きだから超絶ぷりてぃなネコさん化した凛に…。)」
「…おいしそうかも♪うふふ♪き~めた♪今夜はねこさんの丸焼きにしよっ♪」
ごはん食べさせてくれ………おいまて!プッツン砲撃娘!
なんって言いやがった!
おみゃーはなんって言いやがったにゃ!
まさか喰うとか…
「味付けはシンプルに塩コショウだけでいいかな♪」
言ってたにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
やっぱりことりちゃん喰うって言ってたにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!ぎにゃぁぁぁぁ!!!!!(みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!ねぇ!喰うつもり?!喰うつもりなの?!ことりちゃん!凛のこと喰うつもりなの?!ってかネコさんは食べちゃダメだよ!)」
「毛皮は海未ちゃんにお願いして三味線にしても~らお♪」
「ぎにゃぁぁぁぁぁ!!!!(しなくていいにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)」
そーだよ!そーだったよ!
ことりちゃんもヤベェんだにゃ!
さっきの覚醒オコメスキーなかよちんよりもヤベェんだよ!
こいつが音ノ木坂で大流行してるヤベェ病気な狂鳥病の元凶なんだよ!
ダメだよ!このままことりちゃんに捕まったら凛はぬっ殺されて喰われて毛皮は三味線だよ!
仲間に喰われるとか人として(今はネコさんだけど!)サイテーの死に方だよ!
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(さっきのかよちんよりヤベェにゃ!ぬっ殺されて喰われて三味線にされるにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)」
に、逃げるにゃ!
にゃんか今日は逃げてばっかりだけど逃げるにゃ!
逃げなきゃ今回はガチでヤベェにゃ!
まださっきのかよちんのオコメスキー化計画の方がマシだったよ!!!
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(覚えてろだにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)」
ちなみ凛がことりちゃんから逃げ出したあと…
「あれ?こねこさん逃げちゃった?や~ん♪丸焼きとかじょ~だんなのに~♪」
なんてことを言っていたらしいにゃ。
丸焼きとかおみゃーが言うと冗談に聞こえにゃいんだにゃ!
「にゃ…。にゃん…。(はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…ふぅ…。なんとか逃げ切れたよ…。)」
最近はすっかり音ノ木坂の恐怖の大王が定着してきてることりちゃんから、全力疾走で命からがら逃げ出した凛だったけど…。
「あ。凛ちゃんやん?こんなトコでネコさんになってナニしとるん?」
今度は希ちゃんに出くわしました。
こんなトコでネコさんになってナニしとるん?って、凛は真姫ちゃんにハメられて(被害妄想)、かよちんに調教されそうになって、ことりちゃんに喰われそうになったんだにゃ。
今日だけでどれだけひどい目にあったことやら…。
うにゃ?にゃにゃ?うにゃにゃにゃ?そー言えば希ちゃん…さっき凛のこと凛って呼ばなかった?
今の凛ってネコさんになってるから、凛だってわかんないハズなんだけど…?
「むふふ♪そんなんスピリチュアルパワーのお陰に決まってるやん♪」
「……にゃ…うにゃ…。(……決まってるやん♪って…気にしたらにゃんか色々と負けにゃんだよね、きっと…。)」
「負けてもえぇ~んよ?」
今年に入ってからにゃんか色々とありすぎて、凛は悟ったんだよ。
完全無欠の生徒会長は実はドMだったり、ふわふわぷわぷわな先輩は鬼畜だったり…。
他にもアホの極みとかなんか残念な大和撫子とかやっぱり残念なツンデレセレブ姫とか。
ヤツらと付き合うにはある程度の諦めが必用にゃ。
そらにゃんとにこちゃんも遠くを見ながらにゃんかおんなじよーなこと言ってたにゃ。
「凛ちゃんもなんや大変やねぇ~。」
にゃにひと事みたいに言ってるにゃ!
おみゃーも元凶の1人だにゃ!
「うにゃ!にゃにゃ!にゃん!(そんなことよりも!希ちゃん!凛はお腹減ったにゃ!にゃんか食べさせて欲しいにゃ!)」
なんかいろいろと釈然としないけど、希ちゃんが凛のにゃんにゃん語を理解してくれるならスピリチュアルパワーでもサイコパワーでもなんでもいーよ!
