ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

好きな女の子はメキシコから来たタフな漢のQooオレンジでございます。
別に同性愛に目覚めた訳ではございませんのでご安心下さいませ。
そしてこの意味のわかる貴方…是非ともお友達になりましょう!

さて、今回も少し本編はお休みいたしました、ドロイデン様が好評連載中の「ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~」とのコラボ特別編をお送りいたします。




それでは コラボ特別編「流星との邂逅④」 始まります。






















コラボ特別編「流星との邂逅④」

あまりにも俺好みのカスタマイズが施されてテンションが振り切っちまって、ついつい心にもない挑発をしちまったらガチギレされちまった前回。

 

普段チンピラって言われてる俺としては逆ギレしないと礼儀に反するって思って、とりあえずは逆ギレしてみたはいいんだけど…

 

「うげっ!なんじゃあの機動?!」

 

あのジンのカスタム機…妙な機動でこっちに斬りかかって来やがった。

 

なんて言うか…ぬるぬる動くんだよ。

 

ぬるぬるって。

 

でもまだぬるぬる動くだけで対応しきれないってワケじゃねぇから、俺はヤル気満々で振り抜かれるあちらさんのブレードを、スラスターを細かく噴かす事で軌道変更を繰り返して避けてるってワケなんだ。

 

で、あちらさんのぬるぬる機動を見て思わず呟いたのが“なんじゃあの機動は?!”って一言。

 

その呟きに俺の相棒の電子精霊“アイリ”のヤツが…

 

<有り体に言えば、きゃーゴキブリみたいに変態機動で飛んでくるー。めっちゃキーモーいー。ですね。>

 

と、戦闘真っ最中だってのに、またワケのわかんねぇ切り返しして来やがったんだ。

 

なんだこれ?突っ込み待ちか?突っ込み待ちなのか?

 

なら…

 

「おい待てクソAI!なんだよそのクソみてぇなしゃべり方は!」

 

突っ込むしかねぇーじゃねぇか。ってことで突っ込んでみたら…

 

<ひと昔のギャルっぽく表現しただけですがナニか?>

 

なんって言うか…返しずら事を言われちまったよ…。

 

「イヤ、そう真面目に返されると反論できねぇーんだけど…。」

 

オマケに…

 

<それよりもさっさと応戦して下さい。>

 

って言われたし。

 

なーんか、イマイチ釈然としねぇーけど…でもまぁ…

 

「へいへい…ったく…んじゃ、まぁ…逝くぞ!ゴルゥラァァァァァァ!!!!!」

 

ヤる事はヤっときますか!

 

俺は変態機動でぬるぬる攻めて来やがるジンのカスタム機のブレードを掻い潜りながら、右手に装備させてある大型ビームマシンガンで牽制射撃をぶっぱなして…

 

<ロックオン。>

 

「おうよ!!!」

 

回避行動に移る瞬間を狙って、肩のアクティブブースターに内蔵してありマイクロホーミングミサイルを盛大にぶちまけてやったんだ。

 

普通ならこれで終わり。なんだけど、あちらさんは例のぬるぬる変態機動でホーミングミサイルを掻い潜って、全部避けちまいやがった。

 

おぉ。

 

スゴい、スゴい。

 

それどころか…

 

[[流石にビームマシンガンはウザいな……]]

 

あちらさんはぬるぬる変態機動でこっちへと向かって来て…

 

[[とりあえずそれは邪魔。]]

 

ブレードに一瞬だけ何かしらの粒子を纏わせたと思ったら、ザク・リヴァイブが右手に持っていた大型ビームマシンガンをスッとまるで軽くなぞるように刃を走らせて、縦に真っ二つにしやがった。

 

真っ二つに切り裂かれた大型ビームマシンガンはもちろん手元で大爆発。

 

いつもならこのタイミングでお返しに何かしらの反撃をするんだけど…

 

<あらまぁ、お見事。>

 

「お見事じゃ、っ!いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

いきなり右手に激痛が走って反撃どころじゃなかったんだよ。

 

にこちゃんや希さんなら真姫的イミワカンナイ!とかって言うんだろうけど、この時は実際ナニが起こったのかワケがわからなかったんだ。

 

とにかく痛い。

 

ふざけんな!って位に痛い。

 

意味不明な痛みに顔をしかめていると…

 

[[次は……そこだ!!!]]

 

あちらさんはまた例のぬるぬる変態機動でぬるぬる近付いて来て再び粒子を纏わせたと刃をこっちの右腕部分目掛けて振り抜いて来やがった。

 

その瞬間。

 

背中に“ゾクリ”とナニか冷たいモノが走り抜けて行きやがった。

 

いわゆる“イヤな予感”ってヤツだな。

 

この感覚は7年前…まだ腐る前の俺があの人達と競い合っていた頃に何度も体験した感覚だ。

 

この感覚を無視すると大概ろくな目に遭わねぇ。

 

その事を俺の本能はしっかりと覚えていてくれたみてぇで…

 

「オルゥラァァァァァァァ!!!!!!」

 

迫り来るあちらさんのブレードを、リヴァイブの右腕に取り付けてあるピアッシングシールドで弾いてやったんだ。

 

あちらさんのブレード弾くと、それまで感じていた“イヤな予感”は一気に霧散して…って事は、やっぱりさっきの一撃はヤベぇヤツっぽかったんだな…。

 

そんな一瞬の攻防が終わり、あちらさんと対峙し直すと…

 

<解析が完了しました。どうにもあちら様は機体の接合部分…と、いいますか、この場合は“ガンプラ”の合わせ目と言った方が正確な表現ですね。そのガンプラの合わせ目を狙って無駄に正確に刃筋を立てて切り裂こうとしている様です。“合わせ目斬り”とでも言うべきでしょうか?>

 

「“合わせ目斬り”だぁ?!なんじゃそりゃぁ?!」

 

イヤ、イヤ、イヤ!

 

合わせ目に刃筋を立ててぶった切るってどんな戦い方だよ!

 

確かにガンプラのパーツを接合してある合わせ目部分に、正確に刃を通してぶった切るってのは理論的には出来るさ。

 

出来はするけど…クソめんどいだろ!んなこと!

