ハイスクールD×D ゴースト×デビルマン HAMELN大戦番外地   作:赤土

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突如として降臨したネタ
本編の更新が遅れているのに何でこんなものが出来るのか


If. カミサマ

時はコカビエルとの戦いまで遡る。

 

「う……嘘よ……神様が……主が……そんな……」

 

「つまらん……一人、脱落した奴がいるな。

 おい、誰でもいいから片付けておけ。その目障りな塵を」

 

「い、いかん! イリナ、しっかりしろ!

 くっ、コカビエル! 根拠のない詭弁はやめてもらおうか!」

 

一際信仰心が強い――思い込みが激しいとも言うが――紫藤イリナが

真っ先にコカビエルの言葉を真に受けてしまう。

ゼノヴィアも動揺しており、詭弁と強がっているがその言葉には焦りが見え隠れしていた。

 

「詭弁……か。お前達と違い、俺は先の大戦を実際に戦い生き抜いてきたんだがな?

 いわば、俺は現場にいたわけだ。たとえ俺の証言が嘘だとしても

 お前達にそれを証明する術はあるまい? 悪魔の証明と言うやつだ。

 それより俺は塵を片付けろ、と言ったんだ。気が利かない連中だな。

 お前達がやらないのならば、俺がやってやろう」

 

「くっ、イリナ! 目を覚ませ、イリナ!!」

 

戦意を失ったイリナをコカビエルは容赦なく狙っている。

ところが、コカビエルの右手に収束するはずのエネルギーは、全く集まらずに霧散している。

聖書の神の影武者――薮田直人がその力でコカビエルの力を封じていたのだ。

 

「……ただ事ではないことは分かります。彼女は私が連れて逃げます。

 私の伝手を通じて、自衛隊をこの場に派兵してもらいます。

 皆さんも、早くここから逃げなさい。いいですね?」

 

「えっ、逃げるって……」

 

有無を言わせぬ態度で、薮田はイリナを逃がすために動き出す。

そして周囲で戦っているメンバーに、退避を促し自身はイリナを連れて逃げ出す。

 

その後、紆余曲折を経て薮田直人の手から駒王警察署(当時)超常事件特命捜査課

(通称:超特捜課)所属の氷上涼巡査によって紫藤イリナは保護された……

 

 

……はずだった。

 

「くっ……悪魔!? この町を統括する悪魔か!?」

 

「私をあのようなものと一緒くたにするな人間風情が!

 あなたのようなただの人間には興味はありません!

 そこに抱えている聖剣使いの少女を置いていきなさい。そうすれば、見逃して差し上げます」

 

悪魔の女性――カテレア・レヴィアタンの提言に対し、氷上は職務上の理由から首を横に振る。

カテレアにしてみれば、下に見ている人間に反抗されたことが酷く腹立たしかった。

その腹いせとばかりに、再び魔力を帯びた黒いオーラが氷上を襲う。

 

「うわああああっ!!」

 

「ふん、所詮は人間。悪魔――それも魔王である私に歯向かうからこうなるのです。

 さて……そこの聖剣使いの人間。いつまで寝ているのかしら?」

 

当時氷上は知らない事であったが、カテレアは禍の団・旧魔王派に所属していた。

そしてコカビエルも、禍の団との繋がりがあったと噂されていた。

あの戦いの一部始終を眺めていたカテレアが、自暴自棄になったイリナを引き抜きにかかったのだ。

 

結果として、人間の氷上に魔王の血筋を引くカテレアと戦えるはずもなく

イリナはカテレアの手に落ちてしまい、そこで神の不在が真実であることを知らされることとなったのだ。

 

――――

 

(神はいない……じゃあ、今まで私がしてきたことは何だったの?

 パパは、私に嘘をついていたの?

 ねぇ……誰か、教えてよ……わかんないよ……)

 

黄昏時の公園の土管に腰掛け、頬杖を突き項垂れているイリナ。

ふと、言葉が漏れる。「神はいない」……と。

 

 

その時であった。

イリナが腰かけている土管から、スーツ姿の男性が奇妙な笑い声とともに現れたのは。

 

「ヴェハハハハハハハッ!! 神はここにいるぞぉ!!」

 

何故か、ファンファーレと共に現れた――様な気がした――その男は

異様なハイテンションで、自らを神と公言して憚らない。

普通であれば、近寄りたくない種類の人間であると言えるのだが。

 

「私の才能が恐ろしい……迷える少女に道を指し示すのも神の役割だからなぁ!

 さぁ迷える少女よ、神の恵みを受けとれぇ!」

 

壮大な言葉と共に取り出されたのは、何の変哲もないぺろぺろキャンディ。

茫然としながらも、イリナはそれを受け取ってなめ始める。

 

「え? あ、あの……ありがとう、ございます……?