とにかく凛は腹が減ってペコペコにゃんだよ!
ここはひとつネコさん化してる凛のにゃんにゃん語を理解できるっぽい希ちゃんにお願いしてにゃんか食べさせてもらお!
「うにゃ?にゃにゃ?(って、希ちゃん?ナニやってるの?)」
凛が希ちゃんにナニか食べさせてってお願いしてると、希ちゃんはいつのまにか地面に変な絵?図形?を描いていました。
丸の中に三角?とか四角とかお星さまとか?
あと変な文字みたいなのがいっぱい?
なんだろ?コレ?
「凛ちゃんは気にしないでえぇ~よ♪ただの使い魔契約の魔方陣やから♪」
「うにゃ?(つかいまけーやく?)」
「そ♪使い魔契約♪なぁ凛ちゃん?うちと契約してうちの使い魔にならへん?そ~すれば三食ばっちりご馳走してあげるよ?(もっとも三食ばっちりご馳走する変わりにたっぷりお仕事してもらうんやけどね♪むふふふふ♪)」
希ちゃんはそんなこと言いながら、見るからにナニか企んでるよーに凛を見てニヨニヨしてるにゃ。
あのニヨニヨは希ちゃんがヤベェときのニヨニヨだよ。
契約とかなんとか言ってたけど、こいつはにゃんかヤバいにおいがプンプンしやがるにゃ。
このままじゃ絶対にヤバいにゃ。
本日4回目のヤベェにゃ!だにゃ。
「うにゃ!にゃにゃにゃにゃん!(希ちゃん!凛は用事を思い出したからまた今度だにゃ!)」
凛は本能的に希ちゃんがヤベェこと企んでると感じて、いまだにニヨニヨしてる希ちゃんに背を向けてまたまたダッシュで逃げることにしたにゃ。
「あ!逃げた!凛ちゃん!ちょい待ってや~!うちと契約して面白おかしく魔法少女っぽいことしよ~やん♪」
「うにゃ!にゃ!(待ってたまるか!だにゃ!)」
「むぅ。凛ちゃんは相変わらず勘のいいネコさんやなぁ。コレが噂の野生の勘ってヤツなんやろか?」
走り出した凛の後で希ちゃんがまだナニか言ってるけど、振り返っちゃダメだにゃ。
振り返ったらきっと怪しいスピリチュアルパワーで捕まってひどい目にあうにゃ!
「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(腹減ったにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)」
にゃんかほんとーに今日は逃げてばっかりだよ…。
「あら?凛にそっくりなかわいい仔猫ね。凛みたいに首輪と荒縄がよく似合いそうだわ♪」
「みぎゃ?!(今度はドMが出やがったにゃ?!)」
「うふふ♪可愛い可愛いノラネコさん♪貴女をうちに連れて帰って、私がたっぷりと虐げられる快楽を教えてあげるわ♪さぁ♪いらっしゃい♪♪♪」
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(こっちくんな!ドM!!!動物虐待反対だにゃぁぁぁぁ!!!!本日5回目の逃走ダッシュだにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)」
「あっ!ネコさんだ!」
「にゃ、にゃぁ…。(ドMから逃げ切ったら今度はアホが来やがったにゃ…。)」
希ちゃんから逃げた先で遭遇したネコさんをドMに改造しようとかアホなこと考えていた絵里ちゃんからまたまたまたまたネコさんまっしぐらで逃げ出した凛は、今度はアホ…じゃなくて穂乃果ちゃんと会ったにゃ。
ヤベェ連中からあちこち逃げ回ってたら、いつのにか穂乃果ちゃんのおうちの和菓子屋さん“穂むら”の前まで来ていたんだね。
「ネコさんなんか疲れてるね?だいじょーぶ?あっ!そうだ!つきたてあつあつのお餅があるんだ!ネコさん!このお餅食べて元気だして!」
穂乃果ちゃんはヤベェ連中から逃げるために走り回って疲れちゃったネコさん化した凛を見て、心配してくれたにゃ。
穂乃果ちゃんはアホだけと優しいにゃ…。