 

俺がアイリから報告された合わせ目斬りなんて非常識な攻撃に面喰らっていると…

 

[[へぇ、サポートAI持ちか。]]

 

あちらさんがこっちに話しかけて来やがった。

 

あー、俺の相棒は正確にはサポートAIじゃなくて“電子精霊”な、“電子精霊”。

 

とか言ったら色々と台無しになるんで黙ってるんだけどさ。

 

流石に俺でも場の空気くらいは読んで自粛するっての。

 

そんなバカな事を考えている間も、あちらさんは話し続けていて…

 

[[いい判断……いや、性能だな。確かにお前の言う通り今やったのは俺の十八番でね。まぁ練習さえすればある程度簡単にできるもんだよ。]]

 

アイリをいい性能って誉めて?から、例の合わせ目斬りなんて酔狂なモノが得意技だって説明?してくれたんだよ。

 

<近接戦闘を得意とする熟練のファイターなら、確かに練習を重ねれば先程の“合わせ目斬り”は可能ではあります。ですが、それは前提条件として対戦相手の使用しているガンプラの合わせを把握していれば…ではないのでしょうか?>

 

アイリの言う事はもっともだな。

 

切っ先の鋭いブレード系の武装を使って、慣れ親しんだザクが相手なら俺だって“合わせ目斬り”は出来るとは思うさ。

 

でもそれは俺が何年間も使い続けて来た“ザク”の構造をほぼ完璧に理解しているからであって、他のガンプラ…特に絶対に使いたくねぇガンダムタイプのガンプラなんかの合わせ目なんてイチイチ把握なんてしてねぇーから、ザク以外にはまずは成功しねぇーだろうよ。

 

そんな暇があるならサクッと関節をぶった切ればいい。

 

そのあとで切り口目掛けて追撃すれば、大抵はそれで終わりだ。

 

つーかよぉ…かーなーりー、今さらなんだけど、そもそもコイツは何なんだ?

 

ビルダーとしても、ファイターとしても、確実にスクールファイターのレベルじゃねぇーってのはわかるけど…。

 

どっちかと言えばコイツのレベルは……

 

[[んなもんプロで戦ってたらフルスクラッチ機体と戦うこともあるからな、ほぼ素組ベースなら簡単にできる。]]

 

「プロ…ねぇ……。」

 

そう。

 

コイツのレベルはプロのそれなんだ。

 

世界を舞台に華々しい戦いを演じるガンプラファイター達のそれなんだ。

 

俺が逃げ出したあの舞台で、今も高みを目指して競い合っているあの人達と同じ…。

 

プロファイター……か…。

 

もしも…もしも…あの時…クソ虫共のバッシングなんか気にしねぇーで居たら…俺も……………今さら、か…。

 

やれやれ…色んな意味で面倒なヤツが出て来やがったもんだよ。

 

[[そういや名乗るのを忘れてたな、現世界ランク82位の天ノ川 昴……こいつは俺の愛機“ジン・AHM(アサルトハイマニューバ)”……テメェを殺す奴の名だ。]]

 

「面倒なヤツだと思ったらお偉いランカー様ときやがったか…。マジでクソだな…今日は厄日か?」

 

世界ランカーなんざガンプラバトルのガチ勢しかいねぇバケモノ集団じゃねぇーか。

 

おいおい…あっちの世界のニルスさんは何でランカーなんざ送り込んで来てんだよ…。

 

あ?お前も一応は元世界大会の優勝者だろ?だって?

 

イヤ、まぁそうなんだけど…ほら、アレだよ。

 

俺はさ、サボってたから。

 

ガッツリと。

 

ぶっちゃけリハビリでもしねぇーとガチ勢相手にゃ今の俺程度じゃ力不足かなーってとこなんだよ。

 

<日頃の行いが悪過ぎるからではないでしょうか?>

 

「うわぁーい……心当たりが多過ぎて今回ばっかりは否定できねぇ…。」

 

相手は天下のお偉いランカー様。

 

こっちは錆び付いたクソ野郎。

 

勝負になんねぇーだろ、これ?

 

けどよぉ…

 

[[さて……それじゃあ蹂躙の時間だ!!!]]

 

ケンカを売ったのはこっちなんだ。

 

相手がお偉いランカー様のガチ勢だからって、尻尾巻いて逃げるなんざカッコ悪過ぎで反吐が出るっての!

 

だからよぉ…精々抗ってみせるってんだ!!!

 

錆び付いてクソ野郎に成り下がった今の俺の全力でなぁ!!!

 

俺が内心でちぃーとばかり気合いを入れ直していると、あちらさんはブレードをしまって、代わりに重突撃銃を両手に持ち、オマケにシーグの深腕(ディープアームズ)のビーム砲をベースに改造したっぽいビーム砲を肩に展開して…

 

[[まずはこれでも貰って逝けや!!!]]

 

けたたましい音を響かせながら盛大にぶっぱなして来やがった!

 

「ホモじゃねぇーんだ!!!野郎相手に逝けるかよ!!!それになぁ!逝くなら惚れた女とベッドの上でヤりながらって決めてんだよ!!!」

 

俺はザク・リヴァイブ目掛けてぶっぱなされた銃弾とビームの雨あられを、軽口を叩きながらも肩のアクティブブースターと脚部のバーニアを噴かしまくって、隙間を縫うように進む事で回避してみせたんだ。

 

[[ (やっぱり世界大会の予選リーグに進めるだけの技量はあるか……だけど…) ]]

 

あちらさんは弾幕を張り続けながら、どうにもナニか考え事をしてるみてぇだな。

 

いいねぇ、いいねぇ、お偉いランカー様はよぉ。

 

俺みてぇな格下のクソ雑魚チンピラが相手なら余裕綽々でよぉ。

 

いやぁー、流石はランカー様。

 

そこに痺れる憧れってんだ。

 

まぁ憧れてもまた世界大会なんてクソみてぇにデケぇ公式戦なんざ出るつもりはさらさらねぇーんだけどな。

 

っと、お偉いランカー様との戦闘中に余計な事なんざ考えてる暇はねぇーよなぁ!

 

何せこっちはランカー様と違ってクソ雑魚なチンピラだもんなぁ!おい!