 わ、私は紫藤イリナ、あなたは……?」

 

「私か。ある時は幻夢コーポレーション元社長、またある時は仮面ライダーゲンム。

 しかしてその実態は……檀黎斗改め新檀黎斗……いや、この名前ももう古い。

 そう、私は……檀黎斗『神』だ!」

 

呆気に取られているイリナであったが、何故か目の前の人物が本当に神であるような気がしてきた。

 

「あ、あのクロトさん」

 

「檀黎斗神だァ!!」

 

「し、失礼しました! あなたは本当に神様なんですか……?」

 

恐る恐る、黎斗に尋ねるイリナ。それに対する黎斗の反応もまた、変わらぬものであった。

 

「そうだぁ……私こそが神! 神の才能を生まれ持ってきた者だァ!!」

 

イリナの言っている神と、黎斗の言う神に齟齬は確かにあるのだが

目の前で神と公言して憚らない存在に、イリナは何故か心が安らぐものを感じていた。

 

――神はここにいた、と。

 

「イリナ。こんなとこで油売ってないで……って何だこのイカレタおっさん」

 

しかしそこに、イリナを探しにやって来たフリード・セルゼンが現れる。

フリードもまた、普段と変わらぬ態度で黎斗に接したのだが

それは黎斗に対して喧嘩を吹っ掛けているような態度でもあった。

実際、喧嘩を吹っ掛けていたのかもしれないが。

 

「神に対して何たる口の利き方だ! 私はおっさんではなく檀黎斗神だぁぁぁぁぁ!!」

 

「うるせぇ」

 

黎斗に対し、フリードは有無を言わせず持っていた拳銃で撃ち抜く。

これは悪魔用ではなく、警官から強奪した本物、つまり盗品で対人殺傷能力が普通にある代物だ。

そんなもので撃たれれば黎斗のみならずフリードやイリナも普通にダメージを受けるどころか

最悪死に至る。当然、撃たれた黎斗もそのまま地に伏してしまう。

 

「ちょっとフリード!? あなたただの人に対して……」

 

「……おいちょっと待て。これがただの人かよ」

 

何処からともなく響く「GAME OVER」の音声。

そしてどこからともなく現れるカラフルに「CONTINUE」と書かれた紫色の土管。

そこから何事も無かったかのように最初にイリナの前に現れたのと同様のファンファーレを流しながら

黎斗が土管の中から現れたのだ。

 

「神に対して何たる仕打ち……許し難い!」

 

しかし、今度の黎斗の腰には蛍光グリーンのゲーム機のようなバックルに

一昔前のゲームカセットを彷彿とさせるような白と黒の2つの端末らしきものを持っている。

 

「グレードX-0……変身!」

 

ガッチョーン! レベルアァーップ!!

マイティジャンプ! マイティキック! マイティアクショォン……エェーックス!!

 

アガッチャ!

デンジャー! デンジャー! デス・ザ・クライシス! デンジャラスゾンビィ!!

 

「え……!?」

 

「な……!? 神器(セイクリッド・ギア)持ちだとでもいうのかよ!?」

 

「神器? なんだそれは。これは私が開発したゲーマドライバーにライダーガシャット。

 そしてこの姿は仮面ライダーゲンム・ゾンビアクションゲーマー……レベルはX-0。

 神に歯向かったことを後悔させてやるぅ!」

 

「へっ、こいつはイライラがスッキリしそうな相手が来てくれたな!

 来いよ菫色の猛毒蛇(パーピュア・サイドワインダー)! この訳わかんねぇ奴をぶっ潰しちまえ!」

 

フリードは自身の従える魔獣を召喚し、黎斗はゲーマドライバーを用いて仮面ライダーゲンムに変身。

イリナは、現状が把握しきれずにただ茫然としていた。

 

(しかしおかしい。私のライフは残り1だったはず。リセットの出来るクロノスはもう存在しないはず。

 それなのに私のライフが99に戻っていた……どういう事だ?)

 

――これは、ありえたかもしれない

神を自称する男と神に縋る少女の出会いの物語……

 

「コンティニューしてでも、クリアする!」




神降臨。

ミカエルに鞍替えするのと檀黎斗神に鞍替えするのとどっちがいい?(ゲス顔

流石に本編に持ち込めないネタなのでこっちで。
感想へのレス書いていたらふと閃いてしまったので。

檀黎斗神がこっちに来た理由?
クロスゲートがどうにかしたんでしょう(適当

当たり前ですが、二人は檀黎斗神がバグスターだって事を知りませんし
バグスターってもの自体を知りません。

……あれ? 原作でいかれてたフリードがまともに見えるぞ……?

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