ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございます!

話し手は再び海未ちゃんに戻り、前回、前前回の直後からのお話しになります。


それでは、第5話「START:DASH!!」そのご。ご覧下さい!



第5話「START:DASH!!」そのご

「見えました!あれは…金色のモビルスーツ?っ!花陽!マテリアルの腕が!」

 

[[チッ!星空ァ!小泉連れて下がれ!ソイツの相手は俺がヤる!]]

 

援護に駆け付けた先で私達が見たものは、右腕を失った花陽のジム・マテリアルと、金色のモビルスーツ“百式”の猛攻から、花陽を守りながらも必死に戦っている凛のベニャッガイの姿でした。

 

その姿を見た鳴神君は即座にバックパックのバーニアを全開で噴射してザクを一気に加速させると、花陽と凛から敵機を引き離す為に右手に持ったマシンガンで金色の機体に向けて牽制射撃を放ちます。

 

[[おにーさん!海未先輩!かよちんが!かよちんが凛をかばって!凛が調子にのったせいで!]]

 

[[大丈夫だ!星空!イイ子だから下がってろ!この金ピカ百式野郎が!人の後輩に随分とナメた真似してくれやがったなぁ!小泉の命(タマ)の落とし前はなぁ!テメェの命(タマ)できっちり払って貰うぞゴラァ!]]

 

[[鳴神先輩?!だ、大丈夫ですよ?花陽、死んでませんよ?!凛ちゃんも大丈夫だからね?右腕斬られただけだから!ストレージにはまだ予備の武器もあるし、まだまだ花陽もマテリアルも戦えるよ!]]

 

「花陽!無茶はお止しなさい!いいから凛と一緒に1度下がって下さい!凛!貴女はそのまま花陽を守りなさい!すぐに穗乃果とことりもこちらに来てくれる筈です!それまでは私と鳴神君であの百式の相手をします!」

 

[[オラ!オラ!オラァァ!ちょこまか逃げんなクソがァ!さっさと堕ちろやァ!ボケェ!オラァ!死ね!死ね!死んで詫びろォ!]]

 

鳴神君…酷い言葉使いで罵っていますが、広域通信をOFFにしたままなら相手には聴こえていませんよ?

 

それにしてもまた言葉使いが完全にチンピラのソレに変わってますね。

 

花陽がやられて余程頭に来たのでしょうね。

 

ですが鳴神君。花陽を、凛を。私の可愛い二人の後輩がやられて頭に来ているのは貴方だけではないのですよ!

 

「鳴神君!こちらも攻撃に参加します!先ず先程のゲルググ同様に、その邪魔なビームライフル!狙い撃ちます!」

 

私はここまで来る間にブルパップマシンガンから持ち換えたスナイパーライフルを構えると、スコープモードを起動させて鳴神君と激しい機動戦闘を繰り広げている百式のビームライフルへと狙いを定めます。

 

[[おーらい!そっちに合わせる!カウントを!]]

 

あれ程の機動戦闘を繰り広げておきながらも私に合わせる、ですか…。

 

それでこそ鳴神君ですね。では私は私のタイミングで狙わせて貰いましょう!

 

相手の百式は先程、私が戦い撃墜したゲルググの改造機とは違い、鳴神君の牽制射撃にも恐れずにブースト機動を続け足を止める事なく動き回っています。

 

ですが、あの百式のファイターは気付いているのでしょうか?

 

アナタは上手く鳴神君の射撃を避けていると思っているのでしょうが、その動きは誘導されているのですよ?

 

そう…私の狙いやすい場所へと…徐々に…徐々に…確実に…。

 

怒っていながらも冷静に、冷徹に。そして相手の先の先までを読んでの行動…。

 

ファイターとして機体の操縦技術だけではないナニか。

 

戦術。とでも言うのでしょうか?

