『-君もだろ?』
「…え?」
『君だって今までの奴と一緒だ』
『目の前に転がっている自分の存在価値にただ飛びついている』
『そうしないと自分を保てない』
『いずれ』
『使えなくなるか壊れるかしてしまえば』
『お払い箱だっていうのにさ』
『ねえ?』
『ハイセ』
ハイセside
「……ッ」
「…………………………」
「……寝てたのか…」
『また"いつもの"か…』
『疲れてるのかな…。でも今は頑張り時だ』
…この世界には、喰種という個体が生息している。群集に紛れ、人を狩り、その死肉を喰す存在。喰種は人を喰べる。その為、その喰種を駆逐する依頼もある。
だが、喰種は、赫子という捕食器官がある。それは喰種の強さを象徴し、また、赫子には傷が入れられない。
鋼のような強度の硬さ。普通の武器では傷が入らない。肉体にも、赫子にも。
そして開発されたのが、クインケ、僕のナルカミとIXAが該当する。
今でこそ普及したありふれた武器だが、クインケにも強さが存在する。
レートが高い喰種から作られるクインケは、とてつもなく強い。反面、扱いづらいのが特徴、だけど、訓練次第じゃとてつもない味方となる。
今僕が見ている依頼書、Sレート喰種、バード、鳥のようなマスクをつけ、四種類ある内の赫子、羽赫を使うとのこと。
「…にしても、これは」
そう、一言で纏めると、"可笑しい"のだ。人間は襲わず、しかも助けるのだ。挙句の果には、同胞、喰種を殺し、喰らうのだ。
「バードを助けて下さい、って依頼もあるし、どうしたものか」
「おっさん、船って出せるか?」
「おう、構わないぜ?何処までだ?」
「アラマキ島まで頼む」
「う〜ん、いい朝だね、日射しが気持ちいいよ」
おじいちゃんみたいなことをいっているハイセ。寮を出て、校門前まで辿り着く。そこで、不意に話しかけられる。
「おはようございます♪ハイセ様、今日もいい朝ですね♪」
「あっ、ソフィさん、おはようございます」
ペコリ、と頭を下げ、挨拶を返す。
彼女はソフィ・R・ファルク、氷の国の王女様で、以前、立ち寄った時に、ある2人と1匹で、氷の国の事件を解決した時に知り合ったのだ。
「お久しぶりです、ハイセ様」
「えぇ、氷の国の時依頼ですね」
等、他愛もない話をして、下駄箱付近に近づくと、ある人がいた。
「あれ、君は」
「えっ、あっ」
「あら?あなたは……?見学生の方でしたよね?」
「…………」
ソフィが話しかけるも、少女は話さない。
「うふふ♪おはようございます♪」
「…………」
だが少女は走り去っていってしまった。
「あっ……」
「何か、あったのかな」
「みんな、おはよう!早速だが、まずは文化祭の出し物を決めよう!」
「ほんとにやるの?私たち、入学したばかりなんだけど?」
黒く長い髪が特徴の少女、カスミ・アサミヤが不満をぶつける
「不満はわかる。だが、学長が決定したことだ。やるしかないだろう!」
「……チッ……」
「ん?」
クライヴは、一瞬聞こえた、シャルロットの舌打ちに、疑問を感じる。
「クライヴ先輩、オウガさんがいません」
「なに!?」
「ガレアさんと、エシリアちゃんも来てません〜」
「あら?バイクがあったような気がしたけど……」
カズノコ組の人たちは、いわば気分屋である。だからこういうことが起こってしまう。それに対しクライヴは、
「なんてことだ……!風紀が乱れている!」
「ちょっと探しに行ってきます!」
「あたしも!」
「あっ、じゃあ私も」
「あっ、おい!」
かなりの人数が教室から探しに行ってしまった。
「…………」
「……?」
「僕はオウガさんを探しに行ってきますね」
「ハイセ殿!?いや、しかし……」
「大丈夫です、検討はついてますから」
「そっ、そうなのか?」
「えぇ、ライオンは高いところが好きなんです。ですから」
「やっぱりいた、オウガ君」
案外あっさり見つかったオウガである。
「………お前らか…」
「……あのさー……」
「……なんだ?」
「困るんだけど、あたしが」
「えっ?」
「…………」
「教室戻ってくんない?」
「……オマエ……」
「あ?」
「……ま、いいぜ、貸しだかんな」
「こんくれーでせけーこと言ってんじゃねーっつの」
「ははは……」
なんともいえない雰囲気である。
「だけど」
「あ?」
「え?」
「ハイセ、俺と戦え」
「えっ、えっ!?」
「聞こえなかったのか?俺と戦え」
「なんで?」
「そうだよ、オウガ君。なんで僕が君t「あんときの続きだよ」…なるほど」
「え?なんかあったの、あんたら?」
「ルクサントのあの1件の時に、ね?」
「あん時、テメェは本気じゃ、なかった」
「オレは、全力だった。あん時、テメェの凄さを実感したよ」
「で、でもあの時h「分かってるよ、そんくらい」だったら」
「全力じゃねぇテメェは、シャルを助け、あのキザ野郎を負かした」
「……」
「テメェの事情も分かってる、だが、オレはその後での再戦がしたい。全力のオマエとな」
「……分かった。今、戦うの?」
「……あぁ、今だよ」
「本当に、後悔しないんだね?」
「あぁ、来な」
「じゃあ、行くよ!」
ハイセが駆け出し、オウガに上段後ろ回し蹴りを放つ。
「けっ、流石、だな!」
が、オウガはハイセの足を掴み、ハイセを叩きつけようとする。
「っ、せい!」
「っち、クソが!」
ハイセが地面に叩きつけられる直前、手を地面につけ、足の力だけでオウガを投げ飛ばす。仮にもオウガは身長も高い、体重だって、だがそれをハイセはやってのけた。
「あ〜、かったりぃから本気でいくわ」
「えっ?」
ドゴォ!!
「が、はっ!?」
オウガは地面を踏み抜き、一瞬で間合いを詰め、ハイセの腹を殴る。
「ぐっ、はぁっ、っらぁ!」
「おっと」
「(早い、僕も全力で!)」
「ふっ、はっ!」
「遅ぇ!」
「ぐぁ!」
「おい、本気で来いよ。舐めきってんじゃねぇぞ!」
「(…力を使いたくない。だけど、やるしか!)」
瞬間、ハイセの目が赤くなる。
「っ、うるぁ!」
オウガが目を見た瞬間、拳を振り抜く。
「遅いよ、オウガ君」
「んな、ぐぁ!」
ドガァン!!!
ハイセがオウガの後ろに一瞬で間合い詰め、オウガの頭を踵落としを決める。
「オウガ君、そろそろ決めさせてもr「はい、その決闘中止ー」えっ?」
見ると、赫子を発動させた喰種がいた。
「君、は、まさか!」
「痛ってぇ、知ってんのか?」
「うん、Sレート喰種、バード!」
「おぉ!?俺のこと知ってんだ。だったら話が早ぇ」
「ハイセ・ササキ、テメェを殺す」