ここは、丘の上にある家。木組みの家があるその丘は、この大きな島の名物となっている。彼は有名であり、魔物から島を救っている為、英雄等と慕われている。最も、本人は否定しているが。
その家に、手紙を加えた鳩がやって来た。家の窓に泊まり、そして彼はそれを取る。鳩はまた飛んでいった。青年は手紙を開く。
「カムイさんが、学校を。成程、あの人らしい」
青年は手紙を戻し、手紙を机の引き出しにしまう。青年は歩き、外に出る。外には黒い竜が佇んでいた。
「ラーシュ」
青年は竜の名を呼ぶ。竜は青年の元に向かう。
「どうした」
「知り合いの方にある所に招待されてね?それで、そこに行くからラーシュも来て欲しいんだ」
「分かった、ついて行こう」
ラーシュの了解も取れた。後は支度をするだけ。
「して、何時に行く?」
「入学式が1週間後にある。その日に行こう」
「了解した。この島とも離れるのか」
「ずっとじゃないさ。またここに戻るよ。僕はこれから町長に話してくるから、留守番をお願いしてもいいかな?」
「うむ、行ってこい」
僕は、街に向かい歩きだした。
「準備はいいのか?」
「うん、荷物も纏めたし、行こうか」
「そうか、では行くぞ!」
バサッ!と、2対の翼を展開し、僕はラーシュの背に乗る。ラーシュは勢いよく飛び出す。アラマキ島にある、茶熊学園を目指す。色々な島や魚、鳥などもいる。
「島にいた時は分からなかったけど、色々な発見があるね」
「そうだ、世界には沢山のことがある。お前はそれを知るべきだ」
ラーシュと楽しく、何気ない会話をしていると、僕らの目の前に、それは現れる。
「あれは、まさか」
「ラーシュ」
「ふっ、笑止!任されよ、我が主よ!」
「あら〜?これはこれは、お久しぶりですね〜?」
「っ、ピエロ」
カムイside
「これからきっと、各々、様々な壁にぶつかることでしょう」
「ですが忘れてはなりません。ここには仲間がいるのです。仲間を信じ、己を信じ、1歩ずつ前進していってください」
「みなさんが実りある学生生活を送れることを願っています」
「学長式辞でした」
体育館では大勢の拍手が上がった。
「うむうむ、カムイにしてはなかなかいい挨拶だったわね」
「汗」
白い猫がそういうと、赤髪の少年は苦笑していた。
「では次に在校生を代表して」
「おっ?」
「ヴィルフリートさんにあいさつをお願いしていたのですが……」
「……いないようですので、在校生代表、ソウマさん!」
「はい!」
黒髪で整った顔立ちの少年が、壇上に上がる。
「新入生のみなさん、入学おめでとうございます。在校生一同より心から歓迎いたします」
「この学校は『学び』の場です。集う者に、隔たりはありません」
「上下の区別なく、お互いに刺激し合い、支え合い、そして成長し合う、私にとってそういう場となりました」
「みなさんにとって、そんな学び舎となりますように、在校生代表、ソウマ・ホクト・バスクナ」
またもや大きな拍手が上がった。
「ソウマさん、立派ね♪」
「♪」
「ハイ、ソウマさんでした。学長よりも学長っぽかったですね。なんつっててね!」
「え〜、ハイ。それはそれとして次のプログラムに移ります」
「新入生代表あいさつ、主席、ハイセ・ササキさん」
だが、その者は、壇上に上がって来ない。
「あ、あれ?ハイセさん?ハイセさーん!?」
体育館の中もざわざわしだした。何故いないのか、どこにいる、等と言っているからだ。
「どうしましょう、まぁ、遅刻のようですので、先に生徒k「遅れました!本当にすいませんでした!」あっ、ハイセさん!ちょっとちょっと、遅刻するなんてどうしたんですかって、本当にどうしたんですかー!?」
体育館の中央の道を歩く青年、皆が注目する。それもその筈、来ている白いロングコートはボロボロ、顔にも多少の傷があったからだ。幸いなのか、中のスーツは無事な様だ。
「本当に申し訳ありません、道中、戦闘をしていたもので」
「ん〜、まぁいいでしょう。ハイセさん、貴方が主席です。なので、あいさつをお願いします」
「分かりました」
青年は壇上のマイクに向かい、話し出す。
「みなさん、初めての方は初めまして、知ってる方はこんばんは、ハイセ・ササキです。ちょっとゴタゴタしていて遅れましたが、あいさつをさせて頂きます」
「ここは冒険者を育成する学び舎、幾ら戦いを知っていても、皆さんの知らない戦い方、戦法、この学校では教えてくれます」
「僕も知らないことがあります。当然僕も学びます。ですが、これを機に、皆さん、一緒に学び、強くなりましょう。これで終わります」
ハイセが話を終えると、拍手が上がる。壇上を降りると、知った顔とすれ違う。
「……」
「……」
金髪で、ウェーブのかかった綺麗な髪の少女、一瞬、チラッと見られたが、壇上に上がっていった。これから、僕はどうなるのだろうか、それは僕にも分からない、けど、
事件が起きるまで、あと少し。