 

いずれにせよ、これがかつて世界を制したガンプラファイターの戦い方…。今さらながらに思い知りました。

 

歴代最年少チャンピオン“始まりの精霊使い(オリジン・エレメンタラー)”、鳴神 青空。ただのクラスメイトだと思っていた鳴神君の本当の実力を……。

 

今すぐに貴方に届くとは思いませんし思えません。私には電子精霊もいませんし、あれ程の操縦技術もありません。

 

ですが、一人のガンプラファイターとして、それでも貴方に一歩でも近付きたい。

 

私も負けてはいられませんね!

 

「カウント、行きます……3……2……1…鳴神君!」

 

[[あいよ!]]

 

私の合図に応えて鳴神君は機体各部のスラスターを巧みに使い急激な軌道変更を行うと、マシンガンから一際派手に弾丸をばらまきます。

 

突然の軌道変更と激しい射撃に百式の動きが一瞬鈍ったその瞬間、私は百式のファイターへの怒りと鳴神君への憧れの感情を無理矢理静めて、弓を射る時と同じ凪いだ心で構えたスナイパーライフルの引き金を引きます!

 

百式のファイターは私の動きにも気を配っていた様ですがが、鳴神君のザクから放たれた激しい射撃が視界を遮ってしまっている為に、こちらの狙撃を見逃してしまったようですね。

 

私が放ったビームは狙い通りにビームライフルを貫き、百式の手元で爆発させます。

 

[[ナイスショット!ホント良い腕してるねぇ!お?こっちも来たか!]]

 

ビームライフルを失った百式はバックパックにマウントしていたバズーカを取り出して私達に攻撃しようとしたのですが……

 

[[させないよ!あったれー!]]

 

駆け付けた穗乃果のエールストライクガンダムが放った無数のビームの内の1発が、百式の取り出したバズーカに直撃し、先程のビームライフル同様に手元で爆発してしまいました。

 

[[やったぁ!見てた?そら君!海未ちゃん!穗乃果のビーム、ちゃんと命中したよ!]]

 

[[おう!良くやった!穗乃果!後でなんか奢ってやる!]]

 

穗乃果は予想よりも早い到着でしたが、どうやらバードモードに変型したことりのウィングガンダム・リトルバードに運ばれて来た様ですね。

 

穗乃果とことりの到着により、これで4対1です!囲んで一気に墜としてしまいましょう!

 

[[あは♪ことりのかわいい後輩さん達に“おいた”したわる~い子にはね?特別にきっつ~い“お・し・お・きぃ♪”だよ♪]]

 

「穗乃果!ことりも!待ってましたよ…って!ちょっと待ちなさい!ことり!貴女はナニをしようとしているのですか!」

 

バードモードから再びモビルスーツに変型したことりのリトルバードが構えたバスターライフルの銃口には、あの危険な光が灯り始めています!

 

サブモニターに表示されているリトルバードの射線データ上には、明らかに私のジム・スナイパーⅡと鳴神君のザクも入っていますよ!

 

[[げ!ことりさん!ちょい待ち!当たるから!その位置からだと俺と園田さんにも当たるから!]]

 

[[もんだいなぁ~し♪そら君なら避けれるでしょ?海未ちゃんも、ちゃ~んと避けてねぇ~♪]]

 

問題無しって問題あり過ぎです!問題しかありません!

 

ス、スラスター全開です!急ぎなさい!逃げなさい!お願いだか頑張って下さい!ジム・スナイパーⅡ!

 

[[ことりちゃーん!撃っちゃだめー!そら君も海未ちゃんも早くにげてー!ことりちゃんが!ことりちゃんが狙ってるよー!]]

 

[[えい♪]]

 

えい♪って!ことり!本当にバスターライフルを発射しやがりましたよ!

 

[[マジかよ!ことりさん!マジで撃ちやがった!ちょっ!コレ間に合うのか?って!来た!来た来た来た来た来た!ごんぶとビーム来やがった!早く逃げろ!園田さん!ヤバいって!死ぬって!ことりさんに殺されるぅー!]]