 

だからよぉ…クソ雑魚なチンピラはクソ雑魚なチンピラらしく…

 

「うわー、さすがはさいきょーむてきのせかいらんくはちじゅーにいのらんかーさまだー!これいじょーはぼくちゃんじゃよけきないぞぉー!ここははんげきしなきゃー!みさいるはっしゃだー!」

 

嫌がらせの様に小細工を弄してみましょうかねぇ!

 

俺はアカデミー級の演技でやべぇーぜ!って感じを演じながら、背中の大型バックパックブースターに取り付けてあるミサイルポットから連続でミサイルをばらまいてやったんだ。

 

当然、お偉いランカー様は俺のぶっぱなしたミサイルを両手に装備した重突撃銃で撃ち落としてくれたよ。

 

それが俺の小細工だなんて微塵も思わずに、な。

 

[[?!スモークだと?!]]

 

撃ち落とされたミサイルの中身はスモーク弾。

 

なぁランカー様よぉ?

 

クソ雑魚なチンピラ風情がただのミサイルなんざクソバカ正直に積んでると思ってんのか?

 

ざ!ん!ね!ん!で!し!た!!!

 

ヒィィィィィィャャャャャッッッッッッハァァァァァァァァァァァァァァァァー!

 

クソ雑魚チンピラの小細工でけむけむなお偉いランカー様をぶった切ってヤるぜヤるぜヤるぜヤるぜヤるぜヤるぜヤるぜヤるぜヤるぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

 

とか新鮮な水だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!って叫ぶ某世紀末のチンピラ風に内心で雄叫びをあげながら、俺は素早く脚部の両脇のブレードラックからビームブレードの柄を射出させ、ソイツを両手でキャッチして…

 

[[ (破れかぶれに見せたのはスモークと思わせないようの演技……チンピラらしく小賢しいの一言だな) だが!!! ]]

 

ビーム刃を展開させてあちらさんの真後ろから斬りつけたんだが…

 

[[この程度の悪戯に対処できないと思ったか!!!]]

 

流石は世界ランク82位のお偉いランカー様だ。

 

右手に持っていた重突撃銃を放り投げると、素早くブレードを引き抜いてこっちの斬撃を受け止めちまったよ。

 

それどころかグッ!っと力任せに押し返して、こっちの胴体部分へ蹴りをぶち込みやがった!

 

何時もならここですぐに反撃に出るんだけど…

 

「ぐぇ?!」

 

腹にまるで蹴られたかの様な痛みが走り、反撃どころじゃなかったワケで。

 

ってかさっきから何なんだ?

 

この意味不明な痛みは?

 

オイ!ゴルゥラァァァァァ!!!責任者!!!!!

 

出て来て説明しやがれ!!!!!!

 

[[はぁ、これだからAI持ちは弱いから嫌なんだよ。]]

 

こっちが謎の痛みで顔をしかめていると、世界ランク82位のお偉いランカー様は誠にもって光栄な事にんな事を言って下さりやがったんだよ。

 

AI持ちは弱い。って。

 

参ったね♪流石は世界ランク82位のお偉いお偉いランカー様だよ。

 

言う事がイチイチ俺みてぇなクソ雑魚チンピラ野郎とは違うわな。

 

カッコイイよなぁ…クソみてぇによぉ。

 

あぁ言うヤツを世間一般じゃ“主人公”って言うんだろ?

 

クソな俺なんかと違ってなぁ。

 

ま、僻んでもしょうがねぇやな。

 

俺が弱いって事実なんだしよ。

 

俺はさ、この手で掴んだ大切なモンを全部放り出して逃げちまった、世界で一番弱くてダサいガンプラファイターの風上にも置けねぇクソ雑魚なチンピラだからよぉ。

 

けどよぉ…それでもよぉ…

 

「おい、世界ランク82位のこの世の中に81人しかテメェに文句を言えねぇくらいにお偉いお偉いと~ってもクソお偉いクソランカー様よぉ。なぁ?コイツを知りもしねぇで簡単に人の相棒を馬鹿にすんなってんだよ。」

<世界ランク82位のこの世の中に81人しか貴方に文句を言えない程度にはお偉いお偉いと~ってもお偉いクソお偉いクソランカー様。クソ誠にもってクソ言いづらいのですが…この世でたった1人の私のクソマスターを馬鹿にしないで下さいますか?実に不愉快です。>

 

AIを…電子精霊を…アイリを…人の相棒を……馬鹿にすんなよ。

 

なぁおい、クソ虫。

 

[[別段深い意味はねぇよ。確かにお前らは強い、多分俺らの方の世界大会の予選リーグ決勝までなら確実に行けるだろう……が、決勝リーグまでは行けない。なんでか分かるか?]]

 

内心で割りとガチ目にキレている事なんざいざ知らず、お偉いランカー様は惨めで情けねぇクソ雑魚チンピラ野郎な俺にありがたいご高説を唱え始めてくれやがったよ。

 

ありがたくてありがたくて泣きたくなるねぇ。

 

まぁ聞く気なんざこれっぽっちもねぇーけどな。

 

さて。

 

お偉いランカー様がありがたーいご高説を宣(のたま)ってくれやがる間どーしようかねぇ?

 

俺的にこちゃんの萌える言動ベスト100とか考えとくか?

 

うん。

 

アイリを馬鹿にされてホットになっちまった頭をクールダウンさせるにはなかなかナイスなアイデアだよな。

 

そんじゃ早速…俺的にこちゃんの萌える言動第100位♪

 

「………」

 

後ろから抱き付いて耳を甘噛みした時にボソッと“もう…バカ…”って呟くにこちゃんの横顔!

 

こっちの顔を見ないようにそっぽ向いて呟くのがポイント高いぞ!

 

[[答えは簡単“AIに頼りすぎてる”からだ。世界クラスのプロファイターってのは操作技術と判断力がAIの補助を必要としない刹那の思考と操作で行う。だが、AIに頼れば……]]

 

続けて俺的にこちゃんの萌える言動第99位!

 

たまーに紙パックのコーヒー牛乳飲んでると“あ♪今日はブラックじゃないんだ♪なら一口ちょーだい♪”とか言って身体を腕の間にねじ込んできて甘えながら俺のコーヒー牛乳を飲んでる時!

