少ないですが、ジャンヌ登場です!
ババァ長に連れられ(連行され)着いたのは体育館の入口だった。
「さてと、アンタら4人はここで待ってな。坂本、土屋付いてきな。」
「どういう事だババァ?」
「そうですよ!私達だって見たいです!」
「被害を最小限に抑える為さね。前見たいに召喚獣が暴走したりしたら危険だろう?今この学園に召喚獣を召喚出来るのは被験者の吉井だけ。唯一西村先生が生身で対抗出来る位。」
「…そもそも、生身で対抗出来る時点で可笑しい。」
ムッツリーニの言う通りだと思う。
前の強化合宿の時には散々な目に合ったし。
「…なぜ雄二達だけ?」
「この2人は吉井のサポートだよ。実験の後の経過観察の一部や行動の補助をするには事情を知っている方が色々と楽だからさね。」
確かに、事情を知っているか知らないかでサポートのし安さも違うし。
…遠回しに何か起きるって言ってない?
「それじゃあ、高橋先生。入口を頼むよ。西村先生とジャリ共は付いてきな。」
「「分かりました。」」
「は〜い。」
「ったく、しゃーねーな。」
「………」
「何故、また儂を女扱い…」
秀吉が膝を付いて項垂れる。
何言ってるのさ、秀吉は第3の性別『秀吉』でしょ?
ババァ長と鉄人に連れられ、体育館の中に入ると、そこはいつもの体育館では無かった。
窓という窓は全部暗幕を閉められ、厳重にガムテープで塞がれているので、一切の光も入らず、真っ暗闇だった。
しかし、そんな中でただ1箇所だけ明るい場所がある。
体育館の中心に怪しく光る魔方陣らしき模様がそこにあった。
「吉井、そこにある魔法陣の中に入りな。」
「えっと、入らないとダメですか?」
「当たり前さね、アンタが入らないと実験は始まらないだろう。」
「明久、とっとと入れ」
「……早くしろ」
「2人はいいよね!何もしなくていいから言うだけで!」
すると、今まで黙っていた鉄人が低い声で
「…吉井、早くしろ。(バキバキ)」
「くっ!僕に味方は居ないのか!」
鉄人が指の関節を鳴らし始めた所で身の危険を感じ、抵抗を諦めた。
渋々と妖しく光る魔法陣の中心に立つと、少し輝きが増した気がする。
「吉井、これを持ちな。」
と言って、ババア長が渡したのは古びた旗だった。
「これは?」
「古文書によれば、歴史上の偉人に縁のある物を供えれば、成功率が上がるらしいさね。序にそれは百年戦争の英雄が掲げていたと言われている曰く付きの旗らしい。」
「百年戦争の英雄と言えば、ジャンヌ・ダルクやジル・ド・レ、ラ・イールとかですよね?」
僕がテスト以来得意科目となりつつある世界史に出て来た3人を挙げる。
この3人は百年戦争でかなり有名でよくゲームに出たりするから自然と覚えるし。
「ふむ、吉井も少しは出来る様になったな。それ位伸びるなら次のテストにも期待出来るな。」
珍しく僕を褒める鉄人。…明日は槍が降るかも知れない。
「ほら、無駄話はそこまでさね。クソジャリ、とっとと始めな。召喚のワードは普段通りで構わないよ。」
「え?良いんですか?何か呪文とかあったりするんじゃ…」
「どうせ、アンタに教えた所で碌に覚えれないだろに」
うっ、確かにババァ長の言う通りだから何も言い返せない…。
「分かりました。では…召喚《サモン》! 」
元気良く、いつも通りの言葉を唱える。
すると、魔法陣からはいつも見たいな幾何学模様は無く、ただ光が強くなるだけだった。
「ちょっ、ババァ長!これでいいんですか?!」
なんか段々バチバチいってるし!
「分からないさね、それを含めての実験だからね。安心しな死にはしないさ…多分」
「今言った!多分て言った!」
そうこうしている内に光は僕を包み込む。
「おい!明久!」
「だぁぁぁぁ!」
激しい光に飲み込まれた途端、魔法陣の外へ弾き出され、尻餅を着く。
すると、徐々に光は弱くなり、更には魔法陣も縮小していく。
光は人の形へ変わり、魔法陣は人の立ち幅まで狭まると人影へ変わる。
そして、光と魔法陣が消えたそこには、整った顔、紫色の瞳、金髪を後で三つ編みにし、濃紺の布に鎧の一部が付いた服、右手には先程の旗だろうか?が掲げられている。
そして、尻餅をついている僕の目の前に立つと右手を差出したのでその手を握ると、女の子とは思えない力で(姉さんや美波を除いて)起こしてくれる。
「初めましてマスター。サーヴァント・ルーラー 真名ジャンヌ・ダルクです。よろしくお願いします。」
「えっ」
「?えっ?」
僕の口から零れた音に反応するジャンヌ・ダルク?さん。
「えええぇぇぇぇ!」
「ほぅ…」
「……はぁ」
「なる程ね…」
カシャカシャカシャ!
大声を出してびっくりする僕、興味深いといった顔をする雄二、また厄介事か…といった感じでため息を吐く鉄人、結果から何か思い付いた様子のババァ長、カメラで撮影しまくるムッツリーニ…はいつも通りか。
兎に角またとんでもない事巻き込まれた僕だった。
人理管理保障機関 フィニス・カルデア 所長室
「…そう、分かったわ。こちらで何とかするわ。」
そう言ってデスクの上にある電話機に受話器を乗せる彼女は、オルガマリー・アニムスフィア。
人理管理保障機関、フィニス・カルデアの若き所長である。
「新しいマスターが現れた…か。しかも、日本の文月学園とかいう場所に。」
そう呟くと彼女は、また受話器を取るとボタンを押し呼び出しをする。
「私よ、大至急移動手段を用意して。24時間以内に日本の文月学園へ行くわよ。ええ、私自ら行くわ」