「ふぅ〜っ、さてと、皆さん、見てくれましたか?」
クラスの皆は、まだ状況が把握出来ていなかった。
「剣での戦いは相手の流れを読む、それが初歩の段階。難しいかもしれないけど、身につければ戦いでは味方になる。槍は隙が大きいから、敵の攻撃に合わせるのがいいよ」
「は、ハイセ殿?」
「はい、なんでしょうか?」
「あのような、た、戦いは俺達にはハードだと思うんだが?」
「大丈夫ですよ。僕だってできなかったんです、皆さんにも、先輩方にも是非できるようになって欲しいです」
少年のような屈託のない笑顔で微笑む姿は、子供のようだ。
「そ、そうか。では、座ってくれ」
クライヴに言われた通り、席に戻る。
「じゃあ、後はシャルロット殿に任せようと思う。では」
クライヴが教室を後にする。
「は〜、さすがは光焔の御子、シャルロットさん!そして、やっぱりお強いです、ハイセさん!」
「い、いや、そうでもないよ、ヨシュア君」
「いえいえ、さすがは師匠、感激です!」
「し、師匠って」
ヨシュアが目をハイセを見てキラキラさせている。
「やっぱり強ぇな、お前は」
「オウガ君、いやいや、強くないよ」
金獅子と言われる男、オウガが話しかける。
「鈍ってねぇな?その強さ、また手合わせしてくれよ」
「うん、僕で良かったら」
ハイセとオウガが話していると、ある人物は言った。
「ハイセ〜、肩揉んで〜」
「えっ?」
「おい、お前」
見ると、さっきまでキリッとしていたシャルロットが、表情が砕け、だらしない感じになっていた。
「は〜っ、分かったよ、シャルロットさん」
ハイセは立ち上がり、シャルロットの元に行き、肩を揉み始めた。
「えっ、えっ!?」
驚くヨシュア。その筈、さっきまでのシャルロットとは別人なのだから。
「あっ?なに、ヨシュ坊?」
「いや、シャルロットさ、えっ!?」
「大丈夫だよヨシュア君、これが本来のシャルロット・フィリエ、なんだから」
「そ、そうなんですか?いや、それでも」
「僕は依頼で以前、シャルロットさんとオウガ君とは知り合ったんだけど、その時もこんな感じさ」
「そ、そうだったんですか」
そんなシャルロットは肩揉みが余程気持ちがいいのか、
「あ〜、気持ちいい〜。あ、そこそこ」
等と言っている。
「はぁ〜っ」
今日1番のため息であった。
時間は変わって放課後、ハイセはラーシュの元に向かっていた。
「ラーシュ、って、何あれ?」
よく見ると、サイドテールの女の子が、ラーシュとじゃれ合っていた(女の子が一方的に)
「ちょっと、何やって、って、エクセリアさん?」
「あっ、やっぱりハイセ様でしたか」
エクセリア・クルス、以前ハイセが立ち寄った国のお姫様である。
「っぬ〜、ハイセ、早く」
「うん、エクセリアさん、そろそろ」
「あっ、申し訳ありません」
「いえいえ」
「あっ、あの、ハイs「姫さまー!」あっ、ゲオルグ!」
凄い勢いで走ってくる男が現れた。
「姫様、ここにお出ででしたか。む、君は、ハイセ殿、お久しぶりですな」
「うん、お久しぶり、ゲオルグさん」
ゲオルグ・ランディル、エクセリア同様、竜の国で知り合った人物である。
「竜の国以来ですな、ハイセ殿。先程の戦い、見ていたぞ」
「あっ、そうなんですか?」
「ああっ、黒い竜の背に立つ灰色の男。そして、雷を自由自在に扱う剣、そして、黒い槍が放つ地面からの攻撃、龍狩りが攻めて来た時、ハイセ殿が救ってくれた状況と同じだった」
「そんな大袈裟な、別に、助けたいから助けただけで」
「我が王も感謝していた。あの時は既に国を去っていたから礼をいえなんだが、礼を言わせてもらう。感謝する」
「竜の国の姫として、感謝します」
2人は頭を下げる。ハイセは慌てて、
「わ、分かりましたから、お2人共、顔をあげてください」
「むっ、そうか。姫様も」
「はい、それでハイセ様」
「はい、なんでしょうか?」
「この竜に乗って見たいのですが、ダメ、でしょうか?」
「ラーシュにですか?いいですよ?」
「おい、主」
「まぁまぁ、乗って見たいって言っているし、良いでしょ?」
「っぬ〜、分かった」
渋々、といった感じでラーシュは承諾をする。
「ありがとう、ラーシュちゃん!」
「ら、ラーシュちゃん!?我をそんな可愛い感じで呼ぶな!」
「ら、ラーシュ、ちゃん、ブフォ!?」
「主ーーー!?」
笑うハイセと、怒る黒竜の図、それは、信頼し合っている親友の様な感じだった。
「主も乗れ、乗らなければ乗らせんぞ」
「分かったよ、エクセリアさん、ほら」
「はい、では」
ラーシュの背に乗る2人、準備が整う。
「では、行ってきますね、ゲオルグ」
「お気を付けて、姫様、ハイセ殿」
「うん、ラーシュ!」
「任された!主よ!」
黒竜が羽ばたく。勢いよく飛ぶと、アラマキ島の全てを周り始めた。
「うわー!凄いです、ハイセ様!」
「そうですか?エクセリアさんだって、白い竜に乗ってたじゃないですか」
「ラピュセルとはまた違った乗り心地なのです」
「そうですか、ラーシュ!降りるよ」
「了解した」
ラーシュが滑空し、地面に降り立つ。
「はぁ〜っ、ありがとうございました、ハイセ様」
「いえいえ」
「姫様、大丈夫でしたか?」
「えぇ、とても良かったわ」
2人が話している、姫と主従の場など滅多には見られないだろう。
「さて、ラーシュともあったし、そろそr『ハイセ』!?」
「どうした、ハイセ殿?」
「う、うぅん何もないよ、じゃあね!」
「あっ、ハイセ殿!」
「はぁっ、はぁっ、クソッ!」
不意に聞こえた声、夢で語りかける、あの声と同じもの。
「はぁっ、何で、こんな時に」
「おい、ハイセ」
「っ、バイパー、さん?」
マフラーで口を隠した男が話しかける。
「これを、カティアから預かっている」
「これ、Rc抑制剤。ありがとうございます」
「あの時の1件で、お前の事情は知っているが、無理はするな」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあな」
男は去っていく。
「やっぱり、この世界は、悲劇だ」
ビキッ!
最後のは、東京喰種呼んでいる人なら分かるんじゃないかな?