 

「くぅぅぅぅ!スラスター全開ではGが、キツい!こ、ことりー!貴女!覚えてなさいよ!」

 

[[あははははははははは♪ぜぇ~んぶ!き♪え♪ちゃ♪えぇ~♪♪♪]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

[[ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いきています……。」

 

[[生きてるな……。]]

 

「鳴神君…私達はどうして生きてるのでしょうか………。」

 

[[さぁ…なんでだーろなぁ…不思議だよなぁ…。]]

 

「ですが……。」

 

[[あぁ……。]]

 

「生きてるって素晴らしい!」

[[生きてるって素晴らしい!]]

 

[[えへ♪ソラ君も海未ちゃんもごめんね?ことりちょ~っと頭にきちゃって♪つい“えい♪”って引き金ひいちゃったぁ♪]]

 

えへ♪じゃありません!えへ♪じゃ!

 

それにひいちゃったぁ♪って……ことり…エリシチの一件と言い今日の私は貴女にドン引きしっぱなしですよ…。

 

[[えっーと、鳴神先輩も海未先輩も大丈夫ですか?主に、中身が…。]]

 

花陽…中身って…貴女のその表現は何だか嫌ですね…。

 

ですが、確かに中身(私自身)は結構ダメージが大きいですね…。

 

正直、身体はそれなりに鍛えていると思っていましたが、それでも全力でブースト機動した時に身体に掛かるGはかなり厳しかったです。

 

これはバトルの練習やガンプラ作製技術の向上だけでは無く、体力トレーニングや筋力トレーニング等も必要かもしれません。

 

歴戦のファイターである鳴神君はもちろん、高機動型の機体に乗っていることりもこの急激なGに慣れている様ですが、穗乃果は身体なんて鍛えて無い筈なので怪しいものです。

 

どちらにしても身体を鍛えるのは悪い事ではありません。

 

健全な精神は健全な肉体に宿るのです!

 

そうすればきっと、鳴神君のチンピラ発言と破廉恥な所も、ことりの色ボケと危険思考と暴走癖も、穗乃果のアホも……あぁ…無理ですね……どれも身体を鍛えた程度では治りそうにありませんよ……。

 

身体を鍛えた程度であの人達かマトモになってくれるのでしたら苦労はしません。

 

と、とにかく!皆にトレーニングをする事は提案しましょう!

 

[[うわぁ…そら君も海未ちゃんもスゴいね!穗乃果はもーね?二人ともダメだなーって思ってたよ!]]

 

穗乃果…私も鳴神君も、あの瞬間はもう駄目だと思っていましたよ…。

 

私と鳴神君はどうにかことりの狂撃から逃れる事が出来ましたが、あの百式はバスターライフルの直撃で跡形も無く消し飛んでしまったようですね…。

 

果たしてリトルバードのバスターライフルの直撃を受けて生き残れる機体はいるのでしょうか?

 

恐らくは防御型に特化した凛のベニャッガイでも簡単に消し飛んでしまうでしょうね…。

 

おや?そう言えば、ベニャッガイと言えば先程から凛が随分と静かですね?

 

こんな時に凛ならばおおはしゃぎでことりのバスターライフルが欲しいと花陽にねだっているのですが…。

 

[[かよちん……ごめんね…。凛を庇ったせいで…。相手が素組だからって凛が油断して調子にのって真面目に戦わなかったから……。]]

 

[[凛ちゃん……………あのね、凛ちゃん。凛ちゃんは何時も花陽を助けてくれるよね?どうして凛ちゃんは花陽を助けてくれるの?]]

 

[[そんなの!友達だからだよ!かよちんは凛の1番大切な友達だから!だから!凛がかよちんを助けるのは当たり前だよ!友達だもん!ちっちゃい時から、ずっと!ずっーと!友達だもん!]]

 

[[うん!花陽もそうだよ?凛ちゃんは花陽の1番のお友達だよ。だからね?凛ちゃんが花陽を助けてくれる様に、花陽だって凛ちゃんを助けたいんだよ?だって、凛ちゃんは花陽の1番大切なお友達だから。]]

 

[[……かよちん…そっか…そうなんだ…そうなんだよね…でも…凛は……。]]

 

[[あー!ったく!アホ猫らしくねぇーぞ!お前はニコニコ笑ってにゃーにゃー言ってろ!そんなしょんぼりした顔すんな!これっぽっちも似合わん!それにな?こんな時、ダチなら一言言やぁイイんだ!]]

