ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
スクフェスのMY舞☆TONIGHTでフルコンボが出せないQooオレンジでございます。
本日は絵里さん生誕祭特別編の3回目となります。
今回は怪盗エリーチカVSことり警部with特殊犯罪捜査室となります。
それでは 2017 絢瀬絵里生誕祭特別編「素敵怪盗えりーちか ③」 はじまります。
「暗証番号は2525っと…。」
ことり警部と愉快な仲間達の楽しい?会話をこっそりと盗み聞きし終えた“私”は、野次馬の人混みからそっと抜け出してこの日の為に真姫が買い取ってくれた音ノ木坂美術館近くのマンションの最上階の部屋へと移動したわ。
真姫に予め渡されていたカギと暗証番号を使ってロックを解除して部屋の中へと入ると、そこには“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームと装備一式が事前に運び込まれていて用意されていたの。
“私”は“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームを身に付けるために、さっそく着ている私服を下着を含めて全て脱ぎ裸になると、身体にビッタリと張り付く専用のインナースーツを身に纏ったわ。
このインナースーツって身体のラインが出ちゃうからちょっと恥ずかしいのよね。
インナースーツの下には下着を着けちゃダメだから、その…お胸のぼっちとかお股の食い込みとかが…ね。
絶対にこのインナースーツのままで外に出たら痴女に間違われちゃうわ。
インナースーツだけでも耐寒・耐熱・対弾・対刃・対水・対衝撃のかなりの高性能な一品なんだけど、このまま“怪盗エリーチカ”としてみんなの前に出るのは恥ずかしいわ。
みんなはドMがナニ言ってんだ!って思うかもしれないけど、“私”はあくまでもドMであって痴女じゃないんだもん。
それに今の“私”が荒縄で縛られて蝋燭プレイやその他もろもろのプレイで悶えて痴態を見せたいのはこの世界でただ1人だけなのよ。
もっとも、その1人はあちらの世界線にいるから、今は無理なんだけどね。
「次は…。」
お股の食い込みを直しながら、お部屋に置かれている姿見でインナースーツに問題がない事を確認した“私”は、続けて“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームへと袖を通して行くわ。
袖を通すって言ってもノースリーブだから袖は無いんだけどね。
この“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームは濃い緑と白を基調としたノースリーブに、やっぱり緑をベースにしたスカート。
それに黒いシースルーのマントを羽織ったシンプルな格好なの。
ここで挿絵画像でスクフェスの怪盗エリーチカのコスチュームを載せちゃうと、著作権とかに引っ掛かって運営さんに怒られちゃうから載せられないけど、気になった人達は“怪盗エリーチカ”で画像検索してみてね♪
ことり警部の警察官にあるまじきふわふわした可愛らしいコスチュームと一緒にヒットするハズよ。
「うん。おかしな所はないわね。あとは…。」
“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームを身に付けて、さっきのインナースーツと同じように姿見で確認を終えた“私”は、今度はグローブの手首に取り付けられたスイッチをボチッと押して身体強化システムを作動させたわ。
スイッチを押して身体強化システムが作動すると、全身にピリッとした少し強めの電流が一瞬走って行ったわ。
この“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームに仕組まれている西木野財閥製身体強化システムは、身体中に常に微弱な電流を流し続けて全身の筋肉を刺激する事で、身体能力を通常の数倍に引き上げてくれるモノなの。
流す電流の強さで身体強化の強化率も変わってくるのよ。
「ん…あっ…んん…はぁ…何度もやってもやっぱりキモチイイわぁ♪」
うふふ♪この全身に流れるいい感じの電流…何度やっても良いわ♪
脳髄まで痺れる感覚がたまらなくキモチイイのよ♪
この身体強化システムは私が怪盗団“キューティーパンサー”時代から使ってるんだけど、真姫とにこはシステムを作動させるときに流れる強めの電流がイヤだったみたい。
にこはシステムを作動させる度に“んぎゃー”ってスゴい悲鳴をあげていたわね。
真姫も悲鳴こそあげはしなかったけど、いつも歯を食い縛って我慢していたわ。
二人とも変よね?
