ポケットモンスター〜こんなピカチュウは嫌だ〜   作:ディア

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前回は張り切りすぎた…文字数が大幅に減りました。


第2話

ニビシティ。そこは石の町と呼ばれるほどの観光名所であり、ジムリーダーのタケシも岩タイプのポケモンの使い手だ。

「よく来たなチャレンジャー」

タケシの声がジムに響き渡り、サトシはそちらの方向へと向く。

ちなみに道中、サトシはキャタピー(今はバタフリー)とピジョンを捕まえており、手持ちは三体となっている。

「誰だ?」

「俺の名前はタケシ……ここのうぉぁっ!?」

タケシがカッコつけて前へ出るとあるものを見て、腰を抜かしてしまう。

『サトシよ。ここのうぉぁっ!? とはなんぞ?』

その元凶である筋骨隆々のピカチュウことYTPは首を傾げサトシに尋ねた。天然である。

「そんな言葉はないよ!」

『やたら不機嫌だな……やはりあれか?サトシが自転車に乗った女と旅をするフラグをへし折ったのが原因か?』

 

「違う! そんな理由じゃない! というかそれはお前が原因だろ!? だいたいポケモンなのになんでモンスターボールの外に出ているんだよ!?」

『外の空気の方が好きだからだ』

「普通のピカチュウならそれでもいいかもしれないけど、お前は違うだろ!? 目に毒なんだよ! 実際自転車のあの子もそうだったじゃないか!」

『なら目にしなければいいだけのこと。あの娘も見なければよかったのだ』

「ポケモン達は目にしなかったけどな! おかげでトキワの森のポケモンがほとんど逃げちゃって二体しかポケモン捕まえられなかったんだぞ! ロケット団にはしょっちゅう絡まれるし、街の人から白い目で見られるしで最悪だよ……」

『ならばとっととポケモンリーグ戦に参加して優勝することだな。そうすれば自ずと答えが見えてくるであろう。それにロケット団に絡まれたおかげでキャタピーはバタフリーに進化したではないか。何も悪いことばかりではない』

「あ〜も〜! ああ言えばこう言うんだから!」

 

「なんか苦労しているんだな?」

「ほっといてくれよ!それよりもジム戦をやろうぜ!」

「…………………………………………………………………………………………………………もしかしてそのピカチュウ?も使うのか?」

「当たり前だろ? それ以外何があるっていうんだ?」

「いや二対二のルールだから、トキワの森で捕まえたポケモン二体を出すんじゃないかって思ってな?決してそのピカチュウが怖いわけじゃないぞ?」

「だってよ? ピカチュウ、良かったな。今までロケット団相手にしか出来なかったけど思う存分暴れられるぞ」

『そのようだな』

YTPが前に出るとタケシは絶望した。ここで「ピカチュウ抜きでやらないと勝ってもバッチをあげない」という手段を使えば弟達からは冷たい目で見られるだろう。それどころかジムそのものも潰れかねない。泣く泣くタケシはイシツブテを出した。

 

「ルールは二対二のシングルバトル。これよりジムリーダータケシ対マサラタウンのサトシのジム戦を行う!」

しかしそれでもジムリーダーの役割を果たすあたりタケシはジムリーダーの資質はあるのだろう。

「はじめっ!」

そして審判の声が聞こえ、タケシはジムリーダーらしい目つきに変わった。

「イシツブテ! 体当たりだ!」

イシツブテの体当たりは相当強力なものだ。少なくともサトシのポケモンであるバタフリーやピジョンの攻撃などよりもはるかに大ダメージを受けさせる。

『無謀にも我に挑んできたことは褒めてやろう』

そしてYTPが褒め、イシツブテを見る。

 

『北斗破流掌!』

判定の基準が狂ったカウンター技がイシツブテに炸裂し、イシツブテは壁際まで吹き飛ぶ。

「イシツブテ! 体勢を整えて避け……」

『北斗無想流舞!』

タケシが指示を出そうとした瞬間、ナギッ、という音が聞こえ、イシツブテの前にワープした。そのスピードはテッカニンすらも超えるっ! そしてそのスピードでイシツブテを蹴りで救い上げ上空へと移動させる