 

[[おにーさん?]]

 

[[一言だけ、小泉に言ってやれよ。“ありがとう”って、な。]]

 

[[あ……]]

 

ふふ、鳴神君もお節介ですね。最も、鳴神君が言わなければ私が、穗乃果が、ことりが、私達の誰かが必ず同じ事を言っていたのてしょうけどね。

 

これで花陽も凛も“雨降って、地固まる。”になるでしょうか?

 

[[かよちん……あのね?]]

 

[[なぁに?凛ちゃん?]]

 

[[あのね?あ、ありがとだにゃー!]]

 

[[ふふふ♪どういたしまして♪]]

 

一件落着です。

 

良かったですね。凛、花陽。

 

[[や~ん♪お友達ってイイよね!ことりも穗乃果ちゃんと海未ちゃんがだ~いすきだよ♪もちろんソラ君もだ~いすきだよ♪あ!でもね?ソラ君のだいすきは“LIKE”じゃなくて“ LOVE”だけどね♪]]

 

[[でもことりちゃん。そのお友達を巻き込んでバスターライフル撃ったよね?]]

 

[[も~♪やだなぁ~穗乃果ちゃん♪それはナニかの間違いだよ~♪]]

 

「間違い?間違いな訳無いでしょう!私と鳴神君は確かに貴女の砲撃に巻き込まれる所でしたよ!」

 

[[俺、トラウマが増えるトコだったよ……。]]

 

[[や~ん♪みんなことりを責めちゃいやだよぉ~♪責めるならぁ♪ベッドの上でお胸の先端の“ぽっち”とかぁ♪おまたの間にある大事な“あな”とかぁ、“あな”のちょっと上にあるお豆さんとかぁ♪女の子の気持ちイイとこ責めてね♪あ!ソラ君あんしんしてね?ことりの“あな”はまだ未使用の新品だよぉ♪このあと良かったら使ってみない?きゃ♪ことり、言っちゃたぁ♪♪はずかしぃ~♪]]

 

この色ボケ狂鳥娘は全く反省してませんね!

 

お説教だけでは足りませんね!さて、どうしてくれましょうか!

 

[[ふふふ!]]

 

[[あはは!]]

 

「花陽?凛?どうしました、急に笑いだして?ハッ!もしかして、いよいよ穗乃果(アホ)が感染して脳にまで穗乃果が回ってしまいましたか?ま、まさか!ことりの方ですか!ことりが感染したのでは無いでしょうね!」

 

[[ねー海未ちゃん?穗乃果が感染って、どーゆー意味?]]

 

[[ねぇ海未ちゃん?ことりが感染ってどぉーゆぅー意味かな?]]

 

[[穗乃果はアホ病で、ことりさんは狂化状態…狂ったことりさんで狂鳥病ってトコか?ヤバいな…感染しちまってたらどちらも命に関わるぞ…。]]

 

狂鳥病…。良いですね、そのネーミングは。

 

[[あ!そら君またアホって言った!だから穗乃果はアホじゃないもん!はつげんのてっかいをもとめるよ!あれ?てっかいってナニ?]]

 

[[や~ん♪ことりは狂ってなんかないよぉ~!あ!ごめん♪ウソ♪やっぱりことりはソラ君への愛に狂っちゃってるのぉ~♪]]

 

やっぱり穗乃果はアホでことりは狂ってるではないですか!

 

[[ふふふ!だ、だいじょーぶですよ!別に穗乃果先輩にもことり先輩にも感染してないですから!]]

 

[[うん!うん!ただね?先輩達見てると楽しくて、面白くて!ね?かよちん!]]

 

[[ね!凛ちゃん!]]

 

[[ホノカも同感かな?ほのか達を観てると笑えるのよ♪み~んなお笑い芸人みたい♪]]

 

[[えー!ちょっとホノカ!なにそれ!ほのか達はお笑い芸人さんじゃないよー!]]

 

[[あ"ぁ"?アホ乃果ァ!誰がお笑い芸人だって?誰が!言ったのはテメェか?小泉ィ!シバくぞゴラァ!]]