この身体中に流れるいい感じの電流が全身に程よい痛みを与えてくれてこんなにキモチイイのに…。
にこと真姫は罰ゲームとか言っていたけど、私と“私”にとってシステム作動時に全身に流れるこの強めの電流はご褒美でしかないわ♪
蝋燭ぽたぽたの微妙な熱さがキモチイイのは知っていたけど、電流ぴりぴりも同じくらいキモチイイなんて知らなかったわね♪
電流ぴりぴりっていうこの新しい快楽を知る事が出来ただけでも、“私”がこの世界線に迷い込んだ甲斐はあったわ♪
“私”の世界線に戻ったらひとりえっちする時に電流プレイも組み込んでみようかしら?
後であちらの世界線に戻ったら真姫にお願いして電流プレイ用のスタンガンを作って貰おっと♪
うふふ♪ソラは火傷したら大変だからって蝋燭ぽたぽたプレイはダメって言うけど、電流ぴりぴりプレイなら火傷の心配はないからシテくれるかもね♪
※スタンガンでも火傷する場合があります。
※スタンガンを使用して電流プレイをお楽しみの際にはくれぐれもお気を付け下さい。
「その為にも最後の“ラブカストーン”を手に入れて、“私”の世界線に帰らなきゃ♪」
身体強化システムの作動が無事に完了すると、すぐに身体中に力がみなぎって来たわ。
今の状態なら素手で車とか壊せちゃうのよね♪
Gガンダムのガンダムファイターみたいな事もできちゃうかも♪
流派東方不敗の人達みたいに素手でモビルスーツを倒すとかは流石に無理でしゃうけどね。
「シルクハットをかぶって♪モノクル付けて♪認識阻害システムを作動させて♪」
最後に“私”は少し小さめのシルクハットを頭の上にちょこんと乗せて、左目に認識阻害システムが搭載された多機能モノクルを付けると、何となく姿見の前でくるっと一回転してみちゃったの。
だ、誰も見ていないからいいけど、ちょっと恥ずかしかったかしら?
でも“私”は今日でこの“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームを着るのは最後になるんだから、ちょっとくらいはいいわよね?
「荒縄袋も超硬化特殊低温蝋燭も閃光弾も万全♪電磁ムチの充電もバッチリ♪」
あ♪でもあちらの世界線に帰ったら、ことりにお願いしてこの“怪盗エリーチカ”のコスチュームを作って貰おうかしら?
この“怪盗エリーチカ”のコスチュームを着て…うふふ♪ソラに尋問プレイとかして貰おっと♪
縛られて身動き出来なくされちゃって、“喋りたくないなら身体に直接聞いてやる”とか言われて色んなえっちなオモチャで何度も何度もイカされちゃうの♪
………そ、想像したら興奮してきゃった…。
ダメよ!えりーちか!これから本番なんだから!
身体の火照りを鎮めるのは最後の“ラブカストーン”を手に入れてからよ!
「行くわよ!“私”!早く終わらせて帰ってひとりでいろいろしちゃうんだから!」
“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームを身に付け終えた“私”は、音ノ木坂美術館を見下ろせるとあるビルの屋上へとやって来たわ。
予告の時間まであと3分…。
今回はことり警部もかなり本気みたいだから、荒縄で全身をキツく縛り上げる様に気を引き締めて行かないとね。
「……時間ね…。」
左目に取り付けたモノクルに表示されたデジタル時計が予告時刻の午後10時まであと1分となったのを確認した“私”は、右手に握っていたスイッチをボチッと押して、浮遊用バルーンに特殊な気体の注入を開始したわ。
バルーンはあっという間に膨らんで、荒縄で繋がれた“私”の身体をふわりと空へと誘(いざな)って行くの。
モノクルに表示された時刻は午後10時ぴったり。
さぁ!今夜も“怪盗エリーチカ”のショータイムを始めるわよ!
「レディース&ジェントルマン♪お集まりの老若男女!紳士淑女のみんな!そしてことり警部と特殊犯罪捜査室のおまわりさん♪こんばんわ♪今夜も絶好の怪盗日和ね♪」
浮遊用バルーンで空を進み、音ノ木坂美術館の屋上付近へと辿り着いた“私”は、眼下に集まった野次馬や特殊犯罪捜査室の面々にモノクルの音声拡張機能をONにして語りかけたわ。
こんばんわ♪って♪
そうするとようやく眼下に集まったみんなは空に浮かぶ“私”に気付いたのよ。
すぐに警官隊がサーチライトで“私”を照らしてくれたわ。
サーチライトに照らされた“私”を見つけた野次馬のみんなが“私”を指差して叫んでいるわ。
「あっ!空を見ろ!」
「鳥か?!」
「ドMか?!」
「飛行機か?!」
「いや!違う!あれは!」
それじゃいつものヤツを行くわよ?
