ポケットモンスター〜こんなピカチュウは嫌だ〜   作:ディア

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ようやく書き終わった……今回の話はメタシーンがあります。


第8話

サトシ達がセキチクジムを出てからヒトカゲがリザード、リザードンに進化した。当初こそ言うことを聞かなかったがYTPの私怨入り混ぜた教育(でんじほう)のおかげでサトシの命令を聞くようになり何一つ問題なくグレンジムまでたどり着く。

 

「やあサトシ君じゃないか。そっちのピカチュウも相変わらずだね」

そこにいたのはグレンジムのジムリーダーではなくサトシの同郷かつオーキドの孫、シゲルだ。この小説では初めての出番だが何度もサトシと旅の先で出会っている。

「シゲル……もうジム戦を終えてきたのか?」

「知らないのかい? グレンジムは休業中だよ」

「ええっ!? それは本当か!?」

「どこかの誰かがタマムシジムをぶっ壊したから、その犯人を懲らしめる為に修行に出ているらしいよ」

「どこかで聞いた話よね。たしか壊した犯人はMタウンのS君だとか」

「そうそう、筋骨隆々のピカチュウ連れたポケモントレーナーらしいな」

「俺がやった訳じゃないのに!」

三人がジト目でサトシを見つめるとその視線に耐えきれなくなり、大声を上げるサトシ。

 

「そうか、君が例の迷トレーナーサトシか」

後ろから声をかけられ、サトシ達が振り向く。そこには歴戦の傷を負った老人が一人。サトシ達は直感した。この男こそがジムリーダーなのだと。

「もしかしてグレンジムのジムリーダー?」

「いかにも。儂がグレンジムのジムリーダーカツラだ」

厳格な声がサトシ達にプレッシャーを与え、硬直させる。これが本当のジムリーダーなのだと。

「ついでにこの髪もカツラだ」

先ほどの厳格さはどこへやら。カツラがお茶目な声でヅラをはがすとサトシ達が寒さの余り硬直してしまう。

 

「はっはっはっ。どうだね? 儂のギャグセンスは?」

「何て言うか寒いです」

「な、なんと!? 修行で鍛えた儂のギャグが逆に劣化しているじゃとぉぉっ!?」

「それも寒いです」

「くっ、仕方ない。その寒さを燃えたぎるような儂の炎で燃やしてくれる……! 着いてきなさい」

カツラがジムの中に案内するとB4サイズの紙が置かれた部屋だった。

「君達、挑戦者にやって貰うことはこのペーパーテスト。このペーパーテストで合格できなければこのグレンジムに挑戦することは出来ない」

シゲルが意気揚々としている一方、サトシが絶望に暮れる。それというのもサトシはこの手の問題はかなり苦手であるからだ。

「あの私はジムに挑戦した訳じゃなくそこのサトシの監視なんですけど」

「俺もです。カツラさん」

カスミとタケシが手を上げ、テストを拒否しようとするとカツラが首を横に振る。

「まあ受けてみなさい。このテストでどれだけポケモンのことを知っているか自覚出来るぞ」

「そういうなら……」

「仕方ない。受けるか」

「それでは試験開始!」

カツラの合図と共にペーパーテストが始まった。

 

 

 

【第一問 グレンジムは炎タイプのジムである。炎タイプの弱点は地面、岩の他に氷タイプである。イエスかノーかで答えなさい】

 

「それくらいわかんなきゃダメだって」

「こんな問題、僕を舐めているのかい?」

「常識よね」

「これがわからなきゃ一からやり直せと言ってやりたい」

 

【第二問 炎タイプのポケモンを6種類以上答えなさい】

 

「これも簡単」

「楽勝だね」

「まあ出来るよね」

「これくらいは常識だな」

 

【第三問 天気が快晴の時、威力が強くなるのはソーラービームである。イエスかノーで答えなさい】

 

「え、なにこれ? ソーラービームの威力強くなるの?」

「これもまあ出来るね」

「うっ、難しい……」

「トレーナーの常識だな」

 

【第四問 性格補正がないのは次のうちどれ?】

1.むじゃき 2.しんちょう 3.てれや 4.おくびょう

 

「……」

「ポケモンによって個体差かあることはお祖父様が言っていた気がするけど性格も関係あるのかい?」

「ダメ、全然わかんない」

「他の性格で補正がかかると考えると……これだな」

 

 

 

そしてテストが終了する。

「はい。そこまで。テストを回収する。ほほう。サトシ君50点、シゲル君50点、カスミ君50点、タケシ君100点。ということで全員合格じゃ」

「……はい?」

「このテストの赤点は30点つまり二問以上正解すれば問題ないわけじゃ」

「解説はこの通りじゃ。それを見終えたら着いてきなさい」

カツラが全員に解答を渡し、解説を省く。そして全員にジムを案内する。

 

「諸君、よくぞここまで試練を突破した。君達は儂が出した最初の試練を突破した為グレンジムのジム戦を受ける資格を得た」

カツラが出会った当初のように厳格な声を出し、ジム戦を宣言した。

「カスミ君とタケシ君は辞退するようなので見学になる。しかし君達二人はどうかな? 本当にやるのか?」

「もちろん!」

「当たり前だぜ!」

「その意気や良し! 今回君達のジム戦は同時に行う」

「それってダブルバトルですか?」

「いや儂の代わりのトレーナーが君達のうち一人と戦うんじゃよ」

「ジムリーダー代行?」

「その通りじゃ。儂の代わりのトレーナー、そいつはミュウツー」

カツラがマスターボールからミュウツーを出すと異様な空気が漂い、シゲルが凍りつく。

「こいつは?」

「ミュウツー。かつてとある科学者がミュウの一部から作り出したとされているポケモンじゃ」

「科学者が産み出したポケモン……!?」

「もっとも、ポケモン研究の第一人者と知られているオーキド博士がポケモンを研究する前からミュウツーが存在していることからその根拠は薄い。そのポケモン図鑑にもミュウツーのことが書かれているじゃろ?」