 

さーらーにー!俺的にこちゃんの萌える言動第98位…って?!なんかランカー様がこっち来てるし?!

 

あれ?ご高説は?

 

終わり?終わったの?

 

とりま迎撃しとくか!

 

「グルゥラァァァァ!!!!!」

 

アホな事を考えていたせいで若干反応が遅れちまったが、俺は右手のビームブレードのビーム刃を再展開させながら、お偉いランカー様のジンに向けて振り抜くが…

 

<アラート。後方よりお偉いランカーが接近中です。>

 

あちらさんは俺の振り抜いたビームブレードが直撃する紙一重の瞬間、盛大にスラスターを逆噴射させて制動をかけ急停止すると、再び急加速を行ってぐるりとこっちの真後ろへと回って行きやがった。

 

戦闘中にもかかわらず、お偉いランカー様のありがたーいご高説を聞きたくなかったからとかアホな理由で俺的にこちゃんの萌える言動ベスト100!とかやっぱりアホな事を考えてボケッとしていた俺は、完全にあちらさんの動きに対応しそびれて…

 

[[遅い]]

 

気付けばブレードと重突撃銃を突き付けられるとかクソ最悪な事態になっちまった。

 

クソ!これもそれも全部にこちゃんの萌える言動が多過ぎるせいだってんだよ!!!

 

こーなったら帰ったら足腰立たなくなるまで責め立ててヤる!

 

[[ホールド・アップというやつだ。AIがなまじ優秀すぎるせいで自分自身で瞬時に考えて行動する……言わば本能や直感的な行動がまるで殆どない。]]

 

さて。

 

おふざけはそろそろ止めときますか。

 

で?ナニナニ?

 

AIが優秀だから判断が遅れる?

 

本能や直感的な行動が無い?

 

ランカー様の言う事もわかるさ。

 

でも俺とアイリには本当ならその必要はないんだよ。

 

俺とアイリの本来の状態…“精霊憑依(ポゼッション)”している状態なら、本能だろうが直感だろうが、刹那の世界で十重二十重に積み重ねる思考とタイムラグ無しでの機体操作…この二つでねじ伏せれるんだけどなぁ…。

 

まぁお偉いランカー様の世界には電子精霊はいないっぽいみてぇだから、“精霊憑依”状態を説明してもわかりはしねぇだろから説明なんざしてやんねぇーけど。

 

それよりも気になったのは…

 

[[それに今の状況ならそっちがアクションを起こすより早く此方が貴様を殺せる。]]

 

“Rrapid acceleration(ラピッド アクセラレーション)”…と、びみょーに被ってるさっきの機動だよ。

 

俺だってさっきの状況から“soar(ソア)”を使えば割りと簡単に抜け出せたさ。

 

けどよぉ…メタい話、今回は“soar”使わないでって事だから使えねぇーんだわ。

 

世知辛ぇ話だねぇ。

 

「お偉いランカー様はウサギ跳びモドキを使いまくりかよ。」

 

ホント、世知辛くていけねぇや。

 

[[いっちゃ悪いがこんなのは機体加速と減速の緩急を極端にすれば誰でもできる。例え最高速がそこまで早くない機体だろうが、そこからの最低速、そしてまた最高速へと移る技量があれば簡単なものだ。]]

 

ガンダムタイプへの劣等感を拗らせまくって編み出したヒトの十八番を“こんなの”とは言ってくれるねぇ。

 

なら俺もランカー様の十八番を“こんなの”って言ってヤればいいのか?

 

あとよぉ?なぁ、お偉いランカー様よぉ?

 

アンタの言うそれは“ヒトの視覚”だろ?

 

電子精霊の知覚の前ではその方法で“Rrapid acceleration”モドキを使ったとしても意味はねぇーんだよ。

 

アンタの言う足手まといのAIがヒトの知覚をカバーしてくれんだよ。

 

って言ってもAIを使うと弱い。ってご高説を垂れ流してやがんだ。

 

んな事を言っても聞く耳はねぇだろうな。

 

[[あと良いことを教えてやる。俺にはアシムレイトっていう……言わば肉体に痛覚ダメージが入る阿頼耶識システムみたいな特殊能力体質があるんだが……俺の場合はそれを相手にも強制的に発動させられる。]]

 

「そりゃスゴい。流石はお偉いランカー様だこと。俺は特殊能力を持った選ばれし伝説のファイターだ!ってか?いいねぇ。いいねぇ。実にいいねぇ。特殊能力だなんてまさに“主人公”様々だねぇ。」

 

アシムレイト?

 

お偉いランカー様はまた随分と古くさいモンを持ち出して来やがったな。

 

確かプラフスキー粒子の使用が禁止される以前のガンプラバトルで、極稀に発現したって言う、人機一体になるぶっちゃけ“精霊憑依”と似たようなヤツだよな?

 

ただ、“精霊憑依”と違って痛みはそのまま。

 

ドMなら大喜びだろーよ。

 

[[人の話は最後まで聞け……仮に腕を斬られれば切られた痛みが腕に幻痛として現れるわけだが、もし首を切り落としたらどうなると思う?]]

 

ま、幻痛で悶え死ぬだろ?

 

よくて呼吸困難か?

 

それにしても…強制アシムレイト…ねぇ…。

 

そんなモンを“遊び”でしかねぇガンプラバトルで振り撒くなんざ、ランカー様はとんだサイコさんだこと。

 

俺的には人を殺せる可能性がある事を知りながらも、平然とその強制アシムレイト能力だかってヤツを使い続けてるアンタの方が呼吸困難なんかよりよっぽど怖ぇーよ。

 

[[答えは“呼吸困難”。過呼吸になって暫くは立ち上がれなくなる……いや、バトルに戻ってこれるかも怪しいか。]]

 

バトルに戻れねぇかぁ…。

 

まぁそれも悪くないかもな。

 

どうせ俺は例のクソみてぇなトラウマでもう公式戦には出れねぇーし。

 

出たとしても震えと吐き気が止まらねぇから、まともに戦うことなんざ出来ねぇーし。

 

ならいっそのこと…ここら辺で未練をスッパリ断ち切って、全部終わりにしちまった方がいいんじゃねぇのか?