 

[[アレ?何で?急に花陽に飛び火した?!イヤイヤイヤイヤイヤイヤ!言ってませんよ?花陽も凛ちゃんも、お笑い芸人なんて、そこまでは言ってませんよ!]]

 

[[そうだにゃ!おにーさんはお笑い芸人って言うよりチンピラにゃ!かよちんをいぢめるならゴボウと一緒にキンピラにしてやるにゃ!]]

 

あら?いま、さらっとナニか混じっていた様な?気のせいでしょうか?

 

それにしても、チンピラをきんぴらにするですか。

 

凛は中々に上手い事を言いますね。うーん。ここは私も流れに逆らわずにボケておきましょうか?

 

では…

 

「上手いこと言いましたね?凛。偉いですよ。鳴神君、凛に座布団1枚です。」

 

[[園田さん?は?え、ナニ?ソレってボケてるの?いやさ、一応はツッコむけどさ、大喜利じゃねぇーよ!]]

 

[[は~い♪それじゃ次のお題は~♪]]

 

[[ことりさんもボケんのかよ!被せんのかよ!だから次のお題なんてねぇから!大喜利じゃねぇーから!]]

 

[[ねー?“おおぎり”ってなーに?新しいおにぎり?]]

 

[[おにぎりじゃねぇーよ!アホか!って、あぁ…お前、アホ乃果か。]]

 

[[穗乃果!アホじゃないもん!]]

 

[[大きなおにぎりでおおぎり……じゅる…。]]

 

[[どう見てもアホだろ!ってか!小泉ィ!テメェもか!大喜利は喰いモンじゃねぇーからな!]]

 

[[もうグダグダだにゃ!]]

 

[[アホ猫にだけは言われたくねぇー!]]

 

<<皆様。ご歓談中に失礼いたします。こちらのレーダー圏内に新たな敵機が侵入して参りました。ウィットなジョークの応酬もよろしいのですが、そろそろ迎撃なり撤退なりの準備をオススメいたします。>>

 

<<ほのかー。てきがくるよー。>>

 

[[がぁぁぁ!クソ共が!こうなりゃヤケだ!逝くぞテメェ等!全機まとめて残らずキッチリと!完璧にブチ殺す!]]

 

[[やっぱりgdgdだにゃ!]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんかラストの方でスゲェ疲れた……。」

 

バトルロイヤルが終了した私達は、出撃前に花陽と凛が確保していたレストコーナーのテーブルを再び占拠して、みんなでお茶を楽しみながら反省会を開いています。

 

そんな中、私の隣に座った鳴神君は、コーヒーの入った紙コップを片手に愚痴をこぼしながらテーブルに突っ伏してだらけています。

 

まぁ、確かにあの百式との戦闘以降は常にことりの狂撃に怯えながらの戦闘になりましたので仕方ありませんけどね。

 

ちなみに本日のそれぞれのお茶とそのお供は、穗乃果がカレーパンとメロンソーダ、ことりがティラミスとミルクティー(ホット)、花陽はおにぎり(鮭、おかか、昆布、梅、ツナマヨ)と緑茶、凛は豚骨ラーメン(大盛り)と餃子と炒飯とコーラ、鳴神君は何時ものブラックコーヒー、そして私が黒糖カステラと緑茶です。

 

穗乃果のカレーパンはまだなんとかおやつの範疇に入らなくもないですが、花陽のおにぎり×5コと凛のラーメンと餃子と炒飯に至っては、もうそれはおやつでは無いとか、今さら突っ込みませんよ。

 

と、言いますか、花陽と凛は夕飯前のこの時間にそんなに食べて大丈夫なのでしょうか?

 

貴女達、太りますよ?

