遅くなりました!
そして、あけましておめでとうございます!
オルガマリーside
……風が髪を撫でる感触を感じて少しずつ意識が覚醒して来る。
そして感じる首の下からの重みが厳密には胸の辺りからだと気が付くのにあまり時間が掛からなかった。
(確か、重傷のマシュを吉井と二人で見ていて…それで…それでどうしたっけ?)
自分のさっきまでの事を思い出したオルガマリーはさっと、目を開け、起き上がろうとして…出来なかった。
(…さっきから感じる胸から下の重みって一体?)
そっと、周りを見ると、荒廃した街並み瓦礫が辺りに散らばり、場所によっては火の手が上がっている。
これから先の自分の状態に少し覚悟を決めて、視線を下の方へ向けて見る…そこには、マシュ同様に瓦礫が…………
…………瓦礫があるわけでもなく、何処ぞの
(………………ッ!)
恐らく、レイシフトの際に自分と同じく気を失ったのだろうと思うけど…思うけど、だからといって自分の胸を枕にしているのはどうかと思う。
普通じゃない状況、自分の胸で寝ている
「いつまで人の胸の上で寝ているの!とっとと起きなさいこのバカーッ!」
「ゴフっ!ギャッン!」
魔力で強化した手足で全力で殴って浮かせて蹴り飛ばしても問題は無いはず…よね?
気絶していた所をオルガマリーさんに強烈な起こし方をされた僕は今…土下座をしていました。
「申し訳ございません!」
「爆発から私を守ったのは構いませんわ。あの状況では致し方ありませんもの。初のレイシフトで気を失うのも仕方がありませんわ。私も失いましたし。何より、通常のレイシフトとは状況が違いました。」
しかしと、オルガマリーさんは続ける。
「私の胸の上で寝るとは良い度胸をしていますわね。」
ゴゴゴッ!っとオルガマリーさんの後から阿修羅像が見えそうな位の怒気が全身から発せられていた。
「で、何か言うことは?」
ヤバイ、言葉を間違えたら殺さる!
「え、えーと…
「……………。」
オルガマリーさんの目が冷ややかになったのを視線で感じた。
今、自分で自分を殴りたいと思った。
チラッと目線を上に上げてオルガマリーさんを見る。
予想通り、怒ってい…なく、寧ろ恐怖で青ざめていた。しかも、僕ではなく、その後の方を見て。
僕も背後を振り返って見て見ると、そこにはガイコツ?の軍勢がカタカタと音を鳴らしながらこちらへ近ずいていた。
「……わよ」
オルガマリーさんの口から微かに声が出る。
「逃げるわよ吉井!」
言うが早いか、オルガマリーさんは僕の背後首の襟を掴むと物凄い力で引っ張りながら走り出す。
「グエッ!オ、オルガマリーさん!走れます!走れますから襟離して!締まってる!締まっているから!」