良かったらみなさんもご一緒に♪
「さぁ!愛を込めて!みんな一緒に♪さん♪はい♪」
「「「「「「「「「「かしこい!かわいい!エリーチカァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」」」」」」」」」
「ハラショー♪良くできました♪“怪盗エリーチカ”♪定刻通りにただいま参上よ!」
“私”が集まった野次馬のみんなとそんなお約束のやり取りを終えると、さっそくことり専用モックこと鳥モックに乗り込んでいることり警部が“私”を捕まえる為に部下の警官隊へと鳥モックの外部スピーカー越しに命令を飛ばし始めたわ。
[出やがりましたね!怪盗エリーチカ!総員!攻撃準備です!海未ちゃんは“だーりんすれいぶ”であのどろぼ~女を撃ち殺してください!花陽ちゃんはモックさんのキリングモードを起動ですぅ!かしこい!かわいい!エリーチカァァァァ♪なんてノリノリで騒いでる愚民さんもろとも!怪盗エリーチカをぬっ殺しちゃってください♪ことりをイライラさせた罪で愚民さんも一緒に皆殺しですぅ♪]
あーあ。ことり警部は野次馬のみんなを愚民とか言っちゃった。
そんなこと言っちゃうとまた明日の新聞で叩かれるんだから。
もっともことり警部をけなす記事を書いた新聞社はすぐに火事とかガス爆発とか集団食中毒とかの不幸な事になるんだけどね。
この世界線のことりは容赦が無さすぎてちょっと怖いわ。
やっぱり“私”の世界線のことりくらいがちょうど良いのよ♪
[了解しました!“だーりんすれいぶ”!発射準備に入ります!]
“私”は左耳に着けたイヤリング型通信端末端末を使ってことり警部と海未の通信を傍受してみると、海未がことり警部の命令に応じて射撃準備に入ると答える声が聞こえたわ。
“私”は予め位置を確認していた海未の狙撃ポジションをモノクルの望遠モードを使って見てみると、そこでは警視庁最強スナイパーの海未が今回の作戦の為にことり警部が取り寄せた真っ黒で禍々しい大きな弓矢“だーりんすれいぶ”を構えていたわ。
この世界線でも海未の射撃の腕前はピカイチよ。
海未ならバルーンでふわふわと浮かんでゆっくりと空を移動している“私”に、確実にあの“だーりんすれいぶ”を当ててくるわ。
“怪盗エリーチカ”の強化コスチュームを身に付けていてもあの“だーりんすれいぶ”の直撃を喰らえばひとたまりもないわ。
せっかくの“私”の生誕祭特別編が血と臓物と肉片を撒き散らしてグロ方面のR-18になっちゃうわね。
でも…ふふ♪実は何の心配もなかったりするのよ♪
だって“だーりんすれいぶ”を構える海未の後ろには、見慣れた黒髪ツインテールの合法ロリ娘が…にこが居るんですもの。
[目標“怪盗エリーチカ”!一射一殺!“だーりんすれいぶ”!はっしゃ[そんな物騒なモン使う悪い子にはお仕置きよ♪]えっ?!だ、誰ですか?!きゃ!]
にこは“だーりんすれいぶ”を放とうとする海未の真後ろまでこっそりと近付くと、“お仕置きよ♪”と言いながらバチバチと見るからにヤバそうな電気を放っている電磁警棒を海未の脇腹の辺りに押し当てたわ。
いくら海未が着込んでいる特殊作戦用のプロテクタースーツが対電処理を施していたとしても、にこがキューティーパンサー時代から愛用している西木野財閥特製の電磁警棒の前では裸も同然。
その証拠に電磁警棒を押し当てられた海未は、短い悲鳴をあげるとビクンと身体を大きくのけ反らせて一瞬で気絶しちゃったわ。
[誰ですか?、ね。ただの通りすがりのキューティーパンサーよ。]
[ふぇ?!う、海未ちゃん?!海未ちゃん!ど~したんですか!応答してください!海未ちゃ~ん!]
