歩けばスキルが手に入るチート魔導書を手にしてしまった俺は勝ち組   作:青猫ハマト

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第4話

 えー、私は只今、ドラゴンと対峙しております。

 正直なところめっちゃこわい。

 いくら、ドラゴンキラーな剣を手に入れたとしても、持った本人が強くなる訳ではない。

 たしかに、今までの経験値で相当なレベルアップをしたので本人は多少強くなっている。

 が、ドラゴンを倒せるまでは成長していない。

 それに、本人のステータスが上がっただけであって、精神面については、病弱なものであろう。

 相手のドラゴンは下位種だ。

 そう自分に言い聞かせる。

 そうだ。この剣さえあれば中位種であろうと上位種であろうと、太刀打ちできるのだ。

 そう考えるとかなり、気が安らいだ。

 目の前の敵を見る。

 最下位竜種、アルカディア。

 名前には似合わない実力を持ち、通称雑魚竜と呼ばれるこのモンスターも始めたばかりのルーキーが戦えば勝つことなど不可能に近いだろう。

 

 「......ふう」

 

 剣を構え、敵の隅々を見渡す。

 油断や慢心は事故の元、だ。

 クエストを受ける前に、弱点を調べてある。

 

 右翼と左翼にある金色の大きな水晶。そして、腹の底に隠された、魔力の塊。

 アルカディアが竜種の中でも最下位と呼ばれる理由は狙いやすい水晶だ。

 そこを2、3回叩けば死ぬ。

 

 「よし、やるか」

 

 冷や汗が出る。

 負ける要因など有りはしない......筈だ。

 そして、覚悟を決めて走り出した。

 

 「はっ!」

 

 先ずは水晶をさらに狙いやすくするために脚の片方を切りつけようとする。

 当たれば100倍だ。

 一発で終わる!

 そう考えて、もしもの時ように脚を狙ったのだ。

 剣は狙い通り脚にあたった。

 だが、倒れる気配はない。

 

 「やっぱ、一発じゃ無理だったか?」

 

 まだ、焦る必要はない。

 次は、高く飛んで水晶を狙う。

 水晶の真上まで来ると、真っ直ぐに水晶向かって剣を降り下ろす。

 

 「これで!どうだ...ッ!」

 

 パリンという音と共に水晶が砕ける。

 

 「よし!」

 

 貫いた。弱点に100倍をぶちこんでやったんだ。

 これで終わりだろう。

 そう思った矢先、目の前に爪が現れた。

 

 「......ッ。嘘だろ!」

 

 それをなんとかかわして、思う。

 何故この竜は死なないのか。

 全力を叩きこんでやった筈だ。

 

 当たり所が悪かったのかも知れない。

 もう一度、同じ場所を攻撃する。

 今回はしっかりと中心を貫いた。

 が、まだアルカディアは倒れない。

 そればかりか、アルカディアは隙をついて、爪をつきたてた。

 その爪に当たって驚愕する。

 一気にHPが半分以上もっていかれた。

 たしかに、装備があまりよいものではないのは自負している。

 だが、半分以上減るなど異常だ。

 

 何か不吉なものを感じた。

 それ故に逃げようとする。

 だが、アルカディアは許してくれないようだ。

 唯一の退路を断たれてしまった。

 

 戦うしかない。

 そう感じた。

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