 

なぁ?そう思わないか?俺?

 

[[さぁどうする。素直にジンを馬鹿にした事を謝って死ぬか、抵抗して二度とバトルに戻ってこれなくなるか……]]

 

あぁ…そう言えばあちらさんを挑発する為にジンの事を馬鹿にしたんだったけ?

 

それはあちらさんに殺される前に謝っとかねぇーとな。

 

同じ量産機使いとしてはさ。

 

それさえ済ませばあちらさんは俺の事を殺してくれるかね?

 

<やれやれですね。これだから知能指数の極端に低いニンゲンは嫌いなんです。まだ仕込めば多少は芸が出来る可能性を秘めているチンパンジーの方が賢いのではありませんか?そもそもこのバカが再起不能程度でビビると思いますか?このクズは死ぬ事よりも、1人きりになる事の方が怖いのですよ。1人きりでは寂しくて死んでしまう寂しがり屋のヘタレ兎野郎ですらね。そんな訳なので孤独に耐えながら1人寂しく過ごす位なら、このロクデナシは喜んで死を選択します。そんなニンゲンなのですよ、私がこの世界に蔓延する低能極まりない下賎なニンゲン共の中で唯一契約を交わしても良いと思ったクソマスターは。あぁ、そうそう。あとどうせ今も内心では殺してくれるなら殺してくれよ。とか考えてますよ?流石は我がクソマスターですね。クソ過ぎてクソとしか言い様がありません。>

 

あ。

 

アイリさん。

 

それ正解。

 

<挙げ句果てには私の今の言葉に“あ、それ正解”とか呑気に考えていやがりますね?やれやれです。本当にやれやれです。なぁおい敬愛なる我がクソマスター。貴方はさっきからそこのクソお偉いクソランカー様に馬鹿にされっぱなしでよろしいのですか?高々82位程度のランカー様相手に馬鹿にされ続けていてよろしいのですか?それともここまで小馬鹿にされてもナニも感じなくなってしまったのですか?不感症ですか?機能不全ですか?それともマカオで男性器を切除してオカマにでもなりましたか?クソな上にオカマとかもう救いようが無いクソですね。余りにも可哀想で泣けない筈の電子精霊でも思わず涙が出そうですよ。あぁ、この場合の“可哀想”はクソマスターがではなく、いつの日かクソなクソマスターと結ばれる事を夢見ているニコや、秘かにクソなクソマスターに想いを寄せている生徒会コンビの誰かさん達が可哀想に…と、言う意味ですよ?くれぐれもそこの所を間違わない様にお願いいたします。で?何の話でしたでしょうか?あぁ、そうです。ニコ達が可哀想に…ですよ。こんなクソなクソに想いを寄せているなんて彼女達にとっては黒歴史確定ですね。きっとあと5分後位にはクソなクソに想いを寄せていたなんてそんな黒歴史な事実を隠蔽したくなって富士山をマウンテンサイクルに見立てて樹海辺りにでもクソマスターとの想い出の品を埋めに行くのではないでしょうか?その時に親愛なる我がクソなクソマスターもご一緒にマウンテンサイクル富士樹海支店に埋められては如何でしょうか?地中に埋められればクソなクソマスターでも頑張れば即身仏になれるかもしれませんよ?クソお偉いクソランカー様のクソ特殊能力なんかにクソ手伝っていただかなくても、ニンゲンなんか案外と簡単に死ねますよ?目に指を突っ込んで脳ミソをほじれば死ねますよ?今すぐ筐体から降りて屋上から飛び降りても簡単に死ねますよ?それとも首でも吊りますか?電車にでも轢かれてみますか?クソなクソ人生の最後位は笑い茸でも貪り食べて笑顔で大爆笑しながら死んでみますか?ほら?私はとてもとても優しいので特別にクソなクソマスターにお好きな死因を選ばせてあげますよ?選ばせてあげますので殺してくれよとか考える暇がおありならさっさとご自分でケジメをつけて死んでみなさい。ほら、早く死ねよ。とにかく死ねよ。まずは死ねよ。死ねって言ってんだろ?なぁおい、我が愛するクソマスター。死にたいならさっさと死ね。>

 

相変わらず辛辣だねぇ…我が愛すべき相棒殿は。

 

[[……いや、流石にそれは言い過ぎだろ…。]]

 

そうか?

 

アイリならこれくらいは普通だと思うけどなぁ?

 

まぁどうでもいいか。

 

さてさて…ここまで言われてもまだ愚図ってる様じゃいくらクソな俺でもダメだよな?

 

なぁ…そうだろ?

 

我が愛すべき相棒殿。

 

<さて。我が愛すべきクソマスター。発破はこの辺りでよろしいでしょうか?>

 

「十二分だ!相棒!!!!!!!」

 

特殊能力を持っていたり、自信満々だったり…そんな輝かしいばかりの“主人公”なクソランカー様を見ていて自然と鬱状態になっちまっていた俺に、アイリは持ち前の毒舌を全開振り撒いて発破をかけてくれた。

 

あそこまで言われちまったら、男ならヤるしかねぇーじゃねぇーか。

 

それこそここでヤってやらなきゃタマ無しのオカマ野郎だよ。

 

たから…

 

[[な?!]]

 

ヤってヤるよ!!!

 

俺はサブコンソールを素早く操作して、背中に背負っているバカデカいバックパックブースターを本体から切り離し、ついでにたっぷりと残っている推進剤を盛大に爆発させてやったさ。

 

クソランカー様のクソ特殊能力のお陰でクソな事に機体のダメージが俺自身にフィードバックされちまうこの状況で、背中で盛大に爆発なんざ起こしたら痛くて痛くて泣けて来るほどクソな事になっちまう。

 

はっきり言って無謀の一言だよな。

 

けどよぉ…こっちは無茶も無謀も承知の上なんだよ!

 

[[ぐぉぉぉ!!!]]

 

クソランカー様の心地良い叫び声と同時に、俺の背中にも焼けるような痛みが走りやがる。

 

痛いねぇ。

 

実に痛いねぇ。

 

痛いけどよぉ…こんな痛みなんざ屁でもねぇ!!!