優しいけど…ネコさんにお餅食べさせようとかやっぱりアホだにゃ…。
「うにゃ?みにゃぁ…。(ネコにお餅はヤベェんじゃにゃーのかなにゃ?喉に詰まるにゃ。でも腹減ったにゃ…。ナニか食べないとヤベェにゃ…。)」
「ほら!穂むらのつきたてのあつあつのおいしいお餅だよ!ネコさん!食べて!食べて!」
穂乃果ちゃんが差し出してくれたお皿には、確かにつきたてのアツアツのお餅がのってたんだよ。
そう。アツアツのお餅が…。
「うにゃ。にゃにゃん。(そー言えばネコさんはアツアツは無理にゃ。だって猫舌だし。)」
お餅食べたいけどあんなにアツアツじゃ無理だよ…。
凛がネコさんじゃなかったららくしょーなのに…。
「うにゃぁ…。にゃぁ…にゃにゃにゃん…。(見てると余計にお腹減るから凛はもう行くよ…。はぁ…お腹減ったなぁ…。)」
「あれ?ネコさん?行っちゃうの?おーい!ネコさーん!お餅食べなよー!穂むらのお餅はおいしーよー!」
そんな穂乃果ちゃんの声に見送られて、凛の旅は続くにゃ…。
次はどーなることやら…。
「ノラネコ?なんか弱ってるわね。」
お餅を諦めて穂乃果ちゃんのとこからとぼとぼと離れた腹ペコにゃんにゃんな凛は、今度は黒髪ツインテ合法ロリっ子なにこちゃんに出会ったんだよ。
「にゃ!にゃにゃにゃん!(あっ!にこちゃん!)」
このとき、にこちゃんの顔を見た凛はピンと来たんだ!
そう!にこちゃんならさっきまでの非常識の塊のヤベェ連中と違って、“にこにこにー”とか痛い言動をのぞけば常識の塊なんだよ!
常識の塊なにこちゃんなら…きっと腹ペコにゃんにゃんで弱ってるネコさん化した凛においしいご飯を…
「ノラネコみたらまずは保健所に連絡ね!」
もらえねぇーし!
ってか保健所?!なんでいきなり保健所?!
「うちの妹達がこのノラネコにひっかかれて変な病気を貰ったらたまったもんじゃないからね!」
凛はひっかいたりしないよ!いいネコさんだよ!
「保健所に連行されても、運が良かったら里親が見つかるわよ。」
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(運が悪かったらぬっ殺されるにゃ!保健所行きはイヤだにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)」
凛は逃げたよ。
保健所には絶対に連行されたくないからとにかく逃げたよ。
そんな本日6回目の逃走の果てに、身も心もすっかりボロボロになっちゃった凛は、疲労と空腹のせいでもうふらふらだよ…。
さっきから少しでも体力を回復させようと、ヤベェ連中に見つからないで安全に休めそうな場所を探してるんだけど、にゃんかもう今の凛にはどこが安全な場所なのかわかんないよ…。
保健所に連行されるかもって思ったら、とにかく怖くて怖くて夢中で走り回ったからここがどこかもわかんないし。
にゃんか見覚えがあるおっきな和風のお屋敷があるから、ここが音ノ木坂なのは確かなんだけど…。
「うにゃ…。(疲れたよ…歩けないよ…凛はにゃんかもうダメかもしれないよ…。)」
ふらふらしながらがんばって歩いていたんだけど、凛はとうとう体力の限界を迎えてポテっと倒れちゃちゃいました。
コンクリートの地面が冷たいにゃ…。
お空は…にゃんか曇ってきてるにゃ…。
雨…降るのかなぁ…。
濡れるのはイヤだなぁ…。
うにゃ…にゃんか凛は眠くなってきたよ…。
パトラッシュ…。
凛…もう眠いよ…………。
「あっ!た、大変です!家の前に仔猫が倒れていますよ!大丈夫ですか!しっかりしてして下さい!」
「にゃ……にゃ……。(にゃ……にゃんかあったかいにゃ……。)」
体力の限界で行倒れたはずの凛が、心地よいあたたかさの中で目を覚ますと、そこはなんだかどこかで見たことのあるお部屋の中でした。