 

そして代金はもちろんサポートAIのマージンで懐に余裕のある鳴神君持ちです。

 

鳴神君、今日もご馳走さまです♪

 

「そうですね…。あの百式との戦闘以降は、何処かの誰かの頭の可笑しい射撃に怯えながらの戦闘になってしまったので、体力的にはまだ余裕でも精神的にナニかがガリガリと削られて疲れてしまいましたからね…。」

 

「えぇ~ソラ君も海未ちゃんもアレくらいのバトルで疲れちゃダメだよぉ~!このあとみんなで一緒にキモチイイことしにイクんだからぁ♪ハッスル♪ハッスル♪みんな!夜はまだこれからだよぉ♪ホラ♪ソ~ラ君♪勃って勃って♪」

 

「今日はマジで帰って寝たい…。勃つには勃つけどなんか今日はヤりたくない…。いやらしい事よりも今は癒しが欲しい…。」

 

エロ全開で生きている様な鳴神君がこの有り様とは…。

 

なんだか見ていて憐れですね…。

 

頭でも撫でてあげましょうか?

 

「ことり。お願いですから行くなら貴女だけで行きなさい…。大体、鳴神君と私がこんなに疲れきっているのは誰のせいだと思っているのですか!だ!れ!の!」

 

「えぇ~?ことりわかんな~い?う~ん?穗乃果ちゃんのせいかな?」

 

「えぇー!なんでー!穗乃果のせい?穗乃果、今日はちゃんと戦えたよー!海未ちゃんの狙撃の邪魔もしなかったし、そら君ともちゃんと一緒に戦えたよー!」

 

「あー、そういやぁ今日の穗乃果は結構イイ動きだったな。だいぶエールストライクの特性も掴んで来たんじゃねぇーか?」

 

「そうですね。確かに今日の穗乃果は無駄な突撃も無く安定していましたね。鳴神君との連携も問題無いかと思いましたし。ですが良かったですね、穗乃果。もし今日も無駄に突撃して私の射線に出て来ていたら、ことりみたいに思わず引き金を引いてしまっていたかもしれません。」

 

「海未ちゃん!こわいよ!そう言えば海未ちゃん、おとといも穗乃果のこと狙ったでしょ!」

 

「さぁ?何の事でしょうか?私には覚えがありませんが?初めてのガンプラバトルなのに私を放置していきなり突撃して行った穗乃果にイラっとして思わず後ろから狙ったなんて、そんな事はこれぽっちもありませんよ?たぶん。それに私はまだことりよりは怖くは無いと思いますが?」

 

「だな。笑顔でこっちを巻き込もうとすることりさんの方が断然怖ぇーよ。」

 

「穗乃果はどっちもこわいよ!」

 

「や~ん♪穗乃果ちゃ~ん♪ことりはこわくないよぉ~?ほら♪かわい~かわい~ことりちゃんですよ~♪ちゅんちゅん♪」

 

「ことり先輩…。確かに可愛いですけど…。萌え萌えですけど…。」

 

「どんなに萌えてもことり先輩は肉食の鳥だにゃ。近付くと貪られるにゃ。」

 

「やれやれですね、全く…。ですが、今日のバトルロイヤルは中々に実りのある練習になりましたね。私と穗乃果は宇宙での初戦闘も経験しましたし、4人での連携も確認出来ましたし。」

 

百式との戦闘以降は確かにことりの狂撃に怯えながらの戦闘になりましたが、4人で連携しながら戦う事が出来ました。

 

基本的には、汎用性の高い穗乃果のエールストライクとファイターとして圧倒的な技術を持った鳴神君が操るザクⅡF2型が前衛、狙撃を得意とする私のジム・スナイパーⅡが後衛、機動性と火力に優れることりのウィングガンダム・リトルバードが遊撃としてフォーメーションを組んでいました。

 

問題は穗乃果の突撃癖とことりの暴走でしたが、今回は鳴神君がしっかりと穗乃果を抑えてくれていたので、ことりの暴走にのみ気を付けていれば何とかなったので助かりました。

 

前衛に鳴神君が加わるだけで、一気に安定して戦える事が出来ましたね。

 

「あの、そう言えば先輩達って土曜日の音ノ木坂商店街の公式戦に参加するんですよね?チームの名前ってもう決めたんですか?」

 

「「「「チームの名前?」」」」

 

「アレ?もしかしてまだチーム名決めてないんですか?公式戦は土曜日ですよ!前日、つまりは明後日の金曜日までに参加登録しなきゃダメなんですよ!」

 

チームの名前?そんな話は聞いてませんよ!