 

[[“分離爆破(パージボム)”なんて荒業やりやがって!!!]]

 

ただバックパックを切り離して残っている推進剤に火を着けただけだってのに、“分離爆破(パージボム)”だなんて洒落た言い方をしやがるなんざ流石はクソランカー様だよなぁ?

 

まぁ何でもいいさ。

 

それよりも…今はヤるべき事をヤんねぇーとなぁ!!!

 

「テメェのそのタマァ…寄越せやぁ!!!ゴルゥラァァァァァァァァァァァ!!!!!」

 

俺は両手に持ったままのビームブレードにビーム刃を再び展開させチンピラまっしぐらの叫び声あげると、脚部のバーニアを使って機体をぐるりと反転してクソランカー様目掛けてまるで体当たりでもするかの様な速度で宇宙(ソラ)を突き進む。

 

[[いい気になって突撃してくんじゃねぇ!!!]]

 

クソランカー様はそんな俺に向けて、今度さっきの様に肩でなく腰の辺りに深腕(ディープアームズ)のビーム砲を展開させて、高出力ビームをぶっぱなして来やがるが…

 

<皆々様、どうか刮目してご覧下さいませ。こちらに見えますのがあの有名な世界ランク82位のお偉いクソランカー様の射線データとなります。流石は我々電子精霊のユーザー様達を一纏めにして“弱い”等とと宣(のたま)ったお偉いランカー様の射線データは見ていて惚れ惚れするモノですね。実に勉強になります。あぁ勿論、見え見えの射撃に対する皮肉ですよ、皮肉。その程度の事はいくら低能なクソランカー様でもおわかりになられますでしょうか?>

 

俺たち電子精霊ユーザー…“精霊使い(エレメンタラー)”を一纏めに“弱い”と言い放ったクソランカー様に地味に頭にキテるっぽいアイリが射線データをメインモニターにそれとなく表示してくれやがるから、難なく避けられるんだよなぁ…これが。

 

こんな感じでアイリにサポートして貰ってるから、クソランカー様に弱いって言われんだろうな。

 

ってかアイリさん?

 

さっきからなんかピリピリしてて毒舌が当社比1.5倍くらいになっててスゲェ怖いんですけど?

 

よっぽど頭にキテんだなぁ…。

 

[[AIが射線を識別してやがるのか!なら!!!]]

 

こっちがアイリがリアルタイムで更新してくれる射線データをもとに回避行動を続けていると、業を煮やしたあちらさんがブレードを抜いて斬りかかって来やがった。

 

でもまぁ真っ向からの斬り合いなら何とかなるだろ。

 

一応これでも近接戦闘は得意な方だからさ。

 

ガチなインファイター連中と同等に斬り結べる程度には、ね。

 

俺は両手にそれぞれ持たせたビームブレードでクソランカー様の振るって来やがるがブレードを捌きながら、何度も何度も上下左右に無駄な軌道変更を繰り返してやる。

 

もちろん軌道変更する際には最小限のスラスター噴射とAMBACを使って、な。

 

この無駄な動きの回避行動に何の意味があるのかは…そろそろわかるかなぁ…と思うんだけど…。

 

[[ (マシンポテンシャルはほぼ互角、技量はなんとかこっちが上だけど、相手はAIがある分、総合的にはどっちもどっちか)ならアシムレイトの力で!!! ]]

 

さてさて。

 

あちらさんもいい具合に熱くなって来やがったな。

 

でもよぉ?そんなに熱くなってもいいのかねぇ?

 

ほぉーら♪そろそろだぞ、そろそろ♪

 

そろそろ…

 

[[っ?!]]

 

脚部のスラスターだけで無茶な軌道を繰り返して溜まりに溜まった負荷で、膝の関節に一気にガタが来るのはよぉ!

 

[[機体不良だと?!整備は確りとしてた筈なのに?!]]

 

バトルに使わなかったとしても愛機の日々のメンテは当然だろ?

 

けどクソランカー様の膝にガタが来たのはメンテ云々の話じゃねぇーんだよなぁ、これが。

 

「ってか…アンタ、世界ランク82位のお偉いクソランク様なのに気付いてねぇーのか?」

 

<気付いていませんね、これは。世界ランク82位のお偉いクソランカー様のなのに。>

 

クソランカー様は俺とアイリの言葉を聞いてきょとんととしちゃってるよ。

 

うん。

 

どうにもマジで気付いてないっぽいな。

 

クソランカー様は意外と天然さんか?

 

しかも…

 

[[何?]]

 

とか言っちゃうし。

 

あれ?これって俺がドヤ顔で説明しなきゃダメなパターンか?

 

「アンタ、世界ランク82位のクソランカー様なんだろ?それならそれ相応の技量を持ってんだ。そのご自慢の技量を機体への負荷を一切考慮しねぇで全開でぶん回せばそうもなるっての。」

 

[[な?!何時ものバトルじゃそんなことは…]]

 

<こちらの動きに合わせて膝関節に負荷のかかる動き続けていたので当然の結果です。特に先程の“Rrapid acceleration”モドキがいけませんでしたね。アレは膝関節の磨耗と負荷が酷いですからね。>

 

「と、まぁそんなとこだな。迂闊過ぎたんだよ、アンタ。」

 

脚部のスラスターを多用して軌道変更をするなら、負荷のかかりやすい膝関節の強度は予め上げておかなきゃな。

 

俺のリヴァイブみてぇーによ。

 

[[……また、なのか…]]

 

膝関節はちゃんと強化しなきゃ“めっ!”よ♪と、そんな感じで俺とアイリに言われちまったクソランカー様は、通信越しでも聞こえてくる位にギリギリと派手な音を響かせて歯ぎしりをし始めやがった。

 

そして…

 

[[何時もそうだ、何かにつけて優遇される宇宙世紀の量産機が偉いみたいな風潮、ザクやジムばかり優遇されて、ジンやティエレンといったアナザー系初期量産型は再販の日の目を見ない。]]

 

急になかなか再販されないアナザー系の量産機について恨み節を言い出し始めやがったんだ。

 

[[お前に分かるか?好きなジンでガンプラバトルをやったときに何て言われたか、“パクリ”、“二番煎じ”、“ザクにお株奪われた雑魚”……ふざけるな!!!ジンはそこまで言われるような機体じゃねぇんだ!!!]]