カツラがそう告げるとサトシとシゲルがミュウツーに図鑑を向ける。そして無機質な音声がミュウツーの解説をした。

「ほ、本当だ……」

「さて儂とミュウツーどちらを相手にしたいか選びたまえ」

『サトシ。ここはジムリーダーの方を選べ。ジムリーダーの方が強敵であるからな』

YTPがそう助言し、サトシを誘導させる。

「わかった。……俺はカツラさんでお願いします」

「それじゃ僕はあのミュウツーと対戦させて貰うよ。ポケモンであってもジムリーダー代行を任された実力を見てみたいしね」

『それでは向こうのスタジアムにテレポートするぞ』

ミュウツーが念波でサトシ達にそう伝えるとシゲルとミュウツーが消えた。

 

「さて、これよりマサラタウンのサトシとジムリーダーカツラのジム戦を行う。ジムの規約に乗っ取りお互いに、出すポケモンは六体、ポケモンが所持している以外のアイテム使用不可となり、儂のみポケモン交換不可能となる。承知したな?」

「はい!」

「では行ってこいファイヤー!」

カントーの伝説のポケモンの一匹、ファイヤーがその場に現れサトシとYTP以外全員が目を見開く。

「これがファイヤー……!」

「凄まじい威圧感だ!」

ファイヤーの威圧感に呑み込まれ、息を飲むカスミとタケシ。だがサトシは冷静だった。

「ピカチュウ、でんじほう」

『了解』

YTPのでんじほうが放たれて、それを直撃したファイヤーが倒れる。あまりにもあっけない幕切れだった。

「いくら効果抜群の技とはいえ小手調べにもならないか……仕方ない。ならばこのポケモンはどうじゃ!」

カツラが次に出したポケモン。それはサトシが初めて幻想的に見えたポケモンだった。

「このポケモンは……!?」

「ホウオウ。ジョウト地方の伝説のポケモンじゃな。ちなみに次に出すポケモンもジョウト地方のポケモン──」

「ピカチュウ、でんじほう」

またもや一撃。伝説のポケモンがあっさりこんがりとでんじほうによってやられる姿を見てカスミとタケシが唖然としてしまった。

「人の話は最後まで聞かないといかんなぁっ!」

カツラが取り出したポケモンはエンテイ。これもまた(以下r)

 

そしてエンテイやレシラム、そしてビクティニなど他の地方の伝説のポケモン達を全て一撃で倒してしまい、残された一頭ゲンシグラードンがその場に立っていた。尚、レシラムを吹き飛ばした際にロケット団三人が巻き込まれたのは言うまでもない。

「フハハハ! これならでんじほうでは倒せまい! 何せゲンシグラードンは地面タイプなのだからなぁ!」

YTPのあまりの強さにキャラがぶっ壊れ、カツラが高笑いをしながら指を差す。

「ねえ、タケシ。サトシのピカチュウってあんたのイワークをかみなりパンチで倒してなかった?」

「そう言えばそうだな……ってなんでそんなことをカスミが知っているんだ?」

『カスミは出会った当初の我々をストーキングしていたからな。そのくらいのことは知っている』

YTPがカミングアウトすると信じられないものを見たような顔でタケシがカスミを見る。

「それは本当か? カスミ」

「こいつらに自転車を壊されたからね。その弁償をしてもらおうと尾けていたのよ」

「あー、うんなるほど。よくわかった」

その答えに納得し、タケシは頷く。

 

「ピカチュウ、じしん」

『むぅん!』

そしてサトシの合図により地面を殴りつけ、じしんを無理やり起こすとゲンシグラードンが倒れた。

「じ、じしんじゃと……? 何故ピカチュウがそんな技を身に付けられるんじゃ」

『今のをみてわかるだろう。ピカチュウという種族は基本的になみのりやそらをとぶを覚えられぬが中には例外がいる。なみのりを覚えているピカチュウもいるし、そらをとぶを覚えているピカチュウもいる。我の場合はじしんをも覚えているピカチュウだっただけのこと』

「そんなピカチュウがいるのか……あってみたいな」

『あまり期待しない方が良いぞ。我のように道具を使わずその技を発動させているわけではない』

「どういうこと?」

『我以外のピカチュウはサーフボートに乗ってなみのりをしたり、風船を使ってそらをとぶをする。あんなもの技とはいえぬ。ただの曲芸よ』

「だったら尚更だよ。そんな曲芸じみたピカチュウなんて滅多に会えないしな!」

「なあカスミ、北斗神拳を使っているピカチュウも曲芸染みているとは思わないか?」

「その前にあのピカチュウ、なみのりもそらをとぶも使えるのかしら?」

タケシとカスミの二人がひそひそと小声で話す。その会話が聞こえたのかYTPが振り向いた。

「出来るぞ。このようにな」

空を歩き、実演してみせるYTP。あまりのバグ具合にカスミとタケシは頭を抱える。

 

「……これだけやっても無理か。仕方ない、これを受け取ってくれ」

カツラがバッチを取り出し、サトシにそれを渡す。

「7個目のバッチゲットだぜ!」

カントーリーグ出場資格を得るまで後一つとなったサトシ。次のジムに向かうのであった。




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