久し振りに見る親友(悪友)2人は僕を見るなり片手を上げて答える。
「おっ明久。丁度いい所に来たな。」
「………グットタイミング。」
はて、丁度いい所ってどういう事?
「あれ、明久。この人達は?」
後ろから追い付いて来た立香とちょっと遅れてマシュが来る。
「ああ、2人は僕の友達の霧島雄二と土屋康太ことムッツリーニ」
立香の疑問に対して自己紹介付きで返すと案の定…
「誰が霧島雄二だ! 俺は坂本だ! まだ結婚もしてないしする気もねぇ!」
「………名前と渾名が逆になっている。」
雄二の婿入り後の名字はともかく、ムッツリーニの方が本名より知られてるし今更だと思うんだけどな…。
「そのムッツリーニとは何でしょうか?」
「そう言えばそうだよね? ムッソリーニは知ってるけどさ、それに関係するのかな?」
へ〜さらっとイタリアの指導者の名前が出る辺り、立香は意外と勉強してるんだ。
「ああ、それなんだが。こいつは性に関しては一切の妥協を許さず、1ミリでもスカートが捲られればそこに食い付き、盗撮や盗聴をしてバレても、無表情でそれをひた隠しにするその姿勢から、寡黙なる性職者(ムッツリーニ)の渾名を手に入れたムッツリスケベだからだ。」
「……………(フルフル)」
立香の疑問には雄二が答えるが、言ってる側からムッツリーニは必死に自分がムッツリスケベを否定しようと首を横に振る。
マシュや立香は何と反応して良いか分からないと言った感じの表情を浮かべる。
「へ、へ〜そうなんだ。」
「こ、ここでは見られない変わった趣味なんですね?」
(ん〜ムッツリーニの評価がものすごい勢いで下がってしまったけど、これは自業自得で良いのかな?)
「えっと、霧島くんは何で結婚とかの話が出ているのかな?」
「だから、坂本だと言っただろうが。」
「雄二の場合は霧島さんって言うお金持ちの彼女が居るからだよ。」
「こっちは付き合う何て一言も言ってないのにその気になっているだけだ。」
雄二が髪をガシガシと掻きながら否定するが何かに気が付いたのか、立香はニヤニヤした顔で雄二に近づく。
「坂本君坂本君。ちょっと耳貸して。」
「ああ?なんだよ急に?」
そう言って貸す雄二に立香はコソコソと雄二の耳元で少しばかり喋ると雄二の顔がこれでもかという位に驚いていたが、少しばかり経つと立花に、対して凄みを効かした顔で。
「わかっていると思うが、」
「うん、流石にこれは喋らないよ。私と坂本君との秘密って事で♪」
「ちっ」
よく分からないけど、雄二が立香に秘密を握られたらしい。
立香って意外と頭がいいのかな?
僕がそんな事を思っていると、そう言えばと雄二が話を切り替える。
「明久、お前に渡すもんがあったわ。」
そう言いながらヒョイっと投げられたものを僕は両手でしっかりとキャッチする。
キャッチしたそれは黒色だか白金の腕輪によく似たデザインの腕輪だった。
「雄二…これってババア長から?」
「ああ、そいつは黒金の腕輪とか言って、俺の代理召喚機能の強化発展型らしく、そいつは召喚フィールドを張りながら召喚獣を召喚する事が出来るんだとよ」
「それってもしかして…」
「ああ、魔術の使えない明久の為の自衛手段としてババア長が用意した。」
やっぱりかぁぁぁぁ!
って、待てよ。
自衛って事は危険な時だけで良いんだよね?
「まあ、明久の事だから自分から危険に突っ込みそうだがな。」
「そうなんですか?」
「ハイそこ、黙りなさい!」
雄二が余分な事を言うからマシュが首を傾げる。
「まあまあ。
それじゃあ、私は1度自分のマイルームに行ってみるよ。」
そう言って廊下の先へ進んでいく立香を見た後、雄二達に気になった事を聞く。
「そう言えば、雄二達はファーストミッションの時はどうするの?」
「ああ、俺達はババア長の手伝いだな。俺達もサーヴァントを召喚する為に召喚システムの設置をする予定だ。」
って事は、雄二達も召喚次第僕達と戦うって事か。
「あの、明久さん。所長がお呼びですので中央管制室まで来てくれませんか?」
「え、オルガマリーさんが?」
オルガマリーさんが呼んでいるって何だろう?
…特に呼ばれる様な事して無いけどな……して無いよね?
「じゃあ、行ってくるよ2人共」
「………(こくり)」
「おう」
二人に背を向けて歩き出した所で、「明久!」
大声で雄二に呼ばれたから振り向くと、試召戦争の時の、大事な1局の所で見せる顔で一言。
「気を付けろよ明久、嫌な予感がする」
あの表情を見せる時の雄二が言う言葉は信じる事が出来る。
例えいつも騙されていてもああいう時の雄二の言う言葉は合っているから。
僕は返事をする事なく、ただ右手を上げて答える。
雄二にはこれだけで理解できるから。
マシュside
やっとFGOにおけるメインヒロインの私の側になりました。
え?この作品では違う?作者は何を言っているのでしょうか。
全FGO作品でメインヒロインポジの私は不動です!
…と、言うのは置いて置き、私は2人のやり取りを見ます。
あの2人は不思議です。立香さんとは違う、別の意味で人間らしいです。
あの2人はお互いに罵り合っていましたが、最後のやり取りはお互いに心から信じてないと出来ない様なやり取りだと思いました。
彼らなら、このグランドオーダーを達成できるかもしれません。