ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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知らないLOVE*教えてLOVE


閑話「初めてのガンプラと恋心について」

「なるほど……。接着剤等は使わずに組み立てる事が出来るのですね。これは中々興味深い…。」

 

幼馴染みの穗乃果に誘われて初めたガンプラバトル。トラブルもありましたが、クラスメイトの男の子、鳴神君に助けられなんとか初陣を無事に終えた私は、穗乃果達とアミューズメントセンターで少しの間お茶を楽しんでからそれぞれの帰路に付きました。

 

鳴神君の家が私の家からそう遠くない所にあったのには驚きましたね。

 

私の家の前で偶然再会したときは鳴神君がどうして私の家に?と思ってしまいましたよ。

 

そうですね。明日の朝は鳴神君も誘って、穗乃果達とも一緒に登校しましょうか?

 

いいかもしれませんね。後で穗乃果達にもメールしておきましょう。

 

「まずはニッパーで……」

 

ガンプラ作りを始めた私はことりと鳴神君に教わった通りに説明書を読みながらガンプラ作りを進めていきます。

 

二人の話では組み立てるだけの素組と呼ばれる物なら1・2時間もあれば簡単に作れると聞きました。

 

初めてのガンプラ作りの私はそんなに早く作るは無理ですね。

 

それにガンプラバトルに使用する物なので、少しでも丁寧に作りたいので、焦らずじっくりと作っていきましょう。

 

「ええっと、ここにシールですね……あ…」

 

少し曲がってしまいました…。破れないようにゆっくり剥がして……

 

「ふぅ…。今度は大丈夫ですね。」

 

少しずつ出来上がっていく私の初めてのガンプラ。

 

鳴神君が私の為にプレゼントしてくれたガンプラ…。

 

そう言えば男の子に贈り物を貰うなんて今日が初めてですね…。

 

ガンプラを作る机の上に置かれたシャワーズの縫いぐるみ。

 

この子も鳴神君が私に取ってくれた物でたしね。

 

お誕生日やクリスマスにお父様やお祖父様からプレゼントをいただいた事はありましたが……。

 

男性が極端に少なくなった昨今では男の子と知り合う機会なんて滅多にありませんでしたからね。

 

まぁ知り合いたくも無い人は一人いましたが…。

 

今もしつこく私を許嫁にしようと画策しているらしいですが、あんな下劣な人の下に嫁ぐなんて死んでも願い下げです。

 

仮に嫁ぐ事になってしまったら、私はきっと自らの命を絶つでしょう。

 

お母様もお父様もお断りし続けているとおっしゃっていましたが……。

 

…………折角楽しい気分でガンプラを作っていたのに……忘れましょう……。

 

「頭を胴体に付けて……良し。スコープモード起動です!なんて。ふふっ。」

 

そう言えばお母様とお父様は共通の趣味を通じて知り合い、そして仲良くなりやがて恋に落ちたとお聞きしましたね。

 

私もいつかはお母様の様に恋をして、旦那様になる方と結ばれるのでしょうか?

 

しかし、恋とは…一体どんな物なのでしょうか?

 

穗乃果は………あれは恋なんてしらないでしょうね。

 

色気より食い気のまだまだお子様ですから。

 

ことりは?

 

そう言えば今日のことりは少し変でしたね。

 

妙に鳴神君との距離が近かったり、急に抱き付いてみたり…。

 

ことりがああなったのはガンプラバトルが終わってからでしたね。

 

それまではいつも通りだったのですが…。

 

熱い眼差しで鳴神君を見つめていましたが、あれではまるで小説やドラマなどで話に聞く恋する乙女ではないですか。

 

「あっ……」

 

恋する乙女?ことりは…鳴神君に恋をした?

 

呼び方もいつの間にかソラ君に代わっていました。

 

ことりは鳴神君が好きなのでしょうか?

 

 

なんでしょう。今、胸が凄くもやもやします。

 

いつも一緒だったことりが、私達より先に恋をしたから?

 

ことりだけが恋を知って、私達は置いていかれるから?

 

3人の時間が終わるかもしれないから?

 

それとも……………鳴神君が盗られるから?

 

っ!

 

私は…今何を?

 

なんなんですか?この気持ちは?苦しくて、嬉しくて、悲しくて、楽しくて……

 

相反する色々な感情が胸の奥で渦巻いている。

 

私が恋を知らないから?

 

一度考えだしたら止まらない…。

 

恋となんなんですか?

 

好きな人と名前を呼んで、名前を呼ばれて。

 

一緒に幸せな時間を過ごす。

 

それは、とても素敵な関係…

 

まだ恋を探している私が垣間見た“いつか”の景色。

 

もう恋について考えるのは止めましょう……

 

今は、鳴神君がプレゼントしてくれたこのガンプラを組み立てる事だけを考えましょう。

 

「でも……もし…鳴神君…ソラが私の旦那様になったら……」

 

そうなったら海未と青空の間に産まれてくる子供の名前は陸でしょうか?

 

「はっ!私は何を考えているんですか!」

 

こうして私の初めてのガンプラ作製は進んでいくのでした。

 

今はまだ知らない恋。

 

いつかは誰かが教えてくれるのでしょうか?

 

 

もしかしたら……それは……。

 

 

 




皆様ご覧いただきありがとうございました。
次回からは本編第4話「ススメ→トゥモロウ」が始まります。
ようやく物語が少し動き始めます。
いつになったらμ'sメンバーが集結してくれるのか…。

それでは皆様。よろしければまたご覧下さい。
本日はご覧いただき本当にありがとうございました。

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