 

「あのね!名前なら穗乃果が…」

 

「は、花陽?その、チームの名前って何ですか?」

 

「えぇー!海未先輩、ホントに知らなかったんですか?!アレ?ことり先輩なら知ってると思ってたんですが…。」

 

「あはは…。ことり、リトルバードの改修とみんなのバトルコスチュームの事で頭がいっぱいで、チーム名の事なんてすっかり忘れてたよ…。」

 

「ねぇー!みんな聞いてよー!チームの名前なら…」

 

「ことり先輩…。あ、でもバトルコスチュームは準備してあるんですね。スクールファイターと言えばやっぱり可愛いかったり格好いいバトルコスチュームですよね!今回の衣裳はどんな衣裳にするんですか?」

 

はい?ばとるこすちゅーむ?ま、また私の知らない単語が…?

 

「あぁ…。バトルコスチュームってアレだろ?コスプレみたいなヤツ。だから昨日ことりさんが妙にエロい手つきで俺のサイズをアチコチ計ってたのか。あー、ことりさん?造って貰っといて何だけどさ、俺もあんな派手なヤツ着なきゃダメなのか?似合わねぇだろ。」

 

「えぇ~♪だいじょ~ぶだよ!ソラ君ならナニを着ても似合うと思うよ♪でもソラ君ならそう言うと思ってたから、ソラ君用の衣裳はそこまで派手な衣裳にしなかったから安心してね♪」

 

「だからみんな穗乃果のお話しも聞いてよー!」

 

「お、そりゃありがたいね。ちなみにことりさん、俺の衣裳ってどんなのよ?」

 

「花陽も気になります!ことり先輩!ぜひ教えてください!」

 

「えへへ♪え~っとね?今回のソラ君のバトルコスチュームはね?ちょっと普通なんだけど、いつもソラ君がザク使ってるからジオン系の軍服をモチーフにして造ったんだ♪もちろんファーストのピッタリしたヤツじゃないからね?色はソラ君がスキって言ってた暗めの緑色がメインだよ♪ホントは和装っぽいのに陣羽織もカッコイイかな?って思ったんだけど、今回はあんまり時間ないから一般的なヤツにしたの。キッチリ着ても似合うけど、ちょっと着崩して着てくれたらソラ君らしくてきっともっと似合うと思うよ♪」

 

「鳴神先輩に着崩した軍服ですか!うわぁ!うわぁ!そ、それは確かに鳴神先輩に似合いそうですね!先輩!あとで写真撮らせて下さいね!」

 

「もーいいもん!せっかく穗乃果が…」

 

「おにーさんはチンピラだから軍服着たら兵隊ヤクザだにゃ!鉄砲玉だにゃ!」

 

「おいコラ、アホ猫。誰がヤクザだ!誰が鉄砲玉だ!ってかなんでアホ猫がそんな昔の映画知ってんだよ?お前、ホントに高校生か?年齢詐称してねぇーだろーな!」

 

「凛はアホ猫じゃないにゃー!年齢詐称もしてないにゃ!そんなコト言うチンピラゴボウは引っ掻いてやるにゃ!シャァー!」

 

「おい!コラ!暴れんなアホ猫!イテ!引っ掻くな!つーか噛むな!」

 

はっ!一瞬ですが思考が停止していました!

 

チーム名はまだ分かりますのでとりあえずは置いておいて、今はまずバトルコスチュームなる物から片付けましょう!

 

「あの!ちょっと待って下さい!チーム名はまだしも、バトルコスチュームって何ですか!私はそんな話は聞いてませんよ!」

 

「ん?あぁ、やっぱ園田さんは知らねぇよな。あー、バトルコスチュームってのはスクールファイター独自の文化でさ、公式戦に出る時に着るまぁ所謂は勝負服ってトコかな?ガンプライブの公式ルールにバトルコスチューム着用って規定は無いんだけど、普通の制服とかで出るとヒデェ時にはブーイングの嵐になるんだよな。」

 

はぁ?!し、勝負服?