 

それについては激しく同感。

 

確かにジンはいいガンプラだと思うぞ。

 

背中のスラスターがデカくて弄るのにちょっと気を使うが、それでも改造素体としては優秀だよ。

 

いっそのこと背中のスラスターは取り外して、まるっと別のモノに取り替えても面白い。

 

素組のままでも量産機にあるまじきヒロイックなデザインのカッコ良さだし。

 

それにしても…さっき俺が挑発する時に言ったアレ…あちらさんにとってモロにクリティカルなヤツだったんだ。

 

コイツは少々悪いことしたなぁ…。

 

でもまぁおあいこだろ?

 

アンタも俺達“精霊使い(エレメンタラー)”を一纏めにして“弱い”って言いやがったもんな。

 

っと。

 

あちらさん…怒り過ぎて無茶なことやろうとしてんぞ?!

 

<よろしいのですか?その状態で無理矢理スラスターを使用すれば機体に致命的な損傷が発生する恐れがありますよ?>

 

そう。

 

アイリの言う通り、あちらさんは膝がイカれてまともに動かなくなってるハズの脚部スラスターを無理矢理に使おうとしてやがるんだ。

 

そんなあちらさんはアイリの忠告に…

 

[[ぶっ壊れること大いに結構!テメェらザク使いを倒せるなら本望だ!!!]]

 

と、叫び返しましたとさ。

 

いやはや…ぶっ壊れても大いに結構…ねぇ。

 

やれやれだよ。

 

本当にやれやれだよ。

 

「なぁおいクソランカー…アホなこと抜かしてねぇーで…ちぃーと歯ぁ喰いしばれやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

愛機への労りがこれっぽっちも感じられねぇ事を言いやがるクソはとりあえず殴っとけ。

 

全力全開で、な。

 

[[な?!ぐぁぉぉぉ!!!]]

 

俺は右手に持っていたビームブレードの柄を手放すと、拳を握りおもいっきりクソランカー様のジンの横っ面にグーパンをぶちかまして…

 

「うぉい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!おい!うぉぉぉぉぉぉいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!テメェ自身でジンを貶めてどーすんだ!クソランカー様よぉぉぉぉ!!!!!ジンがパクリ?は?どこが?どこがパクリ?デザインがパクリ?ねぇーだろ?どこをどう見ればパクリだよ?ザクにこれっぽっちも似てねぇーし!なぁ?どこら辺がパクリなんだよ?パクリ要素なんざ皆無だろ?ぶっちゃけパクってんのは種死のザクだろ?もうありゃパクリってレベルじゃねぇーだろ?まんまザクだぞ?名前までザクだぞ?無印のSEEDの量産機がアレだけオリジナリティ溢れるデザインと名前だってのにいきなりジオンの精神溢れるデザインと名前になったんだぞ?ザフトの精神はどこに行方不明になったんだ?なぁおい!いつからザフトはジオンになったんだよ?なぁ?テメェもそう思うだろ?クソランカー様よぉ?で?なんだ?お次はジンが再販されねぇ?ならバ○ダイに気合い入れて嫌がらせの様に何万通もお手紙でも書けや!ボケ!書いて書いて書きまくって、バ○ダイの再販担当の社員がドン引きするくらい書きまくってテメェの想いを叩きつけてやれってんだよ!ってかまだジンなんざ再販されてる方だぞ?SD系のガンプラ見てみろよ?あれ?これこの前いつ再販されたんだっけ?ってのが腐る程あるぞ?再販されるだけでニュースになるんだぞ?元祖SDガンダムのガンプラなんざ噂じゃ金型を紛失したとかって話だぞ?金型自体がねぇーんだ。もう2度と再販されねぇーんだぞ?ジンが再販されねぇどころの話じゃねぇーだろ?ジンが再販されましぇーん!とか抜かしてやがるとSDガンダムのガンプラファンに夜道で後ろから刺されっぞ!ゴルゥラァァァァ!!!カラオケに行って実はSDガンダムのドラマCDに収録されていたTokyo Boogie Nightを選んだ歌うSDガンダムガチ勢のダイバ忍辺りに狙われっぞ!月の無い夜は気を付けるんだなぁ!おい!そもそもジンがザクの二番煎じだなんて言われて簡単にキレんな!二番煎じ?上等だろ?俺は茶は二番煎じの茶の方が好きなんだよ!茶はなぁ!アレくらいが丁度いいんだよ!ぶっちゃけ出涸らしの方が好きだってんだよ!あの薄さがたまんねぇーだろ!なぁおい!テメェもそう思うだろ!それだってのに世の中の連中は濃いお茶がいいだのなんだの抜かしやがって!テメェら家ではどーせ出涸らし飲んでんだからイチイチ下らねぇ見栄なんざ張ってんじゃねぇーってんだ!クソセレブ気取りのクソはどうせろくに味なんてわかんねぇーんだからクソやっすい茶の出涸らしでもしばいてろ!どう足掻いたってクソはクソセレブなんざなれねぇーんだからよぉ!そうそう、知ってるか?クソセレブ様が喰うような高い肉は喰いなれてねぇーと大量に喰うとクソ胸焼けするって?やっすい牛肉を喰いなれてるとなぁ、高い牛肉の脂はキツいんだよ!やっすい牛肉の方が庶民には丁度いいんだよ!ケーキだってそうだ!お高い高級店のチョコレートケーキなんざ喰いすぎるとクソ胸焼けするけど、クソやっすいチョコレートケーキはいくら喰っても胸焼けなんざしねぇーぞ!けどなぁ…フルーツ、アレだけは別だ!フルーツは高い方が圧倒的に美味くて喰いやすい!千○屋のクソ高いデコポン食ったことあるか?クソうめぇーぞ!何個でもいけるぞ!デケぇからジャムにでもしようかな♪とか思ってたけどジャムだなんてもったいねぇ!クソ高いフルーツとイイ女は生のままで喰うのが1番だ!夏場とかは特に裸にひん剥いて生のまましゃぶりついてみろよ?ほんのり塩味がイイ塩梅でたまんねぇーだろ?シャワー浴びてねぇーと汗かいたからダメ…とか恥ずかしがって悶えてる姿がまた萌えるんだよなぁ…。アレは動画に納めておかねぇーとダメだろ?なぁ?テメェも健全なオトコノコならそう思うだろ?それともナニか?テメェはあっち系の趣味人か?青いツナギ着て公園のベンチに腰かけて通りすがりのノンケを片っ端から喰っちまうヤツか?くそみそか?阿部さんか?阿部さんなのか?阿部さんなんだな?!イャー!!だーれーかー!へるぷみー!阿部さんよぉー!リアルに“ヤらないか?”とか言ってきやがるリアル阿部さんがここにリアルに居やがるわぁー!!!ほーらーれーるぅぅぅぅぅぅ!!!!!野郎に掘られるならアシムレイト状態で首切られて呼吸困難になった方がマシじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!掘るのは(女の子限定で)いいけど掘られるのはぜってぇぇぇぇぇぇにイヤじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!で?なんの話だっけ?あー…えーっと……ダメだ。思い出せねぇ…。歳かなぁ…。とし子さんやぁ…わしゃ昼めし喰ったかなぁ…?ってうぉぉぉぉい!!!とし子さんって誰やボケェェェェ!!!!!あ、現在ハーメルンで絶賛連載中の“ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~”の作者サンのドロイデンさんじゃねぇーっすか。ちぃーす。所で超長セリフってこんなもんでイイっすかね?もっと行きます?行っときます?行っちゃう感じっすか?まだまだ行けますよ?目指せ10000文字とかやっちまいますか?」

