ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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おはようございます。
今回はA-RISEのツバサさんが語り部です。
ツバサさんのキャラが……



閑話「女王、大海の広さと少年の過去を知る。」

「ツバサが負けたんですか?珍しい事もありますね?」

 

昨日。学校からの帰り道で思い付きから参戦した夕方のバトルロイヤル。

フリーダムガンダムをベースに改造を施した自慢の愛機“ビルドフリーダムガンダム”を駆り、順調に敵機を撃墜したいた私の前に、ソイツは現れたわ。

 

ただの素組のザク。正式にはザクⅡF2型。

 

始めに見た時は地面に手と膝を突いて何か嘆いている様に見えたの。不思議なザクだな、と思っていたわ。

 

私は遭遇した4機編成のチームの中で、唯一面白いバトルが出来そうなウィングガンダムのカスタム機を相手に戦おうとしたんだけど、ウィングのファイターは私の名前に怖じ気付いちゃって戦意を失ってしまっていたの。

 

そんな彼女の「助けて」の一言に反応したあのザクは、いきなりクイックブーストで私に向かい突っ込んだ来たわ。

 

クイックブーストには驚いたけど、正直に言えば「バカね」って思ったわ。

 

だってそうでしょ?相手がカスタムされたザクならまだしも、ただの素組のザクよ?

 

でも、バカなのは私の方だったわ。

 

気がつけば必死に抗ったいたわ。無様よね?無敗の女王とか呼ばれているこの私がよ?笑っちゃうでしょ?

 

「笑いませんよ。って言うか笑えないですよ。それ。」

 

油断が無かったと言えば嘘になる。でも普通は素組のザクでガンプライブを勝ち抜いた私のビルドフリーダムが圧倒されるなんて思わないじゃない?

 

「見た目だけ素組のザクではなかったのか?」

 

いえ。あれは間違いなくただの素組のザクだったわ。そのザクに力尽くで押し倒されて激しく首を跳ねられてハンドグレネードを無理矢理アソコにねじ込まれて……。

 

「落ち着いて下さい?ツバサ。」

 

あぁ。ごめんなさい。

でもね。兎に角とても情熱的だったの。一瞬の攻防、性能を凌駕する圧倒的な操縦技術。

そしてバトルから退場するホンの少しの間に交わした素敵な言葉の数々……。

ふふっ。はしたないけど昨日は久し振りに自分で火照った身体を何度も何度も何度も何度も気が狂ったみたいに慰めたしまったわ。だから今日はちょっと寝不足なの。もしあの子と再会できたら、私は自分を抑えられかしら?

 

「ツバサ?男の子のいる所でそんなことは言わないで下さいね?」

 

ええ、分かってるわ。そうね。彼にはしたない女って思われたくないもの。

 

「今日のツバサには話が通じてないぞ?あんじゅ。どうする?」

 

「恋する乙女は止められないですよ英玲奈。」

 

 

もう。二人とも好き勝手言ってくれるわね。

 

日本一のスクールファイター。その称号を手にした私に待っていたのは退屈な毎日だけ。戦う相手の居ないバトル。私とビルドフリーダムとまともに戦ってくれるのは貴女達チームメンバーの9人とたまに来る自意識過剰のザコだけ。

仲間達と戦うのも嫌いじゃないわ。でも…………ね。

 

そんな私が味わったあの衝撃。トップランカーのファイター達がワールドツアーに参加している今、国内では少なくてもスクールファイターでは自分が一番強いと思っていた私の幻想は木っ端微塵よ。

 

でもね………嬉しかった。それはもう狂おしい程にね。

 

まだ私は戦えるんだって思っちゃったわ。

 

「ツバサ……」

 

「お嬢、待たせたな。ご依頼のバトロイのデータ貰って来てやったぞ。ったく。ヤジマ・コーポレーションのシステム管理部に知り合いがいるからなんとかなったが、ホントなら個人データの取り寄せなんて無茶は出来ないんだぞ。これっきりにしてくれよ…まったく…。」

 

門松さん。遅いわよ。それで?昨日のあの子の事は分かったの?

 

「おいおい…ありがとうの一言くらいくれてもいいだろうが。」

 

ありがと。これでいいの?それよりも彼の事、早く教えて。

 

「はいはい。で、お嬢を素組のザクで殺ったんでただ者じゃないとは思っちゃいたが、随分と大物が引っ掛かったぞ。」

 

大物?

 

「ツバサを圧倒する様な人なら公式戦に出てれば話題になるはずですよ?あぁ。もしかして一年生ですか?それなら今年のガンプライブはその子がダークホースになりそうですね。」

 

「いや。コイツは過去6年間、一切公式戦には参戦してない。」

 

過去6年?どういう意味なの門松さん?

 

「可哀想に…まだコイツはあの時の事件を引き摺っているんだろうな。トップランカー連中はコイツの帰還を待ち続けているってのにな…。」

 

門松さん?

 

「お嬢達の世代じゃ知らないヤツの方が多いかもな。今じゃガンプラバトル界最大の黒歴史だからな。」

 

ガンプラバトル界最大の黒歴史?

 

「ああ。コイツの名前は“鳴神 青空(ナルカミ ソラ)”。“始まりの精霊使い(オリジン・エレメンタラー)”。6年前、世界で初めて電子精霊のパートナーになったヤツだ。そして…………。」

 

 

 

私が知ったのは彼の正体は驚きと悲しみに彩られた一人の少年ファイターの物語だったわ。

 

世界の頂。

 

もう一度会いたい。もう一度戦いたい。

 

叶わない筈のこの願いは、後日、私の予想を裏切り鳴神青空のガンプライブ参戦と言う形で叶う事になったの。

 

こうして私の高校生活最後のガンプライブが始まりを告げた。

最高の仲間達と最高のライバルと。今年のガンプライブはホントに面白くなりそうだわ!

 

 

ねぇ鳴神君?

 

 

 

 

さぁ。ガンプラバトルを始めましょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 




ご覧いただきありがとうございました。
今回登場した門松さんはゲーム“ガンダムブレイカー3”に登場したカドマツさんと同じ人物です。
ガンプライブではチームA-RISEのサポーターとして登場してもらっています。
またA-RISEのメンバーもツバサ、あんじゅ、英玲奈の他にあと7人登場する予定です。
特にその中の2人はかなりマイナーな昔のマンガの最終回にチラッと登場した子供が成長したら……と言う感じの人物になります。
もし二人の名前だけでそのマンガが分かったらかなり嬉しいです。
機体名が出れば分かる人も案外多いかもしれません。
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