 

「ん~、言葉で説明しても分かりにくいかな?やっぱり画像とか動画で見た方がはやいよね♪花陽ちゃ~ん♪参考資料おねがいね♪」

 

「はい!ことり先輩!えーっと…ちょっと待って下さいね………あ、これですね。海未先輩、ちょっとこの動画見てください。」

 

花陽はことりに指示されて自分のノートPCをぽちぽちすると、その画面を私に見せて来ました。

 

どれどれ?

 

………………………………………………………………………………………………………は?

 

「な、なんですか!これは!こ、こんな格好、本当にみんなするんですか?」

 

花陽が見せてくれたノートPCの画面に映し出されていた動画には、様々な色とりどりの鮮やかできらびやかなコスチュームに身を包み、その手にガンプラを持った私達と同年代の女の子達が映っていました…。

 

その手に持っているガンプラは分かりますよ?ガンプラは!私達が出場しようとしているガンプライブはガンプラバトルの高校生大会なんですから!ガンプラバトルにガンプラが無ければ始まりません!

 

問題は参加して居るスクールファイター達が身に纏っているそのコスチュームです!

 

「本当になんなんですか!これは!え?もしかして私もこんな短いスカートや露出の多い衣裳を着るんですか?ちょ!この衣裳なんて下着のラインが見えてますよ!こ、こちらの子はブラの紐があんなに!あ!良かった…こちらの子は可愛いらしい衣裳ですね。これくらいの衣裳なら私でも…って!フリフリ?!やっぱり無理です!私がこんなフリフリの衣裳とか無理がありますよね!似合わなすぎです!絶対に無理です!こんな露出過多の衣裳やフリフリの衣裳なんか着たら私は恥ずかしすぎて死にますよ!死ねる自信がありますよ!こんなモノ着て人前に出たら爆散しますよ!飛び散りますよ!」

 

そう!殆どの衣裳が露出過多な物やスカートの丈が極端に短い物など、それは公共良俗的に本当に人前に出ても良いのですか?と言いたくなる衣裳だったのです!

 

「うわぁ~い。海未ちゃんが飛び散ったらお掃除が大変そうだね~♪ホントに飛び散るか試しにスッゴいえっちな衣裳にしちゃお~か♪」

 

「おぉ!イイじゃん!イイじゃん!園田さんのエロい衣裳!園田さんならエロい格好も似合うって!真面目な和風美少女のエロい格好だぞ!やっべ!超興奮してきた!ことりさん!俺に提案が!園田さんの衣裳はボンテージとか紐みたいな水着にしよーぜ!ヒャッハァー!今日はクソ女の嫌味やらエリシチやら味方の砲撃に怯えながら戦ったりで色々とボロボロだっけどさ!最後の最後にキター!俺の癒しはココにあったんだ!園田さん!エロい格好で俺を癒してくれ!」

 

ボンテージ?!紐みたいな水着?!鳴神君は私にナニを着せようとしているのですか!

 

とりあえずは!

 

「黙りなさい!変態!珍しく萎れていたので少しは優しくしてあげようかと思いましたが!もう止めました!さぁ!脱ぎなさい!この場で全部脱ぎなさい!今すぐその股の間にぶら下げている不要な物体をもぎ取って!2度と破廉恥な事を言えない身体にしてあげます!ついでに貴方の人生も終わりにして差し上げます!覚悟しなさい!」

 

「海未先輩!落ち着いて下さい!鳴神先輩も流石にボンテージは…アレ?海未先輩にボンテージって案外似合いそうですね?」

 

「でも紐水着はないにゃ。」

 

「ぜぇぇぇぇぇぇったいに!私は着ませんからね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました!

真姫ちゃんは見せ場も無くことりさんの狂気に飲み込まれてしまいました…。
次回は…まだ未定だったりします。
急遽、妹の大学のレポートを手伝う事になってしまい、次回まで少し時間が空いてしまうかもしれません…。
可能価な限り早く更新出来る様に頑張りますので、次回もよろしくお願いいたします!

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