「は、はや……」

『天翔百烈拳!』

そしてそのままイシツブテをタコ殴り!イシツブテの体力は尽きようとしていた。

 

だがしかし、そんなイシツブテに朗報だ。イシツブテは拳の嵐から解放され下へと落ちていく。いくらポケモンであっても技を出した直後であれば隙が生まれる。その時が来たのだ。

 

『北斗無想流舞!』

しかしそんな朗報はなかったかの如く、YTPがイシツブテの前にワープする。そして再び蹴り上げる!

 

「ああぁ……」

タケシはイシツブテが虐殺される姿を黙って見ているしかなかった。しかし、タケシはふと気づく。イシツブテのモンスターボールだ。イシツブテを元に戻してしまえばイシツブテの苦しむ姿を見なくて済む。

「戻れーっ! イシツブテーっ!!」

そしてタケシはイシツブテを元に戻した。

 

そしてタケシは閃いた。イシツブテがひんしになった──実際にはすんでのところでセーフ──にも関わらず、攻撃し続けたことを口実にYTPを出さないようにする。それがダメならば条件付きで失格にさせてしまえば大人しくなるだろうという考えだった。

 

「サトシ! ピカチュウの育成がなってないぞ! もしピカチュウがトレーナーの指示なく勝手に動くようであれば問答無用で失格にする!」

「な、なんだって!?」

「いいな! それと北斗やらなんやらふざけた技を使っても同様だ! ちゃんとポケモンの技を使え!」

有無を言わさずタケシはもう一つのボールに手をつけた。

 

「行けっイワーク!」

いわへびポケモンイワーク。タケシの切り札であり、その体長は4mを超える。数々のチャレンジャーをこのポケモンで返り討ちにしていた。だが今度ばかりは違う。イワークがここまで頼りなく見えるのは間違いなく目の前にいるYTPのせいだろう。

 

『北斗神拳がダメならば南斗聖拳もダメそうだな。となればサトシ、適当に指示しろ』

「ええっ!? 指示しろって言われてもどんな技を覚えているのか知らないし!」

『時間がないから四つだけ教える。でんこうせっか、じしん、でんじほう、かみなりパンチだ。これらは全てポケモンの技だから安心しろ』

「わかった。それじゃあ、で……いや、やめた」

サトシは一瞬でんじほうを選ぼうとしたが首を振った。こんな狭いところででんじほうを放てばジムが吹っ飛ぶのは予想がつく。

でんこうせっかはイワークを轢き殺す映像しか映らない

じしんに至ってはもはやニビシティ崩壊となりかねない。

そうなるとかみなりパンチがいい。一応物理技であり相性も最悪なので防御が高いイワークならば比較的マシな被害に収まるだろう。サトシはそのことに気がついていないが直感でそれを感じ取りかみなりパンチを選んだ。

 

「ピカチュウ!かみなりパンチだ!」

『了解だ!』

そしてYTPがイワークに向かって猛ダッシュ!

『我が拳の恐ろしさをとくと味わえ!』

雷の拳がイワークを捉え、吹っ飛ばす!

 

ハンマー投げのハンマーの如くジムの外へ飛んでいったイワークはある場所に着地した。

「ん? 何よあれ?」

「あれはイワーク?」

「こっちに飛んでくるニャー!」

それは落とし穴を掘っている最中だったロケット団だった。

「ぐぉぉぉーっ!?」

イワークはロケット団を下敷きにして落とし穴へとはまった。

 

「勝負あり!」

もはや何が何だかわからない。しかしサトシは一つ目のバッチを手にしてポケモンリーグへと一歩近づいた。

 

がんばれサトシ!ポケモンリーグで優勝すればYTPともサヨナラバイバイできるぞ!

 

「……あれ?わしの出番は?」

その頃、岩を売っているタケシの父がそんなことを呟いたそうな。

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