「うにゃ…にゃ?(ここって…どこだろ?)」
「あっ!良かった!目を覚ましたのですね!」
「うにゃ?にゃ!にゃにゃにゃん!(うにゃ?あっ!海未ちゃん!)」
声のする方を振り向くと、そこには音ノ木坂の残念スナイパーな海未ちゃんがいました。
そっか…凛は海未ちゃんに助けられたんだね…。
「覚えていますか?貴女は私の家の前で倒れていたのですよ?」
「うにゃ?(海未ちゃんのおうちの前?)」
にゃ。どっかで見たことある和風のお屋敷だと思ったら、海未ちゃんのおうちだったんだね。
「貴女が私の家の前で倒れていたのも何かの縁。行く宛が無いのならばこのまま私の家で暮らしませんか?」
海未ちゃんはネコさん化してる凛の頭を優しくナデナデしながら、このままここで暮らしませんか?って言ってくれました。
ヤベェ連中に追い回されて身も心もボロボロな凛は、海未ちゃんのその優しい言葉が嬉しくて嬉しくて…。
「にゃ!うにゃにゃん!(うん!凛は海未ちゃんのおうちの子になる!)」
もう凛はこのままネコさんから戻れないかもしれない。
だから優しい海未ちゃんと一緒に…
「では早速…ほのか!」
「うにゃ?!にゃにゃ?!にゃんにゃ?!(ほのか?!なんでほのか?!)」
「なんですかほのか!そのなんでほのか?!って顔は!」
イヤイヤイヤイヤ!海未ちゃんなんでネコさんの表情がわかるの?!
「全て日々の修練の賜物です!」
うわぁ…イミワカンナイ。
それににゃんかまたこっちの考えてることムダに読まれてるし!
希ちゃんならスピリチュアルパワーがあるからわかりたくないけどわかるけど、海未ちゃんの場合はなんでネコさん化してる凛の考えてることわかるの?!
“しゅーれんのたまもの”とか言ってたけど、しゅーれんすればネコさんの考えてることわかるよーになるの?!
なら凛のこと凛って気づいてよ!
凛は“ほのか”なんて穂乃果ちゃんからホノカちゃんを引っこ抜いた時に残るアホの方みたいな名前じゃないよ!
凛は凛だよ!
「いいですか!今日から貴女のお名前は“ほのか”です!なんだか微妙にアホっぽいので“ほのか”です!いいですかほのか!貴女が我が家の一員になると言う事は、ほのかは今日から園田流の一員になると言う事です!」
なんないよ!園田流って真姫ちゃんが人間辞めちゃった動きができるよーになったきっかけだよね!
海未ちゃんとこの園田流のせいで真姫ちゃんが鉄砲の弾を包丁で斬るとかやっちゃうイミワカンナイ生き物になっちゃったんだよ!
凛は今はネコさんだけど人間辞めたくないよ!
「まずはその姿勢を正す所から始めますよ!ほらほのか!猫背をしゃんと伸ばして正座をしなさい!姿勢を正しなさい!」
「うにゃ!にゃにゃ!(ネコさんに猫背をただしなさいとかむちゃ言うにゃ!ネコさんは猫背だからネコさんなんだにゃ!それにネコさんはヒトみたいな正座なんてできないよ!)」
「挑戦する前から諦めるとは何事ですか!成せばなります!さぁ!足を曲げて…」
そんなむちゃぶりをしてきやがる海未ちゃんはネコさん化してる凛のおひざの辺りを無理やり曲げようとしやがったにゃ!
「ぎにゃぁぁぁぁ!!!!(痛い!痛いよ!)」
「なかなか曲がりませんね…一度膝の間接を外してみましょうか?」
あ。ダメだ。
コイツもヤベェ連中の1人だ。
そうとわかればやることは1つだけだよね!
そう!ヤベェやつからは…
「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(逃げるにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!)」
「あっ!逃げた!こら!待ちなさい!ほのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
なりふり構わず逃げるのが1番だよ!