ことり警部は通信越しに海未の悲鳴を聞いて慌てて呼び掛けているけど、気絶しちゃった海未からはもちろん応答はないわ。
[絵里、見えてるわね。ご覧の通りプッツン狙撃娘は片付いたわよ。あとは適当にがんばんなさいね。]
海未を気絶させたにこは“私”へとそう通信を送り、こちらへ向かって軽く手を振ってビルの屋上から離れていったわ。
「ありがと、にこ。今度ご飯でもご馳走するわね。」
[ぐぬぬ~!怪盗エリーチカ!よくも海未ちゃんをヤりましたね!も~許しませんよ!花陽巡査!モックさんのキリングモードの用意は?]
[はい!ことり警部!モックさんのキリングモードの起動は完了しています!あとはことり警部の命令ひとつでこの場に集まってる一般市民のみなさんもろとも怪盗エリーチカをぬっ殺せます!]
[ちゅん♪ちゅん♪ナイスタイミングですぅ♪さぁ!モックさんたち!無駄に二酸化炭素を垂れ流しにしている愚民と一緒に目障りな怪盗エリーチカをひき肉にしちゃってください!ことりに逆らった罪とイラッとさせた罪でみ~んなまとめて死刑ですぅ♪極刑ですぅ♪銃殺刑ですぅ♪]
にこの協力でスナイパー海未は片付けたけど、今度はマッド花陽がモックのキリングモードを起動させちゃったみたいね。
このままじゃ野次馬に集まった一般市民を巻き込んで大虐殺が始まっちゃうわ。
[うふふふふふ♪だいと~りょ~さんからもらったこの最新鋭の軍用マニピュレーションスーツの力を見やがれですぅ♪今夜のお夜食は怪盗エリーチカと愚民の合挽き肉で作るハンバーグで決まりですぅ♪逝け♪逝け♪ご~♪ご~♪み~んなまとめてぬっ殺せ~♪ですぅ♪]
ノリノリで虐殺を始めようとしていることり警部の猛威に晒されて“怪盗エリーチカ”まさかの大ピンチね。
なんて他人事みたいに言っている場合じゃないんだけどね。
<<<コウゲキモクヒョウカクニン。トリモック、コメモック。コウゲキヲカイシシマス。>>>
[きゃ?!な、なんでモックさんたちはことりに攻撃してくるんですか?!花陽巡査!ど~なってるんですか?!]
[あ、あるぅえぇぇぇぇぇ?!攻撃目標がことり警部の鳥モックと花陽の米モックに設定されてる?!なんで?!いつの間に?!]
ところがぎっちょん♪
“私”はちゃんとモック対策もしちゃってるのよ♪
[エリー、予定通りこっちで無人のモックのプログラムは書き換えたわ。あとは放っておいても勝手に鳥警部とマッドと同士討ちしてくれるわ。]
真姫が配備される予定のAI制御の無人モックのプログラムを書き換えちゃったのよ♪
真姫が書き換えたプログラムの内容は、攻撃目標を無差別に指定してキリングモードが起動したら、鳥モックと米モックが攻撃目標に変更になるって内容なの。
もしことり警部が“怪盗エリーチカ”だけを攻撃目標にするなら問題は無かったんだけどね。
「ありがと♪相変わらずいい仕事ね、真姫♪西木野財閥の総帥なんか辞めて、また私とにこと一緒に怪盗でもやればいいのに。」
[お誘いは嬉しいけどそう簡単に西木野財閥を放り出す訳にいかないのよ。でも…そうね。たまにまたみんなで怪盗するのも息抜きにちょうどいいかも知れないわね。]
「うふふ♪怪盗団キューティーパンサー再結成ね♪」
[あら?再結成って、私もにこちゃんもキューティーパンサーを解散したつもりはないわよ?まぁいいわ。おしゃべりはまた今度ゆっくりお茶をしながらにしましょ。エリーは早く最後の“ラブカストーン”を盗んで来ちゃいなさい。]
「えぇ、わかってるわ。それじゃまた後でね♪」
真姫との通信を終えた“私”は、眼下でドッタンバッタン大騒ぎを繰り広げている3機の無人モックとことり警部の鳥モック&マッド花陽の米モックの戦闘を見ながら、音ノ木坂美術館に侵入する為に窓に仕掛けられていた罠の解除を始めたわ。