 

溢れんばかりの熱い想いをぶちまけてやったさ。

 

[[台詞が長すぎるわ!!!]]

 

いやん。

 

クソランカー様に怒られちゃった♪てへぺろ♪

 

………テメェでヤっといて何だけど、野郎がてへぺろなんざヤってもキモいだけだな…。

 

とかなんとか内心で反省していると…

 

[[俺の精神の安定の為にさっさと落ちやがれ!!!]]

 

クソランカー様は拳を振り上げて殴りかかってきやがった。

 

コイツはバカな事を言ってる場合じゃねぇーなぁ!おい!

 

「テメェが堕ちろやぁ!クソボケクソランカァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

あちらさんに合わせる様に、俺もリヴァイブの拳を振り上げてクロスカウンター狙いでぶちかましてやろうとしたんだ。

 

けど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あらぁ♪あらぁ♪まぁ♪まぁ♪オトコノコ同士の拳の語り合いだなぁんてぇ、ステキですわぁ♪そんなぁステキなぁオトコノコ君達にぃわぁ…ワタクシからぁとぉぉぉぉぉぉってぇおきいのぉ♪プ♪レ♪ゼ♪ン♪ト♪♪♪ですわぁ♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「?!」

[[!?]]

 

CV.小○愛○(←ここ!割と盛大なネタバレ要素!なんとビックリ!○○は○○では○○の○○に!)っぽい女の声がコックピットに響いたと思ったら…

 

[[マズイ!!!]]

 

とかクソランカー様が叫んで…

 

「グェ?!」

 

首根っこを引っ掴まれて引っ張られたんだよ。

 

「うぉい!クソランカー!!!テメェはナニさらしてくれてんじゃ!ボケェェェェェェェェェェ!!!!!」

 

イヤ、まぁここまで来たらチンピラ風に文句言わねぇーと礼儀に反するだろ?

 

だからとりあえずはボケとか言ってみました。

 

ほら、ノリって大事だろ?

 

[[五月蝿いから黙ってろ!消し飛ぶぞ!!!]]

 

そんなノリを第一に日々皆々様にチンピラをお届けしているわたくし鳴神 青空のチンピラ発言に、クソランカー様はうるせぇ!って酷い事を言いやがったんだよ。

 

うるせぇ!とかホント酷いよなぁ……で?

何で消し飛ぶの?

 

「は?」

 

何で消し飛ぶの?と、思った瞬間。

 

メンデルコロニーの外壁をぶち破って、まるでコロニーレーザーの様にやべーい威力の大出力ビームがぶっぱなされたんだ。

 

そしてぶっぱなされた大出力ビームはさっきまでクソランカー様と楽しく殴り合いをしていたポイントを通過して行きやがった。

 

おぅのぉ、じーざす。

 

ってヤツだよな。

 

「?!」

 

[[嘘だろ…]]

 

あの威力は確実に戦略級兵器のソレだぞ。

 

あんなもんメンデルコロニーを中心としたバトルフィールドには無いハズなんけどなぁ…とか思いながら、アホみてぇな威力の大出力ビームがぶっぱなされたメンデルコロニーの方を見てみてると、そこには…

 

[[突っ込みどころが多すぎるわ!!!]]

 

クソランカー様の仰りやがる通り、突っ込みどころ満載のバカデカいナニかがぬぼーっとコロニーの外壁をバリバリと破って出てきやがったんだ。

 

ソイツは被弾するとボイン♪バイン♪と派手な乳揺れでお馴染みの中身がセーラー服美少女戦士とか自分で美少女だなんて言っちゃうセーラーでお月様なマリュー・ラミアス艦長が指揮を執るアークエンジェルと、16の夜に盗んだ戦艦で走り出すー♪な新造戦艦なんてデカいモンなんで盗まれんだよ!おい!ザフト!なエターナルと、三隻同盟とか言いながらあきらかに1隻だけ地味なクサナギの三隻が、3つの力が1つになれば1つの正義は百万パワーだ!的に合体した超巨大人型戦艦っぽい決してマ○ロスではないヤツだったんだ。

 

いや、とりあえずはノリで誤魔化してみようかなぁ…♪とか思ってノリノリで色々と言ってみたけど…実際このデカいのどーすんのさ?

 

なぁ?クソランカー様?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。


次回はいよいよスバル君達との共闘が始まります。



次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新はドロイデン様とのコラボ企画準備中の為、しばらくはお休みさせていただきます。
余裕があれば(これっぽっちもないのですが…)更新したいとは思っております。
何卒ご了承下さいませ
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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