「止まりなさい!ほのかぁぁぁぁ!!!!!」
絶対にイヤだにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
「うにゃ…。(あ…雨…降ってきちゃった…。)」
間接を外して無理やり正座をさせようとか怖いことを考えてた海未ちゃんからも逃げ出した凛を待っていたのは、雲におおわれた灰色の空から降ってくる冷たい雨でした。
「にゃ……。(ボロボロのドロドロ…お腹はペコペコ…足は痛いし…にゃんかもうダメっぽいにゃ…。)」
海未ちゃんのところで少しだけ回復した体力も、全力で逃げ出したせいでまたすっからかんになっちゃったし…。
さっきはから降ってるこの冷たい雨のせいで、どんどん寒くなってきてるし…。
「にゃ…。(もしかしたら……凛はこのまま…死んじゃうのかな…。)」
“死”
16年間生きてきて初めて自分が死ぬかも知れないって考えたら…凛はすごく怖くなりました。
「うにゃ…。(やだよ…死にたくないよ…凛はまだ死にたくないよ…。まだ凛は…。)」
“死”を意識した瞬間、凛の脳裏によぎったのは大好きな人たちの顔…。
おかーさんとおとーさん。
おねーちゃんとちぃねーちゃん。
かよちんに真姫ちゃん。
穂乃果ちゃんにことりちゃんに海未ちゃん。
絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん。
凛の大好きな、とても大切な人たち…。
そして…。
「みにゃぁ…。(助けて……そらくん…。)」
初めて好きになった男の子…そらくん…。
「にゃぁ…。(このままみんなに会えなくなるのはイヤだよ…。)」
こわい。
みんなに会えなくなるのがこわい。
こわい。
死んじゃうのがこわい。
こわい。
こわい。
こわい。
こわい。
こわい。
「うにゃぁ…。(こわいよぉ…。)」
どんどん強くなってくる雨に打たれながら、凛は寒さと恐怖で震えが止まりませんでした。
「にゃぁ…。(こわいよぉ…。)」
そしてだんだんと意識が遠のいてきて…。
「ん?捨て猫か?」
凛は意識を失う間際に、そんな声が聞こえたような気がしました。
「…………にゃ…………。(…………いいにおいがする…………。)」
寒さと恐怖で震えながら意識を失った凛は、はなをくすぐるような甘いにおいの中で目を覚ましました。
「にゃ…?(あったかい…ここって天国なのかな?)」
なんだか天国って毛布みたいにモフモフだなぁ…。
あれ?毛布…?
「にゃ?!(天国が毛布なワケないにゃ!ここどこにゃ?!)」
そんなセルフ突っ込みで完全に目を覚ましました凛は、顔をあげて辺りをきょろきょろしちゃいます。
凛が目を覚ましした場所は…
「よう、チビ猫。目が覚めたか?」
「うにゃ?!(そらくん?!)」
そらくんのおうちでした。
「ホラよ。とりあえずは飲んどけ。」
そらくんはそんなことを言いながら、モフモフの毛布の中で目を覚ましました凛の目の前に、1枚のお皿を置いてくれました。
「変なもんじゃねぇから安心しろって言ってもわかんねぇよな。猫だし。」
お皿の中をのぞいてみると、そこには甘いにおいのする白い液体が入ってました。
これって牛乳…かな?
「ほら、飲め。ちゃんとチビ猫用のミルクだから大丈夫だぞ。」
そー言えばネコさんっていつも凛たちが飲んでる普通の牛乳ってダメなんだよね?
消化できないモノがあるって聞いたことがあるよ。
「……飲まねぇな…。このチビ猫、拾ったときかなりボロボロだったから虐待されて人を警戒してんのか?」
にゃ?凛は虐待はされてないよ?
ヤベェ連中におこめを無理やり食べさせられそうになったり、捕まってネコさん丸焼きにされそうになったり、変な契約をされそうになったり、荒縄で縛られてドMに調教されそうになったり、できたてアツアツのお餅をすすめられたり、保健所に連絡されそうになったり、間接を外されて無理やり正座されそうになったりとか、そんなひどい目にあわされただけだよ。
………にゃんかこれってやっぱり虐待にゃんじゃにゃいのかな?
「困ったな…このまま何にも飲まねぇ食わねぇなら、やっぱり病院に連れてった方がいいのか?」
あっ、だいじょーぶだよ!
すぐに飲むから!