仕掛けられていたのはマッド花陽が大好きないつもの爆弾。
これくらいなら解除しちゃうのは簡単ね。
仕掛けられていた爆弾の信管を抜いて無事に爆弾を無力化させた“私”は、窓を開けて音ノ木坂美術館の中へと向かうわ。
窓を潜る前にチラリと後ろを見ると、ことり警部とマッド花陽はまだ3機の無人モックと激闘を繰り広げられていたわ。
3機の無人モックの相手をしなきゃいけないことり警部とマッド花陽は、あの様子なら“私”を追ってこちらへと来ることはしばらくは出来ないわね。
うふふ♪あの子達が大騒ぎしているうちに、“私”はさっさと最後の“ラブカストーン”を手に入れちゃいましょ♪
「よぉ、怪盗エリーチカ。待ってたぜ。」
「ソラ刑事…。」
無事に音ノ木坂美術館へと侵入した“私”は、マッド花陽が仕掛けた床の地雷やセントリーガンを無力化しながら“ラブカストーン”が展示されている一番奥の展示室へと急いだわ。
そしてようやくたどり着いた展示室の扉にもやっぱり仕掛けられていた爆弾を解除した“私”は、ゆっくりとその扉を開いて最後の“ラブカストーンが待っている”展示室の中へ進んだわ。
歩を進めた月明かりが照す展示室の中では、プロテクタースーツに身を包んで片手に棍と呼ばれる木製の長い棒を持ったこの世界線でのソラ…ソラ刑事が待ち構えていたの。
音ノ木坂美術館の外に居ないと思っていたら展示室の中で待ち構えていたのね。
どうやら最後の“ラブカストーン”はソラ刑事を倒さなきゃ手に入れる事はできそうにないわね。
「お待たせしちゃったみたいでごめんなさい。ちょっと外でちゅんちゅん囀(さえ)ずる狂暴な野鳥にからまれちゃって。こんな所でひとりぼっちで待ってたんじゃ待ちくたびれちゃったわよね?ふふ♪でも知ってるかしら?デートの待ち合わせで男を待たせるのはいい女の特権なのよ?」
“私”はソラ刑事に遅れてごめんなさいと心ない謝罪をしながら、腰に丸めて下げていた電磁ムチの柄に手をかけて、同時に荒縄袋からいつでも荒縄を取り出せる様に準備を進めるわ。
対するソラ刑事は手にした棍をくるりと回して小脇に構えて、こちらの出方を伺っているわ。
「いい女の特権、ねぇ…。そのおかしな認識阻害装置のせいでアンタの素顔は認識できねぇから、アンタがいい女かどうかは判断しかねるな。なぁ、怪盗エリーチカ?その邪魔な認識阻害装置を切らねぇか?俺にアンタの素顔を拝ませてくれよ。」
戦闘準備を整えた“私”とソラ刑事はそんな軽口を叩き合いながら、それぞれ相手との間合いを少しずつ調整して、互いに仕掛ける機会を伺っているわ。
リーチは電磁ムチと荒縄を使っている“私”の方が長い…でもソラ刑事が“私”の攻撃を掻い潜ってこちらの間合いの内側に入り込まれたらちょっとまずいわね。
絢瀬流緊縛術には近接用の技もあるにはあるけど、近接戦闘を得意としているソラ刑事相手じゃ気休め程度にしかならいわ。
こちらの間合いの内側に入り込まれる前に決めちゃわないとね。
「ふふ♪だ~め♪恥ずかしいもん♪」
モノクルの認識阻害を切っちゃったら、“怪盗エリーチカ”が“私”…ロシアン喫茶ハラショーのマスターの絢瀬 絵里だって事がパレちゃうんですもの。
“私”の為に色々と頑張ってくれていた私の為にも、それだけは何としても避けないとね。
「そいつは残念だな。女を相手に暴力でどうこうするのは正直勘弁して欲しいんだが、まぁ仕方方ねぇな。そんじゃその綺麗な顔から邪魔クセぇモノクルを剥ぎ取って!アンタの素顔を無理矢理にでも拝ませて貰うさ!逝くぞ!ゴルゥラァァァァァァァァァァァ!!!!!」
ソラ刑事はあちらの世界線のソラと同じ様に“ゴルゥラァァァ”と叫びながら、床を蹴って“私”に向かって走り出したわ!
“私”みたいに身体強化システムを使っていないのに速いわよ?!
まるであちらの世界線の本気を出した海未みたいな踏み込みだわ!
でも!速いけど対応できない程じゃないわ!
乱世の英傑達を影から支えてきた絢瀬の縄師を舐めないでよね!
「刑事さんが女の子相手に剥ぎ取るとか言っちゃダメなのよ!そんなイケナイ刑事さんにはお仕置きよ!絢瀬流緊縛術!疾風!後手縛り!」
“私”は棍を構えながらこちらへと駆けてくるソラ刑事へ向けて、腰の荒縄袋から取り出した荒縄で縄速の早い緊縛術“疾風後手縛り”を放ったわ!
放たれた“疾風後手縛り”の荒縄は、ソラ刑事を縛るべく真っ直ぐに向かって行くんだけど…。
「テメェのその意味のわかんねぇ緊縛術はもう見切ってんだよ!どんなに速かろうが今さらその程度の荒縄なんか喰らうかよ!オラァ!!!」
手にした棍を横薙ぎに一閃させて“疾風後手縛り”の荒縄を切り裂いてしまったの!
絢瀬流緊縛術を意味のわからない緊縛術だなんて失礼しちゃうわね!
これでも由緒正しい緊縛術なのよ!
それこそ海未の所の護国園田流剣闘術と同じくらいには長い歴史を刻んでいるんだから!
っと!今はそんな事を言ってる場合じゃなかったわね!
「大人しく荒縄で縛られちゃえば痛い思いをしなくて済んだモノを!さては貴方もマゾヒストなのね!」
“私”は棍を薙ぎ払った事で出来たスキを突いて、右に持った電磁ムチをソラ刑事へ向けて振り下ろしたわ。
この電磁ムチはムチで叩かれる快楽と電流ぴりぴりの快楽…二つの快楽を1度で味わえちゃう素敵なアイテムなのよ!
ホントなら“私”がこの電磁ムチでビシバシぴりぴりされたいくらいよ!
「だれがマゾだ!俺はノーマルだ!」
ソラ刑事は“私”の振るった電磁ムチを見るや否や、棍を薙ぎ払った体制から無理矢理に床を蹴って転がる事で電磁ムチの攻撃範囲外へと逃れて行ったわ。
「受け入れちゃえばキモチイイわよ♪」
「願い下げだ!痛いのはゴメンなんでな!」
ソラ刑事は電磁ムチの一撃を無理矢理回避したせいでまだ床に片手を付いているわ!
今が絶好のチャンスね!
“私”は荒縄袋から何本もの荒縄を取り出して、“私”が一番得意としている緊縛術“千手観音小手縛り”を放とうとしたんだけど、その瞬間に“ゾクリ”と背筋に氷を当てられた様なイヤな感覚を感じたの。
そのイヤな感覚を感じた瞬間、“私”は本能的に後ろへと飛び退(すさ)りながら、“千手観音小手縛り”の為に取り出していた荒縄を使って、荒縄で編み込む亀甲の盾…絢瀬流緊縛術“亀甲縄壁縛り”を目の前に展開したんだけど…。
「っ?!」
目の前に展開した“亀甲縄壁縛り”を吹き飛ばして“ナニか”が“私”の腹部へと突撃して来たのよ。
“私”は“ナニか”に吹き飛ばされながら腹部に広がる痛み(キモチイイ)で悶えちゃったわ。
打撃系の痛い(キモチイイ)のは久し振りね♪
「今ので仕留めきれなったか…。」
快楽に身を任せてしまいそうになるドM魂を気合いと根性でなんとか鎮めた“私”は、声のした方向へと顔を向けると、そこには左の掌底を突き出した体制のソラ刑事が見えたわ。
今の一撃はソラ刑事が放ったの?