凛はお腹はペコペコにゃんにゃんだもん♪
「うにゃ。(いただきますにゃ。)」
凛はさっそくお皿の中のミルクをペロッとひと舐めしてみます。
「にゃ♪(あっ♪おいしい♪)」
口のなかに広がる甘いミルクは、なんだかヘトヘトに疲れきっていた凛を癒してくれてるよーな気がしました。
お腹がペコペコにゃんにゃんの凛は、お皿の中の仔猫用ミルクをガブガブ必死になって飲んじゃいます。
だってここがそらくんのおうちなら、早く飲まなきゃまたヤベェ連中が来るかもしれにゃいにゃ。
そーなったら凛はまた逃げなきゃダメだもん。
「おっ!飲んだ!ってかイイ飲みっぷりだな!」
そりゃもー今の凛はお腹ペコペコにゃんにゃんだからね!
イイ飲みっぷりなのも当たり前だよ!
「にゃ!(ごちそうさまだよ!)」
凛はあっという間にお皿の中の仔ネコさん用のミルクを全部飲んじゃいました。
にゃんかミルク飲んだだけなのにお腹いっぱいなったよ!
今の凛は仔ネコさんだからかな?
いつもならラーメン5杯はペロリなのにね?
「それだけ飲めれば大丈夫そうだな。」
「にゃん♪(おうにゃ!ばっちりお腹いっぱいだにゃ♪)」
「元気になって良かったよ。」
そらくんは凛の頭をそっと撫でながら、すごく優しい顔で良かったって言ってくれました。
なんかちょっと意外かも。
そらくんってこんな優しい顔もするんだね。
普段はチンピラ全開だけど実は優しいっていうのは知っていたけど、そらくんっていつも苦笑いとか困った顔とかばっかりだから。
まぁ困らせて苦笑いの原因作ってるのっていつも凛たちなんだけどけね。
「ほら、飲んだら寝るぞ。」
寝るぞって……げっ!もう1時?!
どーりでにゃんか眠くなってきたわけだよ!
「にゃーん。(はーい。)」
今日はそらくんのおうちにお泊まりだね♪
一緒におやすみなさいするけど、凛にえっちなことしちゃダメだよ?
にゃーんて、今の凛はネコさんだからそんなことないよね。
「にゃん。(おやすみ、そらくん。)」
にゃんだかんだで今日は大変だったよ。
ほんとに大変だったよ。
凛はネコさんがこんなに大変だなんて知らなかったな…。
お気楽なネコさん生活も悪くないなんて思ったこともあったけど、やっぱり凛は凛に戻りたいな…。
もしも…もしもこのまま…凛がネコさんから戻れなかったら……どうしよう。
ねぇ?そらくん…。
そのときは…。
「オイ!アホ猫!起きろ!てめぇはなんで俺のベッドで寝てんだ!しかも全裸で俺を抱き枕にして!」
「うにゃ?!び、びっくりした!にゃんだよ!朝から大きな声だして!」
凛がにゃんかいいにおいがする抱き枕にぎゅーってしながらすやすや寝ていたら、耳元でそらくんに大きな声で起こされちゃいました。
かわいい仔ネコさんを大きな声で起こすなんてひどいよね!
「ネコさんいじめちゃメッなんだよ!」
もう。朝からネコさんな凛に大きな声で怒るなんてほんとにメッ!だよね。
でもこの抱き枕…いいにおいだにゃぁ♪
コーヒーのにおいかな?
ふふ♪こんなにいいにおいなら、凛もたまにはコーヒー飲んでみようかな?
まぁ今の凛はネコさんだからコーヒーなんて飲んじゃダメなんだけどね。
「メッ!じゃねぇよ!お前のどこがネコさんだ!どっからどう見ても凛だろうが!お前はマジでいつのまに人のベッドに入り込んだよ!夜這いか?!夜這いなのか?!ってかいい加減に離れろ!」
もう!うるさいなぁ!
凛はネコさんなんだからもっと寝たいの!
「クソ!がっちりホールドされて動けねぇ!っ!ちょっ!オイ!アホ猫!足を動かすな!当たってるから!お前の太ももが当たってるから!」
「うにゃ?そー言えばにゃんかさっきから太ももに固いのが当たってる?にゃんだろ?コレ?」
なんか棒?みたいなヤツだね?
なんで棒?が凛の太もものところにあるんだろ?
あっ。にゃんかこの棒?がおっきくなってきたよ?
「げっ!ま、待て!凛!それは!」
「にゃ?」
そらくん、にゃんか慌ててるけど…。
「うぉ?!さ、触んな!朝からこれ以上ソレを刺激すんな!」
「うにゃ?にゃんかこの棒?ぴくぴくしてるにゃ。あ。またおっきくなった。」
「っ!り、凛!だから止めろって言ってんだろ!握るな!手を離せ!それは俺の…」
「にゃん♪ぴくぴくしてネコさんの尻尾みたいだにゃ♪ちょっとかわいいかも♪ぎゅーってしたらどーなるのかな?えいっ♪」
凛は太もものところにあるなんか固い棒?みたいなのを、何となくぎゅって握りしめてみました。
力いっぱい♪全力で♪
そうしたら…。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
にゃんかそらくんが悲鳴あげちゃいました。
にゃんで?
「にゃ、にゃんかごめんなさい…。」
寝ぼけた凛が力いっぱい握りしめたのは…そらくんの[自主規制]でした。
うん。痛いよね。
男の子の急所だもん。
今の凛はネコさんだから、ネコさんの爪がグサッと刺さっちゃったよね?
血とか出なかったかな?
「だいじょーぶ…じゃないよね?あっ!ねぇ!知ってる!痛いのは舐めてれば治るんだよ!そらくんの[自主規制]がまだ痛かったら、凛がペロペロしてあげるよ!」
「…………(このアホ猫…[自主規制]をペロペロって意味わかって言ってんのか…?)……。」
凛は知ってるよ!キズってペロペロ舐めれば治るんだよ!
ネコさんとか動物はみんなキズをペロペロして治すんだもん!
だからそらくんの[自主規制]がまだ痛い痛いなら、凛がペロペロして痛いの痛いの飛んでけ!してあげなきゃ!
「………………ペロペロ………お前は……………………………いや…いい。」
そらくん、にゃんか微妙な顔してるけど、どーしたんだろ?
にゃんか様子が変だけど、やっぱり怒ってるのかな?
凛が力いっぱいそらくんの[自主規制]をぎゅーってしちゃったから…。
「お、怒っちゃった?」
痛かったよね。
凛、かなり強くぎゅーってしちゃったから…。
ドMな絵里ちゃんなら大喜びしちゃうんだろーけど、そらくんはそんな趣味はないはずだから…。
「…怒ってはいねぇよ。ただ、男の[自主規制]を握り潰そうとするなんて、もう2度とヤるなよ?」
「うん。ごめんね。」
「はぁ…(まさか狂化状態の海未さんじゃなくて、凛にもぎ取られそうになるとは思わなかったよ…。)で?なんでお前が俺のベッドにいたんだ?しかも全裸で?」
「にゃ?ネコさんは基本的にみーんな全裸だよ?たまーにお洋服着てるネコさんもいるけど?」
「ネコさんって、お前なぁ…。まだ寝ぼけてんのか?ほれ、鏡見てみろ。お前のどこが猫だよ。」
そう言われて凛は鏡を見てみると、そこにはネコさん…じゃなくて、いつもの凛が写っていました。
全裸で。
「えっ…えっ…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
こうして、凛のネコさん体験は唐突に終わりを迎えました。
あとから真姫ちゃんに聞いてみたら、にゃんかあのクスリの効力は24時間だけだったみたい。
凛がなんでネコさんになったのかは、説明してもらったけどイミワカンナイだったよ。
にゃんか遺伝子レベルでネコさんとかナノマシンがどーとか…。
ね?イミワカンナイよね?
………………。
なんかね…。
うん。
わかってるよ。
みんなに言われなくても、凛だってわかってるよ。
またグダグダだって。
グダグダだけど…グダグダだけど……凛に戻れて良かったにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ほんとに良かったにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
おわり?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
ようやく“μ's”の生誕祭も一巡しました…。
なんだかお米の好きな娘を1人忘れているような気もしますが、きっと気のせいですね。
次回更新は月曜日のお昼頃になります。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。