今日のソラ刑事は棍だけで飛び道具は持っていなかったハズだけとど…。
「今の一撃に納得いかねぇってツラだな。」
「そうね…。貴方は飛び道具は持っていないのにどうしてその位置からあれだけの威力の一撃を“私”へと当てれたの?」
「大したことはしてねぇよ。発勁と遠当てを組み合わせ、たただの飛ぶ打撃ってヤツさ。」
「発勁と遠当て?それに飛ぶ打撃…?」
「おうよ。俺がガキの頃に近所に住んでた自称仙人とか言っていたイカれたじいさんから勁技ってヤツを教わってな。今のはその技の一つなんだよ。勁技とか言われてもわかねぇよな?まぁわかりやすく言えば“気功術”ってヤツさ。ちょっと珍しいだろ?」
ソラ刑事は珍しいだろ?って言ってるけど、“私”の所の絢瀬流緊縛術も荒縄に気を通して自在に操ってるから、“私”にとって気功術はそこまで珍しいワケじゃないわ。
確か海未の所の護国園田流剣闘術も気を身体中に巡らせて身体強化したりしていたわね。
「“気功術”を使った飛ぶ打撃、ね…随分と面妖なモノを使うのね。」
「アンタのその意味のわからねぇ緊縛術よりはマシだって。」
「ホント失礼しちゃうわね。貴方はいつも“私”の緊縛術を意味のわからないって言うけど、これでも歴史の陰で脈々と受け継がれて来て由緒正しい緊縛術なのよ?」
「由緒正しい緊縛術なら泥棒になんか使うなよ…。まぁいいさ。さて、怪盗エリーチカ。これ以上痛い目に遭う前に、大人しく逮捕されてくれねぇか?あんまり女相手に乱暴な事はしたくねぇーんだよ。」
あら?“私”はソラになら乱暴な事されたいんだけど。
なんてこの場面で言ったら台無しよね。
「優しいのね…でもごめんなさい。そうもいかないのよ。“私”にはどうしても“ラブカストーン”が必要なの…。」
“私”はさっき飛ぶ打撃で吹き飛ばされた時に荒縄袋から密かに取り出して用意しておいた“奥の手”を使う事にしたわ。
“私”の“奥の手”…絢瀬流緊縛術裏之縛“地擦り影蛇”。
“地擦り影蛇”専用に気を練り込みながら編んだ特殊な細い荒縄を使って放つこの緊縛術は、絢瀬流緊縛術の中でも奥義に分類されるモノなの。
相手に気付かれる事なく、ゆっくりと地面を蛇の様に静かに這って背後へと忍び寄る…。
ソラ刑事…影蛇はもう貴方の後ろに這い寄って、“私”の命令で襲いかかるのを今か今かと待ち構えているわ。
「はぁ…。やっぱりダメか。ったく…俺は女をいたぶるのは趣味じゃねぇんたがなぁ…。」
“私”はいたぶられるのが趣味よ。
でも今夜は我慢♪我慢♪
趣味全開でえっちなことするのはあちらの世界線に帰ってからよ!
いっぱいソラに甘えて、いっぱいイタキモチイイ事してもらうんだから!
さぁ!決めるわよ!エリーチカ!
「“私”の心配をしてくれるのはとても嬉しいわ。でも…自分の心配をした方がいいわよ!絢瀬流緊縛術裏之縛!“地擦り影蛇”!!!」
“私”はソラ刑事を縛り上げる為に、影蛇専用に編み込まれた真っ黒で細い荒縄へと気を送り込んで“地擦り影蛇”を発動させたわ!
“私”の気と意思を受け取った真っ黒な荒縄は、獲物に襲いかかる蛇の様に静かに鎌首をもたげると、ソラ刑事へ向かって背後から一気に襲いかかっていったわ!
「なっ?!後ろから?!いつの間に!」
「絡めとりなさい!影蛇!!!」
「チッ!クソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
なんだか真姫ちゃん生誕祭特別編の時にノリと勢いで書いてしまった絢瀬流緊縛術が色々と由緒正しい緊縛術になってきました…。
そして絢瀬流緊縛術の技は時を経て内浦のドSずらに受け継がれて…。
真姫ちゃん生誕祭特別編の時に散々思いましたが、本当にどうしてこうなった…。
そんなどうしてこうなったな絵里さん生誕祭特別編は次回で最終回となります。
怪盗エリーチカとソラ刑事のバトルの行方は?
絵里さんは最後のラブカストーンを手に入れて、元の世界線へ帰ることが出来るのか?
更新は来週の金曜日のお昼頃を予定しております。
また、本編更新はいつも通り月曜日のお昼頃を、凛ちゃん生誕祭特別編は完成次第更新予定でございます。
皆様お時間よろしければご覧下さい。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。